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 映画 日記              池田 博明 


これまでの映画日記で扱った作品データベース  映画日記 前回の分  


2018年7月15日以降、2018年12月31日までに見た 外 国 映 画 (洋画)

見た日と場所 作  品              感    想 ・ 梗  概   (池田博明) 
2018年12月4日

DVD 
荒馬と女


MGM
1961
120分 
 脚本アーサー・ミラー、監督ジョン・ヒューストン、白黒作品。モンローとゲーブルの遺作となった。
 自動車修理工グイド(イーライ・ウォーラック)は二度しか乗っていないという新車のへこみの修理を頼まれた。その家で夫との離婚交渉に臨もうとしているロズリン(モンロー)に出会う。ロズリンは知己のイザベル(セルマ・リッター)に離婚調停人を依頼していた。ロズリンは離婚後の身の振り方を考えていなかった。 裁判所前の酒場で、グイドは馴染みのゲイ(クラーク・ゲーブル)にいい女の話をしている。そこへロズリンとイザベルがやってきた。さっそくグイドは自分の別荘にロズリンを誘う。ゲイも一緒だ。別荘が気に入ったロズリンはしばらくネバダに滞在することになる。ゲイは自分の家に誘う。
 翌日、グイドはゲイを野生の馬狩りに誘う。ロデオ会場で仲間を見つけようとする。途中でパース(モンゴメリー・クリフト)に出会う。ロデオを初めて見たロズリンは馬にふり落とされたパースを心配して大騒ぎ。続いてウシに乗ろうとするパースを引き留めようとする。しかし、本人がやろうとしているからとゲイたちは留めない。ロズリンはゲイがレタスを食い荒らすウサギを撃つことも止めさせようとするほどだから、馬を撃つというのはとんでもない話だ。
 脳震盪ぎみのパースとの会話で、ロズリンは流れ弾で亡くなった父親の死後、態度を変えて再婚した母親とうまくいかなかったパースの境遇に共感する。パースは自分の話を聞いてくれたロズリンに感謝する。この作品ではモンロー演ずるロズリンは男たちのカウボーイ的な強さを批判し、弱さに共感する役柄である。
 15頭いると思った野生馬は6頭で、そのうち1頭は仔馬。飛行機でグイドが追いつめ、ゲイたちが縄をかけて捕縛する。次々と捕縛を見せられたロズリンは男たちを「人殺し」と非難する。意気消沈する男たち。グイドはロズリンにゲイを捨てて自分と一緒になってくれと求婚するが、友達を裏切る行為だと断られる。せっかく捕えた馬だったが、パースは縄を解き放ち馬を逃がし始める。いったんパースが逃がした気の荒い雄馬をゲイが再び戦って捕縛する。しかし、捕縛後、ロープを切って馬を逃がす。グイドになぜ馬を放したんだと聞かれて、ゲイは「自分で決めたかったからさ。」と答える。「世の中変わったんだ。こんなことは時代遅れさ。もうやめにする。他の仕事を見つけるさ」とゲイ。ロズリンはゲイを理解し、車に同乗する。

2018年12月1日

DVD 
お熱いのがお好き

MGM
1959
121分 
  脚本・監督ビリー・ワイルダー、共同脚本I.A.L.ダイアモンド。白黒映画(二人の女装に違和感がないように白黒にしたという)。DVDには、トニー・カーチスへのインタビューが収録されている他、バンド・ガールを演じた女性たちのインタビューも収録。アーサー・ミラーとの仲が険悪になってモンローの精神状態は不自然になったと言う。モンローはしょっちゅう遅刻して、撮影を遅らせ、部屋に閉じこもって出てこなかったりしたそうである。女装して逃走を図るトニー・カーチスとジャック・レモンが楽しそうなので、違和感がない。

【参考文献】瀬川裕司『ビリー・ワイルダーのロマンティック・コメディ』(平凡社、2012)より、“ワイルダーがモンローに集中的に<利発ではないヒロイン>を演じさせているということだ。つまり、銀幕のモンローが<セクシーなおばかさん>だという偏ったイメージを観客に刷りこむのに、ワイルダー作品が貢献してしまった面があることは否定できない。
 だがここで真に重要なのは、ワイルダー映画のモンローは、けっして安易に媚びたりしない心の美しい女だということだ。たしかにシュガーは、ヨットのなかでジュニアに熱心にキスするが、それは<治療>目的だったのであり、相手を<誘惑>していたわけではない。『アパートの鍵貸します』の<モンロー似の女>が見せたような、目を薄くあけ、口をとがらせて男性を誘うような動作は、ワイルダー映画のモンローはしないのである。
 モンローはけっして単なる<頭の悪いセックス・シンボル>ではない。世にセックス・シンボルと呼ばれた女優がたくさん存在するなかで、モンローが傑出した輝きを放っているのは、ほかにいくつものすぐれた特性があったからにほかならない。ワイルダー作品のなかのモンローは、たしかにだまされやすく、なんともいえない暗い影をひきずっている。抜け目なく立ち振る舞うことができないために、生まれつきの魅力を十分に生かせず、真の幸福をつかみきれずにいる。しかしだからこそ、彼女たちは聖なる<無垢な存在>となり、邪な心をもった男たちを正道に戻すことができる。圧倒的な外見的魅力を発散しながらそれに無自覚であり、あまりにもピュアな心をもつヒロインは、聖女としてスクリーンに輝くのである。”
2018年11月30日


DVD 
バス停留所


20世紀フォックス
1956
96分
 
 モンタナの牧場からフェニックスのロデオ大会に出場するボールガール・デッカー(ドン・マレー)は酒場の歌姫シェリー(モンロー)を「俺の天使」と一目惚れ。躊躇する暇も与えず、攻勢に口説いて無理やり帰りのバスに乗せる。行きも帰りも停車するバス・ストップは、グレースの店。雪で道路が閉鎖されて足止めをくらった夜、バスの運転手と殴り合いの喧嘩をして負けたボーは、翌朝みんなに謝る。シェリーにも謝罪し、優しい言葉をかけるボーに改めてシェリーは惚れ直す。
 アクターズ・スタジオで演技を学んだモンローの主演だが、わざとらしい、もったいぶった演技が鼻につく作品で不自然。ストーリーも先の読める展開で真剣に見られる作品になっていない。ウィリアム・インジの舞台劇をもとにした、ジョシュア・ローガン監督作品。『七年目の浮気』のアクセルロッドの原作。 
2018年12月4日

DVD 
七年目の浮気

20世紀フォックス
1655
105分 
  ジョージ・アクセルロッドの舞台劇をアクセルロッドとワイルダーで脚色し、ワイルダーが監督した作品。ヘイズ・コードによる検閲で、不貞に関するきわどい台詞のほとんどが削られ、骨抜きになった脚本だったが、モンローの出演で救われたという。モンローはディマジオと結婚したが、地下鉄の撮影などをめぐってディマジオの怒りが爆発、結婚9ケ月で離婚するに至った。
 リチャード役にはウォルター・マッソーも検討されたが、フォックス首脳部は新人のマッソーではなく、舞台で主役を演じていたトム・イーウェルを選んだ。
 ニューヨークに住む亭主族は夏休みに避暑に向かう妻と子供から解放されて浮気を楽しむ境遇を得る。出版社に務めるリチャードもそんな亭主の一人だった。彼のマンションの上階に住む娘(モンロー。役名がThe Girl とされていて、名前が無い)とトマトの植木鉢を落下させた事故をきっかけに、知り合って、不貞の妄想にふける。娘は既婚者ならかえって安心とばかりに天衣無縫の行動をとって、リチャードを翻弄。節度を守っての行動を娘に高く評価されたリチャードは妻子を大切にする価値の意義に気づかせられるのだった。
2018年11月26日

DVD 
恋をしましょう

20世紀フォックス
1960年 
 イヴ・モンタンが大富豪6代目クレマンに扮して、踊り子アマンダ(モンロー)に恋するジョージ・キューカー監督のミュージカル風コメディ。クレマンは自分をコケにする演劇を偵察に稽古場に見学に出向く。「私のハートはパパのもの」を歌って踊るアマンダのセクシーさに惚れ、クレマン役になって芝居に出ることになる。
 クレマン似の初心者と思いこんでいるアマンダはクレマンの金ではなく、素の人間としてつきあうのでクレマンはすっかりアマンダに心を奪われてしまう。いつも一緒のトニー(フランキー・ヴォーン)に勝たなきゃと思ったクレマンはジョークや踊りや歌を一流に教わり、彼女の前で披露する。いよいよ正体を明かすと、彼女はちっとも信じない。彼女に信じさせるために計略を練る羽目になる。徹頭徹尾モンロー中心の映画。 
2018年11月22日

DVD 
ショウほど素敵な商売はない

20世紀フォックス
1954年
117分
  ウォルター・ラング監督、シネマスコープ、アービング・バーリン音楽のミュージカル。モリーとテレンスのドナヒュー夫妻(ダン・ディリー、エセル・マーマン)は、三人の子供、スティーブ(ジョニー・レイ)、ケィティ(ミッツィ・ゲイナー)、ティム(ドナルド・オコンナー)と共に舞台をにぎわしてきた。大恐慌も過ぎ、第一次世界大戦も始まる時代、1930年代、ブロードウェイに進出しようと野心を燃やす歌手ヴィッキー(マリリン・モンロー)に恋するティム、神父になると言うスティーブなど予想外の出来事を乗り超えていく家族の物語。
 歌い踊る主役たちの身のこなしは現代の歌って踊れる歌手たち同様の激しさで、現代のテレビ画面から映画のスクリーンに移ってきたのかと錯覚するほどだった。いまの歌手たちの動きのルーツはブロードウェイにあったのか?!
2018年11月17日


