更新:2000年07月23日日曜日
インターネット時代を上手に生きるために

「情報のハンドリング」

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ミニマリストとして生きる

教材:

入門編
これだけやればインターネットを楽しめる

初級講座

「インターネット実践教室」テキスト

インターネット「利用目的別サイトガイド100」
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「情報のハンドリング」
1) 情報収集のコツ
2) ウソとホント-情報の評価
3) 集めた情報をどこに?-整理と保存
4) 「編集」で情報に付加価値を
5) スピードリーディングの方法

インターネットを楽しめるようになったら、次に、生活、仕事に役立つようにしてほしい。そのためには、情報の扱い方、ハンドリングを学ぶ必要がある。分かっている様で、意外に知らないことがある筈だ。

情報のハンドリングとは、大きく言って、収集、評価、保存、編集、発信、獲得のサイクルである。
そして、その目的は、情報に付加価値をつけることである。
モノに付加価値をつけるように、情報に付加価値をつけながら、蓄積に努めることが、インターネット時代を生き抜いてゆくための、上手な生活方法である。

さらに、情報に付加価値をつけるノウハウはインターネットビジネスの基本であるし、SOHOビジネスの立ち上げには、どうしても、学んでおく必要がある。


1) 情報収集のコツ

基本的なことだが、
収集の目的が定まっていないと情報は見えてこないし、検索のキーワードもリストアップできないし、集めることも出来ない。言換えれば、訪れたサイトでの取捨選択の判断が出来なくなる。

もうひとつ、
サイト探しのための検索とサイト内の情報検索を区別することである。サイト探しは、書架に揃っている本の題名を見ながら、それを選ぶことと同じだし、サイト内検索は、書籍のページをめくることと同じである。インターネット情報検索は、図書館で情報を探すことと基本的には同じである。

蛇足ながら、情報を読むスピードを上げなくてはならない。そのための方法は、5)に後述する。

インターネットでの情報収集の流れを考えてみよう。

@検索エンジンを使ってサイトを探し、情報がありそうなサイトのURLリストを作ることから始める。

・サイト探しには、検索技術の上手下手がものをいう。検索結果の絞込みができるようになってほしい。検索スピードが格段に速くなる。

・検索ボックスに入力した、キーアイディア・キーワードをメモする。そうしないと、組織的な検索は出来ない。検索行為は、脱線の連続。検索をトレースできるようなメモにしておく。出来れば、検索を始める前に、プランを作っておくと良い。

・リンク集を収集の道具として有効に使う。良いサイトは良いリンク集を持っている。

・サイトが見つかったらURLをコピーして、ワープロページに貼り付ける。その際、キーワードを一緒にメモしておくと後で役に立つ。URLだけでは内容が判らなくなる。

A収集した情報を貼り込むファイルをデスクトップに用意した上で、サイト内情報の検索を始める。サイトが用意した「サーチ」などの検索ツールを使って求める情報を探す。

・キーワードを探すことが最初の仕事になる。インデックスあるいはマップを概観するとヒントが得られる。

Bインデックスやマップを使って、関心のあるページに飛んでもよい。その後、ブラウザーのページ検索で探す。

D情報が見つかったら、用意したファイルに貼り込む。引用先のURLを忘れずにメモする。

・サイト全体を保存して、後で検索しても良いが、私の経験では、その都度、情報の取捨選択をした方が、作業効率は良いようだ。


2) ウソとホント-情報の評価

デマ、ウワサはこの世につきものである。
だまされる人もいるが、だまされないように、人は用心して生きている。

ウソとジョーダンもちゃんと区別している。もちろん冗談が通じない人もいる。

人は、生まれてから、長い間掛かってホントとウソの区別法を学習しているといえる。
その成果だろう、たまには間違うが、まあ普通では大過無く生きている。

情報とは少々面倒な所があって、AさんにとってのホントがBさんのウソになることも、よくあること。正しい情報と間違った情報とは紙一重で正しくなったり、間違ったりしている。

というわけで、情報の真偽の判断は、所詮、直感勝負である。
難しい理屈はぬきにして、情報の評価はその人の個性的な方法でやるしかない。

そうなると、情報感覚とも呼ぶ直感を日頃から磨いておくことが大切になる。
レイティング会社で行われているように、要素毎の評価を積算する方法は、個人の情報評価には馴染まない。

対面で話していれば、表情、特に眼を、あるいは身振り手振りを見ることが出来るが、ラジオとなると顔が見えない。その時はどうしているのだろう?

