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 アリストV300VEに乗るNO.1のワタルが、リニアスロットル化が標準となり、オプションでフラッシュROMのデータートランスキットも楽しめるトムスのチューニングコンピューターT.E.C.IIを装着しましたのでご紹介いたします。


メンテVOL.324 T.E.C.IIフラッシュROMデータトランスキットレポート
<作成:'02年11月2日>
これまで私のアリストにはリニア化装備前のT.E.C.IIを装着していましたが(スペックはこちらをご覧下さい)このたびトムスT.E.C.IIのリニア化とフラッシュROMの追加装備を行いましたのでレポートいたします。データトランスキットについては、その書き換え可能な項目が多岐にわたるため今後少しずつレポートしていくことになりますが、まずはどのようなシステムでどのようなデータの書き換えが可能なのかをいち早く皆さんにご紹介するためデジタル版のユーザーマニュアルもアップさせていただきました。

今回、T.E.C.IIフラッシュROMのデータトランスキットでアリストライフを楽しむにあたり古くなり使っていなかったウィンドウズのノートパソコンをデータトランスキット用に復活させることができました(^^) 現在はまだ、ノーマルT.E.C.IIのセッティングデータをPCにダウンロードしたのみですが、これから少しずつ試してレポートしていきたいと思います。ひと昔前のF1のテレメトリーシステムのようで、今後どのような世界が広がっていくのか今から楽しみです。そしてなんといってもトムスのセッティングデータが全て公開されたということ自体とても画期的なことだと思いますよね。

<リニアスロットル化>

現在発売されているT.E.C.IIには標準となっているフラッシュROMとリニアスロットル化(通称リニア化)ですが、ここではまず装着しただけで直ぐに効果が体感できるリニア化についてご紹介いたします。

リニア化はドライバーがアクセルを踏み込むアクセル開度と実際のスロットル開度をリニアにしてやる、つまりよりドライバーの意思(操作)とエンジンが直結したようになってくれるわけです。ターボラグについてはよく話題に出てきており私も気になっていたわけですが、これはターボラグを解消するというよりはエンジンが本来持っていてスポイルされているレスポンス性能や吹け上がりの鋭さを引き出してやるパーツといえるのではないかと思います。ですから正圧の加給領域というよりは負圧領域やアクセル閉→開でのレスポンス向上が期待できるのだと思います。

早速いつも通るワインディングでリニア化の効果を試そうと走ってみたのですが、これが既にリニア化された皆さんがおっしゃる通りでレスポンスの向上には著しいものがありました。コーナリングからの立ち上がりなどは今までならアクセルを踏み込んで行ってもレスポンスせず付いてこず結果アクセル開度が大きくなって後からドカンと唐突にパワーが出てくるようなドライバーの意思と実際のレスポンスやパワーの出方がマッチしていないようなところがあったと思います。しかしそれがセナ足ができるほどレスポンスするんです(セナ足、懐かしいですね、リニア化されたアリストに乗っていて思いがけずに思い出してしまいました)もちろん市販車レベルのサスペンションでのセナ足姿勢制御などで良い悪いは別にしましてセナ足が出来るくらいにアクセルの細かなブリッピングにもエンジンが付いてくる、レスポンスが向上したということです。これはもう楽しいの一言に尽きますね。また真価を発揮するのは市街地走行でのアクセルを一度閉じてからまた踏み始めるようなシチュエーションではレスポンスを如実に体感できます。極低速から高速までどんな回転域でもいつでも背中が押される感じが体感できると思います。

なお、既に何度も話題になっておりましたがT.E.C.S.やT.E.C.II、そしてVA300用のT.E.C.IIなどへのリニア化の追加装備は諭吉さん5人程度で可能ですのでレスポンス向上に興味のある方には予算的にも手頃で効果も大きいチューニングとしてお勧めできると思います。

以上がリニアスロットル化を装備したT.E.C.IIについてのファーストインプレですが、リニア化装備前と比較してもこれだけの差があるわけですから純正のコンピューターからの交換だと大変な変化だろうと思います。ワタル号はこれでカーボンボンネットと相まって走る・曲がる・止まるの3要素がますます高まり、ハンドルを握るのが本当に面白い運動性能を持ってくれるようになりました。市街地走行での低速から高速走行まで明らかな違いが体感でき、あとはもっと自分が違いのわかる男にならねばイカン、なんて思っています(^^;)

