palmの不満
PalmデバイスをPDAとして使い始めてから一年程たった。
特殊な書き順の入力環境にも慣れ、大変重宝している。
何時いかなる時にも苦にならず持ち運べるその小ささは、PDAにとって最も大切なことだと思う。もちろんアプリケーションの使い勝手が良さも重要なのだが、その点でも満足のいく仕上がりであるし、自分の使い方にあった物を豊富な選択肢から選べるPalmアプリの層の厚さも魅力だ。
HP200LXを使っていたときも思ったが、PDAはユーザーが育てていく物なのだなぁと改めて実感する。
この1年間で既に4台のPalmデバイスを購入した。PalmVx、Visor Prisum、Palm m505と来て現在はSONYのCLIE、PEG-N750Cを使っている。かねてからPDAとmp3プレーヤが一体化すれば良いのにと思っていた希望も適って非常に満足している。
しかし不満がないわけではない。
やはり、手書き入力は長文の入力には向いていないのだ。
そういう仕様なのだから当たり前だと言えばそれまでで、全く持って無い物ねだりなのだが、タッチタイプできるサイズのキーボードが付いていたら良いのにと思ってしまう。
Palm用の外付けキーボードは幾つも発売されているが、電車の中で使用できるほど本体としっかり接続できるものは無いようだ。実際PalmVx様の折り畳み式キーボードを購入したが使う場所がかなり限定されるので殆ど使用しなかった。
外付けのキーボードの場合、本体の動作時間の問題も気にかかる。
そこで本来的な使い方であるところの、長文を書きたければ母艦で書き、データを転送してPalmで閲覧する。と言う方法に立ち返ってみる。
小さく軽く打ちやすいキーボードを持った母艦があれば良いのだ。
と言ってもノートPCを持ち歩くのでは本末転倒なので、なにか軽くて、かさばらないPalmのキーボード代わりになる、キーボード付きの端末は無い物かと探してみる。が、皆帯に短し襷に長しと言った感じである。
悩んだあげくに行き着いたのは、クローゼットの奥に眠っていたモバイルギアであった。
Topにもどる
モバイルギア?
クローゼットの奥で眠っていたモバイルギアを久しぶりに引っぱり出した。
タッチタイプ出来るサイズのキーボードが付いた軽量のマシンがこれしか思い浮かばなかったからだが、せっかく購入したのにたいして使用もしないままに押入の肥やしにしていた後ろめたさも在っての事である。
ここで言うモバイルギアとは現在発売されているWindowsCE機ではなく、初期のモノクロDOSベースのマシンだ。型番で言うとMC-MK32、NECの製品だ。
DOSベースと言っても通常の使用では専用のシェルからでることは出来ない仕様になっているのだが、裏技的にシェルの下に隠された素のDOS環境を利用することが出来る。熱心なユーザーの手によって開発されたこの方法は、もちろんメーカーの保証外の使い方ではあるが、当時はフルサイズに近いキーボードを持つDOSパソコンとして大変魅力的な製品だった。
当時使用していたHP200LXには大変満足していたのだが、その打ちやすそうな大きなキーボードに惹かれてモバイルギアも購入したのだった。
しかし私にとって、実現できることの多さも持ち運びの便利さもHP200LXの方が勝っていた様で、結局モバイルギアはクローゼットにしまい込まれてしまったのだ。やはり、PDAの世界では小は大より勝るのである。
ただ今回は、その時とは少々事情が違っている。
タイピングのしやすさはフルサイズに近いキーピッチを持つモバイルギアの方が上であったが、HP200LXは小さいながらも非常に打ちやすいキーボードを備えていたし、DOSの軽快に動作するエディタも走った。慣れればかなりのスピードでタイピングが出来、実際かなりな長文の書類もHP200LXだけで制作していた。
現在使っているCLIEは非常に優秀なマシンではあるがHP200LXが持っていた快適な長文入力能力は残念ながら持ち合わせていない。まぁ、それを補ってあまりある機能を持っているのだが。
つまり、HP200LXとモバイルギアではその性格が似すぎていて共存できなかったが、CLIEとは得意不得意を補う関係として共存できるのではないか、と思い立ったのだ。
ここまで書いて、今回のキーボード付き軽量マシンの選択がなぜ200LXにならなかったのかと言う疑問が沸いてきた。
はて、
やっぱり、押入の肥やしにした後ろめたさからだろうか。
Topにもどる
連携作戦
DOS版のモバイルギアはPalmデバイスの母艦になり得るのか?
