後半戦

第1戦「またまた超酷使」(1/29)
第2戦「バーバラの休養日」(1/31)
第3戦「とにかくミスを減らせ!」(2/6)
第4戦「二度の失敗は決して許されない」(2/7)
第5戦「内容よりも結果を!?」(2/11)
第6戦「この試合がもっと早くできていれば」(2/13)
第7戦「急転直下」(2/14,15)
第8戦「焦点は四強から二強に」(2/20)
第9戦「短所を直すより長所を生かすべき、か?」(2/21)
後半戦総括「結果はオーライだが」
決勝ラウンドへ向けて


第1戦「またまた超酷使」(1/29)

バーバラは第6戦のユニチカ戦で足を故障しており、温存あるいはセットごとに休ませるのではという噂も出るほどだった。しかし、バーバラは温存どころか、この試合もフル出場。打数はついに160に達し、前期優勝を決めた東洋紡戦前年第3レグの東芝戦をも超え、Vリーグ史上最悪の酷使となってしまった。今のデンソーの状況で、2時間を超える試合(当然それだけ競り合った試合)となれば、自然にこうならざるを得ないのだろう。あるいは、今週は日程上1日休みがあり、しかも31日の相手はここまで1勝もできず最下位の小田急なので、コーチとして入っているバーバラの親父からもゴーサインが出たのだろう。
しかし、一つタイトルに言及するなら、小田急戦は最大の書き入れ時である。ここで前期の東芝戦くらいの荒稼ぎ(決定数64、打数98)をしないと、スパイク賞(最高決定率)は不可能と見ていいだろう。このタイトル今シーズンも本命といえる吉原が前半戦終了時点でやはりトップにきているし、ガブリエラ・ペレスも猛烈に追い上げている。しかも、この試合バーバラの決定数は77で、決定率を(わずかながら)下げてしまっている。
今シーズンはバーバラにぜひスパイク賞・猛打賞の二冠を狙ってほしいと思っているし、それが可能なペースでこれまできている。スパイク賞・猛打賞の二冠は、Vリーグ・日本リーグ男女通じてまだ誰一人達成していない。(ただし、今シーズンは男子でもスパイク賞・猛打賞の二冠が達成される可能性がかなり大きい(バーバラがそれを達成する可能性以上に大きい。)。しかも、それにサーブ賞を加えた空前の三冠となる可能性もある。それを狙っているのはもちろんベルナルド・ジルソン。この選手は昨シーズンのブラジルリーグ男子でBest Scorer, Best Spiker, Best Serverの三冠、チームを優勝に導き当然のごとくMVPに選出されている。だから、日本でそれを達成したとしてもそれほど驚くべきことではないのだが。)

この日の試合は2試合だけなのだが、もう1試合も非常に注目のカード、NEC対東洋紡戦。前半最終週に2試合ともフルセットの末連敗してしまい、前期の結果は4位に転落してしまった東洋紡。しかしそのショックは全くないようで、NECをなんとストレートで下してしまった。だから、今シーズンの東洋紡と、まともに打ち合ったら絶対だめ、だっちゅーの(笑)。それで勝てるのは、エアリーだけ。

NEC0 (14-16, 4-15, 8-15) 3東洋紡

デンソー3 (12-15, 15-9, 15-11, 13-15, 15-13) 2ヨーカドー
この試合の記録

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第2戦「バーバラの休養日」(1/31)

デンソーの第2戦の相手は小田急である。この試合、ローテ単位でバーバラを休ませるのではないかと思っていたけれども、結局は全時間出場となったようである。この試合のバーバラは打数45・決定数27、タイトルという観点からはやや不満の残る内容となったけれども、ここ2試合史上最大級の酷使が続いただけに、その意味ではよい休養日(?)となったようである。この日はサーブで小田急を爆撃(サーブ得点8点、うちバーバラ5点)、アタックの負担を減らした。

さて、この週最大の焦点となった試合は、30日(デンソーは試合のない日)の日立対オレンジ戦である。この試合で目立ったのはオレンジの元気のなさである。第1セット、9-6とリードしながら、その後1点もとれずに落とした。第2セットは40分近い長い攻防の末かろうじて取ったものの、このセットも途中13-7とリードし楽にとれるかと思いきや、そこから日立の逆襲を許し一度はセットポイントを逆に取られるという、全くらしくない展開だった。第3セット以降は、サーブレシーブは乱れまくり、トス回しは単調になり、日立にシャットを食いまくって一方的な展開になってしまった。第3セット終盤で、ヨーコが鶴田に交代させられたことが、いかに深刻な状態だったか物語っている。日立は必ずしも完璧な試合をしていたわけではない。日立のソコロワ・福田の両エースはよく頑張り、日立全体としてブロックはさえていたけれども、センター線の打数は少なくソコロワ・福田に頼りすぎ(ソコロワのみならず福田もバックアタックが少なくない!)、島崎のトスミスも第2セットまでは頻発した。

前日に日立がオレンジを下したことにより、四強に向けてまさに崖っぷちに立たされてしまったNECだが、31日はユニチカをストレートで下し、どうにか圏内に踏みとどまった。