DVD 
紳士は金髪がお好き

20世紀フォックス
1953年 
91分
 ハワード・ホークス監督のコメディ。ブロードウェイのミュージカルを映画化。 モンロー扮するローレライ・リーは結婚相手には億万長者が第一条件という踊り子。相方のドロシー・ジョー(ジェーン・ラッセル)は 見栄えの良い男性が第一条件で、金満家であるかどうかは二の次。リーにぞっこんの億万長者ガス・エドマンズ(トミー・ヌーナン)との結婚式をパリで挙げようと考えていたが、結婚に反対する父親の邪魔が入ってガスはニューヨークに残ることになり、仕方なくガスはドロシーをリーの監視役として旅に同行させることにした。フランス行きの船には、父親が雇った私立探偵アーニー・マローン(エリオット・リード)も乗り込んでいた。
 リーはダイヤモンド鉱山を所有する大富豪のフランシス・“ピギー”・ビークマン卿(チャールズ・コバーン)と知り合い卿もまたリーを気に入ってしまう。リーはたまたまビークマン卿の部屋にいたところを外窓からマローンに写真を撮られてしまう。ドロシーはマローンの正体に気付くと写真のフィルム回収に躍起になり、写真と引き換えにリーは卿から夫人(ノーマ・ヴァルデン)のブルーダイヤ入りのティアラを譲ってもらった。
  パリに着いた二人は高級ブティックで買い物を楽しんだが、ホテルで二人を待ち受けていたのはマローンとティアラを取り戻そうとするビークマン夫人、保険会社の社員。ガスはホテル代の支払いを拒んだため二人はホテルを追い出され、無一文。二人はパリのショーに出演して金を稼ぐことになった。ティアラ窃盗の疑いをかけられたリーは裁判で被告となったが、ティアラは手元から無くなっていた。不品行を怒るガスを懐柔してティアラ代金を出させようというリー。1時間45分はかかるというリーの代りにブロンドに変装してドロシーが裁判に出る。ドロシーは急に踊り子姿を披露したりして判事たちの度肝を抜く。結局、ティアラは卿が取り戻していて彼の手元に戻り、リーは無罪放免。アメリカに帰る船中で仲直りしたガスとリー、ドロシーとマローンの結婚式が行われるのだった。
2018年10月18日


DVD 
ナイアガラ

20世紀フォックス
1953年
92分 
 ヘンリー・ハサウェイ監督。大瀑布ナイアガラの滝のミストを浴びながら、中年の男ルーミス(ジョセフ・コットン)が自分自身へ自信を復活させようと決意している。バンガロー型式のモーテルまで男が帰ってみると、妻ローズ(マリリン・モンロー)は寝たふりをしている。男は女に未練があるが、女のほうは夫を疎ましく思っているという二人の関係性が冒頭で理解できる。この夫婦にからんでくるのが新婚の二人。ポリー(ジーン・ピータース)とレイ(マックス・ショワルター)。滝の見物に行った二人だったが、ポリーは買い物に行ったはずのローズが若い男とキスしているのを目撃してしまう。夜の岸辺ではレコードをかけて若者がダンスを踊る。ローズも登場して「キス・ミー」という甘い恋の歌のレコードをかけさせる。ところが、ルーミスが突然コッテージから出てきてレコードを手で割ってしまう。ポリーはルーミスの手の傷の手当をする。ローズは若い男に夫の殺害を依頼する。翌日、計画通りに夫の行方不明を警察に届け出るローズ。滝の周辺を観覧する道で遺体が見つかるが、死体置き場で遺体を見せられたローズは卒倒してしまう。ポリーたちはローズが夫を亡くしたと思い込んでいるため、ローズたちが使っていたバンガローに移ってまどろんでいるときに、ルーミスが帰って来るので仰天する。死んだのは若い男のほうだったのだ。ルーミスは自分は死んだことにして遠くへ行くと言う。ポリーは自首を薦める。しかし、ルーミスはローズを許すことは出来なかった。
 予告編は白黒だが、本篇はテクニカラー。 
2018年10月12日


DVD 
百万長者と結婚する方法

20世紀フォックス
1953年
  全編シネマスコープが売りのカラー作品。ナナリー・ジョンソンほか脚本、ジーン・ネグレスコ監督。
 シャッツィ(ローレン・バコール)をリーダーに、ポーラ(マリリン・モンロー)、ロコ(ベティ・グレイブル)の三人の美女たちは、大金持ちとの結婚を夢見て、あの手この手の大作戦。低い声で皆をしきるバコール、ド近眼だが眼鏡をかけずに失敗するモンロー、すぐに些細な見世物に惚れてしまうグレイブル。三人三様の恋をする。グレイブルは別荘持ちの妻帯者ワルド(フレッド・クラーク)のバンガローで使用人の森林警備員エベン(ロリー・カルホーン)に惚れる。モンローはアイパッチの実業家メリル(アレクサンダー・ダーシー)を狙うが乗る飛行機を間違えて出会ったアパートの大家フレディ(ディヴィッド・ウエイン)に惚れてしまう。バコールは老実業家ハンリー(ウィリアム・パウェル)と結婚の約束をするが実業家がいったん身を引いたときに繰り返しモーションをかけてきたブルックマン青年(キャメロン・ミッチェル)に惚れてしまう。ブルックマンを修理工だと思い込んでいるが実は彼は大会社の社長。最後にそれが分かって女性たちは卒倒する。
 アルフレッド・ニューマンが管弦楽団を指揮して序曲と終曲を演奏する。
2018年10月11日


DVD 
ノックは無用



20世紀フォックス
1952年
分 
  原作はシャーロット・アームストロング、脚本ダニエル・タラダッシュ、撮影ルシエン・バラード、監督ロイ・ワード・ベーカーのサスペンス。白黒作品。
 バーの歌姫レスリー(アン・バンクロフト)はジェド(リチャード・ウィドマーク)の冷淡さに気づき、別れる決心をした。しかし、ジェドは納得がいかない。不満に思いながらホテルの部屋に戻ったジェドは向いの部屋でブラインドを上げた女ネル(マリリン・モンロー)を見た。窓辺で男に気づいたネルは誘うかのように媚びを売る。ネルは叔父でエレベーター・ボーイのエディ(エリシャ・クックJr)の口利きで田舎から出てきたばかり。最初の仕事がホテルで開催される授賞式に参加する夫婦の娘バニーを子守する役目だった。最初こそ本を読んであげていたネルだったが、早めに子供を寝つかせてからは富豪の夫妻の宝石箱の腕輪やイヤリングをつけたり、ネグリジェを身に付けたり、香水を耳の後ろにつけたりと常軌を逸した行動をとり始める。ジェドも興味本位で相手をしていたものの、次第にネルが死んだ恋人フィリップの面影を自分に投影していることに気づき、距離をとるようになる。ジェドが冷たくなった原因はなかなか寝つかないバニーにあると責任を押し付けるネル。窓から乗り出す娘を押し出そうとするネル・・・隣家の老婆に目撃される。相手をしきれなくなったジェドが立ち去るとネルの怒りは自分の言うことを聞かない娘に向かう。ジェドは帰り支度をしていたレスリーにネルの話をし、様子がおかしかったネルのもとでは娘に危険が迫っていることに気づく。急いで部屋に戻るジェド。ホテルの探偵も駆けつけていた。精神病院を退院していたネルはパイロットだったジェドとの出会いをきっかけに死んだ恋人を思い出し、錯乱していたのだった。
2018年10月10日


DVD 
モンキー・ビジネス 



20世紀フォックス
1952年
97分
  ベン・ヘクト、チャールズ・レドラー、I.A.L.ダイアモンド脚本、ハワード・ホークス監督のコメディ。薬品開発の会社に勤めるバーナビー博士(ケイリー・グラント)は若返りの薬の調合比率に悩んでいるところだった。妻のエドウィン(ジンジャー・ロジャース)は夫の頭が研究でいっぱいの様子を見て、予定していたパーティ参加をやめる心配りを見せる。白黒作品。
 研究室で飼育しているチンパンジーの檻に鍵をかけわすれたため、チンパンジーのダイアナが実験机の上の薬品を混ぜてしまう。水瓶にも薬が混入、知らずに博士は自分を実験台にとその薬を飲み、水も飲んでしまう。すると、博士は若返って二十代の無鉄砲な青年になってしまう。会社を飛び出した博士を探しに出た社長秘書のローレン(マリリン・モンロー)を相手に最新型の車を飛ばすわ、髪型は若作りにするわ、スーツの柄は派手にするわ、存分に遊び回る。しかし、薬が切れると元に戻るのだった。会社社長オクスリー(チャールズ・コバーン)は画期的な薬が出来たと重役たちを招集する。薬の効果をもう一度確認しようと研究室に戻って薬を飲もうとすると、博士の妻が「私を実験に使って」と薬を飲んでしまう。妻は新婚時代の直前に戻ってしまう。過去の恋愛沙汰が思い出されたりして博士と妻の間は大混乱。ホテルの洗濯シュートに落ちた博士のいない夜に、妻は昔の恋人に助けを求めたりしていた。
 若返りで過去を取り戻すよりも、現在の暮らしを充実させようという裏のメッセージが強烈な作品だった。口紅がついた博士の顔を見て、妻は「だれの唇?」「社長秘書のローレンさ」「ああ、あのピンナップガールね」と評する。
2018年8月12日


