2000年8月13日上程
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雑感

超漢字2を使ってみて

 先週の土曜日に「超漢字2」のバージョンアップ版が届いた。旧バージョンの使い勝手については前に述べたとおりであるが、今回はどのように変わっているのか、使い始めて一週間経っての使い勝手を記してみたい。

搭載文字の拡張と世界文字入力機能

 今回のバージョンアップの目玉の一つが、JIS第3、第4水準の文字の搭載である。収録文字数が増えたということだ。

 最初このことについては、字数が増えたからってそうたいしたことはない、と思っていた。しかし使い込んでいくと、これがなかなかたいした変化なのだ。

 といっても、私が打つ文章で、難しい漢字など使う機会はほどんどない。重大なのは、使える記号が増えたこと、具体的には、丸数字が日本語の記号として使えるようになったことだ。今まではunicodeのコードで使っていたから探すのが不便だった。研修所での文書作成には丸数字やカッコ数字が不可欠なので、このような囲み数字が用意されていると本当に助かる。

縦書き入力、編集はかなり使える

 二番目の特徴は、縦書き文章編集である。

 前のバージョンでは、フリーウェアを使うことによって縦書きの表示はできたが、縦書きの状態での編集や印刷はできなかった。今度のバージョンアップで私が一番注目していた点である。なにしろ、裁判文書は今年中はまだ縦書きなので、今後仕事で使おうとすると縦書き編集、印刷の機能は不可欠なのである(今のところだが)。届いた封筒を開け、CD−ROMを取り出してバージョンアップした後にまず試したのが、この縦書き文章編集機能である。

  本当だ、変換候補も縦書きで出るんだね〜。驚きだ。しかし、禁則印字がぶら下がりがないというのもどうかねえ〜。オンラインの説明書「超漢字2知恵袋」では、追い出しがあればいいというのかもしれないが・・。

 さて、禁則印字についてはとにかくとして、縦書きはやはり使いやすい。しかもこの縦書き文章印刷、やたら入力が早いのだ。すらすら入力できる。今まで、マック版のクラリスワークス4と、ウインドウズ版の一太郎Lite2を使ってきたが、どちらも縦書きで入力するのは非常に遅くなる。一太郎Liteの場合は、表示モードを入力時に横書きにすることによって入力を早めることができるのだが、縦書き状態で入力するのはけっこう大変であった。しかし、この超漢字2は、縦書きの状態での入力も素早くできる。すばらしい。ちなみに、超漢字には、レイアウト表示を無視して表示を早める原稿モード、文章のレイアウトを編集するための詳細モード、印刷状態類似の状態を示す清書モードの三つの表示方法があり、この文章の入力は、原稿モードで行っている。縦書き表示状態でこんなに入力が早いソフトは初めてだ。感動する。ちなみに清書モードでの入力もやってみたが、文章全体が一覧できないという問題はあるものの、入力の速度はさほど遅くならずに済んだ。

 この縦書き文章編集、これまでの基本文章編集の実行付箋を付けることによって横書き文章にも早変わりするのだ。通常の文章編集の付箋と縦書き文章編集の付箋を両方つけておけば、文章を開く(超漢字では、「実行する。」という。)ときに、縦書き横書きどちらで開くか選べるのである。レイアウトがそれぞれについて別々に定めることができるのかどうかは知らないが、なかなか便利な機能である。

日本語入力にちょっと注文

 ところで、縦書きの場合はいいのだが、横書きの場合に公用文書で必要となってくるのが、「,」(コンマ、ポツ)をかな漢字変換モードのままで一発で入力できる機能だ。今の状態だと、いったん英数文字入力にしてからキーを押さなければならないのだが、めんどうである。日本語入力変換プログラムで、「、」(テン)キーを押した場合に出てくる記号がコンマかテンかを選べるようにしてほしいのだ。裁判関係の文章は今までは縦書きだったから「、」しかなくてもよかったが、来年一月から横書きになると、正式には「,」を使うべきこととなる(はずな)ので、この点なんとか配慮してほしいものである。まあ、どこでも誰でもいつでも同じ操作というのがBTRONのコンセプトらしいので、読点の入力を個人個人で変えるようにするのは理念上からも難しいのかも知れないが・・。プログラムをいじればできるという話もあるが、リスクが伴うからねえ・・。

(※ この点については、Alt+「、」で「,」が一発で出るとの御教示をいただきました。Altキーを同時に押すことで、日本語入力モードでも直接英数字を入力できるとのことです。実際にやってみたらその通りでした。教えてくださったやまともさん、どうもありがとうございました。)

 あと、裁判所や、各官公庁で独自に作成、使用している外字などもどんどん取り込んでいければと思う。

インターネット回りも着実に強化

 さて、超漢字は前のバージョンでは、インターネット回りがまだ弱かった。今回、いくつか機能強化されたが、その中で私がうれしかったのは、オフラインの状態で、JISコードで作ったhtmlファイルがきちんと読めるということである。本当にうれしい(ただ、超漢字付属ブラウザで取り込んだものに限られるようだ。)。BTRON関連のサイトでは、フレーム対応がされていないことが残念がられているようだが、その点は私は問題にしていないこと、前に述べたとおりである。

 メーラーについては、まだ問題点は解決されていない。フリーウェアである「Byメール」を使う方向で考えている。

もっと普及を!

 とにかく着実に進歩しているこの超漢字、実売価格も1万円前後とお買い得である(パーソナルメディア社から通信販売で購入すると1万5000円だが・・。)。もっと普及してほしいOSである。

(なお、超漢字の仮身、実身の利用法を、つたないながら画像付きで説明したページを設けた。画像が結構あるけど、よろしければどうぞ。)

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