オレンジは31日の試合でも9位の東芝相手に大苦戦(16-14, 15-1, 14-16, 15-9)。というか、この週はオレンジに突然の異変が発生しており、このままの状態が続くならオレンジの四強は危うくなってくる。むしろ、NEC・ヨーカドーと容易ならざる相手を続けて簡単に下した東洋紡のほうが「四強当確」と言えそうである。NECは最大の危機は脱したけれども、依然として苦しい状況にあることには変わりがない。
前半戦終了時点では、トップと星二つの差に日立、ユニチカ、ヨーカドーが並んでいたけれども、このうちヨーカドーはデンソー・東洋紡に連敗、ユニチカもNECにストレートで敗れ、この両チームは脱落が濃厚となってきた。逆に四強の望みが大きくなってきたのは日立。NECと日立の直接対決が、四強争い最大の焦点となりそうである。
さらに厳しさを増す四強争いから、「一抜けた」エアリーは本当に楽である。

デンソー3 (15-12, 15-2, 15-5) 0小田急

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第3戦「とにかくミスを減らせ!」(2/6)

この週はデンソーにとってはまさしく後半の山場といえる週である。そしてこの日の対戦相手は、現在最大の難敵といってよい東洋紡である。勝ちたいけれど勝てないだろうな、と思いながら試合結果速報を取り出した。前半戦のこの対戦では、全く奇跡的としか言いようのない勝ち方をした。それと同じことを二度期待はできない。
試合記録からいえば、エアリーはこの試合も悪いところがほとんど全て出ていた。まず、ブロックが極端に少ない。アタックのミスが非常に多く、それ以外の反則等も極めて多い。また、ラリーポイントの最終セットでサーブミス2回、しかもその2度とも同じ選手とは、全くあきれるよりほかない。これでは相手に勝ちをプレゼントしているようなものである。ミスで自滅した試合、と言っていいのではないだろうか。今シーズンのエアリーは、アタックが極端におさえられるということはほとんどない。どれほど強い相手でもそこそこは決まる(決定率40%を割った試合はここまで1試合もない)。しかしこれでは勝てるはずはない。

これまでデンソーが負けた3試合は、いずれもミスで自滅したという側面を持つ。まず黒部のオレンジ戦も、ここで決めておけば流れに乗れるという場面でアタックのミスを連発、第3セット以外はオレンジのほぼ一方的な試合となった。それがなければ、勝てたかどうかはわからないにしても、フルセットまでは間違いなくいった試合である。丸亀のユニチカ戦の最大の敗因は、第3セット以降バーバラが急激に落ちたのにバーバラにボールを集めたこと(逆に言えば、そうするしかないほど日本人アタッカーが決まらなかったこと)だが、この試合もサーブのミスが非常に多く自ら試合の流れを悪くした。そして今回の沖縄での東洋紡戦もまたしかりである。そもそも前回の東洋紡戦もアタックのミスが非常に多く、第2セットまでを簡単に連取された。この日の東洋紡は、絶対に勝てる相手だったしかっておきたかった。その理由は次の試合の記事で述べる。

なお、この日のバーバラは、打数115決定数57、総得点32(アタック29、ブロック2、サーブ1)。サーブ効果は多数奪っている。東洋紡相手としては満足のいく内容ではないけれども、翌日の対戦相手を考えれば、使いすぎでもなく、落としてはならないところは全ておさえたと言えるだろう。打数150以上になると、翌日の試合が本当に厳しくなる。現時点で、タイトル2つはとれる可能性がかなり高くなってきた。

とにかくミスを減らす!!。それが現在のエアリーに最も必要なことだろう。

この日の最大のトピックは、ユニチカがオレンジをストレートで破ったことであろう(16-14, 15-6, 15-9)。それにしても、オレンジにいったい何があったのか?東洋紡がデンソーに勝ったこともあり、オレンジは通算2位以内は非常に難しくなった。それどころか、四強入りもかなり危機的な状況になっている。

デンソー2 (15-8, 10-15, 10-15, 15-10, 10-15) 3東洋紡

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第4戦「二度の失敗は決して許されない」(2/7)

前日東洋紡に敗れたデンソーにとって、この日のNEC戦は、2位以内に入るかどうかがほぼ決まってしまうという試合だった。その試合でストレート負け。前半のユニチカ戦もそうだったのだが、デンソーは順位を大きく左右するような試合で最悪の試合をしてしまう。前半のユニチカ戦にしても、負ければ四強入りさえ危うくなるという試合だったのだ。
どのような負け方をしたかは、技術集計を見れば一目瞭然である。丸亀のユニチカ戦の完コピである。日本人選手にボールを回しても決まらない→バーバラに打数が集中→ブロックを食らいまくる。この試合も、第1セットは14-16ともつれており、しかも35分を要している。そしてこのセットでバーバラを無駄遣いしすぎたために、第2セット以降は完全に切れてしまった。試合展開まで丸亀のユニチカ戦と全く同じである。
どのような世界でもそうだと思うけれども、一度の失敗は許されても二度同じ失敗をすることは絶対に許されないはずである。しかし、エアリービーズは全く同じ負け方を二度繰り返してしまった。しかも、この試合は、チームフォルト(つなぎのミスあるいはコンビミス、その他の反則)による失点が実に9点。丸亀のユニチカ戦よりももっと悪い。