DVD 
モリエール・コレクション


フランス
2000年
140分



  フランス国立コメディ・フランセーズのIVCモリエール・コレクションより『人間嫌い』(2000年、140分。ジャン=ピエール・ミケル演出):お世辞と社交辞令に拒絶反応を示す若き青年貴族アルセストにオロント侯爵が自作のソネットを評価して欲しいと依頼。アルセストは率直にひどい作品と評価するが、尊厳を傷つけられた侯爵は怒り心頭。二人はセメリーヌに想いを寄せていた。セメリーヌは社交的で、その気のない男性にも媚びを売り、該当者のいない席では悪口を言い合って喜ぶのが習性だtった。そんな彼女に生真面目なアルセストが惚れているのが不思議だった。しかし、彼女の手紙が暴露されて恋人たちの蔭口が公になってしまう。そんななかで彼女への愛を彼は貫けるのだろうか。状況の変化に応じて変わる二人の関係性、嫉妬に狂う感情の表出などが現代的。
 『スカパンの悪だくみ』(1997年、105分。ジャン=ルイ・ブノワ演出」):父親の留守中に偶然出会った娘イアサントと結婚してしまったオクターヴは従者シルベストリと突然帰郷した父親にどう言い訳をするか困っている。オクターヴ夫婦は従者スカパンに解決を頼む。娘の父ジェロントの息子レアンドルもジプシー娘セブリーヌと結婚していた。父親たちは、自分たちが決めた婚約に従わない場合には裁判に訴えるつもりだ。スカパンは裁判は面倒で費用もかかるからと金での解決を提案、それぞれの父から相応の金を出させる。混乱の後、イアサントは実はジェロントの娘、セブリーヌは4歳のときに誘拐されたアルガントの娘だったことが分かる。スカパンのウソをみなは許そうと言うが、袋叩きにあったジェロントは許そうとしない。スカパンは金づちが頭に当って割れて瀕死だという状況を作り、ジェロントの許しを得る。ハッピーエンドのようだが、スカパンの立場からすると彼はまるで報われていない。小田原城内高等学校の演劇鑑賞教室で見たことがあるのだが、内容をまったく失念していた。
2018年8月9日

DVD 
さすらいのカウボーイ

ユニバーサル
1971/2001
91分
  ピーター・フォンダ製作・主演・監督。『イージー・ライダー』を期待した観客を裏切る、アクションの少ない西部劇で不本意な形で公開され、評価も良くなかった作品。フランク・マゾラの再編集版により蘇ったディレクターズ・カット版で2001年に公開。作品の真価が認められ、傑作と評価されるようになった。撮影のヴィルモス・ジグモンドの劇場映画初撮影監督作品。
 西海岸へ向かう三人の男がいた。若いダン(ロバート・プラト)、7年間旅を一緒にしてきたハリー(ピーター・フォンダ)とアーチー(ウォーレン・オーツ)。ハリーは旅をやめて、以前結婚していた妻の家に戻って暮らしたいと思っている。そんな旅の途中で立ち寄った町でダンの馬が悪漢たちの興味を引いてしまう。夜、酒場へ出かけて帰りが遅いダンの身を案じて町へ出向いたハリーたちは銃声を耳にする。酒場へ倒れ込んできたのはダンだった。サム(スヴァーン・ダーデン)の妻に暴行しようとしたという。ズボンを半分おろして撃たれたダンの姿を見てはサムの言い分を受け入れるしかなかった。二人はダンを埋葬した後、ダンの馬がサムの牧場で囲われているのを連れ出し、彼らに脅しの銃弾を撃ち込み、サムの足を撃ってダンの復讐を遂げるのだった。
 さらに川の近くのコリンズ未亡人ハンナ(ヴェルナ・ブルーム)の家がハリーのホームだった。7年ぶりに帰ってきたハリーに驚くハンナ。娘のジェーンには父親は死んだと教えていた。また立ち去っていくのではないかという不安から、二人を納屋に泊めるハンナ。真剣に働くことで定住への意欲を理解してもらおうとするハリー。
 町でアーチーはハンナは使用人と寝ているという噂を耳にする。それを聞いたハリーはその夜、ハンナに噂が本当かどうかを確認する。ハンナは夫を失った不安から使用人と寝たことを肯定する。すべてを受け入れて定住を決意するハリーは町へ出て「使用人不要」のはり紙を出す。さっそくソレンセン夫人がハンナのもとを尋ね、夫の様子を偵察に来る。アーチーは自分の存在が二人の関係の邪魔になると感じ、農場を去る決心をする。
 アーチーが去った夜、二人はベッドを共にするのだった。
 しばらくして、アーチーがサムたちに捕まった、伝令は切り落とした指を届けに来た。ハリーが来ないと指を切り落としていくという。ハンナに止められるが、ハリーはアーチーのために家を出て決闘の場所へ赴くのだった。
 ハリーが着く直前に、アーチーはサムにいじめられているメキシカン(リタ・ロジャース)から牢屋の錠をはずしてもらっていた。激しい銃撃戦でハリーは倒れた。ハリーの臨終の言葉は「(アーチーに)抱いてくれ Hold me」だった。
 家に戻ってきたのは、アーチーだった。彼は納屋へ入る。

 ピーター・フォンダは男たち三人にハリー=「迷い」、アーチー=「叡智 Wisdom 」、ダン=「純真さ Innocence」という表象を与えていた。真の主役はハンナとアーチーだと説明していた。原題の「The Hired Hand 」は農場労働者、作男のこと。字幕の訳は使用人。『ラストラン 殺しの一匹狼』を書いたアラン・シャープの脚本。シャープはこの後、『ワイルド・アパッチ』を書く。
2018年7月31日

DVD 
名探偵モンク


タッチストーンTV
ユニバーサル
2004年
各47分
 
 もと刑事のモンク(トニー・シャループ)は事件記者だった妻トルーディが殺害された事件以後、極度の強迫
観念にとらわれてしまっている。潔癖症や高所恐怖症など数々の神経症を克服すべく悪戦苦闘しながらサンフランシスコ警察のコンサルタントとして難事件の解決に当る。彼を支えるのは看護士シャローナ(ビティ・シュラム)は男の児ひとりを育てるシングルマザー。ホームズ並みのモンクの能力を認めながらも仲間の警官を助けるために拳銃が撃てるかという精神的なタフネスに自信が持てないためにモンクの復職を躊躇する上司リーランド(テッド・レヴィン)。
 第1話「狙われた市長候補 Mr.Monk and the Candidate: Part 1 and 2」市長選挙戦のさなか、市長候補が狙撃されたが、殉職したのはガードマンだった。別のホテルで起きた殺人事件との共通性を指摘するモンクの推理は意外な黒幕の犯人を指摘する。IMDb 8.5
 第2話「第一発見者は超能力者 Mr.Monk and the Psychic 」警察の部長が邪魔になった妻を自動車事故に偽装して殺した。超能力者の女性に事故車を発見させるのにどんな手を使ったのかが、なかなかわからない。IMDb 7.8
 第3話「復讐殺人はベッドルームで Mr.Monk Meets Dale the Whale」女性判事が殺されたが、犯人と指摘された男は太りすぎで寝室から出られない人物だった。共犯者はいるのだろうか。IMDb 7.8
 第4話「陰謀の観覧車 Mr.Monk Goes to the Carnival」ベテラン刑事カールはLSDの取引を持ちかけた青年を観覧車で刺した罪に問われた。ちょうど暴力で自白を強要した疑いでストークス裁判を係争中だったが。IMDb 7.8
 第5話「重要参考人:サンタクロース Mr.Monk Goes to the Asylum」自分の部屋だと思い込んで他人の部屋に侵入してしまったモンク、48時間の精神病院への入院になってしまう。数ケ月前、副院長が撃たれる事件が起きていた。患者として制限がつけられるモンク、絶対絶命に陥る。IMDb 8.0
 第6話「億万長者の殺し方 Mr.Monk and the Billionaire Mugger」強盗を働いて拳銃で撃たれた男はコンピュータ会社の社長ディールだった。なに不自由ないはずのディールがなぜ突然強盗などを働いたのか。IMDb の評価7.9
 第7話「殺人現場で生まれる恋 Mr.Monk and the Other Woman」 事務所で弁護士が刺殺された。忘れ物を取りに戻った秘書も殺された。犯人が抜き取った個人ファイルが燃やされていた。容疑はその男にかかる、男はガレージの件で隣りの女性ともめていた。その女性はモンクに亡き妻を思い出させた。容疑者の男が殺されてその女性に疑いがかかる。IMDbの評価 8.2
 第8話「完全アリバイを崩せ Mr.Monk and the Marathon Man」家具屋の社長の愛人が絞殺されビルから投げ落とされた。容疑者は当日行われたマラソン大会に参加していた。コンピュータ・チップで走り具合は記録されていた。鉄壁のアリバイがある。 IMDbの評価 7.8。
 第9話「消えた証拠死体 Mr.Monk Takes a Vacation」 海辺から望遠鏡でホテルを見ていた少年は女の人が刺殺される現場を目撃してしまう。モンクは女性警護員と一緒に部屋を捜索するが部屋はきれいな状態で殺人の証拠はない。IMDbの評価 8.2
 第10話「大地震のち殺人 Mr.Monk and the Earthquake」大きな地震が来たのをこれ幸いの機会とばかりに資産家の亭主を殴り殺した若き妻。彼女にはオーストラリアの記者という恋人がいた。記者は地震時に夫が電話していたシャローナに接近する。 IMDbの評価 7.8。
 第11話「盲目の目撃者 Mr.Monk and the Red-Headed Stranger」ウィリー・ネルソンのマネージャー、ソニーが撃たれて殺された。路地での目撃者マースは盲目だった。銃声の後、彼女を脅した声はウィリーの声だったと証言する。C&Wの歌手ウィリーのファンでもあるモンクはウィリー犯人説を信じない。 IMDbの評価 79。
 第12話「完全犯罪へのカウントダウンMr.Monk and the Airplane」 伯母のところへ行くことになったシャローナ。彼女に付いて初めて飛行機に乗ることになった。モンクは妻を殺したと思われる男に注目する。乗る前には背伸びして夫にキスしていた妻が搭乗後には背伸びしていなかったのがきっかけだった。IMDbの評価 8.4

