第1戦「88本しか打っていない」(1/31)
第2戦「Vリーグを台風7号直撃!」(2/1)
第3戦「長かった、本当に長かった」(2/14)
第4戦「バーバラの休養日?」(2/15)
第5戦「前夜にして、決着してしまった」(2/20)
第6戦「むなしいストレート勝ち」(2/21)
第7戦「そして全ては終わった」(2/22)
第3レグ総括「遅すぎた追い上げ」
1月25, 26の2日間は、はっきり言って切れそうだった。
しかし、私のページを見てくださった方から励ましの言葉を頂き、これはこのページを楽しみにしている人々のためにも責任を持って書かなければならないと思い、この手記を続けることにした。
こうして考えてみると、1シーズンで1勝できるかできないかというチーム(第3回までは、男子・女子とも、必ず1チームあった)のファンの気持ちは、察するに余りある。
第1戦「88本しか打っていない」(1/31)
試合結果を見る前に、バーバラの個人成績のチェック。バーバラは88本しか打っていない。決定率はまた下がっている。「これはどう考えてもストレート負けだなぁ。」
どうせ勝てない相手なら、どん底状態のうちに当たっておいたほうがよい。11点、4点、8点、・・・はぁ、ひどい負け方だ。
他のチームの結果はだいたい予想通りである。NECはずいぶんフルセットがお好きなようである。第2レグ以降の8試合でフルセット5試合、しかもそれを全部勝つとはちょっとまねのできない芸当(?)だ。最下位小田急相手にまたフルセット。とった3セットの失点が0, 2, 7(ラリーポイント)点、こんなのフルセットに持ち込まなくても簡単に勝てそうな気がするのだが。
それにしても、「88本しか」とはいったいどういう表現だろうか。バーバラのサポーターでもそう思ってしまう。昨年のプレーオフ第2戦、バーバラの打数が4セットで108本に達し、「すごい打ち合いだ」と感じたものである。現在は4セットで108本なら「少ない部類」である。復帰以降の6試合で、バーバラの平均打数は105本である。そのうち4試合はストレート負けである。それ以外の2試合はいずれも130本を超えている。
気が狂っているとしか思えない。このページを書いている私自身、感覚がマヒしてきている。作り話の中でしかあり得ないと思っていた事態が現実になっている。
明日は「どん底状態だろうと何だろうと関係なく燃えることができる」アルとの対決である。明日勝てないとこのレグ全部負けそうだ。
その後、選手にとっては待望であろう1週間休み。これはたぶん、試験と長野五輪に集中しろということに違いない。
デンソー0 (11-15, 4-15, 8-15) 3ダイエー
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第2戦「Vリーグを台風7号直撃!」(2/1)
「今年度上陸した超大型台風7号*1が東京を直撃、ロケットタワーが倒壊しました!!今後も各地で甚大な被害を及ぼすことが予想されます。各チームとも厳重な警戒をお願いします。」
*1 Gabrielle(綴りは違うかもしれない。Vリーグ観戦ガイドに載っていない)だから7号。アメリカでは台風、ハリケーン、サイクロンの発生順にA,B,C,...で始まる人名をつけるのは周知の事実。実は現在は男女の名前を交互に使うから、7号が女性名というのはおかしいのだが、そこまでは気にしない。
実は「台風7号」ことガビーを見たのは今日が初めてだった。ブロックに速攻に移動攻撃に、さらにバックアタックにと、本当に応用範囲の広いプレイヤーである。バックアタックがあれほど打てるとは驚いた。さらにレシーブでも計算でき、チームの統率を取る役割も果たす。「影響が多種多様」と書いたのはこのことである。唯一の難点は体力らしい。センタープレイヤーでしかも線が細いから、ばてるのが速いらしい。第3セット以降跳躍もままならないような感じの試合があったという。この日も、第3セットは、疲れが出てきたかなと感じられる場面が何度かあった。しかし、第4セットに入ると、スタメンでガビーを前衛に出したのが大当たり。後半もすばらしい出来だった。特に前に来たときは、堅守を誇るNECですらどうにも止められないという感じだった。
