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 アリストV300VEに乗るNO.4464のとみぃーさんが、トムスTECII装着、ブーストコントローラーHKS EVCそして強化アクチュエーター装着後、さらに本来のポテンシャルを余すこと無く引き出すため現車セッティングを施されたので紹介して下さいました。


VOL.419 現車セッティング実施レポート
<作成:'04年7月13日>
この度、CAフレンドショップである「Revolfe S.A.」さんで、HKS製F-CON SZを使用した現車セッティングを実施しましたので、レポートいたします。

【現車セッティングに至った経緯】

トムスTECII装着によるブーストアップ後、レスポンスアップとブースト圧の安定を目的としてRevolfe S.A.さん にブーストコントローラー(HKS製EVC)および強化アクチュエーターの装着を依頼しました。

EVC&強化アクチュエーター装着により、レスポンスが良くなるとともに、ツインターボ特有のトルク の段つきが滑らかになったように感じたのですが、Revolfeさんによる実走でのEVC設定時にノッ キングが発生している事が判明しました。ノッキングの発生ポイントは高回転時(正確な回転数は不明ですが、恐らく5000rpm以上)で、チリチリという音が聞こえてきました。EVCの電源をOFFにするとノッキングは発生しない事から、原因は「ECU制御による純正過給圧ソレノイドの作動レスポンスよりもステッピングモーターを用いたEVC 制御の方が、過給圧が立ち上がるレスポンスが良いと想定される」ため、TECIIのデータ書換えによりノッキング対策(点火時期を遅らせる事で対処)を実施してもらいました。しかし、点火時期を遅らせた事によるためか、高回転でのパンチ力が少し物足りなくなった気がしており、予てから興味のあった現車セッティングを実施する事としました。
EVC&強化アクチュエーター装着後のエンジンルーム。一見ノーマルのエンジンルームですが、Revolfeさん施工によるEVCのオリジナル配管(赤いシリコンホース)が映えます。 強化アクチュエーター。中央の赤いシリコンホースが接続されている金色のパーツが、強化アクチュエーターです。

【サブコンについて】

私のアリストに装着しているTECIIはフラッシュROMタイプであるため、セ ッティングは以下の2とおりが考えられます。

(1)TECIIのデータ書換えによる調整
(2)サブコンを使用した調整

パーツ代等を考えると、(1)のほうが有利なのですが、TECIIのデータ書換えの場合、実際の走行時にモニターしながらの全開セッティングが出来ない (車輌のハーネス加工を行えば可能、シャシダイナモ上のセッティングは可能)のが難点で、バグ等が発生した場合、セッティング時の実走行上の危険性があるため、Revolfeさんではお勧めしていないとの事から、今回は(2)のサブコン (F-CON)を使用した実走行によるセッティングを依頼しました。左の写真がグローブボックス内に装着されたサブコンおよびEVCコントローラー部です。グローブボックスを閉めると同乗者にチューニングカーである事がわかりません。(笑)

【調整状況】

今回の設定では、1〜3速についてはレブ手前まできっちりセッティングしてもらっておりますが、4速は5400rpmまでしかセッティングされておりません。これはセッティング時期の気温が高いということも有り、エンジントラブル回避を配慮したためで、4速まできっちり設定するには、追加メーターによる正確な水温、エンジン油温、燃圧の把握、冷却系の充実等が必要との事です。また、現車調整は相当な負荷をかけてセッティングを行うため、トラブル回避の意味から付随作業としてエンジンコンプレッション測定によるコンディション確認を行って頂くとともに、プラグ、エンジンオイル、フィルターの交換を実施してもらっております。

【現車セッティング後のインプレ】

1〜3速について各ギアレブ手前まで引っ張ってみると、リニア化されたTECIIの出来が良いためか低回転域こそ大きな変化はないものの、中回転域(4000rpmあたり)から上は明らかにパワフルになっている事がわかります。特に追い越しの際などは、今まで以上に胸のすく加速が体感できます。反面、強化アクチュエーター装着により改善されていたツインターボ特有のトルクの段つきが、少し大きくなったように感じます。とは言え、トルクの段つきは気になるレベルでは無く、追い越し加速等で多用する中回転域がパワーアップしていることにより、今まで以上に余裕を感じるとともに、全体を通しても非常に好ましい特性に仕上がっており、セッティングの完成度の高さを感じます。