有名人なら信用するのか、話し方、声で判断しているのか?
単に、有名メディアであるから信用できるというだけのことか?

どうやら、ラジオも直感判断のようだ。

書物の評価はどうだろうか? あなたはどんな書物を受け入れているのか?
さらに、インターネットは?

インターネット情報の評価基準は書物、ラジオ、テレビ、新聞とほぼ同じである。とりたてて別のものがあるわけではない。

誠実なページは次のようなチェックポイントをクリアーしていると言える。

ビジュアルデータを有効に生かして、情報が理解しやすいこと。
文章が短文、明解な構造、ビジュアル的(箇条書きもそのひとつ)。
大量ページのスキーミング、スキャニングがし易い。
サマリーがある。
ソースリスト(リンクページ)がある。
自己紹介のページがある。
メールアドレスなどの連絡先を明示している。
法人ならば、住所、電話番号を知らせている。
知的所有権の所在を明らかにしている。
ホームページの運営ポリシーを掲載している。

クレーム、フィードバックのための仕掛が用意されている。
更新メモを掲載している。
他人の評価が良い。(リンク集に入れている人が多い)
メディアの評価が良い。
サイト評価機関のレイティングが高い。

ショッピングサイトでは、上記のほかに、支払の方法、商品送付の方法、変更・取消しの方法、返品のための住所、連絡先などを掲載していること。

情報サイトでは、上記のほかに、引用原典の明示、充実したヘルプ、サイトマップなどのナビゲーターを用意していることがチェックポイントになる。

私としては、コンピュータ倫理(Computer Ethics)に反するような情報は、受け入れないことにしている。具体的には、次のようなことが判断基準である。

プライバシー侵害、著作権侵害、悪用、誤用、ハッカー行為、犯罪、不道徳、不正直、無責任、信頼性を損なう、等々。


3) 集めた情報をどこに?-整理と保存

インターネットに接することを始めると、収集した情報をディスクに残してしまうことになり勝ちである。後で使うだろうと、つい、保存してしまう。プリントアウトすることも手軽にやってしまう。