この試合は大手カメラ屋*5で見たけれども、本当に驚いた。もっとも、第2レグ以降8試合のうちフルセットの試合が5試合、危ない橋は何度も渡っていたわけだが。この日のNECは、サーブで攻めることはできず、サーブレシーブが崩れた。NECの武器はこの両者であり、これがなければ全く平々凡々たるチームになってしまう。NECがここまで崩れるのを見たのは初めてである。
*5 「不思議な不思議な池袋
東が西武で西東武
高くそびえるサンシャイン
(以下略)」
NECは昨年も初戦で負けた後13連勝、しかもその連勝を止めたのは同じイトーヨーカドーだったのだ。ここまでくるともはや因縁めいている。昨年と違うのは、昨年は一つ負けても断然の通算1位という状況に変わりはなかったのに対し、今年はこの負けはダイエーとの通常シーズントップ争いの致命傷に近いことである。
チーム | 勝敗 | 得失セット |
ダイエー | 15-1 | 47-11 |
NEC | 14-2 | 44-20 |
NEC1 (6-15, 12-15, 15-4, 5-15) 3イトーヨーカドー
この日は男子でも1位新日鐵と2位松下が相次いで敗戦、猛烈な嵐の吹き荒れた一日となった。特に、この日新日鐵を破ったのは、この試合の前まで2勝13敗で7位に沈んでいた東レだったのだから、とんでもない番狂わせである。
新日鐵1 (11-15, 4-15, 15-9, 3-15) 3東レ
松下0 (7-15, 5-15, 11-15) 3NEC
今日だけはこのページでもバーバラは脇役である。今日も試合結果の前に個人成績のチェック。「決定率が上がっていない、この出来では負けだね。アルは一気に上がっているし(前日ランク外→9位)。」
打数112だから4セットで負けかと思ったけれども、一応フルセットに持ち込んでいた。この対戦でフルセットにもつれたら、勝負は時の運である。相手は世界一のロシアチームのエースである。フルセットでそうそう勝たせてはもらえない。
さて、詳報を読んでびっくりしたのは、チーム全体の決定率がなんと48%あったこと。つまり、日本人選手の決定率が、バーバラの決定率を上回ったのだ!!これは驚くべき出来事である。今までどの試合もバーバラの決定率を10〜15ポイント*6も下回っていた日本人選手が(バーバラと日本人選手の決定率の差、第2レグまでで13.2ポイント)、突然の大爆発である。
しかし、これで試合に勝てないとは。いったいどうなっているのだろう。今シーズンの場合、チーム決定率48%もあれば普通は楽勝である。
*6 ポイントとは、パーセンテージの差を意味する。
バーバラはこの試合サービスエース5本、サーブの出来は非常によかったようだ。打つほうの負担が軽かったことが一つの要因かもしれない。これでこの日サーブの悪かったチューリナを抜き去り、サーブ効果率では再度トップを奪い返した。
このとき、私の気持ちはもはや完全にバーバラの個人記録に切り替えていた。3年ぶりのエースアタッカー二冠(猛打賞+サーブ賞)をただ一つの楽しみとしようと決めた。
デンソー2 (15-8, 7-15, 15-6, 9-15, 12-15) 3東洋紡
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第3戦「長かった、本当に長かった」(2/14)
この日は長野オリンピックの中盤の山とも言える日であり、注目すべき競技が目白押しである。昼のノルディック複合個人・後半クロスカントリーから始まり、フィギュアスケート・男子シングルフリーまで延々と見る。複合後半のスタートは午後1時、フィギュアが終わったのは午後11時である。
時間もちょうどよいので、バーバラの個人成績のチェックをする。もうプレーオフ進出の可能性はないに等しいのだから、勝っても負けてもどちらでもよいではないか。どうしてそれほど緊張するのか。自分に問いかけながら、それでも心臓の鼓動が異常に早まる。
久しぶりに決定率が上がっている、これはひょっとすると?
試合結果は、果たしてデンソーがフルセットで勝っていた。第1レグ、チームがまともに機能していた頃も苦戦し(セットカウントこそストレートだが、どのセットも接戦)、第2レグは完敗、分のよい相手ではないと思われたけれども勝った。第2レグ以降は4連敗-1勝-4連敗。第1レグ最終戦に勝ってから第2レグ東洋紡戦の勝利まで1ヶ月近く、第2レグ唯一のその勝利からこの日までまた1ヶ月近くあった。
長かった、本当に長かった。やっと勝てた!!