2018 年7月30日


DVD
女だけの都

フランス
1935年
109分 
 17世紀フランドル地方の町長は娘シスカを助役の肉屋にやると約束してしまったが、実はシスカは画家ジョン・ブリューゲルとの結婚を夢見ていたから大変。母親は娘の味方だが。そんなときスペイン兵のオリバーレス公率いる一師団が町を通ることになる。町役場の幹部の男たちは暴行狼藉の限りをつくすスペイン軍の噂におびえるが、なすすべもない。町長の妻は女たちを集めて兵隊たちを歓待する作戦を呼びかける。町長は直前に死んだことにされる。侵入してきたスペイン兵たちは礼儀を尽くしたふるまいで、町の女性たちと丁寧に応対する。個室に案内された士官は案内嬢と一夜を共にする例も少なくない。翌朝、太鼓の音とともに兵士たちは町を出発。町は公爵からの恩恵も受けた。町長の妻は町長の尽力と夫を持ち上げる。監督はジャック・フェデー。町長の妻はフェデー監督の妻フランソワーズ・ロゼー。
2018年7月28日


DVD 
夜も昼も

USA
1946年
128分 
  アメリカの作曲家コール・ポーターの半生を描く音楽伝記映画。エール大学で弁護士資格を目指すことを期待されていたポーター(ケーリー・グラント)は、法律の勉強は自分に合わないと作曲家を志す。作曲の才能を認めた教授はショーの開催の製作も引き受ける。初日の曲の評判は上々だったが、ルシタニア号沈没のニュースが入って、ショーは打ち切りに。第一次世界大戦で戦場で脚を負傷したポーターは従軍看護婦をしていたリンダと再会する。リンダとはポーターの節目で別れたり、再会したりを繰り返す。ショーの舞台も次々と紹介される。全編コール・ポーターの曲が流れる。
2018年7月27日


DVD 
マンハッタンの二人の男

コロムビア
1958年
84分
  古山敏幸『映画伝説 ジャン=ピエール・メルヴィル』(フィルムアート社)およびルイ・ノゲイラ『サムライ』(晶文社)より、“フランスの通信社のニューヨーク支局に努めているモローは、夜の街を熟知しているベテラン記者。上司から国連総会に出席せず、連絡も取れなくなったフランス代表ベルティエの行方をつかめとの命令を受けて、夜のマンハッタンに出ていく。
 写真家デルマスは、モローが頼みとする相棒のカメラマン。女と寝ていたところをモローに起こされて調査に同行する。二人はフランス代表が懇意にしていた女たち、女優ジュディス、歌手ヴァージニア、高級娼婦グローリア、踊り子ベッシーを次々に訪ねて、失踪の原因を探る。
 夜が明ける頃、ついに真相が判明する。ジュディスが自殺を図り、病院へ運ばれたとのラジオ・ニュースが流れる。病室に入り、ベルティエがジュディスの部屋で心臓発作のため死亡していたことを聞き出す。若いデルマスは、このスキャンダルを写真に撮って金に換えようとする。ソファーで倒れていた代表を愛人のベッドに移して写真を撮る。戦中派のモローにとって、それは許せない行為だ。通信社の支社長は、レジスタンスの闘士だった故人の名誉をスキャンダルから守るために、この事実を隠避するよう指示する。二人の友情は決裂する。明け方のバーでモローのパンチを浴び、ベルティエの娘アンヌの涙に濡れた瞳を見たデルマスは、下水にネがを捨てて歩きだすのだった。”
 “フランス代表が国連総会を欠席したことが、通信社の記者が徹夜で探究するような仕事だろうか、設定そのものがいささか弱い。加えて対独レジスタンスの話が、いかにも唐突に出てくるのが、この映画の欠点だろう。
 ゴダールは、1959年度ベストテンの2位に『マンハッタンの二人の男』を選んだ。”(古山より)
 日本以外ではDVDが発売されていない。記者モロー役をメルヴィル本人が演じている。
 メルヴィルの回想・・・“58年の夏のある日、私はグラッセとアラス通りの<セルティク>に行って『アスファルト・ジャングル』を何度も見るんだ。上映の最中にグラッセはこう叫ぶ。「見ろ! 君のセットだ!」。それは本当だった。ランプ、ソファー、大きな窓、金属製のヴェネチアン・ブラインドとか、すべてがそこにあったんだ・・・・・。無意識のうちに、私はルイス・カルハーンの秘密の小さな居間を自分の映画用に再現して作っていたのさ。映画館を出た私たちは、もう一度、『アスファルト・ジャングル』は間違いなく世界でいちばん申し分のない映画だと話し合ったが、その時、グラッセが言った。「おい、あの映画を続ける気にならないかい?意識していなかったとは言え、アメリカ映画のセットとまさに同じセットを作ったということは、舞台をアメリカに置き換える気にならないか?」とね。”
2018年7月26日


DVD 
グレート・ワルツ

USA
1938年
105分 
 ヨハン・シュトラウスⅡ世(フェルナン・グラーヴェ)がワルツの名曲を産んだ経緯をドラマ仕立てで描いた音楽映画。監督はジュリアン・デュヴィヴィエ。踊りの場面や馬車の場面での長い移動撮影が特徴として際立つ。ウィーンでは以前はワルツは低く見られていてオペラの音楽家がとりあげる音楽ではないとされていた。そんななか、シュトラウスの曲に惚れこみ、歌詞を付けて歌ったカーラ(ミリツァ・コージャス)にシュトラウスは惚れこむ。しかし、シュトラウスには無名時代を共にした妻ポルディ(ルイーズ・ライナー)がいた。初めて委嘱されたオペラ作曲の数週間、家庭をかえりみず恋しあった二人を公演の日に認めようとする妻。シュトラウスの心の隅に残る妻への想いを大事にして、二人でブダペストに行こうとする計画を断念するカーラ。43年後、ウィーンの人々にとって、シュトラウスのワルツはなくてはならないものになっていた。 
2018年7月25日


DVD 
グラン・トリノ


ワーナー
2008年
117分
  クリント・イーストウッド製作・監督。ウォルト・コワルスキー(イーストウッド)の妻ドロシーの葬儀が行われている。ウォルトの息子たちはそれぞれ家庭を持ち、父親とは離れて暮らしている。孫たちは礼儀作法にうるさい祖父が嫌いだ。神父は生前ドロシーから夫の懺悔を聞いて欲しいと要請があったとウォルトにつきまとう。
 一人暮らしを始めたウォルトが気になっているのは隣に住むアジア人一家のこと。一家はモン族のひとびと。ベトナム戦争後、社会主義化したベトナムで暮らしにくくなり、教会の手引きでアメリカに居住地を求めてきたのだという。一部の若者はストリート・ギャングになっていた。粋がる彼らはウォルトの隣家のタオを男らしくないとなぶりものにしていじめる。そんなタオを救ったことでウォルトはモン族から感謝の品物を贈られるようになる。グラン・トリノはウォルトの72年型の愛車で、ギャング団は入会儀式としてタオに盗みを命ずるが、タオはガレージで音をたててしまい、ウォルトに見つかる。一目散に逃げる。その後、タオはウォルトにわびを入れる。タオの姉スーもボーイフレンドと一緒に歩いていたところをギャング団にからまれ、通りかかったウォルトに助けられる。スーの案内でモン族の風習を理解していくウォルト。
 ギャング団のいじめはエスカレートし、ウォルトが買い与えた工具も壊される。ウォルトは団のひとりを殴りつけ、これ以上タオに手を出すなと伝えさせる。その夜、タオの家に銃弾が撃ち込まれ、スーが暴行される。憤ったタオは殴り込もうとするが、ウォルトはそれを止める。タオを地下室に閉じ込め、ウォルトは一人でギャング団に立ち向かう。銃撃戦を予想した牧師は警官に依頼してギャング団の家付近に張り込むが、適当な時間で警察は引き上げてしまう。ウォルトの取った戦略は・・・・。朝鮮戦争で13人を殺して勲章をもらったウォルトが心に受けた傷をタオに経験させないための戦略だった。
2018年7月22日
しゅうせいを


DVD 
刑事コロンボ


ユニバーサル
1978年
73分~98分 
  「美食の報酬 Murder Under Glass」(ロバート・ヴァン・スコヤック脚本、ジョナサン・デミ監督) 料理評論家ポール(ルイ・ジュールダン)はレストラン経営者ヴィットリオ(マイケル・V・ガッツォ)をフグ毒を利用して殺害。ヴィットリオがレストラン振興協会を利用した評価の不正を暴こうとしたからだった。料理店主から愛されていたヴィットリオの事件を捜査する間、コロンボには料理がふるまわれる、 74分。

 「秒読みの殺人 Make Me a Perfect Murder 」(ロバート・ブリース脚本、ジェームス・フローリー監督)テレビ・プロデューサーで支局長アシスタントのケイ(トリッシュ・ヴァン・ドヴィア)は密かに関係を続けていた支局長マークがニューヨーク局への栄転をきっかけに関係を清算するつもりなのに怒り、試写フィルムの交換時間をアリバイ工作に使い、マークを射殺する。交通事故でムチ打ち症となったコロンボは首にギプスをした格好で捜査する羽目となる。98分。