答えはNOである。
今回の目的は「CLIEの外付けキーボードが欲しい」事だ。
モバイルギアはPalmDesktopをインストールする事は出来ないが、エディタを使ってTXTファイルを作成する事が出来る。
CLIEにはTXTファイルを表示する事が出来るアプリケーションがある。
モバイルギアとCLIEでこのTXTファイルのやり取りが出来れば、モバイルギアを液晶付きのCLIE専用キーボードとして使う事が出来るのではないか。しかも乾電池駆動の。
これが今回の作戦の骨子である。
モバイルギアにはTYPE2のPCカードスロットがあり、当たり前だがdosフォーマットのカードを認識する。CLIEのメモリースティックもPCにマウント出来るのだからdosフォーマットだろう。後はメモリースティックのPCカードアダプターがあれば作戦は成功したような物だ。
早速BIGカメラへ向かう。目指すは最近出来た有楽町店だ。店員さんに聞いてみるとすぐに出てきた。五千円程だった。コンパクトフラッシュのアダプターと比べると随分と高いが、イジェクトボタンも付いていて仕様も手が込んでいるので仕方がない。
これで役者はそろった。
早速モバイルギアの復活作業に入ろう。
Topにもどる
蘇れモバイルギア
モバイルギアを復活させることに決定した。
本当はシグマリオン2を買いたかったが、懐が寂しくて断念したことは忘れることにしよう。
主電池、副電池とも新品を入れて起動してみるも、久しぶりに引っぱり出されたモバイルギアは当然の事ながらすべての記憶を無くしていた。それと同時に私の記憶も消失していた。
今回はCLIEとの住み分けを考えて、長文入力に特化した環境だけ作れればよいと思っている。早い話がVZエディタとATOK8が使えれば良いのだ。が、環境構築法などすっかり記憶の彼方に行ってしまっている。勉強し直しである。
本棚を漁って解説本を探し出した。幸い当時使っていたPCカードも発見できた。その中のバッチファイルを読みながら記憶の糸をたどっていく。環境構築している時がこういう機械をいじっていて最も楽しい時間である。
元々DOSの知識などたいして持ち合わせていないので、きれいな環境など出来はしないが、とりあえず希望の動作はするようになった。3日がかりである。
そもそも、DOSパソコンを使って長文入力が可能ではないかと思い立ったのはPalm用のpookと言うフリーのDOCリーダがTXTファイルも閲覧できるのだと知ったからだ。さらにCF2DOCと言うPalm上でTXTとDOCの相互変換が可能なPalmウェアの存在が後押しした。この二つのPalmウェアを軸に運用方を考えてみた。
PIMを初めPDAの機能はCLIEで満足している。ので、モバイルギアに必要以上の機能は求めない事とする。必要な機能は変換効率の良いFEPと使いやすいEditer、そして効率的な文書管理ツール。これだけである。
FEPはATOK8、EditerはVZで決まり、後は文書管理ツール。これはBOXというソフトを使用させてもらった。
BOXはAからZまでの26列と999まで(おそらく)の行で文書を管理するツールだ。ちょうどEXELのシートの様になっていて、セル一つずつに文書を入れていく感じである。セルに入れた文書はファイル名ではなく、その文書の一行目の文字列が表示される。ファイル名は8文字プラス3文字の拡張子で無くてはならないと言うDOSの決まりが在るために、こう言った内容を表示出来る文書管理ツールが必要なのだ。
これらのアプリケーションとDOS降下に必要なファイル群をモバイルギアの本体メモリ(D:\)に置き、PCカード(モバイルギアからみるとA:\になる)が無くても起動できるようにした。
CLIEとの連携の為に文書の保存場所はメモリースティックにする。
メモリースティックにPCカードアダプターをかましてモバイルギアのPCカードスロットに挿入する。PCカードスロットはモバイルギアからみるとA:\と認識される。
BOXの設定でTXTファイルの保存ディレクトリはA:\Palm\Programs\Docsにする。これはCLIE上のpookでTXTファイルを閲覧するとき、このディレクトリしか見に行かないからである。
これで、モバイルギアで作ったTXTファイルはメモリースティックに保存され、メモステをCLIEに差し替えてpookで閲覧することが可能になった。CLIE上で修正がしたい場合はCF2DOCで一度DOCファイルに変換すれば、Pendocなどで編集が可能だ。
なんてすばらしいのだろうか!