もっとも、その予感はしていたのだ。その根拠は、第2戦の東洋紡戦、日本人選手が大当たりしていることである。バーバラは飛び抜けた決定力と耐久力を持つスーパーエースである。日本人がもう一頑張りすれば、決してこのチームは弱いチームではない。
この日のバーバラは、打数157・決定数82・全得点45・アタック得点39。何だこれはいったい!!常識外れの記録にはもう慣れているけれども、それでもこれはにわかには信じ難かった。この試合の前までの記録とこの試合までの記録を何度も見返し、個人技術集計と得点ランキングを何度も照合した。
これは全部新記録だろう。第2レグアルとフルセット打ち合ったときの打数138・決定数70・総得点38・アタック得点33が、たぶんこれまでの記録である。これでも十分鬼のような記録である。それをさらに大きく上回っている。私自身感覚がマヒしているけれども、この打数・決定本数は普通のエースの3試合分である。45点とは、ストレート勝ち1試合分である。これを1試合で一人の選手が叩き出すとは、「常識外れ」などというレベルでは全くない。この試合のデンソーの得点は合計64、その7割以上を一人で記録したことになる。普通は、チーム全得点のうち2割〜3割程度が相手のミスによる得点である。したがって、バーバラ以外のデンソーの選手の得点は皆無に限りなく近いことになる。
このようなまねをしていいのか。バーバラの選手生命を縮めることにならないのか。ここまでしないとこのチームは勝てないのか。他の選手ならつぶれてしまうような酷使に耐えることは、バーバラの大きな特長の一つである。もしバーバラが普通の使い方しかされていなければ、私がバーバラのファンになることは決してなかっただろう。バーバラの限界は、常識では推し量れない。しかし、そのバーバラでも、この使い方は限度を超えているのではないか。バーバラは世界でも最も優れたエースアタッカーである。そのバーバラを酷使のためにつぶしてしまうことがあれば、それはバレーボール界に対するきわめて重大な犯罪である。
そして今年はアルもそれに近い状況である。この日の小田急戦、やはりフルセットにもつれ込み、アタック打数128・決定数63。バーバラ以外ではこれも記録だろう(打数は第2レグバーバラと打ち合ったときのほうが多いが)。
プロ野球でも、数十年前は1シーズンに30勝する投手はざらだった。しかし、その投げすぎのために、2,3年で選手生命を燃やし尽くしてつぶれてしまう選手が後を絶たなかった。現在のような中四日、中五日のローテーションが確立したのは、酷使はチームの財産である選手をつぶす以外のなにものでもない、ということがはっきりと認識されたからにほかならない。
バーバラやアルがそうならないという保証が、どこにあるのか。まだ、アルの場合は、このような使われ方をするのは東洋紡オーキスだけですむけれども、バーバラはエアリービーズでもナショナルチームでも桁外れの酷使である。バーバラの1年分は、普通のエースの2年分である。おそらく状況ははっきりと警告しなければならないところまで来ている。
テンションは最高に達したまま、他の試合の結果もチェックする。NECとダイエーは当然勝っているのだろうなと思いながら。NECはユニチカ相手に久しぶりのストレート勝ち、ダイエーは・・・あれれ?フルセットで負けているぞ!第2レグでNECに敗れて以降は、ほとんど絶対と言っていい強さだっただけに、これは驚きである。もっとも、この試合の相手イトーヨーカドーには、第2レグではフルセット、第1レグでもセットカウントは3-1ながら大変な苦戦*を強いられている。
* 第1レグのこの対戦は、試合時間(試合開始から終了までの時間ではなく、各セットの所要時間の合計)が2時間20分を超え、フルセットの試合まで含めても今季最長の試合である。4セットのうち40分を超えたセットが2セット。得点合計では勝ったダイエーより負けたヨーカドーのほうが多かった。
それにしても、この日のダイエーはいったいどうしたことか。最終セットがなんと15対4。ラリーポイントではほとんどあり得ない点数である。
前節の敗戦でNECの通算トップは苦しくなったかと思われた。しかしこれでまたわからなくなった。そしてこれは、
イトーヨーカドーが第3レグ優勝か??