【パワーチェック】

現車セッティング前(TECII&EVC&強化アクチュエーター装着時)にパワーチェックを行っていたので、セッティング後にパワーチェックを行いデータ比較による効果の検証をしました。(いずれも、スーパーオートバックス・東京ベイ東雲のシャシダイにて計測)結果を比較すると、前回値の360.2PS、47.08kg-mに対して、357.95PS、47.66kg-mとMAXパワーが少しダウン(トルクは若干UP)しておりますが、これは、測定した際の条件 (気温差約+12度)が大きく異なるためと思われます。条件の違いから単純に数値を比較する訳にはいきませんが、特性としてはインプレで述べた体感を付けるようなデータが取れました。

パワーチェックのグラフはクリックしてご覧下さい。グラフは左側が現車セッティング前の測定結果(H16年2月計測:気温17℃)で、右側が現車セッティング後の測定結果(H16年6月計測:気温29℃)となっており、上段が出力、下段がトルクです。

まず、低回転域(3000rpm以下)では出力、トルクともに前回値よりダウンしておりますが、実際に乗ってみるとパワーダウンは全く感じられないので、「★Vol.157 東雲ミニオフミパワーチェック」にてHAGEさん、ワタルさんがレポートされているように、測定時にキックダウンさせないようアクセル操作をするため、その際のアクセルの踏み方による差と思われます。

次に中回転域ですが、効果をわかりやすくするため中回転域をピックアップしグラフに表しました。体感的には4000rpmを超えたあたりからパワーUPしているように感じますが、データをみると3400rpm〜5200rpmの広い範囲にかけて前回値を上回っております。(出力:最大で28PS向上)また、トルクについても同様に、3400rpm〜5100rpmにかけてUPしているのがわかります。(トルク:最大で4.66kg-m向上)
中回転域における現車セッティング前後の出力カーブ 中回転域における現車セッティング前後のトルクカーブ

この結果を見ると、チューンドCPのTECIIと言えども、吊るしの状態だと車輌の個体差を考慮したマージンが取られているのが良くわかります。現車セッティングにより、この分のマージンを有効活用できるようになったという感じでしょうか・・。いずれにしましても、条件の悪い中でもこの様な結果が得られたのは、現車セッティングの効果が大きかったのではないかと思っており、満足しております。

【最後に】

今回の現車セッティング時に、ETCSとインタークーラーを結ぶパイピングが外れるというトラブルが発生しました。いつかインタークーラーを装着したいと思っていたので、パイピング自体は車購入当初から装着されている純正(樹脂製)のものから交換していなかったのですが、接続箇所が劣化して抜けやすくなっていたのか、高負荷がかかった時に外れてしまったようです。実走行セッティング中のRevolfe S.A.の溝田さんには大変ご迷惑をおかけしました。慣れていらっしゃるとは言え、さぞかしびっくりされた事と思います。(笑)一度抜けてしまうと癖になって抜けやすくなるという話も聞くので、アルミ製のしっかりしたものに変更しようとも思ったのですが、今回は予算の関係もあり、Revolfeさんにて純正品を取寄せ装着後、再度、実走行セッティングを行って頂きました。本来、パイピング抜けが無ければ一回で済むところ、2回にわたる実走調整により、完成度の高いセッティングをして頂きありがとうございました。

今回、Revolfeさんにお世話になるきっかけが出来たのも、CAにおける諸先輩方のレポートやVoiceコーナーでの貴重な情報源があってこそと思っております。そして、CAの運営に携わられているWebmasterのワタルさん、ありがとうございます。私のレポートも、現車セッティングに興味を持たれている方々の参考になれば幸いです。

【車輌データ】
年式          平成12年
グレード        V300VERTEX
吸気系         TRDエアクリーナー(純正交換タイプ)
プラグ         NGK IRIWAY7番
マフラー        フジツボ レガリス・スーパーR
コンピューター     TOM'S TECII(リニア化後)+HKS F-CON SZ(現車セッティング)
ブーストコントローラー HKS EVC(限定シャンパンゴールドカラー)
アクチュエーター    Revolfe製 強化アクチュエーター
上写真 とみぃー号フロントビュー。BBS18インチ装着により若干ローダウンしている以外は至ってノーマルです。
左写真 とみぃー号リアビュー。ARISTOエンブレム下に貼られている現車セッティングの証であるRevolfe製アルミプレートが控えめでありながら誇らしげに感じます。


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