この日のバーバラは、打数123決定64、総得点16(アタック14ブロック1サーブ1)、常識的に考えれば「これでストレート負けとは本当か!?」と突っ込みたくなるような内容である。しかし、今シーズンのVリーグは常識などはるかに超越した世界で戦っているので、常識的な考えが通用するわけがないのだが。
この試合は日本人アタッカーが極端に悪かったことが最大の敗因となったわけだが、これは前半のこの対戦と全く逆の形である。前半のNEC戦では、バーバラは決定率も悪くミスも非常に多かった。しかしデンソーの日本人選手は絶好調、NECの日本人選手は信じられないような不振で、デンソーのストレート勝ちとなった。一方、この日の試合ではNECの日本人選手は好調だった。

後半戦はここまでで早くも2敗。やはり前半戦の7勝2敗は奇跡に過ぎなかったのか。

オレンジは、前日の内容からするとこの日のヨーカドー戦にも勝てないと思われたけれども、案の定ストレート負け(7-15, 13-15, 10-15)。これでオレンジは本当に四強さえ危機的となった。
新聞記事によると、3週間前からこの前の週まで風邪に襲われており、その間練習なども満足にできず、それでチームの歯車が全くかみ合わなくなっているということである。しかし、風邪に襲われNEC・東洋紡に連敗した次の週には、日立佐和・東芝を問題なくストレートで下している。果たしてそれだけが原因なのだろうか、と疑いたくなるほどの急降下である。

この週、これまでどのチームよりも安定した試合を続けてきた東洋紡にも、今シーズン最大の危機が訪れた。リベロ安井が監督と対立、退団したらしいのである。(複数の出所から伝わってきたのでかなり確実と思われる。)安井は昨シーズンまでは9人制の強豪神奈川中央交通に所属、9人制の世界では名前を知らない者はいないという選手だったとのことだが、今シーズン東洋紡に移籍。守備の中では唯一Vリーグで集計されるサーブレシーブの数値は特別高くはないけれども、スパイクレシーブとつなぎは一級品で、東洋紡の快進撃を支えてきた。
昨シーズン以来東洋紡というチームは構成的に非常に重大な欠陥を抱えていた。「打つ選手と受ける選手が同じ」。まともに打てるのはアルタモノワだけ、まともにサーブレシーブができるのもアルタモノワだけだった。第2回、第3回と5割を超えていたアルの決定率が昨シーズン42%まで急降下した大きな原因が、サーブレシーブで負担をかけすぎたことであるのは間違いない。(チーム全体のサーブレシーブの3割以上をアルが受けた。)そのサーブレシーブを安井が大幅に補って、アルタモノワの負担を減らしていた。
とりあえず代役のリベロは出場させたものの、サーブレシーブの成功率は2試合でなんと4割以下。その役割を全く果たしていない。(ここまで悪ければ、リベロを使わなければいいと思うのだが、そうすると後衛に回ったときアルは本当にサーブレシーブに釘付けにされてしまうのだろう。)結果として、
(1)アルがサーブレシーブせざるを得ない→アルのバックアタックが使えない、あるいは無理に打たせても決まらない
(2)サーブレシーブもスパイクレシーブもつなぎも悪くなる→安定したトスが上げられない→特に日本人選手が決まらない
(1)+(2): アルが後衛に回ったときに得点できない
(3)もちろん、これまでつながったボールを拾うことさえできない場面も増える
早い話が昨シーズンの東洋紡に戻ってしまい、なんと日立佐和に敗れてしまった。しかも、今シーズン初めて1セットしか奪えなかった。日立佐和は、今シーズン、大砲のいるチームにとっては東芝と並んで格好の標的とされている。前半戦のデンソー・東洋紡・NEC・日立戦、そして後半に入っても日立・NEC戦と全く歯が立っていなかった。特に、ゴディナとソコロワには二度の対戦とも決定率6割前後と、まさしくサンドバッグにされていた。
東洋紡にとって(そしておそらくデンソーにとっても)、これほどまでにリベロの恩恵は大きいのか。安井がいなければ、東洋紡は6〜7位をうろうろしていただろうという指摘があったけれども、全くその通りである。

さて、上位チームが次々と故障発生、あるいは自滅で落ちていく中で、この週一気に優位に立ったのがNECである。NECは先週東洋紡にストレート負け、このときには四強すら危うい状況にまで追い込まれた。それが一転して四強はほぼ確実、のみならず通算1位の可能性も高くなってきた。NECが残している相手は日立・オレンジ・ヨーカドー・東芝・小田急。NECは前半戦思いがけない相手に取りこぼした試合があったけれども、よほどのアクシデント(大懸あるいはゴディナがけがするとか、集団風邪とか)がない限りこの対戦で2敗以上は考えられない。普通にいけば1敗、全勝の可能性も高い。