ダイエー2 (14-16, 15-6, 15-8, 8-15, 4-15) 3イトーヨーカドー
デンソー3 (6-15, 16-14, 15-12, 12-15, 15-9) 2東芝
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第4戦「バーバラの休養日?」(2/15)
今日は日本中が長野五輪に釘付けになった。バレーボールなどもちろんどこかに吹き飛んだ。
感動のジャンプ・ラージヒルからおよそ半日。興奮も次第に冷めてきた頃、バーバラの個人成績のチェックを行う。
いったい、この日のバーバラはどうしたことか。打数51・決定数17、決定率わずか33%。アタック得点がわずか3点。サーブも11回打って3度の効果を取ったのみ。ここ数試合の酷使でついに壊れてしまったのだろうか。意図的に「休養日」にした(あるいは、前日の反動がきただけ)ならよいのだが。もちろんこれで試合になるはずはない。
嵐の後の静寂とはこのことか。全く番狂わせのない、しかも1試合を除き全て一方的なストレートの試合である。
他の試合では、東芝が期待通り(?)ユニチカを撃沈した(17-15, 15-4, 6-15, 15-7)。なぜそれを期待していたのかと言われると困るのだが、ユニチカはこの試合に勝てば通算4位・プレーオフ進出がきわめて濃厚となるところだった。この試合に東芝が勝ったことで、4位争いが先が見えなくなり非常に面白くなったことは間違いない。4位争いは3チームが7勝で並び、再度泥沼状態に突入した。
チーム | 勝敗 | 得失セット |
ユニチカ | 7-11 | 32-39 |
東芝 | 7-11 | 29-36 |
東洋紡 | 7-11 | 27-42 |
一方、東芝・東洋紡はダイエー・NEC戦を残している。ダイエー・NECとも、ヨーカドーにこそまさかの敗戦、しかしそれ以外の試合では余裕を持って勝っている(NEC対小田急戦はフルセットだが、スコアからすれば余裕がある。)。東芝・東洋紡のチーム力からすると、ダイエー・NECを破ることはやはり可能性が薄いと思われる。
すると、いずれのチームにとっても、第6戦(2/21)が勝負となる。まずダイエー対NECの横綱対決。言うまでもなく、この試合の勝者が通常シーズン1位をほぼ確定する。そして、東芝と東洋紡の対決。これは完全に4位争いの生き残りをかけた試合で、この試合の敗者は4位争いから脱落となる。また、ユニチカにとってはこの日のデンソー戦がカギである。ヨーカドーに負けてもこの試合に勝てばプレーオフ進出が非常に濃厚になる。一方、ヨーカドー・デンソーに連敗するとかなり危うくなる。したがって、デンソーも、プレーオフ進出チームを決める重要なカギを握っていることになる。
デンソー0 (7-15, 8-15, 6-15) 3NEC
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第5戦「前日にして、決着してしまった」(2/20)
この日は、オリンピック最後を飾る華、フィギュアスケート・女子シングルフリーである。タラの優勝を見た後、例によって個人成績のチェックから行うつもりだったけれども、まだアップデートされていないので、試合結果を先にチェックする。
「あれえーーーーーーーーーー!!」
思わず叫んでしまった理由は、ユニチカがヨーカドーに勝っていたからである。個人的には相性が悪い(ヨーカドーから見て)という印象があったけれども、ここまでレグ全勝、勢いに乗っているはずのヨーカドーを負かすとは。ヨーカドーは、これでレグ優勝の可能性が白紙に戻ってしまった。この試合の前の状況からして、ユニチカはプレーオフ初戦で当たる可能性が極めて高い相手である。その意味からも、たたいておきたかったと思うのだが。
この日のガビーの個人成績を見ると、最近は毎試合10点近くあったブロック得点がなんと2点。アタック得点もわずかに7点。ここまでガビーが止められては、ヨーカドーに勝ち目はない。
前の項目で、21日の3試合が決戦となるだろうと書いたけれども、その日を前にして、ほぼ決着がついてしまった。というのは、ユニチカはほぼ間違いなく勝てる小田急戦(小田急ファンのみなさん、ごめんなさい)を残しているからである。かりに21日のデンソー戦で負けても、小田急戦に勝てば9勝。7勝の東芝・東洋紡は、まだダイエー・NEC戦のどちらかを残しており、連勝はほぼ不可能である。デンソーがかりに連勝した(1勝するのにあそこまでバーバラを使い果たすチームが、3連勝できるはずがないと思うが)としても、セット率で追いつかない。
デンソー3 (12-15, 15-4, 15-11, 15-12) 1小田急
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第6戦「むなしいストレート勝ち」(2/21)
長野五輪もいよいよ大詰めを迎えつつある。ノルディック複合団体戦でもメダルを逃し、これでもう日本がメダルを取れる種目は残っていない、と思っていたところに、ショートトラック・男子500メートルで金・銅メダルという快挙。見ている私も、このオリンピック期間中、何度目ともつかぬガッツポーズと叫び声を上げる。
その興奮がさめやらぬうちに、バレーボール関連サイトのチェックを行う。個人別の技術集計はまだ出ていないようなので、総得点のチェックを最初にする。バーバラのこの日の得点は23点。これだけではまだ勝ちとも負けとも判定できないが、よく見ると、セット数が3しか増えていない・・・?ということは、間違いなく勝っている。それもストレートである。
ストレート勝ちなんて、なんて久しぶりなんだ!