新たにかかった費用はメモステのPCカードアダプター代である五千円だけである。
忘れたはずだが、シグマリオン2の9分の1程度だ。
Topにもどる
PDAの中心
モバイルギアを復活させて2週間たった。
環境構築だけで満足して実際に稼働したのは三日だけ、と言うことにはなっていない。
実際は、「すごく便利」だった。
その「すごく便利」の本質は何かと言うと、実はモバイルギアではなくて、メモリースティックである。
CLIEを購入するときに128MBのメモリースティックも同時に購入した。mp3のファイルを出来るだけ多く持ち歩きたかったからだ。Palmデバイスは本体メモリが最大で8MB。PIMを使うだけなら十分な容量だが、CLIEのマルチメディア機能を使いたいならまるで足りない。CLIEを使いこなしたいなら、拡張メモリとしてメモリースティックが必須と言っても良いだろう。
だから、今までメモリースティックをCLIEから取り外した事は無かった。はずす必要も無かった。メモリースティックを使用できる機器はAIBOしか持っていなかったからだ。 ところが今回のモバイルギアの復活計画の為に、メモリースティックのPCカードアダプターを購入した事で、PCカードが使える機器がすべてメモリースティック対応機器になってしまったのである。
私はオフィスのデスクで自前のパワーブックG3を使用している。
一方CLIEはMACとホットシンクが出来ない仕様になっている。
私は仕事がらデスクに居るよりも動き廻っている方が多いので、スケジュールがHotSync出来なくてもちっとも困らないのだが、メモ等のテキストデータを使いたいときはままあるのである。今まではCLIEの画面を参照しつつ、入力し直していたのだが、これがメモリースティック経由で簡単にデータの共有が可能になったのだ。
全く持ってすばらしい!
寝る前にモバイルギアで書いた原稿を通勤中にCLIEで確認し、オフィスのMACで仕上げる。と言う流れるような段取りが可能なのだ。三台のマシンと次々に合体して、特徴を生かした能力を発揮させるメモリースティック。彼こそが、私のPDA環境の中核だったのである。
Topにもどる
脳味噌と道具
今、最も欲しいマシンは?と聞かれたらCLIE PEG-T600Cではなく、シグマリオン2と答える。
DOS版モバイルギアを使用して快適な入力環境を手に入れてから、キーボード付きの携帯端末に眼が行くようになってしまった。
キーボードでの入力はやっぱり快適だったのだ。
シグマリオン2は現在発売されているキーボード付きのPDAでは最もコストパフォーマンスの良いマシンと思われるdocomoのWindowsCE機だ。
WindowsCEは触ったことが無いが、PIMはCLIEの方が使いやすいと思われるので、キーボード付きの携帯端末に望むのは長文作成と外出先での通信と音楽再生位だろう。
これだけがキビキビと動作すればいいのだが、もっとノートパソコンに近い高機能を盛り込んで高い価格と消費電力の機種が多いようだ。
そんな中ではこのシグマリオン2は、いい線行っている様な気がする。
Palm系の各サイトでも話題に上ることが多いようだ。
家庭内での無線LAN環境も実現できるし、鞄の中につっこんでいても苦にならない大きさ重さであるし、私的にはPoketWZエディタというVZエディタのCE版のようなエディタが一度使ってみたいと思っていたのだ。
DOS版モバイルギアと比べるとキーボードが小さいが、その分軽くなるし、Webブラウズもできる点が○。しかし、メモリースティックを直接使えないことが×だろう。
●データ互換をどうするか?