 「攻撃命令 How To Dial a Murder 」(トム・ラザルス脚本、ジェームス・フローリー監督) 心理学者エリック(ニコル・ウィリアムソン)は社員チャーリー(ジョエル・ファビアーニ)をドーベルマンの攻撃で死亡させた。密かに電話の呼び出し音で刺激が解発され、「バラのつぼみ」という言葉
で攻撃するように訓練していたのだ。別荘の台所の電話でチャーリーが応答するように仕向け、自分は遠くのジムから電話していた。チャーリーはエリックの妻と不倫関係にあり、エリックは妻を交通事故で失っていた(エリックが妻を殺したと推測される)。72分。エリックはドーベルマンにローレルとハーディと名付けるほどの映画ファン。離れにエリックの人生研修に参加した女子学生ジョーン(キム・コットロール)を住まわせているが、心を許してはいない。

 「策謀の結末 The Conspirators 」(ハワード・パーク脚本、レオ・ペン監督)アイルランドの吟遊詩人で作家のジョー(クライヴ・レヴィル)は表の顔は非暴力だが、裏の顔は募金を資金にアイルランドの過激派に銃を売る取引をしていた。武器商人のポーリー(アルバ^ト・ポールセン)と交渉していたが、行き違いがあってポーリーを射殺してしまった。ポーリーの持ち物にジョーの著作「Up From Ignorance」があり、表紙裏にジョーのサインがあったことから、コロンボはジョーに食いつく。97分。
 <推理と対決 刑事コロンボ研究>がある。刑事コロンボはこの後、1989年に復活して2003年まで続く。
2018年7月21日


DVD  
刑事コロンボ




ユニバーサル
1977年
73分   
  「殺しの序曲 The Bye-Bye Sky High I,Q. Murder Case.」(ロバート・マルカム・ヤング脚本、サム・ワナメーカー監督) 高いIQをもつ人のトップ2%しか入れないシグマ協会の会合でバーティが撃たれた。強盗の犯行に偽装したのは会社での横領の罪をあばくと脅されていたオリバー・ブラント(セオドア・バイケル)。銃声と倒れる音を偽装するのに爆竹やレコードプレーヤーのメカニズムを用いた。浪費癖の妻役にサマンサ・エッガー。73分。

 「死者のメッセージ Try and Catch Me 」(ジーン・トンプソンほか脚本、ジェームス・フローリー監督) ミステリ作家アビゲイル(ルース・ゴードン)は姪フィリスの夫エドマンズ(チャールズ・フランク)を自宅の金庫室に閉じ込めて窒息死させてしまう。四か月前ヨット事故に偽装して姪を殺してしまった彼への復讐だった。アリバイ作りは鉄壁だったが、死者は暗闇の中犯人を示す証拠を残していた。73分。2018年7月IMDbの評価は8.2。
2018年7月20日


DVD 
刑事コロンボ




ユニバーサル
1976年
100分   
 「闘牛士の栄光 A Matter Of Honor」(ブラッド・ラドニッツ御本、テッド・ポスト監督)伝説的英雄として名高い闘牛士モントーヤ(リカルド・モンタルバン)が牧場を去ろうとしている牧童エクト-ルを麻酔銃で足を撃ち動きを制限した状態で暴れ牛マリネロをけしかけて突き殺した。マリネロは前日、エクトールの息子クーロ(A・マルチネス)を襲った牛だった。事故として処理されかけた事件だったが、現地の署長サンチェス(ペドロ・アルメンダリス)の協力を得てコロンボが推理をつめていく。

 「魔術師の幻想 Now You See Him」(マイケル・スローン脚本、ハーベイ・ハート監督)奇術師サンティーニ(ジャック・キャシディ)は元ナチ親衛隊員ミュラーの身分を隠して活躍していたが、クラブのオーナー、ジェロームから正体を暴かれ脅迫されていた。舞台でトランクからの脱出奇術を演じているとき、地下室から調理場を通って、事務室へ行きジェロームを射殺してから舞台に戻った。ワイヤレスマイクを利用してアリバイを作った。タイプライターの使い捨てリボンにジェロームがタイプ中だった手紙の文章が残っていた。90分。2018年7月IMDbの評価は8.0。

 「さらば提督 Last Salute To The Commodore 」(ジャクソン・ギリス脚本、パトリック・マッグーハン監督)ヨット「造船会社の社長は提督(ジョン・デフナー)と呼ばれていたが、集まって来る金の亡者には愛想をつかしていた。娘のジョアンナ(ダイアン・ベイカー)と娘婿のチャーリー(ロバート・ヴォーン)も提督に評価されていなかった。言い争いの晩、提督は殺され、チャーリーがヨットを操縦して事故を工作した。しかし・・・。96分。

 「ルーサン警部の犯罪 Fade In To Murder 」(ルー・ショウなど脚本、バ^ーナード・コワルスキー監督)人気テレビ番組「警部ルーサン」の主役ウォード(ウィリアム・シャトナー)は恩人でもある敏腕女性プロデューサー、クレア(ローラ・アルブライト)を強盗を装って射殺する。ウォードはクレアに拾われたとき、脱走兵だったし、クレアに借金もしていたからだ。彼はルーサン警部になりきってコオロンボと推理を戦わす。74分。

 「黄金のバックル Old Fashioned Murder 」(ピーター・S・フェイブルマン脚本、ロバート・ダグラス監督) フランス・ルネサンス期の美術品を集めたリットン美術館の館長ルース(ジョイス・ヴァン・パッテン)はガードマンのミルトン(P・S・フェイブルマン)に収蔵品の盗難を持ちかける。盗難の常習が露見するのを恐れたミルトンは狂言の話に乗るが、ルースが弟エドワーズ、採算の合わない美術館をたたもうとしていた弟を殺す計画の一部だった。姉のフィリス(セレステ・ホルム)は気絶常習者でその娘ジェイニー(ジーニー・ベルリン)はルースに溺愛されていた。76分。
2018年7月19日


DVD 
刑事コロンボ




ユニバーサル
1975年
74分~100分  
 「歌声の消えた海 Troubled Waters 」(ウィリアム・ドリスキル脚本、ベン・ギャザラ監督)コロンボ夫人がクイズに当り、メキシコへ豪華船クルーズ、その船内で殺人事件が発生。船長はコロンボに極秘に捜査を依頼する。被害者は歌手のロザンヌ(プウピー・ポッカー)。加害者は中古車のディーラーで資産家のダンジガー(ロバート・ヴォーン)。ダンジガーは浮気の相手ロザンヌからお金を要求されていた。亜硝酸アミルのカプセルを鼻の下で割って吸引し心臓発作の症状を装い、汽船の病室にいてアリバイを作る。コロンボは病室に落ちていた羽から犯人の見当をつけた。

 「ビデオテープの証言 Playback 」(デビット・P・ルイスほか脚本、バーナード・コワルスキー監督) 電機会社社長ハロルド(オスカー・ウェルナー)は妻エリザベス(ジーナ・ローランズ)の母親マーガレット(マーサ・スコット)に放漫経営を批判され、社長を解任されようとしていた。ハロルドは窓ガラスを切って錠前を開き、外からの侵入者を印象づけた挙句、邸内に仕掛けられた監視カメラに義母射殺の状況を記録させることで自身のアリバイにも利用していた。しかし、ビデオテープにはある証拠が写っていた。手をたたく音に反応して開閉する扉など、家電製品が設営された邸宅内で起こる殺人。74分。

 「5時30分の目撃者 A Deadly State Of Mind」(ピーター・S・フィッシャー脚本、ハーベイ・ハート監督)医師コリア(ジョージ・ハミルトン)は患者ナディア(レスリー・ウォーレン)との不倫を夫カール(ステファン・エリオット)に指摘、不適切な薬の使用も合せて暴露すると云われ、争っているうちに火かき棒で殴り殺してしまう。二人組の強盗に押し込まれたという設定の不自然さが次第にあきらかになり、ナディアはウソをつくのがつらくなる。コリアはナディアにアモバルビタールを処方し、後催眠術でビルの5階から飛び込む行動を誘発させる。コリアが現場の別荘から逃走する際に出会った目の不自由な証人がコロンボの切り札となる。コリアの同僚医師アニタにカレン・マックフォン。74分。

 「忘れられたスター Forgotten Lady」(ビル・ドリスキル脚本、ハーベイ・ハート監督) グレース(ジャネット・リー)往年のミュージカル・スター、グレース(ジャネット・リー)のカンバックの映画に資本を投資しないと夫のヘンリー(サム・ジャッフェ)。その夫を自殺にみせかけて殺害したグレース。自殺にしては不自然な状況があきらかになり、コロンボは真相に近づく。昔のダンス相手ネッド役にジョン・ペイン。射撃試験を10年間さぼっていたコロンボに参加命令が下る挿話がある。74分。2018年7月IMDbの評価は7.9。

 「ハッサン・サラーの反逆 A Case Of Immunity」(ルー・ショウ脚本、テッド・ポスト監督)総領事代理サラー(ヘクター・エリゾンド)はスワリ国内の勢力争いから邪魔となる警備隊長ユセフを殺し、その罪を過激派学生を装う領事館職員ハビブ(サル・ミネオ)に着せた。そしてハビブをも殺してしまった。外交官特権からサラーを逮捕できないコロンボはスワリ国の国王の助力を借りる。74分

 「仮面の男 Identity Crisis」(ウィリアム・ドリスキル脚本、パトリック・マッグーハン監督)追い剥ぎ海岸で撲殺された男はヘンダーソンと名乗っていたが、偽名だった。直前まで男(レスリー・ニールセン)と一緒にいた男は経営コンサルタントのブレナン(パトリック・マッグーハン)だった。調べていくうちにブレナンはCIAの仕事をしていることが分かって来る。98分
2018年7月18日