第1レグ最終戦以来、およそ2ヶ月ぶりのストレート勝ち。それもユニチカにストレートで勝てるとは。しかし、だからといって大勢に変化はない。むなしいストレート勝ちである。Vリーグ女子もいよいよ大詰めである。この日は、事実上の通算1位決定戦、ダイエー対NECという横綱の直接対決である。NECとダイエーではダイエーが少し上かという印象は以前から抱いていたけれども、やはりダイエーがフルセットの末NECを下した(15-10, 9-15, 6-15, 15-7, 15-11)。きわめて余談だが、NECは今シーズンフルセット6試合目にして初めて敗れたことになる。
これによって、最終戦、ダイエーがストレート負けでNECがストレート勝ちでも得失セット率で追いつかなくなり、ダイエーの通算1位が確定した。また、ダイエーはこのレグの優勝もほぼ確定した。ただ、昨シーズンと違い、第3レグ優勝がどのチームになってもプレーオフ進出チームに影響はないので、これは単に賞金がかかっているという意味しかないわけだが。最終戦の東芝戦にストレートまたは3-1で勝てば、他チームの試合結果に関わりなくレグ優勝が決定である。東芝戦は、第1レグが3-1、第2レグはストレート勝ちと、問題にしていない。特に、第2レグは、15-5, 15-5, 15-3という、今季のVリーグ女子で最も一方的な試合である。
さて、4位争いは、ユニチカが最終日の小田急戦に勝てば他のチームの結果に関わらず4位決定という、きわめて優位な状況にあることに変わりはない。しかしその前日にストレート負けとは、不安材料ではある。
デンソー3 (15-6, 15-8, 15-12) 0ユニチカ
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最終戦「そして、全ては終わった」(2/22)
ついに長野五輪が終わった。夢のように、そして嵐のように過ぎ去った16日間だった。閉会式を見ながら、頭の中を数々の感動シーンがよぎる。
閉会式が終わり、長野五輪関連の新聞記事の整理を終えた後、バレーボール関連サイトのチェックを行う。
まず得点ランクのチェックを行う。バーバラのこの日の得点は21点である。試合は4セット。これだけだと勝っているか負けているかわからない。そこで、ガビーのチェックも行う。ガビーのこの日の得点は22点、なんとバーバラより多い。お得意のブロック得点が7点。ふだんはサービスエースなどそれほどないガビーに、サービスエース3本も浴びている。「これはどう見ても負けだろう。」
ところが試合結果は、デンソーが勝っていた。ここまでガビーにやられて、いったいどうやって試合に勝ったのか。不思議なくらいである。第2レグから第3レグの半ばまで2勝9敗のチームが、なんと最後で3連勝である。
しかし、後でこの試合の正式記録を月刊バレーボールで見て、この試合に勝ったのも納得できた。この試合、バーバラは得点こそ少なかった*ものの、ガビーを超える大当たりだったのだ。決定率は56%(65/116)、開幕の小田急戦以来と思われる大爆発である。
* 得点が21点で少ないとは、いったいどういう表現だ。本当に感覚が狂っている。
最後の3連戦、バーバラは打数363・決定本数184(決定率50.69%)。これはもはや超人的といってよいだろう。これができるのは世界でもバーバラただ一人だけと断言できる。しかし、いくらバーバラが一人で打っても、日本人選手が頑張らなければ勝つことはできない。最後の最後に、やっと歯車がかみ合った。
通算結果は5位。やはり逆転4位は不可能だった。残念な気持ちは残る。これでもし逆転プレーオフ進出とでもなれば、バーバラは「スーパーエース」をも超えて「伝説の主人公」になることができるところである。
最下位が決定し、動機も何もないチームが、4位目前のチームに勝つはずはなかった。4位争いは順当に決着していた。実力の差に、モチベーションの差が加わり、15-4, 15-3, 15-3、試合時間50分という、今季Vリーグ女子最悪の一方的な試合となった(それにしても何だこれは、横綱NEC対バーバラのいないデンソー戦よりひどいではないか>小田急)。
デンソー3 (15-13, 15-9, 8-15, 15-12) 1イトーヨーカドー
