WARRANT

 WarrantとはClaimとDataを結ぶ推論・立証過程 (Reasoning=理由付け) です。その方法には様々なものがあります。以下にいくつか紹介しておきます。

A.Motivational Warrant

 人間の価値観・感情に基づく理由付けです。それが一般的、普遍的に受け入れられるものかどうかがポイントになります。
例)

B.Authoritative Warrant

 Dataの信頼性に基づく理由付けです。Warrantは、Dataの信頼性の高さを示すことになります。
例)

C.Substantial Warrant

 Dataから、論理的かつ系統的な推論の下にClaimを導き出す立証方法です。論理性・客観性に主眼をおいているので説得力があります。この中にもいくつか種類があるのでみていきます。

(1)Generalization (一般化・帰納法的推論)
 1つのサンプルが、そのグループの他の全てに当てはまるとして立証する方法で、よくアンケートの利用などで用いられるものです。ポイントはサンプルが典型的か否か、ということです。
例)

(2)Classification (特殊化・演繹法的推論)
 これは上記の逆で、1つのグループに当てはまることは、そのグループを構成する各々の要素にも当てはまるとして立証するものです。Dataの事象がWarrantで示されたグループに属しているかどうか確認するのがよいでしょう。
例)

(3)Analogy(類推)
 ある事象を説明するときに、それと似た事象と比較することで証明しようとするものです。これには2つの種類があります。

a)Literal Analogy (同等比較)
 比較する対象物が同じ種類の場合
例)

b)Figurative Analogy(異質比較)
 比較する対象物が異なった種類の場合。
例)

 これは比喩的類推と呼ばれるように少々不自然さが否めません。Analogyのポイントは「2つの事象に際だった差異は認められない」ということですので、最初から異なったものを比較していることに問題があります。P.D.D.のように客観的・政策的なものにこのFigurative Analogyを用いるときは特に注意が必要です。

(4)Causal Relationship(因果関係)
 1つの事象がもう1つの事象を引き起こすという因果関係による立証方式です。これにも2つの種類があります。

a)Cause to Effect
 ある事象からそれのもたらすであろう影響と結果を導きます。
例)

b)Effect to Cause
 ある事象からその原因を推測するものです。原因がそれ以外にも存在する場合があるので注意しましょう。
例)

(5)Sign Relationship
 ある結果の発生・行為の認容などを何らかの事象から予見・判断する推論です。
例)

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