5000m以上の峠や橋のない川をいくつも越えながらかろうじて車の通れる凸凹道をジープはひた走った。ラダックから3日、デリーからだと足掛け14日。土ぼこりに霞む遙か前方に、白く輝くゴンパ(寺院)が見える。
ザンスカールだ。だが、そこはラダックにもまして、生命の存在を許さないかのような乾ききった茶色の砂漠だった。木というものが全くない山肌は、激しい褶曲を剥き出しにし、生きている地球の絶対的な力を人間に見せつける。
一年にただ一度だけ、信仰のなかに生きる仏尊たちが、現実の姿となって降り立ち、仏の世界を舞い踊る仮面舞踏。村人たちは、一年間この日を待ち続けた。カルシャゴンパ大祭ーそれはまさに静寂の世界から現れた躍動する立体マンダラである。
★ 地図 ザンスカールってどこにあるの? 13.1k
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