DVD 
刑事コロンボ




ユニバーサル
1974年
100分 
  「第三の終章 Publish Or Perish 」(ピター・S・フィッシャー脚本、ロバート・バトラー監督) グリーンリーフ出版のライリー(ジャック・キャシディ)は、爆弾魔エディ(ジョン・チャンドラー)を雇って、ベストセラー作家マロリー(ミッキー・スピレーン)を殺させる。ライリーはマロリーの作品を出版する契約を結んでいたが、月末にそれは切れるし、多額の保険金もかけていた。作家を殺してしまっては損なはずだが、犯人の動機に納得がいかない一篇。

 「愛情の計算 Mind Over Mayhem」(スティーブン・ボッコ脚本、アルフ・クジェリン監督)人工頭脳の研究所の所長ケーヒル(ホセ・ファーラー)は息子ニール(ロバート・ウォーカー)の受賞論文・分子構造論が元研究生のフィンチの論文の盗用であることを明らかにするというニコルソン教授(ルー・エアーズ)を研究所の車でひき殺し、物取りの仕業であるかのように偽装する。コロンボはマッチの燃えさしから犯人は葉巻の愛好者と目星をつける。MM7というAIが所長の防衛計画をデスプレイしたり、開発したスペルバーグ少年(リー・H・モンゴメリー)のプログラム通りに動いたりする。ニールはニコルソンの妻で医師のマーガレット(ジェシカ・ウォルター)の助言に従い、盗用を告白する。

 「白鳥の歌 Swan Song 」(デビッド・レイフィール脚本、ニコラス・コラサント監督)カントリー&ウェスタンの歌手トミー・ブラウン(ジョニー・キャッシュ)は魂の十字軍を主催するエドナ(アイダ・ルピノ)とトミーが未成年者性的暴行のメアリー・アンに支配されていた。小形飛行機を墜落させて二人を葬ったトミーだったが、コーヒーに添加したバルビタールや魔法瓶、パラシュートによって追い詰められる。最後の場面、コロンボが運転してトミーを連行する。「人殺しと一緒で怖くないのか」「いえ、ちっとも。どうせ自首なさると思ってましたから」「こうなって、肩の荷が下りたような気がする」「こんないい曲が書けるひとが、そんなに悪いひとのはずがありませんから」。現役のジョニー・キャッシュに配慮した台詞になっていた。100分。2018年7月IMDbの評価は8.0。

 「権力の墓穴 A Friend In Deed 」(ピーター・S・フィッシャー脚本、ベン・ギャザラ監督) コードウェル(マイケル・マクガイヤー)は不仲の妻ジャニスを喧嘩の勢いで絞殺してしまった。相談を受けた警察の次長マーク(リチャード゙・カイリー)は地区を荒らしている窃盗犯の仕業に見せかける。翌日、次長は慈善事業に自費をつぎこむ癖のある妻マーガレット(ローズマリー・マーフィー)を入浴時に溺死させ、コードウェルに犯人を演じさせ、警備のヘリで自ら犯行を目撃する。マーガレットの肺にはプール水の成分でなく、石鹸の成分が残っていた。コロンボは窃盗犯のアーティ(バル・アベリー)に協力を依頼しコードウェルを脅迫させる。99分。2018年7月IMDbの評価は8.1。

 「自爆の紐 An Exercise In Fatality」(ピーター・S・フィッシャー脚本、バーナード・コワルスキー監督) マイロ・ジャナス健康クラブのオーナー、ジーン(フィリップ・ブランズ)はクラブの元締めマイロ(ロバート・コンラッド)がトンネル会社を利用したりしてもうけをごまかし、独占しているのに気がついた。違法ぎりぎりの経営の尻尾をつかもうと遅くまで事務所で書類調べに没頭。マイロが来てジーンに襲いかかった。トレーニング中の事故に偽装し、電話の録音テープを使ってジーンが電話してきたようにみせかける。死体にはかせた運動靴の紐の結び方が手がかりのひとつとなる。98分。

 「逆転の構図 Negative Reaction 」(ピーター・S・フィッシャー脚本、アルフ・クジェリン監督) 写真家ポール(ディック・ヴァン・ダイク)は利己的で口うるさい妻フランセス(アントワネット・バウアー)を誘拐されて殺されてしまったように偽装する。合わせて犯人をしつらえる。コロンボは写真の裏焼きを使ったトリックでポールが真犯人であることを証明する。救済食堂のシスター(ジョイス・ヴァン・パタン)はコロンボを浮浪者と間違える、運転免許試験官(ラリー・ストーチ)はコロンボの車に同乗して翻弄される、酔いどれ(ヴィトー・スコッティ)は銃声を聞いたことを忘れるなど喜劇的タッチがある。2018年7月IMDbの評価は7.9。

 「祝砲の挽歌 By Dawn's Early Light」(ハワード・パーク脚本、ハーベイ・ハート監督)ヘインズ幼年学校の理事長ウィリアム・ヘインズ(トム・シムコックス)は生徒が集まりにくくなっている学校を共学の短期大学に改装する構想を持っていたが、校長ラムファード大佐(パトリック・マックグーハン、エミー賞受賞)にとっては認めることのできない案だった。大佐は砲弾の火薬をつめかえ、開港記念日の祝砲をヘインズが撃つと同時に爆発するように仕掛けた。学校の兵舎でリンゴ酒密造事件の捜査がからむ。98分。

2018年7月16日

DVD 
刑事コロンボ




ユニバーサル
1973年
74分
 「断たれた音 The Most Dagerous Match 」(ジャクソン・ギリス脚本、エイブロムス監督) チェスのチャンピオン、クレイトン(ローレンス・ハーヴェイ)は前チャンピオンのデューディック(ジャック・クルッシェン)の挑戦を受けていた。対戦前夜、二人は料理屋やホテルの一室で対局し、負けたクレイトンは相手をゴミ粉砕機に突き落とす。ところが、デューディックは死んでいなかった。手術後の治療薬を密かに取り換えて発作を招くことにする。コロンボは粉砕機が落下物に反応して自動停止することに気づき、真犯人は耳の聞こえない人物だと確信する。

 「二つの顔 Double Shock 」(スティーブン・ボッコ脚本。ロバート・バトラー監督)若い娘リサ(ジュリー・ニューマー)と結婚直前の伯父を心臓発作を偽装して殺したのは双子の兄か、弟(マーティン・ランドー)か。コロンボの無作法をきびしくとがめるベテランの家政婦ペック夫人にジャネット・ノーラン。

 「毒のある花 Lovely But Lethal 」(ジャクソン・ギリス脚本、ヤノット・シュワルツ監督)化粧品会社の女社長(ヴェラ・マイルズ)は開発途中のクリーム(しわが消える)の成分を他社へ売ろうとしていた研究員のカール(マーティン・シーン)を顕微鏡で殴って殺してしまう。ライバル会社の社長にヴィンセント・プライス。

 「別れのワイン Any Old Port In A Storm 」(スタンリー・ラルフ・ロス脚本、レオ・ペン監督) ワインを心から愛するエイドリアン(ドナルド・プレザンス)は儲けの道具としか考えず他社に売ろうとする弟リック(ゲーリー・コンウェイ)を殴って倒してしまう。昏倒したリックをワイン蔵に監禁し死亡したところでダイビング中の事故で死亡したように偽装した。秘書カレン(ジュリー・ハリス)に気づかれてしまう。コロンボはワインについて急きょ学ぶ。2018年7月IMDbの評価は8.2。  

 「野望の果て Candidate For Crime」(アービング・パール・バールほか脚本、ボリス・セイガル監督)上院議員補欠選挙に立候補したヘイワード(ジャッキー・クーパー)は押し付けがましい選挙参謀ハリー(ケン・スヲフォード)を自分の上着を着せ、車を運転させ、別荘に行かせて射殺する。首尾よく狙われたのは自分と演出したが、街灯が壊れていて現場が暗かったこと、犯人からの通報のための電話器が別荘周辺にないこと、ガソリン・ステーションも閉店していたこと等、つじつまの合わない点が明らかになって来る。選挙当日、コロンボはヘイワードがひとりになるのを待つ。ひとりになった彼がしたことは狙撃されたという自作自演の狂言だった。

 「意識の下の映像 Double Exposure 」(ステファン・J・キャンネル脚本、リチャード・クワイン監督)サブリミナル効果を利用してドクター・ケプル(ロバート・カルプ)は研究所の親会社社長ノリス(ロバート・ミドルトン)が販売促進用フィルムの試写中に水を飲みたくなるように仕向けた。試写中のナレーションを担当するよう偽装してその実あらかじめ録音したテープを使い、水飲み場に出たノリスを射殺。口径変換器をランプフード内に隠した。脅迫してきた映写係のロジャーも射殺した。コロンボは試写用映画に捜査の様子を仕込む。
2018年7月15日


DVD
刑事コロンボ



ユニバーサル
1972年
74分
 「悪の温室 The Greenhouse Jungle」(ジョナサン・ラティマー脚本、ボリス・セイガル監督) 狂言誘拐で信託扱いの30万ドルを身代金として引き出させたトニーは計画を立てた伯父のジャーヴィス(レイ・ミランド)に射殺されてしまった。ジャーヴィスは会社の受付嬢グロリアの話にヒントを得て犯人がトニーの妻であるかのように32口径の拳銃を取り換えるが、コロンボはジャーヴィスの温室から半年前の盗難事件のときの弾丸を発見。凶器の銃から発射された弾丸との一致を証明する。

 「アリバイのダイヤル The Most Crucial Game 」(ジョン・T・デューガン脚本、ジェレミー・ケーガン監督) フットボール・チーム、ロケットのオーナーのエリックがプールで死亡。プールサイドに水がまかれていたことから事故ではなく殺人と推理したコロンボ。ロケットのGEハンロン(ロバート・カルプ)を疑う。試合の行われたスタジアムの専用ルームにいたというハンロンのアリバイを弁護士が仕かけた電話器の盗聴テープでくつがえせるか。専用ルームにいたなら入っているはずの音は?

