ハイブリッドノンステップバス


ハイブリッドノンステップバスとは、ノンステップバスに電動機、蓄電池、発電機等のハイブリッド機器を搭載したバスを指します。形状はCNGノンステップバスと同様、屋根上に大きなこぶがあるのが特徴で、こぶの中にハイブリッド機器を搭載して、車内のノンステップ化が達成されています。

ハイブリッドノンステップバスは2007年現在、日野自動車から発売されている「ブルーリボンシティ・ハイブリッド」と、三菱ふそうから発売されている「エアロノンステップHEV」の二種類が市販されています。

また、燃料に水素、蓄電池に燃料電池を使用した燃料電池バスがトヨタ自動車と日野自動車の共同で開発中です。この車両はFCHV(Fuel Cell Hybrid Vehicle)と呼ばれ、車内がノンステップ化されていることから、ハイブリッドノンステップバスの一つと考えることが出来ます。


日野自動車・ブルーリボンシティハイブリッド

 2005年に発売されたハイブリッドノンステップバスです。

日野自動車では2000年から「ブルーリボンシティ」が発売されてきましたが、2003年からディーゼルエンジンの大型ノンステップバスをいすゞからのOEM供給で販売するようになり、2005年以降はOEM供給に一本化されるようになりました。この影響で「ブルーリボンシティ」のディーゼルエンジン搭載車の発売は中止されたものの、ハイブリッド車に限っては日野自動車独自で開発が続けられてきたため、2007年現在市場に販売されている日野自動車製バス車両の中で唯一「ブルーリボンシティ」タイプの車体を装備しています。また、「ブルーリボンシティ」のノンステップバスは最後部にデッドスペース(座席が配置できない空間)がありましたが、このハイブリッドバスでは前中扉間のみノンステップ構造とすることにより、最後部に座席と窓を配置できるようになったことが特徴です。

減速時に電気エネルギーを蓄え、発進時に電気エネルギーでモーターを駆動することによってディーゼル燃料の節約を図り、排気ガスを減少させています。

さらに、価格がディーゼルエンジンのノンステップバスのおおよそ1.5倍と、他の特殊車両よりも安く抑えられており、特殊な充填設備も必要ないことから、2007年ではCNGバスよりも販売台数が逆転しつつあります。

このバスは2007年6月現在、北海道から九州までの一部バス事業者で見かけることが可能で、最も多く所有しているのは横浜市交通局となります。ただし、CNGノンステップ車同様、低公害車助成金の交付を受けやすい都市部に配属される傾向が高いようです。

2006年2月以降納入された車両については、国が定めた灯火器保安規制に準拠するため、サイドフラッシャーが追加され、リアランプの配置が変更されています。


三菱ふそう・エアロノンステップHEV/エアロスターエコハイブリッド

2004年に発売されたハイブリッドノンステップバスです。このバスも、屋根上にハイブリッド機器を搭載しているため、外見上こぶのあるバスとなっています。

このハイブリッドバスの特徴は、基本的には電動機で走行し、電動機に必要な電力を発電するためにディーゼル燃料を使用することで、ブルーリボンシティハイブリッドと機構面で大きく異なり、走行音も他のバス車両と比べて大きく異なっています。しかし、この構造を作り出すのにコストを要するのか、価格が4000万円前後と高くなってしまったことが普及の上でネックとなっているようです。

2003年の東京モーターショーで試験走行が披露されました。2007年現在、東海地方の一部のバス事業者のみで見かけることができます。

2007年10月以降は、電気機器を一部改良し、この時期で最新の排ガス規制に対応させた「エアロスター・エコハイブリッド」として生産が続けられています。


燃料電池バス

このバスは水素と酸素の化学反応により電気エネルギーを生成してたくわえ、燃料電池に蓄えられた電気エネルギーにより車両を走行させることが特徴で、機構面ではHEVと似ています。また、石油系燃料を使用しないことから環境面でも優れています。

2007年現在、市販車両はまだ発売されておらず、引続き市販に向けた走行実験が続けられています。また、コストが非常に高いため、コスト低減も課題となっているようです。


(ハイブリッドノンステップバス地域別導入事例)

都道府県 更新日
東京都 2009.05.06更新
神奈川県 2008.01.28更新
千葉県 2009.09.06更新
以降準備整い次第掲載予定  

 


特殊バス車両のページに戻る