さて、外国人選手最後のシーズンとなる今回のVリーグ女子は、極度の外国人アタッカー優位となっている。得点あるいは決定本数で上位を独占しているだけでなく、決定率でも上位6人中5人が外国人アタッカー5強で占められている。この状況は昨シーズン以前と比べても極端である。さらに、これは女子だけの現象ではなく、男子でも決定本数・得点の上位選手と決定率の上位に同じ外国人選手が入っており、この週の終了時点で、男子・女子とも、アタック決定率・アタック決定本数・サーブ効果率のトップを一人の選手が独占するという空前の事態が発生している(男子はベルナルド・ジルソン、女子はいうまでもなくバーバラ)。そして、この状況を作り出すのにリベロ導入が大きな要因となったことが、この東洋紡の敗戦で図らずも証明されてしまった。これはボールの流れで考えると簡単に理解できる。リベロ導入によってこれまでつながらなかったボールがつながるようになった。そしてその恩恵は、エースに決定力のあるチームほど大きなものになる。
これを世界レベルで考えれば、アタッカーの決定力のないチームは今後ますます苦しくなるということである。昨年の世界選手権ではまだリベロを活用できているチームはそれほど多くなかったけれども、そのうち世界大会に出場するほどのチームなら相応のレベルのリベロを養成してくるだろう。また、今年からラリーポイント制が全面的に導入されるため、サーブで攻めることが難しくなり、そのためセッターにボールが返る確率が高くなり、それを止めるためにはブロックをさらに強くすることが必要となる。この両方をあわせて考えると、強い攻撃力を持たないチームは通用しなくなるということが言えよう。

Vリーグに話を戻すと、この週が終わった時点で、上位4チームが9勝で並ぶというとんでもない混戦となっている。ただし、9勝のチームのうち日立は下位3チームとの対戦が全て終わってしまっており、それを考慮すればトップグループはNEC・デンソー・東洋紡の3チームである(この3チームは下位3チームとの対戦を2つ残している)。星一つの差にはオレンジとユニチカが続いている。ユニチカはここまで、脱落したかと思えば浮上し、浮上したかと思えば思わぬところで取りこぼして脱落、これを繰り返してきた。そのユニチカにとっても、最大のチャンスが到来している。前半戦ではデンソー・東洋紡の両方に勝っているだけに不気味な存在である。
オレンジが墜落、東洋紡にも思わぬ障害が発生し、四強争いは極めて流動的となってきた。ここから先は、1試合1試合ではなく1セット1セットが運命の分かれ目となる。

このストレート負けで、デンソーは本来なら通算2位以内は非常に難しくなるところだった。しかし、東洋紡が日立佐和に敗れたことで、再び自力で2位以内を確保するチャンスが出てきた。その最大の焦点となる試合は、わずか4日後の日立戦である。この週、日立は小田急・東芝に連勝、後半戦全勝で暫定首位に立ったけれども、試合内容はそれほどよくない。デンソーがまともな試合をすれば、勝てる相手である。しかしデンソーは沖縄で、その日立以上に全くおかしな試合を続けた。日立どころか佐和にも勝てないような試合をしてしまったのだ。佐和は安井の欠けた東洋紡に勝ち、デンソーは同じ相手に負けたのだから、この週の試合内容では佐和にも勝てないということである。
しかし、通算3位以下ならそれはそれでいい。なぜなら、バーバラを2試合でなく3試合多く見られるわけだから。前期優勝したことで、どうしても欲が出てきてしまったけれども、シーズン前は四強への道は非常に険しいと思っていたのだから、「代々一でバーバラが見られればいい」。その謙虚な気持ちに戻らなくてはならない>自分。

デンソー0 (14-16, 7-15, 8-15) 3NEC

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第5戦「内容よりも結果を!?」(2/11)

この日の相手は日立。エアリーにとっては通算2位以内、相手にとっては四強がかかるという、どちらにとっても非常に重要な試合である。
結果から先に言うと、フルセット15-13という僅差でデンソーが勝った。しかし、内容を見れば、先週指摘した問題が全くよくなっていない。アタックミスは極めて多く、特にバーバラは打数の1割以上がミスというひどさである。さらに、サーブミスやその他のミスも相変わらず多い。リューバにはやられっぱなしでブロックも皆無に近い。この試合リューバはアタックだけで実に29点を得点した。あえて前節のNEC戦よりよくなった点を上げれば、ブロックを食らった数が減ったことだけである。また、日立もアタックミスが非常に多く、これに助けられての勝ちだったといえるだろう。
デンソー応援団の方の書き込みによると、試合展開も、デンソーが終始リードしていたのは第1セットだけ。第2セットは14分、第4セットは17分と、全く一方的に落としている。第3セットも途中8-12とリードされ、逆転でとった。さらに、ラリーポイントの最終セットで、最大3点のリードを許した。ここから日立に平凡なミスが相次ぎ、逆転したとのことである。
相手のミスと地元の応援(リベロ櫻井の出身校である養老女子商業の生徒も多数来場していた)に救われた試合であり、内容的には完璧に負けた試合である。
一方、日立は、島崎がセンター線を使えないのは相変わらずとして、ここ何試合か好調と思われた福田がこの日は決定率3割台と不振だった。試合前の掲示板の書き込みに、この試合は福田の出来が勝敗のカギを握るだろうというようなものがあったけれども、結果を見ると果たしてその通りとなった。
内容は最悪でも結果は勝ったということで、チームの雰囲気としては少しはよくなるだろう。しかし、このような試合をしていては、東芝にも楽には勝てないだろうし、日立佐和には負けるおそれもある。最終週のことを考えれば、この2試合は、結果だけではなく内容もきちんとした試合をしなくてはならない。そして、バーバラはこの両チームをぜひとも「蜂の巣」にしてほしい。