 「ロンドンの傘 Dagger Of The Mind 」(ジャクソン・ギリス脚本、リチャード・クワイン監督)ロンドンのスコットランド・ヤードに見学に訪れたコロンボ。『マクベス』上演を見学。マクベス役のニコラス(リチャード・ベースハート)と夫人役のリリアン(オナー・ブラックマン)はプロデューサーのロジャーを誤って殺してしまい事故に偽装していた。ロジャーが持参した傘が取り違えられ、違いに気づいた二人の狼狽ぶりと、もとに戻した後の意外な展開が秀逸。

 「偶像のレクイエム Requiem For Falling Star 」(ジャクソン・ギリス脚本、リチャード・クワイン監督) 過去の大女優ノーラ(アン・バクスター)は秘書ジーン(ピッパ・スコット)が業界紙のコラムニスト、パークス(メル・ファラー)と結婚すると聞いて愕然とする。ジーンとパークスには他にも秘密を握られているようだ。パークスの駐車場にガソリンをまいて火をつけ車を爆破するが、死んだのはジーンだった。ひとちがいでジーンが犠牲になったとの見方で捜査が進むが・・・。

 「溶ける糸 A Stitch In Crime」(シリル・ヘンドリックス脚本、ハイ・アヴァバック監督) 心臓外科の手術に溶ける糸を使ったことに気づいた看護婦シャロン(アン・フランシス)を撲殺した医師メイフィールド(レナード・ニモイ)。ハイデマン医師の再手術前に真実を突きつけたコロンボの手前、溶ける糸を隠さなければならなくなる。検査されない隠し場所はコロンボの手術着だった。2018年7月IMDbの評価は7.9。 

 <推理と対決 刑事コロンボ研究>がある。

 第1話から「黒のエチュード」までは2009年感想2007年感想に。




2018年7月15日以降、2018年12月31日までに見た 日 本 映 画 (邦画)

見た日と場所 作  品              感    想 ・ 梗  概   (池田博明)
2018年12月19日

テレビ東京 
21:00~23:05
東野圭吾 手紙

2018年
テレビ東京
100分 
 東野圭吾原作の映画化。強盗殺人犯の兄を持った弟の人生とその苦悩を描いたテレビドラマ。脚本・池田奈津子、演出・深川栄洋。
 留守の緒方家に泥棒に入った剛志(佐藤健太)は引き出しからオルゴールを見つけ、聞きほれているうちに家の老母が帰宅してしまう。その老母を絞殺してしまった。強盗殺人の罪で懲役20年の判決を受ける。
 弟の直樹(亀梨和也)を大学に入れてやろうと学費を作ろうとした結果だった。しかし、その日から殺人犯の弟と呼ばれる日々が始まる。飲み屋の店長(渡辺いっけい)、産業廃棄物処理会社の事務員・白石由美子(本田翼)、定時制高校の数学教師あさみ(広瀬アリス)、その父(榎木孝明)、婚約者(中村倫也)、眞芝電機の社長(小日向文世)。直樹の同僚でバンドのリーダー(高橋努)。
 刑務所から兄は弟に手紙を書き続ける。弟もせっせと返事を書く。つらい差別を受けていることを隠して。兄は被害者の遺族にも手紙を書いて送っていた。原作にはない「見上げてごらん、夜の星を」が亡くなった母親が好きだった歌として歌われる。
2018年10月7日

 
誘拐法廷

2018年
約100分 
  敏腕女性弁護士(松嶋菜々子)の小学生の娘が誘拐され、身代金代りに誘拐犯は殺人事件の容疑者の無罪を勝ちとることを要求する。元は韓国映画だそうです。判決まで7日間の猶予しかない。弁護士が弁護に必要な証拠調べを行ったり、誘拐事件を伏せて調査に当る様子にリアリティがない。
2018年9月15日

NHK総合
21:00


人工知能
天使か悪魔か2018

NHK
2018
50分 
 NHKスペシャル。人工知能が役立っている領域で最初にあげられるのは、天気予測である。過去の雨雲画像のデータを基にパターンを解析し、降雨の場所や時刻、降雨量を予測する。気象庁が発表する天気予報よりもウェザーニュース社が提供する情報のほうが精度が高かった。鹿児島県姶良市は避難勧告や解除をウェザーニュース社の情報によって行い、被害を未然に防いだ。
 ミズダコの漁獲予測にもAIが使われ始めている。アメリカでは犯罪予測や予測捜査に使われ始めた。ネブラスカ州リンカーン市の警察はAIがはじき出した犯罪が起こる確率が高い地域を重点的にパトロールして犯罪を予防している。殺人事件が多いシカゴ市では犯罪予備群リストを作って住民をチェックしている。
 心臓移植して寿命予測の長いひとから移植を実行するシステムも稼働している。カナダのマギル大学で開発されたのはアルツハイマー病予測だ。予備軍に相当するMCIのひとの将来の病気の程度を予測する。
 婚活のマッチングに利用する企業も現れた。監視カメラの画像データから個人の異常な行動を分離分析する技術も進化を遂げている。
2018年9月1日

NHK総合
15:05~16:15 
太陽を愛したひと

NHK
2018
70分 
  障害者スポーツの実現に尽力した医師・中村裕の半生を描いたTVドラマ。佐々木章光演出。
 英国視察でリハビリにスポ^ツを取り入れて障害者の心のケアに資する取り組みが実現しているのを見た中村(向井理)は、日本にもそのやり方を定着させようと努力し始める。しかし、周囲の無理解の壁は大きかった。バスケットボールの事故で脊髄を損傷したアキラ(志尊淳)の指導で、中村は障害者を無意識にいたわろうとする気持ちを出していたことに気づかされる。同じ目線でと切り替えた指導は次第にアキラの心をつかんでいく。
 1964年のパラリンピックを実現した後も中村の苦労は続いていた。自立施設の工場<太陽の家>の経営はなかなか軌道に乗らなかった。志半ばの1984年、57歳のとき、中村は肝臓病で死亡。
 演出は中村に反対する団体の批判など類型的で戯画的。不自然だった。「失ったものを数えるな、残されたものをどう生かすかを考えよ」というのが英国で教わった真実。
2018年8月23日


DVD 
(8月15日
日本映画専門チャンネル)
この世界の片隅に

製作委員会2016
126分
 
 片淵須直監督・脚本のアニメーション作品。広島生まれのすずは「ぼーっとしている」性格で、自らの結婚でさえ、 幼い頃にばけものの籠の中で出会ったすずを選んだ周作の見合い話になんとなく乗ってしまっただけのことだった。 しかし、呉の嫁ぎ先で早起きして飯炊きを繰り返す生活にも次第に慣れていった。
 戦争が甚だしくなると、空襲や防空壕へ逃げ込むことが多くなる。 ある日、下関へ行くはずの義姉・径子の子供、晴美を連れていたすずは空襲に遭う。いったんは防空壕に逃れて命拾いしたものの、防空壕のそばに落ちた不発弾が爆発、 すずの右手はふき飛ばされ、晴美は爆発の犠牲になって生命を落とす。自分がついていて晴美を守ってやれなかったことについての自責の念、 それ以上に義姉・径子の批難の言葉がすずを撃つ。広島へ里帰りをと迷うすず。 径子の謝罪の言葉でおもいとどまるその日、新型爆弾が広島に落とされる。終戦の詔勅を聞いたすずは、 自分は海の向こうから来た米や大豆で出来ているから暴力に屈しないといけないのかと独白する。
 右手を失ったすずは戦後を笑顔の容れ物となって生きていく決意を示す。あたかも晴美の生まれ代りのごとき戦災孤児の女児をひろって。      
2018年8月14日-16日

NHK総合
22:00 
満願

NHK
2018年
59分
 米澤穂信原作、大石哲也脚本、萩生田宏冶演出の第一夜「万灯」:東座商事の腕利き商社マン・伊丹(西島秀俊)はインドの天然ガス開発の仕事に当っていた。安全で交渉しやすい村ということで紹介されたボンサット村のリーダー、アラムは開発には絶対反対の強硬派だった。商取引に行った社員はみな暴行を受けてくるのだった。ある日、「一人でえ来い」という手紙に誘われてアラムのもとへ行ってみると、そこにはOGOの森下(近藤公園)も呼ばれていた。話し合ってみたがアラムの態度は変わらなかった。けんもほろろに追い出された二人を待っていたのはこの村の長老だった。長老は「アラムは外国で勉強してこの村の貧しさを学んだ。考えを変えさせることはできない。仕事しようと思うなら、アラムを殺せ」とけしかける。長老の言葉通り夜の闇に紛れて、アラムを車でひき殺す二人。明けて、ボンサット村の土地貸付交渉はうまくいきそうだ。日本へ帰国して、会社を辞めた森下と会い、森下を絞殺。しかし、二人はインドの村でコレラに感染ていた。
 第二夜「夜警」:大石哲也脚本、榊英雄演出。柳岡(安田顕)は緑川交番に勤務する警官。若い部下・川藤(馬場徹)が刃傷沙汰になった夫婦ゲンカに巻き込まれ夫に銃弾を撃ち込むが頸動脈を切られて殉職する。川藤の行動は、賞賛されたが、柳岡は小心者で警官に不向きな川藤の行動に違和感を覚えていた。父親代わりに育ててきたという川藤の兄(吉沢悠)の部屋にお悔やみに行って聞いた話が気になった。警官よりも拳銃に関心があった、兄の携帯電話に「大変なことになった」と相談があった等。そういえば、事件当日、留守番をしていた川藤から交番近くの工事現場で不審な事故があったと報告があった。小石がはねてヘルメットに当ったらしいということだったのだが。
 第三夜「満願」:熊切和嘉脚本・演出。鵜川妙子(市川実日子)が、殺人事件の裁判の控訴を取り下げる。弁護士の藤井(高良健吾)は控訴を主張していたのだが。妙子は、藤井が学生時代に世話になった下宿の女将であった。苦学生であった藤井が弁護士になれたのは、優しい妙子の支えがあったからである。しかし夫の借金のため家計は苦しく、ある日妙子は、返済を強要する金貸しを殺害した。いったい、なぜ?検事は妙子の計画的殺人と主張。弁護士は肉体関係を迫られての正当防衛を主張する。8年の刑期を終えた妙子が出所してくる日、藤井はある事に気が付く。それは妙子が家宝というかけ軸にまつわる殺人事件の真相でもあった。
2018年8月15日