シグマリオン2を導入するにあたり、メモリースティックを直接使えない部分をどう解決するかがポイントだが、現時点ではPCを経由しないでデータを受け渡す方法がメール位しか思いつかない。
しかしCLIEで通信するつもりは無いので、シグマリはシグマリ、CLIEはCLIEと分けて管理するしかない。
赤外線通信でメモ帳データをやり取りする方法もあるようだが、実際に使ったことが無いので、実用範囲内かどうかが疑問だ。だいたい赤外線通信と言うのは、途中で切れてしまわないかと心配になるのであまり好きではない。
現在はCLIEとDOSモバギで同じメモリースティックを共有しており、モバギで文章入力時意外はメモステはCLIEに刺さっている状態で運用している。
そのメリットは文書を見たいときにすべてCLIEで見ることが出来る事で、「あの文書はどの端末にあっただろうか?」等と悩むことが無い事と、自宅のPCにメモリースティックを簡単にマウント出来るので、データの取り込みが簡単なことだ。
DOSモバギの現在の使い方はあくまでもCLIEの外部キーボードとしてしか使用していないが、シグマリオン2を導入すると言うことは携帯情報端末を二つ持つ事になる。
この差が問題なのだと思う。
二つ以上の携帯情報端末を持てば、使い分けが必要になる。
割り切って使い分けられれば良いのだが、「私にそれが出来るだろうか?」
「仮に出来たとしても、二つの端末を常に持って歩く様な事にならないだろうか?」と不安になる。
Palmデバイスを此処まで使い続けてこれたのは、ポケットに入るそのサイズ故だと思う。
オフィスに行く時はいいとして、ちょっとした買い物や、家族で行く遊園地や、パチンコ屋にわざわざノートパソコンを持っていく奴は居ない。いるかもしれないが、少なくとも私は持っていかない。使うか使わないか分からない物を、そして実際は殆ど使わない荷物を持って歩くのは苦痛以外の何者でもない。
しかし、Palmデバイス程の小ささであれば、いつもポケットに入れて持ち歩いても全く苦にならない。いつ使うか分からない物だから、いつも携帯していてそれを感じさせないサイズでなければならないと思うのだ。
実際私はPalmデバイスを購入してから風呂にはいるとき以外は殆ど携帯している。それが可能だったからこそ今まで使い続けてこれたのだ。
「最近物忘れが酷くなった。」と言う話を聞くたびに、私は「もう一つの脳味噌を持ち歩くと良いですよ。」とPalmデバイスの購入を勧めてきた。
そして、脳味噌のある部分を今日は使わないから置いて行くという訳には行かないように、Palmデバイスを置いて外出することは出来なくなってしまったのだ。
PDAが二つになると言うことは、脳味噌を二つに分けてしまう可能性があると言うことだ。重いからと言って片方の脳味噌を家に置いてきてしまうと、外出先で記憶喪失になる危険がある。
二つの携帯端末を使い分けると言うことは、ひとつを脳味噌、もう一つを道具(ツール)にする事だと思う。
現在の環境はCLIE(脳味噌)のキーボード(ツール)としてモバイルギアを使っているから良いのだが、より多機能なシグマリオン2を購入して、きちんと使い分けられるのかが問題になるだろう。
今までの経験では2台以上のPDAを使い分け出来た事は残念ながら無い。
その度にクローゼットの中に段ボールの箱が増えてきた事は分かっている。分かっているけれど、新しい機械を見るとムクムクと鎌首を持ち上げてくる物欲とは未だ決別できていない。
Topにもどる
テキストファイル
テキストファイルをモバイルギアで打って、CLIEで閲覧出来ればいいと思って始めたモバイルギア復活計画だが、その引き金になったのはpookと言うフリーのpalmwareだったのは以前に書いた。