NECは何かと因縁のあるヨーカドー相手にストレートで一方的な勝利。

この日、四強争いという観点で最も注目される対戦は、オレンジ対東洋紡である。オレンジも泥沼に両足を突っ込んだような連敗、一方東洋紡も安井が欠けたことで危機に陥った。結果はいずれのセットももつれながら、オレンジが3-1で勝利。ユニチカは東芝相手にストレートで楽勝。
この日の結果、NECとデンソーが10勝で一歩リードした。そして、9勝で日立・東洋紡・ユニチカ・オレンジが並び、四強争いはさらに激しさを増している。9勝のグループの中では日立がセット率で大きくリードしているけれども、残る3チームはセット率さえほとんど差がない。

順位 チーム 勝敗 得失セット(率)
1 NEC 10-4 33-15(2.20)
2 デンソー 10-4 34-19(1.79)
3 日立 9-5 32-16(2.00)
4 東洋紡 9-5 35-23(1.52)
5 ユニチカ 9-5 30-20(1.50)
6 オレンジ 9-5 29-20(1.45)

東洋紡は代役のリベロを先週と代えたけれども、今度の代役もまた内定選手。この試合では、オレンジがサーブで徹底的にアルタモノワを狙ったと言うべきか、日本人選手がサポートできなかったと言うべきか、アルのサーブの受数が異常に増えた。アルはこの試合、チーム全体の半分のアタック(118本)を打ち、半分のサーブ(60本)を受けた。涙が出そうである。
お願いだからアルを代々一に連れてやってくれ!!
そのために最も重要な役割を担うのがバーバラである。というのは、ユニチカ・オレンジとの対戦を両方とも残しているからである。最終週、この両チームをきっちりとたたかないことには、代々一でアルとの再戦は実現しない。

デンソー3 (15-11, 4-15, 17-15, 6-15, 15-13) 2日立

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第6戦「この試合がもっと早くできていれば」(2/13)

この試合の相手は日立佐和である。日立佐和の佐和とは、発足当時の工場名だが、現在はこのチームは日立の自動車機器製造部のチームである。つまり、デンソーとは完全な同業他社対決である。

11日までの試合内容からすると簡単には勝てないだろうと思われた対戦だったけれども、結果はその予想を覆す一方的な勝利。小田急戦を除けば、これだけ楽に勝てたのは今シーズン初めてである。

この試合、バーバラはなんと打数51。この試合の前までは2/6,7沖縄→2/11稲沢→2/13越谷と、きつい移動が続いているけれども、いくら何でも休みすぎではないか。打数150を超えるような酷使の直後なら、スロー調整もやむを得ないけれども、そうでもなければ1試合70〜80本はコンスタントに打たせたほうがよいのではないだろうか。来週のユニチカ・オレンジとの決戦に向けて、休みすぎると逆に出る力も出なくなってしまうのではないだろうか。

この試合では温水のトス回しも問題なく、日本人選手ともよくあっていたため、日本人選手でも簡単にサイドアウトをとることができた。特にこの日は草深のアタック決定率が極めて高かった。さらに、アタックのミスもほとんどなかった。ブロックも少なくない。バーバラ本人の調子は別とすれば、この日はほぼ完璧な試合だったといえるだろう。
これを上位相手にやってほしいのだ。下位のチーム相手(丸亀の東芝戦除く)、あるいは岩手のヨーカドー・NEC戦では、温水はいいトス回しができていた(にちがいない)。しかし、試合の最初に日本人選手にある程度トスを散らして、それが決まらないとすぐに安全、安全ということでバーバラに集中してしまう。それは結局、本当の力になっていないということなのだろう。(以上葛和全日本女子監督のコメントを引用)黒部のオレンジ戦丸亀のユニチカ戦東芝戦、どれもそうだった。それでも日立佐和以下の相手なら問題はない。しかし上位チームにそれは絶対に通用しない。最終週の対戦は、ユニチカとオレンジ。前半の対戦ではいずれも、バーバラだけという単調なトス回しとなり、敗れた相手である。その教訓を今度は生かさなくてはならない。

この日、大阪会場では、オレンジ対NEC、ユニチカ対日立と、いずれも四強争いに向けて山場となる対戦が行われた。
オレンジがNECから逆転で第1セットを奪ったのは、先週の2連続ストレート負けからすれば健闘といえるけれども、結果的にはそれまでだった。第2セット以降はNECが簡単に連取した。しかし、NECも露骨なことをするものである。この試合、ゴディナの打数は118、チーム全体のアタックのほぼ半分に達した。これではデンソーと大差がない。
日立はセッター島崎が先発。しかしこれがまた「テレビ画面を思わず殴りたくなるほど」(日立ファンの方の言葉を引用)悪かったらしく、第1セット途中で小玉と交代。第1セットは落としたものの、第2セット以降はセッター小玉で固定して連取した。ユニチカはこの試合に勝てば四強の可能性がかなり高くなるところだったけれども、この試合はサーブで崩され、許・木村の決定率が非常に悪く、また一歩後退となった。
しかし、全く先が読めないことには変わりがない。

デンソー3 (15-3, 15-4, 15-10) 0日立佐和

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第7戦「急転直下」(2/14,15)