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第3レグ総括「遅すぎた追い上げ」
第2レグ終わった時点で、プレーオフ進出がほぼ絶望となり、デンソーはこのままずるずるいってしまうかと思われた。第2レグ唯一の勝ち星をあげた相手である東洋紡に敗れたときは、このままこのレグは全部負けてしまうかと心配した。
しかし、第3戦の東芝戦以降は違った。この試合の各セットの得点を見ると、第1レグのユニチカ戦と酷似していることに気づく。どちらの試合も、デンソーが取ったのは第2,3,5セット、第1セットを一方的に落としている。第2セット(16-14)・第4セット(12-15)は得失点も全く同じである。しかもこの試合は、第3セットも15-12と競り合っており、第1レグのユニチカ戦以上に厳しい試合であった。第1レグも、ユニチカ戦を取ったことで流れが変わり、それを翌日のヨーカドー戦につなげ、4勝3敗で終えた。だから、東芝戦の勝ちを知ったとき、流れが変わったという予感はした。そしてそれは現実のものとなった。翌日のNEC戦は、バーバラを完全に使い果たしており、また相性の悪さもあって、一方的なストレート負け。しかし、その後、絶対不可能と思っていた3連勝。ユニチカを最後まで追いかけた。
3連勝が絶対不可能だと思っていた理由はもちろんある。第2レグの初戦から第3レグの第4戦までの11試合で、このチームの勝った2試合を見ると、第2レグの東洋紡戦ではバーバラの打数138・決定数70、第3レグの東芝戦ではバーバラの打数157・決定数82。このチームが勝つためには、バーバラはまさに体力も気力も使い果たすようなまねをしなくてはならない。よしんばそのようにして1試合勝ったとしても、翌日に試合があれば、バーバラは力尽きている。それで勝てるはずはない。
最後の3連戦、小田急戦は、ひょっとするとそこまでバーバラを使わなくても勝てるかもしれないと思っていた。しかし、ユニチカ戦に勝つためにはおそらくバーバラの全精力を使い果たしてしまうだろう。その後に、この3チームの中では最も手強いヨーカドーとの試合を迎える。勝てるわけがない、と思っていた。ところがその試合にも勝った。(ヨーカドーは、レグの後半なぜか失速することが多い。昨年の第3レグもそうだった。今シーズンの第1レグも、5試合目まで4勝1敗ながらその後連敗している。もっともその2敗のうち一つはダイエーが相手だが。)
もっとも、東洋紡戦の敗戦を知ったときも、この後勝てるチャンスはあるという予感はした。というのは、この試合、日本人選手が決定率約50%という驚異的な大当たりをしたからだ。日本人選手がもう一踏ん張りできれば、このチームは決して弱いチームではない。そして、その期待通り、その後は4勝1敗(敗戦はNECのみ)という驚異的な追い上げだった。このレグが始まる頃には、小田急との最下位争いを覚悟したチームが、9勝12敗の5位まで上がった。
なぜこれがもう少し早くできなかったのか。
プレーオフ進出できたとしても、私にとっては、考えてみれば、バーバラを1試合あるいは2試合多く見られるという意味しかない。プレーオフ初戦に勝ったとしても、2試合目のNEC戦は、過去の対戦成績からすればストレート負けの可能性が極めて高い。昨シーズンと違い、今シーズンはバーバラの試合はすでに4試合見ている。バーバラのベストの試合(第2レグ東洋紡戦)も見ている。
それでも悔やまれてならない。
今から思えば、バーバラが世界選手権予選で抜けるのが1月10・11日というのは最悪だった。このシーズンのVリーグは、3週間で7試合やって1週間休み、4週間で9試合やって1週間休み、その後2週間で5試合という日程だった。1月10・11日は、4週間で9試合の最初の週だった。バーバラが戻ってきた後もチームの立て直しができないまま、残りの7試合をしなくてはならなかった。そしてこの9試合は、何と1勝8敗。前7試合は4勝3敗の好成績、最後5試合は4勝1敗の驚異的な追い上げだっただけに、この週だけは避けてほしかった。しかしそれを言っても始まらない。バーバラが戻ってきた後3週間もありながらチームの立て直しが全くできなかったのは、実力がない証拠である。
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