NHK総合
7:30-8:43
 
ノモンハン 責任なき戦い


NHK
2018年
73分 
  NHK特集。1939年7月、ソ連と満州国との国境を接していたノモンハンで大きな地上戦が起き、日本軍は壊滅的な負け戦をこうむった。しかしその責任は曖昧にされた。南カルフォルニア大学で発見された資料、軍の上司たちの150時間にも及ぶ証言テープをもとに経緯を調べた。ディレクター田中雄一ほか2名。
 ノモンハン事件の作戦の責任者は誰かと問うと、証言では関東軍参謀・辻政信少佐だという声が多かった。辻は満ソ国境紛争処理要綱で、国境が不明なときは現地軍が迷いなく決断すべきという論理を展開していた。中央の参謀本部はソ連とことをおこしたくなかった。越境爆撃は中央の了解を問わずに関東軍の独断で実行された。作戦課長・稲田正純大佐は辻を変えようとして陸軍大臣・板垣征四郎に相談したが、板垣は辻を高くかっていて変更しようとしなかった。ノモンハンに集結した日本軍は2万5千人、対するソ連・モンゴル軍は5万7千人、数の劣勢は確実だった。ソ連の動向に詳しかった土居明夫は東へ向かうソ連軍の戦車を目撃、関東軍にも本土の参謀本部にもソ連侮りがたしの意見を伝えたが、聞かれなかった。ソ連を過小評価していたのだ。フィ高地を守っていた井置部隊800人は死闘をくり広げた。味方を3分の2も失い、井置部隊長は撤退を決意した。しかし、撤退の翌日、辻が井置を非難し、井置に自決を強要した。捕虜になることさえ禁じ始めていた日本軍では部隊長が自ら撤退するなど示しがつかなかったのだろう。三好が井置の説得に努め、最後に拳銃を置いて来た。その拳銃で井置は自決したが、三好を含め真相が後日語られることはなかった。
2018年8月12日


NHK総合
21:00~ 
駅の子”の闘い


NHK
2018年
49分 
 NHKスペシャル「“駅の子”の闘い 語り始めた戦争孤児」。ディレクタ-中村光博。
 戦後、空襲などによって親を失った子供が日本各地の駅に集まり、悲惨な生活をしていた。戦争孤児数12万人とも言われる。山形で空襲に遭い、上野駅で弟や妹と暮らした金子さん、サツマイモ1本を3人で分けて食べる生活、毎日死んでいく子供たちを目撃した。住み込みで働き23歳で結婚、駅の子時代のことは夫にも話さなかった。公的施設として例えば東京都立養育院はあったが、いかにせん施設が足りなかった。
 敦賀の空襲で母を亡くした小倉さんは冷遇された親戚の家を出て、駅の子になる。仲間と一緒に盗みもした。頭痛を発症したとき夜を徹して背中をさすってくれたカメちゃんはその後、山手線に飛び込んで自殺。小倉さんは視力を失った。
 GHQのネフ課長、21年春<東京都の浮浪児をなくせ>指令、孤児の狩りこみが行われた。22年11月児童福祉法成立。23年11月京都駅で保護された小倉さんは伏見寮に入れられる。反抗的だったが、黒羽さんが銭湯に連れていってくれて疥癬だらけの背中を洗ってくれたことに感激。盲学校を卒業、マッサージ師となり結婚し家庭を持った。「ぬくもり」が必要だったが、駅の子に優しい言葉をかけてくれる人はいなかったと証言。 
2018年8月11日


NHK総合
21:00~ 
祖父が見た戦場


NHK
2018年
50分
 
  NHKアナウンサー・小野文惠の祖父、小野景一郎は1943年に召集され、1944年にルソン島に派遣され、そこで戦死した。ルソン島では日本兵20万人が戦死したと言われている。今年アメリカ国立公文書館の資料が公開され、アメリカ軍の調べた日本兵遺体の記録が明らかになった。景一郎の死亡記録は二種類あって、ひとつは死亡日時が8月20日、もうひとつは6月20日となっている。下士官だった人の部隊日誌と併せて祖父の足跡をたどってみることにした。ディレクターは阿部和弘ほか。
 景一郎の部隊がマニラ港へ着いたのは1944年6月5日だった。景一郎は盲腸炎が悪化して入院した。1945年1月9日、アメリカ軍がルソン島に上陸した。記録によれば、マニラ市街戦でマニラ周辺の日本兵の死体は1万5695人。部隊は市街戦の後、汽車でサン・フェルナンドに向かった。その先のバギオには大本営があった。大本営は日本兵に「自活自戦」「永久抗戦」を指示した。じゅうたん爆撃も受けた山岳地帯での日本兵の死体は5万5536人。花岡の戦闘では145人中132人が戦死した。アメリカ兵が日本は兵器の補給ができていなかったと証言している。飢えで豚皮の靴さえ食べた。記録では景一郎はツマウイニで死んだという。その手前にバヨンボン兵站病院があった。1945年6月に米軍が迫った。病院では負傷兵に自決が強要された。一時間経過後、決意できない者は銃剣で殺害された。183名の死亡が記録されている。ツマウイニの40km手前、カワヤンで景一郎を目撃していた戦友がいた。もう歩けないほど弱っていたという。カワヤンからツマウイニの間で459人の死体が記録されていた。小野文惠と母の公子は景一郎の最期の地がこの辺りだと推測した。
 マニラでは10万人の現地人も犠牲になった。仲間が日本兵にレイプされた記憶をもつイザベルさんは、「日本兵を許すことにしたが、決して忘れない。二度と繰り返してはならないことだから」と証言。現地のホテルでは40名の女性が性暴力を受けたという。比島観音のもとで行われてきた追悼の会も遺族の高齢化で今年が最後になったという。「ささやかな記録、記憶であっても伝えていかなければという想いです」と小野文恵さん。
2018年8月9日

NHK ETV
再放送
0:00~
シュモーさんを探して

2018
50分
  ETV特集アメリカと被爆者第1回。鎌田恭彦ディレクター。
  広島で戦後、市民のために家を建てる事業をおこした人物がいた。フロイド・シュモー(Schmoe 1895~2001.4、20)である。シュモーの仕事を追跡しているのは、西村宏子さん。シアトルのサダコ像の腕が折られたというニュースがシュモーに関心をもつきっかけだった。シュモーは1895年9月生まれ。クエーカー教徒の家に生まれ、第一次世界大戦では良心的兵役拒否者だった。第二次世界大戦時はマウントトレーニア国立公園の公園保護官だった。1948年に家畜の世話係として入国した。1949年から「ヒロシマの家」プロジェクトに関わり、5年間に広島に21軒の家を建てた。彼は活動を理解してもらうため、せっせと手紙を書いた。参議院議員・高良とみや、昭和天皇にも。また、ディジー・ティフスという黒人女性をスタッフに加えたのは人種に関係なく協力を求める事業であることをアピールしたかったからだ。
 シュモーは広島だけでなく、長崎でもアパートを建設した。ボランティアの北川正博さんやジェームズ・ウィルソンさんの証言。1953年には韓国で100軒以上」を建設。1990年にはシアトルのピースパークの整備に関わった。
2018年7月21日


NHK
ともに、生きる



NHK総合
49分
2018年
 相模原殺傷事件、2年の記録。障害者19人を刺殺した植松聖は、障害者を「心失者」と呼んでいた。しかし、社会学者・最首悟が強く主張するように心を失った者はいない。最首氏のダウン症の星子ちゃんにしても「うれしい」感情は表現にあふれるし、喜怒哀楽の表情は豊かに発揮される。高崎さんは40名の障害者を雇ってパンのお店をやっている。彼は障害者と一緒に生きる楽しさから出発すべきだと教えてくれた。好きな飲み物を選ぶことさえ出来なかった子が<選ぶ>意志を示してくれた。事件後、家族との接触が増えた重症者は次第に<うれしい>表情をみせる場面が多くなってきた。知的な障害を持った人たちが明るい表情を見せる場面が捉えられていた。抽象的な言葉で理想的なことを語るよりも、笑顔ひとつが本人だけでなく、周囲の人々の笑顔になることが重要だと思える番組だった。



シェイクスピア作品の映画化やその関連の映画は除く。
それらは別ファイルになっている。→ 『シェイクスピアの劇と映画


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