この物語?は、とあるおばさんが98年の夏、浅草ほおづき市へ行ったお土産に30歳をとっくに過ぎた息子(あっしじゃ!)へ、何故かノコギリクワガタのペアを買ってきてしまったが為に始まった、世にも恐ろしい...などということはありませぬが、ただcoelacanth氏のノコギリクワガタ飼育講座を参考にして、初めてノコの累代飼育にチャレンジしてみただけのお話である。因みにあたしゃ親に虫を買ってもらったのはこれが生まれて初めてである。もちろんそれ以降もない。おそらくこれからも...たぶん...

 それでは、くわ馬鹿99年夏号で予告したとーし(したか?)、数種類の発酵マットによる累代飼育結果を報告するとしよう。尚、ペアリング、採卵および若齢幼虫のしばらくの間の保管などは「ノコギリクワガタ飼育講座」を参考とし、全く同じ方法をとった。

 矢内スペシャル編

 それは、ノコギリの成虫も既に☆彡となり、幼虫の回収もとっくに済ませた98年も12月になろうかとしていたある日の深夜のことであった。ケースの中に成虫の足場として入れて置いた1本のホダ木が気になり割ってみると、7頭もの若齢幼虫が出てきてしまった。ノコってマットだけじゃなく材にも産卵するのね。(^^;;
 予期せぬ7頭もの幼虫が出てきてしまった為、困ったのは飼育マットである。ところが丁度クワ馬鹿98年10月号に掲載された亀有カブト氏の報告文、驚異のマット飼育法で紹介された通称「矢内SP」を試しに作ってみたのがあることに気付き、それをこれまたほったらかしてあったきったねー900ccのマヨビンがまだあったことを思い出し、それを洗って試しに作った矢内SPを瓶詰めして幼虫をセットした。セットし終えたら朝になっていた。まぁよくあることである。
 つまり「ノコにも矢内SPを使用して飼育したら大きくなるのであろうか?」と思って実験的に使用した訳ではなく「試しに作った矢内SPしかないけどノコも問題なく育つであろう」と言うのが本当のところであった。

この時に作成してあった矢内SPのレシピは下記のとおり。

@ ベースマットくぬぎ純太くん(篩にかけずにそのまま使用)
A ナラ材生オガ@に対し容量比で20%強を混入
B 専管ふすま@+Aに対し容量比で4%添加
C 薄力粉@+Aに対し容量比で5%添加
D 水ギュッと握ると団子状になるがすぐにほぐれる程度
 水の添加量は当然ベースマットの含水量で異なるが、この時は@+Aに対し容量比で約9%でした。

 あたしゃそこらで簡単に手に入り、品質もまあまあ安定している(と思う)「くぬぎ純太くん」をよく使用しておりますが、気に入らない点がふたつある。ひとつはたまにめちゃめちゃ粗いのがあるという点。「割り箸を切断したんでねーの?」って思うほどのがありますな。これは見ればわかるので、そういった袋のものは買わなければ良いだけの話である。
 もう一点は、品質には全く関係ないことではあるが、スナック菓子のように袋が綺麗に開いたためしがないという点である。これからマットを仕込もうという時に「スパッ!」といかないとなんとも気分が悪い。そう思われた方はひっじょーに多いのではないだろうか?(^^;;
ついでに書いておくと、あたしゃ「スパッ!」と綺麗に割れない割り箸はもっと嫌いである。




←いっつもこんな感じ。
一度だけでも良いから「スパッ!」っと綺麗に気持ち良く開けてみたいものである。

いかんいかん、いつもながら話が脱線してしまった。

 こうして出来た矢内SPは、マットが粗めであること、水分が少な目であることと生オガを使用していることもあるのか、とても劣化しづらい。半年は余裕でもってしまう。それと亀有カブト氏の報告にもあるとーし、かなりの菌糸が発生し、中には菌糸瓶程ではないが、真っ白になってしまった物もあった。面白かったのでデジカメで撮影をしておいたのだがPCクラッシュ時に消えてしまった。(T_T)

 まず水分少な目の矢内SPにノコギリの幼虫を入れたところ、とにかく食べない。(^^;;
それでも加水することもせずほったらかしておいてみた(面倒臭かっただけだという話もなくもない)。3ヶ月程が経ち、そろそろ餌交換が必要か?と思って見てみると、なんともう蛹室を作っているものもいれば、とっとと蛹化してしまっているものもいた。どいつもこいつも900cc瓶の半分ほどしかマットを食べていない。つまりは全く餌交換の必要のないとっても手間要らずな飼育方法となった。これでは大型は望めないであろう。やはりノコギリクワガタ飼育講座にあるとーし、ノコには水分多目の方が良いようである。

 飼育温度は、冬期は温室に入れておいたため25℃前後。結局孵化から羽化までの飼育温度は22〜26℃といったところであった。



瓶詰めしてから9ヶ月が経過。まだ菌糸が残っている。右の瓶には♀、左の瓶には♂が入っている。
結局幼虫は赤い線から下しか食べなかった。右の瓶では分かりづらいが、瓶の下の方に蛹室が見えると思う。蛹室の中では成虫となったノコがまだ活動もせずにジッとしている。



これは、上の画像の2本の瓶を上から見たところ。カラッカラでしょ?
一応真中には幼虫が潜りやすいようにするためと酸欠予防のため底まで穴を開けておいた。


 飼育結果

 2♂5♀の7頭で、サイズは、♂が64、65mm、♀が35、36、37×2、38mm(奇形)であった。サイズのばらつきは殆どないと言って良いであろう。たったマヨビン900ccの半分程度しか食べなかったのと、おもいっきし水分少な目であったにも関わらず、こんなサイズが出るとは思わなかった。おそらく「ふすま」の効果なのであろう。それと矢内SPに投入した幼虫の孵化時期が全く不明なためハッキリしたことはわからないが、どーも短期間で羽化するように感じる。ただ残念なことに原因不明ながら1♀が、くわ馬鹿99年夏号の「奇形ノコギリクワガタ♀の紹介」で紹介した奇形となってしまった。因みにその個体は9月下旬に☆となりました。わずか4ヶ月弱の寿命でありました。



これら7頭が矢内SPを使用して飼育、羽化したノコギリクワガタ達。
カラカラに乾いたマット&餌交換なしでもここまで育つ!



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