こいつがメモリースティック(SDカードも)に在るTXTファイルをPalm上で閲覧することが出来ると知って、それならと思ったわけだ。
しかしその後、外部メモリ上のテキストファイルを閲覧出来るPalmwareは他にもまだ存在していた事を最近知った。こんなに沢山在るとは思いもよらなかった。これで全部だとは思わないが、私が知っている物を書き留めておこうとおもう。
その前に、PalmOSが扱える文書について再確認しておこう。
Palmで扱うことができる文書のフォーマットの種類は大きく分けて4種類。以下にその特徴をあげる。
1「Palm標準メモ帳形式」
PalmOSの最も標準的な文書フォーマット。
Palmデバイスを購入後、一切追加インストールをしないで使用できる。
PalmDesktopでPCとのデータの同期がとれる。
一つのメモのサイズの上限は4Kbyte。
すべての文章が一つのデータベースファイルとして扱われている。
2「DOC形式」
メモ帳の最大の弱点である4Kと言うサイズの上限を無くしたPalmOS専用フォーマット。
Palmデバイス、PCともに、この形式が扱えるビューワ及びエディタの追加インストールが必要。
データの同期はPalmDesktop標準のバックアップ機能の範囲でしか行われない。
しかし、PC上のテキストをDocファイルとしてPalmに転送するための支援ソフトは多数存在する。
拡張子はpdb又はprc。
3「TXTファイル」
PC標準のテキストフォーマット。
PalmOS標準では表示できないが、対応したPalmwareを使用することで表示できる。
WinでもMACでも扱うことが出来るが(改行形式が違うけど)、PalmOSでは今の所直接編集は出来ない。
4「独自DB形式」
その他のアプリケーションで使用される文字列の管理は、そのソフト専用のデータを独自のデータベースとして専用フォーマットで保存する場合が多い。
メールソフトの本文も、アウトラインプロセッサのファイルも、Webブラウザのhtmlも、殆どの場合他アプリとの互換性はない。
PCとの同期は該当palmwareが専用コンジットを用意しているか等の状況で、それぞれ異なってしまう。
と言った感じだろうか?
どの形式もメリットとデメリットは在るのだが、私がテキストに望むことは、時間と場所を選ばずに出来る限り快適な環境で入力や閲覧が出来る事である。
電車に乗って吊革に掴まりながら片手で文書を閲覧し、席が空いたら膝の上でキーボードを叩く。オフィスのデスクでは大きな画面で遂行をし、喫茶店で一服しながら直しを入れる。そんな環境なのだ。
その環境を実現するための、姿形が思いのままに変形するマシンが在れば言うこと無しだが、未だそんな素敵な物にはお目にかかったことがない。
今の所、近しい環境を得るのには、「その場の環境に適したマシンを使用する」事しかないのかも知れない。
そのためには作業途中のデータを転送しなければならないのだが、転送作業そのものに手間がかかる様では快適とは言いがたい。もちろん転送するたびにデータの二重化が起きるような場合もアウトだ。
TXTファイルをのぞく3つの形式は、PalmOS専用のフォーマットである。
当然Palm社が想定したマシン構成で無ければ表示も編集も基本的には出来ない。
Palm社が想定したマシン環境とはPalmOS搭載機、PalmDesktopがインストール出来るマシンの事になる。PalmOS機でも無く、PalmDesktopもインストール出来ない、乃至はしていないマシンとデータの共有をしたい場合に最も汎用性がたかいのはやはりTXTフォーマットになるのではないだろうか?