この日最も注目される試合が、NEC対日立の対戦である。この試合には後期優勝もかかるし、何より日立にとっては四強入りのためにはぜひとも勝ちたい試合である。沖縄→駒沢とNECは快進撃を続けており、付け入る隙はとてもなさそうと思われたけれども、そのNECを日立がフルセット、2時間近くの激闘の末下してしまった(5-15, 17-15, 15-17, 15-9, 15-11)。
この試合は、NECのゴディナが打数98、日立のソコロワが打数121と、すさまじい打ち合いとなった。バーバラ絡み(デンソー対東洋紡またはデンソー対ヨーカドー)以外では、これは史上最大級であろう。その一方で、強力なアタックを誇るチーム同士の対戦にもかかわらず、アタック決定率はNEC36%、日立34%と極端に低い。日本人選手がなかなか決まらなかったことで、両チームとも安全に安全にということで外国人エースにボールが集中してしまい、そのエースも前日までの疲れもあり思うように決まらなかった、ということがうかがえる。
実際に試合を見た人の感想としても、特に第3セット以降は完全にゴディナ対ソコロワの外国人エース対決になってしまったとのことである。NECと日立、名門チームで全日本にも複数のレギュラーメンバーを出しているチームですらそうなってしまうのである。これでは鎖国論が出てくるのも当然だし、鎖国論者に正当な論拠を与えることになってしまう。
NECのセンター杉山はほとんどフル出場しているにもかかわらず打数が0に近いことで有名になってしまったけれども、これは杉山がローテーション上ゴディナの隣だからである。つまり、ゴディナが前にいる間は、大貫はサイドアウトをとるにもほとんどゴディナにボールを回しているということである。
さて、この試合に勝ったことにより、日立は四強入りに向けて大きく前進した。

この週は2月11,13,14,15日と、土曜日から月曜にわたって試合が行われる変則日程、しかもいずれのチームも週3試合を戦うというハードスケジュールとなった。四強争いのもう一つの焦点となる試合、東洋紡対ユニチカ戦は、15日の月曜日に行われた。東洋紡は安井を欠いて以来日立佐和・オレンジに連敗、このことからするとユニチカ有利かと思われたけれども、その予想を覆し、東洋紡がセットカウント3-1(15-9, 7-15, 15-11, 15-7)で勝利。四強にかすかな望みをつないでいたユニチカにとどめを刺した。この試合は、東洋紡の日本人選手もそろって決定率が高く、ブロックも多い。東洋紡の圧倒的に強いパターンが出ており、決勝ラウンドにもつながる内容の勝利である。

さて、ここで「決勝ラウンドにもつながる」と書いたけれども、13日まで先が全く読めない状況が続いた四強争いが、この試合に東洋紡が勝ったことで急転直下、事実上の決着を見た。すでに決勝ラウンド進出を決めているデンソーに続き、NEC・日立は残り2試合の片方でも勝てば決勝ラウンド進出が確定する。NECは残る相手が東芝・小田急、日立もヨーカドー戦を残している。4位の東洋紡も5位のオレンジに1勝の差を付け、東芝戦が残っているため、これも非常に有利な状況である。
かくして、今回のVリーグ女子決勝ラウンドは、まさしく外国人エースの最終戦争の舞台となる。
さて、この4チームのうちどのチームが2位以内に入り、どのチームが3位・4位になるかも決勝ラウンドを占う重要なカギである。NECは現在2位でしかも最終週に東芝・小田急戦を残しており、この2試合を1セットも落とさず連勝する可能性は高い。すなわち、NECの2位以内はかなり確実ということである。デンソーは最終週の2試合に連勝すれば、文句なく通算1位である。しかし、バーバラが疲れ果てている現状で、ユニチカ・オレンジに連勝することは決して容易ではない。しかも、デンソーは前半戦でこの2チームにいずれも敗れている。もし最終週に片方でも敗れれば、セット率で不利にあるため、通算3位以下となる可能性が非常に高い。その場合、NECが1位、最終日の日立対東洋紡戦の勝者が2位に入ることになるだろう。
つまり、決勝ラウンド初日の試合は、バーバラ・アル・リューバのうち2人の対戦となると予想されるわけで、これはもう初日も代々一行き決定!である。

さて、バーバラのエアリービーズのほうは、東芝相手に順当に勝ったことは勝った。しかし、1セット落としたのは余分である。得失セット率での順位争いとなる可能性は十分にあるのだから、1セットたりとも取りこぼしは許されない。それに、第4セット15対6で39分かかっているのは、何なのだ?
この試合、エアリービーズのアタックのうちバーバラが打った割合は6割近くと、いつものエアリービーズに戻ってしまった。東芝相手になるとどうしてこれほどバーバラに集中するのだろう?しかし、バーバラ自身は東芝には相性がよく(というべきなのだろうか?)、この試合も打数105決定63と、まさしく「蜂の巣」にした。前日の試合であまりにもさぼりすぎたから、それを考慮すればバーバラにとってはむしろ適切な調整だったといってもいいかもしれない。
しかし、このような試合をしていては、最終週の2試合には勝てないだろう。

デンソー3 (15-9, 15-2, 11-15, 15-6) 1東芝

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第8戦「焦点は四強から二強に」(2/20)

