薄力粉+そば粉添加発酵マット編

 続いて薄力粉とそば粉を添加して発酵させたマットでの飼育結果について報告するとしよう。まず何故添加物にそば粉を選んだかという理由であるが、近所のスーパーで粉類を置いてある棚を見ていたところ「各種ビタミンを含み栄養に富む」と書いてあったからだけというひっじょーに単純な理由からである。

この時に作成した発酵マットのレシピは下記のとおり。

@ ベースマットヒラヤママット
A 薄力粉@に対し容量比で1.5%を添加
B そば粉(全層粉)@に対し容量比で1.5%を添加
C 水握ると団子状になる程度
 水の添加量は当然ベースマットの含水量で異なるが、ヒラヤママットは乾燥していたため、この時は@に対し容量比で約27%でした。

 添加物の添加率が低めなのは、それまで製作したマットが添加物が多かったせいか、ことごとく失敗していたためと、そば粉にはたんぱく質や脂質も豊富に含まれているためあんまし入れ過ぎるとまた失敗しそうな気がしたからである。それでも薄力粉以外の物も入れてみたかったのよ。(^^;;
 これが、それまであっしが製作した発酵マットの中で初めて上手く発酵させる事が出来、餌として使用できるなと思ったマットであった。(^^;;

 このマットも900ccのマヨビンに詰めて98年9月中旬に11頭の若齢幼虫を投入。っちゅーか11頭分しかマットがなかったのでありました。(^^;;
まだ他にもノコの幼虫が居たため、瓶詰めした内の8頭には北海道に行って頂き、手元には3頭を残しました。このマットの水分は自分としては多めではありましたが、coelacanth氏からすればオオクワに丁度良い程度だと思われたことでありましょう。
 また余談になりますが、coelacanth氏のノコギリクワガタ飼育講座にあるノコギリ用グチャグチャマットがどの程度のものなのか見てみたかったこともあり、昨年の夏にお邪魔をして実際に見せて頂きました。そのマットの水分の多さと臭いに驚き(もっとも時間が経って、見た目も臭いも殆ど「ヘドロ」となっていた。そんな中でもノコは羽化していた)「あっしにゃ怖くてここまでおもいきって水を加えることは出来ない」と思ったのでありました。
 それではまた話を戻してっと。えーと、幼虫はこのマットを良く食べ、4ヵ月後には餌交換が必要と思うほどになりました。また、やはり水分が多めだとどうしても発酵マットの劣化は早く、99年1月中旬にこの3頭は餌交換を行いました。しかし今まで使用していたものと同じマットを作成していなかったため、お手軽なメーカー製の発酵済マットへと交換しました。容器は同じく900ccのマヨビンです。
 餌交換後の幼虫は、環境が変わってしまったためか、あんまし餌を食べることもなく、そんなに動くこともないまま時は過ぎていったのでありました。また、この餌交換時に体重を測定してみたところ、5g、13g、14gで、2♂1♀であることがわかりました。それとノコギリクワガタ飼育講座の補足に「16gの幼虫は64mm程度の成虫となった(勝手にまとめちゃいました。(^^;;)」とあったので「たいして大きくはならないな」と思いました。

 飼育温度は「矢内スペシャル編」のと同じ場所で飼育していたため、22〜26℃程度であった。

 飼育結果

 やはり2♂1♀だったのでありますが、そのサイズは予想以上だったのでビックリ!蛹の時から「なんか大きそうだな」とは思ってましたが、♀37mm、♂68、71mmとなりました。14gの幼虫が71mmの成虫になったことから、coelacanth氏の16g幼虫は単なる水太りだったのではないかと思われます。現在「業虫上過湿致小」の疑いでcoelacanth氏より事情を聴取しているところであります。(^^;;



これら3頭が薄力粉+そば粉添加発酵マットで飼育、羽化したノコギリクワガタ達。



これがその中でいっちゃん大きい70mmオーバーのノコ。
測り方によっては72mmを超える。
画像をクリックするともちっと大きな画像をご覧頂けます。


 そば粉添加発酵マットの生物化学

 それではここで「月刊むし」にも登場され、この道の専門家である(←ほんとか?(^^;;)宮城県のBAJA氏にご協力いただき、薄力粉+そば粉添加発酵マットを解析してもらおう。
...と思ったが、〆切ギリギリで迷惑だろうからやっぱしやめとこ。(^^;;

 薄力粉とそば粉(全層粉)の成分を見比べてみて違う点といえば、薄力粉よりもそば粉の方が蛋白質が約1.5倍、脂質が約2倍、ビタミンB、Bが約3倍、繊維、鉄が約5倍といったところであろうか。いったいどーして大き目なノコギリクワガタが出たのでありましょーかねぇ...(^^;;

 今年の夏は、採集のためBAJA邸に都合5泊もさせて頂いてしまった。(^^;;
この場を借りてお礼を言わせて頂きたい。ありがとうございました。そして、またヨロシク!(^^;;




Page 1/6 へPage 3/6 へ

Page 2/6