<T.E.C.IIの脱着交換>

いま装着しているT.E.C.IIなどをリニア化やフラッシュROMを装備する場合には取り外して送らなければいけません。だいたい10日〜2週間で追加装備されて送り返されてくるようです。その間はアリストには乗れませんが、その後のお楽しみを心待ちにグッと我慢ですね。

もうご存じの方もいらっしゃるでしょうが、これからコンピューター交換に挑戦するという方も沢山いらしゃるでしょうから、脱着手順をご紹介致します。

ボンネットを開けて向かって右手前に左の写真のような黒いプラスチックの箱ボックスがあります。この中にエンジンの中枢を司るコンピューターが収まっています。手前1箇所、奥に2箇所をボルトで固定されていますので10mmのソケットレンチを用意して緩めて下さい。

フタを取ると中はこのような状態です。コンピューターの上に白いフタが被さっています。向かって右に1箇所、左に2箇所がツメで固定されているだけですが、これは手で簡単に外れますので、このフタを取って下さい。
いよいよコンピューターの取り外しですが何も難しいことはありませんのでご安心下さい。奥のドライバーで指している位置と手前の2箇所が+のネジで固定されています。

手順としては2本のネジを緩める前にコンピューターに差し込まれているカプラーを抜いておいたほうがよろしいかと思います。カプラーはしっかりと差し込まれているためネジを緩めた後ですとちょっと抜きにくい場合があります。こう書くとお分かりかもしれませんが私は最初、ネジを緩めてからカプラーを抜こうとして再度ネジを締めることになりました。。。

カプラーが抜けネジを緩めると上方に簡単にコンピューターを抜き取ることができます。先ほどのネジの台座がコンピューターの両脇でそれぞれ2本ずつ+のネジで固定されているのでこれを緩めるとコンピューター単体になり取り外しは完了です。

取付は逆の手順で行って下さい。どなたでも可能な作業ではないかないかと思います。

<フラッシュROM データトランスキット>

ここではT.E.C.IIをフラッシュROM化した際にデータトランスキットではどのようなことができるのかいち早くご報告するためにデジタル版(pdfファイル)のユーザーズマニュアルを公開させていただきます(トムスさんにご許可頂きました)

データトランスキットはこれまではROMライターと特種な技術が必要とされたエンジンコンピューターの書き換えをウィンドウズパソコンにデータを取り込むことにより可能としてしまったものです。書き換えが可能なデータは多岐にわたります。少しずつ書き換えながら「ここをこう変えるとこう変化した」ということを今後レポートしていきたいと思います。また走行中のデータをリアルタイムに読み込むことやグラフ化することもできます。色々な設定を保存しておいて使い分けることも可能なのでトラブルシューティングにも役立ちそうですし、走行シーンや季節、その日の気分によっていろいろなセッティングを入れ替えて楽しむこともできますね。T.E.C.IIとのデータのやり取りはS2000でも使う運転席足下の膝上あたりあるデータリンクコネクター部で接続して行います。

<主な書き換え可能な項目>
  • 最高回転数
  • 燃料噴射量(インジェクターサイズへの対応可)
  • VVT−i制御
  • 点火時期の進角遅角
  • ギア毎の加給圧
  • 排気バイパスバルブ開度
  • ウェストゲートバルブ開度
などが主な書き換え可能項目ですが、急加速時や緩加速時それぞれに対して別々に制御してショックを和らげる遅角マップの制御ができたり、例えばノッキングが出る場合の対策として基本制御マップやノッキング時に移行するマップを書き換えたりなども可能です。走行中にマップを表示しておけば今ノッキングが出ているというその時に点火時期マップのどこデータを読んでいるかが分かるのでその点火時期を打ち変えてやれば解消するというような使い方もできるようです。制御項目の詳細はユーザーズマニュアルをご覧下さい。きっとこれだけで相当長期間楽しめそうですよ。

写真下左は、マップ上のデータを書き換える方法を説明しているパージです。

写真下右は、走行データを保存しておいて表示しているところです。下のようにいくつかの項目を同軸上で表示したり、項目毎に個別に表示することができます。


T.E.C.IIデータトランスキット ユーザーズマニュアル(2.7Mb)
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