15日時点で事実上決着していた四強争いだが、この日、日立佐和がフルセットの末オレンジを破るという番狂わせが発生(5-15, 15-6, 17-15, 12-15, 15-10)。これにより、デンソー・NEC・日立・東洋紡の4チームが決勝ラウンドに進出することが数字的にも決定した。
この日の試合、オレンジは第3セット以降ゼッターランドを下げ、そのポジションに酒井を入れた。酒井は対角のアタッカーである。すなわち、この試合はセッター満永の実験をしたということである。しかし不可解なのは、なぜ日立対ヨーカドーの試合結果が分かっていない時点で満永セッターの実験に走ったのかということである。オレンジは第2セットを落としていた。したがって、日立がヨーカドーに勝った時点で四強の可能性はなくなったことになる。しかし、この日はオレンジの試合も日立の試合も第1試合、試合開始時間は同じであり、オレンジの第2セット終了時点で日立の試合が決着していたはずはない。(オレンジ対日立佐和の試合は、第2セットまで実試合時間35分しかかかっていない。)
NECはこの日も東芝相手にストレートで順当勝ち、1日早く全試合を終了した。

さて、デンソーエアリービーズは、ユニチカ相手にストレート勝ち。この試合も、前回のユニチカとの対戦と同様、第1セットはもつれた。しかし、これを今度はデンソーがものにした。すると、第2セット以降は一方的な展開となった。
しかし、エアリーの試合内容としては、相変わらずブロックは少なくブロックを食らった回数は多く、サーブミスも多く、まだまだ完璧にはほど遠い。これでは決勝ラウンドには非常に不安が残る。
前回のユニチカ戦と最も違ったのは、何と言っても日本人選手のはたらきである。この試合のエアリーのアタック決定率は53%、そして日本人選手トータルでも5割を超える大当たりで、多少ブロックを食らおうがサーブミスが多かろうが一気にもっていってしまった。特に、藤田・小野のセンター線はあわせて7割近くという驚異的な決定率だった。

これにより、焦点は、決勝ラウンド初日の試合が免除される2位以内はどのチームになるかという点に移ってきた。

デンソー3 (17-15, 15-7, 15-7) 0ユニチカ

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第9戦「短所を直すより長所を伸ばすべき、か?」(2/21)

デンソーのレギュラーシーズン最終戦の相手はオレンジである。いかに昨シーズンの力はないとはいえ、かなり長いこと勝ったことのない相手である。今シーズン前半の対戦でも1-3で敗れている。

さて、この日のデンソーの試合内容はどのようなものだったかというと、アタックのミスもサーブのミスも前日の試合以上に多く、ブロックを食らった数も少なくない。悪いところは何一つよくなっていない。そればかりか、この試合ではサーブレシーブが完全に崩れ、実に9発のサービスエースを許した。
それにもかかわらず試合には勝った。それもストレート勝ちである。

それら全部を補ってあまりあるほど、この日はエアリーのアタックが炸裂していた。この試合でも、エアリーのアタック打数の3分の2近くがバーバラに集中した。しかし、このときのオレンジはもはや黒部で対戦したときのオレンジではない。バーバラを止める力はなかった。そして、日本人選手のアタックも面白いように決まった。この試合のデンソーのアタック決定率は、何と56%。ユニチカ・オレンジとも、対戦した時点では四強の可能性はなくなっており目標を失っていたとはいえ、下位3チーム相手ならともかくVリーグの中でも守りが堅い部類に入るこの両チーム相手に、チーム全体として50%を大きく超えるアタック決定率をマークするとは、尋常ではない。
ここまで私は、この日記の中で、とにかくミスを減らし、相手のブロックにかからないようにしなくてはならないと、何度となく繰り返し書いてきた。しかし、決勝ラウンドまでの少ない時間を考えると、その短所を修正するより、現在のエアリーの長所であるアタックの破壊力が生かせるようにしたほうがよいのではないか。そう思えるようなこの2試合の勝ち方だった。

なお、この日のもう一つの注目の試合、日立と東洋紡の対戦は、フルセットの末東洋紡が勝利した。この試合に勝てば、日立は後期8勝1敗で文句なく後期優勝となるところだったけれども、この試合に敗れたため、後期の成績は四強が結局7勝2敗で並んだ。その中で、7試合の勝ち試合でわずか1セットしか落としていないNECが後期優勝となった。

デンソー3 (15-10, 15-11, 15-9) 0オレンジ

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後半戦総括「結果はオーライだが」

終わってみれば後期も7勝2敗、通算1位で通常シーズンを終えた。
2/6,7と沖縄での山場の週で2連敗して以降、厳しい日程が続く中で立て直して連勝したのは、よくやったと思う。しかも、連敗をストップした稲沢での試合は、内容的には完全に負けていた試合である。この試合、第3セットはいったんセットポイントを握られていた。そこから逆転して、このセットを17-15でとった。それがこの試合をフルセットでものにすることにつながった。そうでなければ、第4セットを簡単にとられて勝負は終わっていたところである。
日立佐和戦以降は、バーバラも疲労が極限に近い中でよく持ちこたえたと思うし、そしてそれ以上に重要なのはバーバラをサポートすべき日本人のアタッカーが頑張ったと思う。別の言い方をすれば、温水が日本人アタッカーを生かせるようなトス回しができたということである。
前期も、第3週の丸亀でおかしな試合を2試合続けた。しかし、その次の週にはそれを修正した。日立戦にストレート勝ち(この試合も、第2セットは相手に先にセットポイントを握られている。そして、この試合で1セットでも落としていれば、前期優勝はなかったのだ。)。そして、東洋紡戦での伝説的とも言える勝利で、前期優勝を飾った。第1,2セットを先取され、その後3,4セットを取り返して迎えた最終セットでも、自チームのサーブで相手のマッチポイントという絶体絶命の場面をしのいだ。
つまり、それだけ精神的な成長がうかがえるということである。