それがTXTファイルにこだわる理由である。
次回に続く
Topにもどる
TXTファイルを扱えるPalmウェア
前回の続き。
と言うわけでTXTファイルを扱えるPalmアプリを私が知る限りあげてみようと思う。
J-DOC
シンプルで使いやすいDOCリーダ。外部メモリのTXTファイルを直接表示する事が出来る。しかもそのTXTファイルを本体メモリ上にDOCファイルとして(その逆も)書き出すことが可能なので、TXTとDOCのコンバータとしても機能する。
外部メモリにアクセス出来るディレクトリはrootのtextsのみ。外部メモリのDOCファイルは表示できない。
カテゴリを分けたり、ファイル名でのソートなどの機能がないので、ファイル数が増えてくると目的の文書を探すのに苦労する事もある。
Pook
SetonNotesとリンクできるDOCリーダ。外部メモリ上のTXTファイルも表示できる。
縦書き表示も可能。
参照できるディレクトリは本体メモリか外部メモリの/palm/programs/docs/だけ。
本体とメモリースティックに在るファイルを同時に一覧表示できる。
SetonNotesとのリンク機能だが、Palmデバイス上ではpookを介してDocファイルを表示出来るのだが、Desktop版のSetonNotesで見るとLinkDataとだけ表示されてファイル名さえも分からない状態になってしまうのが残念である。
また、このリンクは本体メモリ上のデータにしかリンクできない。
バージョンが1.0に上がって青空文庫のルビを表示できるようになった。さらに電子書店パピレスから販売される電子書籍に対応した独自セキュリティーを持つpoodoc形式にも対応。Docリーダでは最も多くのフォーマットに対応している。
めもめも
前出のJ-DOCはTXTとDocファイルの架け橋になったが、こちらはTXTとメモ帳を相互変換出来ることが最大の特徴と言える。。
メモ帳の文書を外部メモリのTXTファイルに、外部メモリのTXTファイルをメモ帳の文書にコンバートする事が可能。
しかも他のソフトと違い、外部メモリにアクセスする時に特に指定のディレクトリは無く、何処にでもアクセス可能な点がすばらしい。
このアプリの登場でメモ帳とDocファイルと言うPalmの2大標準テキストフォーマットがTXTファイルに変換可能になった。
12/14現在ベータ版。
CF2DOC
外部メモリのTXTデータとメインメモリのDocファイルを相互変換することの出来るコンバータ。
TXTファイルの閲覧もできるのだが、日本語は文字化けしてしまう。なので、日本人には前出のJ-DOCの方が便利ではあるのだが、バージョン2.22から後出のMcFileとの連携が可能になったので、個人的には注目度が俄然上がっている。
McFile
同梱のMcTextをインストールする事で、送るメニューからTXTファイルを表示出来るようになる。
McFileはPalmデバイスのデータを管理するいわゆるファイラーだが、ファイル名だけでは分かりにくいTXTファイルの中身を確認しながら、移動やコピーが出来るのは大変重宝する。
その性質上、アクセス出来るディレクトリにも制限はない。
縦書き表示等は出来ないが、フォントのサイズの変更は可能で、面白いのは背景色と文字色も設定できる所だ。
前出のCF2DOCも「送る」メニューからの連携が可能になり。DocリーダのCrsMedocとも連携できるので、TXTの閲覧、Docフォーマットにコンバート、Docファイルの閲覧のすべてをMcFileを起点に実行することが出きる様になった。
シェアウェア。
私の知る限りのTXTファイルが表示できるアプリケーションは今のところ以上である。
前回も書いたが、これで全てだとは思わないが、私にはこんなにもTXTを表示できる物があった事が驚きである。
CF2DOCが対応したことで、私の環境としてはMcFileをメインに使っていこうかと考えているが、J-DOCと言うフリーで使える環境があることは大変重要だと思う。
しばらく併用して自分の使い方にあった物を選ぶことが出きる幸せを与えてくれた、各ソフトウェアの作者の方に感謝したい。
Topにもどる
|