さて、1ヶ月経って、採っておいた情報を探すとなると、簡単ではない。ディスクの検索をしようにも、どんな名前を付けて何処に保存したかもう分からなくなっている。

プリントアウトしたものを分類整理した上で、保存しておけば見つけやすいかもしれないが、この昔の方法は時間が掛かりすぎるし、保存場所が必要になる。

結局、新鮮なデータが採れることもメリットになるので、新たに探した方が速いということになってしまう。

というわけで、情報を整理・保存することが、インターネットライフを快適にするためのポイントのひとつであることを判ってほしい。

以下は、私の方法である。

収集した情報を評価した上で、保存するに値すると決めたら、情報本体(含む公開日付・著者名)と一緒に、コメント、分類名、キーワード、収集日付を付記して保存する。

@ワープロ上に、収集日付順にコピーする。図・写真があるので、テキストファイルでなく、ワープロで保存するのが最適。

A記事を赤色フォントや大きなフォントで見やすくする工夫も後の再利用の時に有効(そのためにもワープロがよい)。

B評価などのコメントを加える。短く、気ままに記している。収集目的、テーマなどの場合もある。

C分類のための名前を決める。分類名は常時利用している公共図書館の書架の分類と同じにしている(日本十進分類法)。

D後で検索するときのためのキーワードを加える。記事中の言葉を主として拾う。

E私の場合、ワープロファイルは1ヶ月毎に新規作成する(情報量と再利用の頻度次第)。

F3ヶ月毎に、定期の整理・廃棄作業として、収集情報を個別に再評価する。[廃棄]のラベルを赤色フォントで記入しておくか、廃棄ファイルへ移動させる。

G廃棄ファイルの最終評価を3ヶ月に1度は行う。

収集情報の整理・保存のためのソフトを、寡聞にして、私は知らない。だが、今のワープロ方式で不便を感じていない。


4) 「編集」で情報に付加価値を

収集情報の分類・整理を始めると、自然に、いつのまにか情報発信にたどり着くことが、インターネットとの長い付合いのなかで、判ってきたことである。

だから、何はともあれ、保存情報の分類・整理を始めることを薦めたい。あなたの世界が広がる。

私は、情報発信までのプロセスを、情報の評価、収集、保存、分類、テーマ確定、編集、発信ということだと思っている。そして、この全工程を「情報編集」と名付けている。換言すれば、情報に付加価値をつける工程である。

本来、収集は目的があった筈だし、もしなくても、直感的に、その再利用が可能だとか、自分の表現したいことに係わっているという予感があるものだろう。あるテーマに関するモチーフなり、素材を得るために、あるいは、テーマそのものを探すために、情報収集をすることもある。

インターネット時代の情報収集は多様化していることは間違いない。出版物に比べると、手軽で、しかも、最新情報が得られる。収集コストも、従来に比べれば、劇的に下がっている。従って、情報が、どんどん集まる。

そうなると、分類・整理をしてみたくなるし、その必要が出てくる。

その作業を、続けていると、言いたいこと、表現したいこと、やりたいことが自然に湧いてくる。その段階で、選択すべき情報が見えてくる。

そこで、選択した情報に、自分独自の考えを対比させたり、より詳細な情報を付け加えたり、複数の情報の関係を見出したり、いろいろと付加価値をつけるためには編集作業が必要になる。更に、補足情報を探すことにもなる。

この作業は、テーマさえ固まっていれば、面白い楽しい作業である。表現したいことや、やりたいことが、次から次に湧き出してくる。イメージも溢れてくる。ビジネスモデルが見えてくる過程でもある。

編集作業が終わり、付加価値をつけた情報は誰かに見てもらいたいし、使ってもらいたくなる。それが、ホームページからの情報発信である。

「情報編集」は知的刺激に満ちた、新しいものを作り出す魔力を持っている。「情報編集」とは、素材を組み合わせて新しいアイディアを産み出すことなのだ。

この一連の作業は発想法の訓練になるし、構想力を身につけることにもなる。知的生活が豊かになる。大げさに言えば、人生が豊かになる。と同時に、SOHOビジネスや、インターネットビジネスの立ち上げのスターティングポイントにもなる。

良い事例がある。
出版社を定年退職した友人は、彼ら夫婦二人の海外旅行記を中心に構成した、「二人で旅を!」という、趣味のような、仕事のようなホームページを開いている。

彼は、「情報の扱い方」の巧者である。「情報編集」の魅力を楽しんでいるし、見事なホームページを作り上げている。また、それによって、定年生活をエンジョイしている。反響もいろいろとあるようだし、新しい交流も生まれているそうだ。私から見ると、旅行企画のSOHOビジネスが出来そうな気がする。


5) スピードリーディングの方法

インターネットのホームページの情報をすばやく読む方法を列記する。

@トバシ読みをOKとする。
Aサイトマップを準備リーディングとして精読する。
Bタイトル・ヘッドラインなどのフォントが大きい部分は精読する
Cサマリーをトバシ読みする。
D読みにくいページはコピーして、フォントを大きくし、改行を入れながら読む。不要な部分を削除しながら読む。残った部分が立派なリーディングメモになる。
E英語圏で「Analytical Reading」とよばれる読む姿勢をキープする。
Fスキーミングとスキャニングをマスターする。
Gキーワードのリストアップ
H著者との架空議論
IGetしたものの確認


番外)
インターネットを使う目的を、あらためて、確認してほしい。生きるために有効なことにインターネットを使ってほしい。私は生活コストを軽減するために使っている。

利用目的の事例
@コミュニケーション(電子メール、掲示板、チャット)
Aショッピング(電子商取引)
B情報収集:仕事、生活、学術、子供のため
C情報発信(ホームページ)
DSOHOビジネス
E生活コスト(情報コスト)削減