しかし、結果はよかったけれども、それぞれの試合の内容を見れば、満足のいく試合は全くと言っていいほどない。特に、この先決勝ラウンドで対戦することになるNEC・東洋紡・日立に対しては、試合内容としては1試合も勝っていない。
アタックもサーブもミスが多い、ブロックが少ない、サーブレシーブをミスするとすぐにエースにしてしまうなど、前半戦ではっきりした課題はいくらでもあった。そして、前期優勝で決勝ラウンド進出はほぼ確定(7試合残した時点で数字的にも決定)したのだから、後半戦は目先の勝ち星ではなく、それらの課題を修正することを目標に試合をしてほしかったのだ。しかし、このチームはそれらの課題を何一つ解決できないまま後半戦を終わってしまった。それどころか、前半戦よりももっと深刻になっていると言ってもよい。後半戦勝った試合も、いずれもアタック力にものをいわせて勝った試合ばかりで、それ以外に見るべきところがある試合はほとんどない。

しかし、今になってそれを修正しようとしても、決勝ラウンドまでの短い時間には不可能である。今となっては、エアリービーズの唯一の武器であるアタック力を最大限に出せるようにという方向で考えるしかない。つまり、日本人アタッカーがどれだけ決められるか、言い換えれば、温水が日本人アタッカーの力を出せるようなトス回しができるかどうかということである。それで勝てなければ、このチームの力が足りなかったということである。

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決勝ラウンドに向けて

決勝ラウンド初日の東洋紡対日立の試合も、どちらにとっても勝ちたい試合であろう。通常シーズンの対戦成績は、東洋紡・日立のどちらにとっても、デンソーよりもNECのほうが分がいいからである。東洋紡は、上位4チームとの直接対決で唯一の敗戦がデンソー相手である。いうまでもなく、前期最終戦、最終セット21-19までもつれた伝説的試合である。日立も、デンソーに対しては2連敗、NECに対しては1勝1敗である。
この対戦自体は、通常シーズンは東洋紡の2連勝。ノーガードで打ち合ってしまえば、日立に勝機はおそらくないだろう。日立としては、東洋紡にない部分をいかに出していけるか、すなわち「サーブで崩して、ブロックで止める」形がどれだけ出るかがポイントである。

デンソーは、準決勝で初日の試合の敗者と対戦となる。日立相手なら、まともな試合をすればおそらく勝てるだろう。日立は上位4チームとの対戦では1勝しかしていないけれども、6試合のうち4試合はフルセットである。また、下位への取りこぼしは全くない。それだけおかしな試合をすることは少ないということである。つまり、エアリーが変な試合をすれば、必ず負けるということである。
東洋紡相手だと、話はかなり厳しくなる。今シーズンの東洋紡は、生観戦とNHK-BS生中継をあわせても今シーズン1試合しか見ていない*。しかもその試合はヨーカドーに敗れた試合なので、本当に強いときのこのチームを見たことがない。しかし、数字的に言うと、デンソーと東洋紡は何から何までよく似たチームになってしまった。つまり、東洋紡も、日本人選手が当たったときの破壊力は手のつけようがない。しかも、東洋紡はデンソーと違い、アタックのミスもサーブのミスも少ない。このチームが「よい試合」をしたときには、それを上回る「完璧な試合」をしなければ勝てない。
* それならほかのチームは2試合以上見ているのかと突っ込まれそうだが、答えはYES!!である。観戦記に書いた以外にも多くの試合を観戦しており、生観戦とNHK-BS中継をあわせれば、今シーズン東洋紡以外のVリーグ女子全チームを3試合以上見ている。
ただし、いずれにしても、対戦相手は前日の試合が18時からでこの日の試合が12時からとなり、この日程は相手にとってハンデ、つまりデンソーにとっては有利にはたらくことは間違いない。

東洋紡は、上位4チームとの直接対決には5勝1敗と圧倒的に強いのに対し、これ以外のチームへの取りこぼしが4試合と多い。逆に、日立は、上位4チームとの直接対決では1勝のみなのに対し、上位4チーム以外の相手に負けた試合は1試合だけである。それも集団風邪に襲われおかしくなる前のオレンジに負けた試合なので、取りこぼしとは言わない。NECは、直接対決で2勝4敗、それ以外ではヨーカドーに負けた1敗のみである。デンソーは、直接対決で4勝2敗、四強以外に2敗、うち序盤のオレンジ戦の1敗を含む。

とにかく、私は3日間とも代々木に観戦に行くことはほぼ間違いないのだが、準決勝・決勝ならともかく、金曜日の3位対4位の試合にどうして代々一のような大きな会場を使うのか。絶対がらがらに決まっている。私が保証してもよい。いくら何でも1試合のためにアリーナのチケットを買う気にはなれないけれども、代々一ほど大きな体育館だと、スタンド自由席からでは豆粒くらいにしか見えないだろう。困ったことだ。

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