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 アリストV300VEに乗るNO.2007のSOARISTOさんが、新型CIMAのマルチプロジェクターキセノンヘッドランプを移植されたので紹介してくださいました。ノーマルとは全く違うアグレッシブなフロントマスクに様変わりしていますね。


メンテVOL.297 CIMAマルチプロジェクターキセノンヘッドランプ移植記(1/4)  <作成:'02年5月19日>

[はじめに]

 それは、ある1通のメールから始まりました。
   「SOAさん、こんなDIYを見付けました。つぎはこれがいいですよ!(爆)」
 そこには、新型CIMAのヘッドランプを、フォグランプとして取り付けたDIYが紹介されていました。
   「す、すごい!」
 目も眩むばかりの圧倒的な光量といい、前方に向かって一直線に進む配光パターンといい、まさに理想的なフォグランプとなっていました。

 しかし、SOARISTO号のフォグランプのHID化はすでに完了していますし、第一、これだけの大きさのフォグランプを取り付けるスペースなどありません。
   「う〜む、困った」
 しかし、「(爆)」と言われてしまったからには、是が非でも完成させるしかありません。こうなったら職人の意地です。(笑)

 フォグランプとして、どこに取り付けようかと頭を悩ませていたところ、はたとあることに気付きました。
   「ロービームに入るじゃないか!」
 そうなのです。ARISTOのヘッドランプのロービーム側が、新型CIMAのヘッドランプを埋め込むのに、ちょうどいい大きさをしています。

 しかしそのためには、純正のディスチャージヘッドランプユニットを分解し、新型CIMAのヘッドランプユニットを取り付けられるよう、かなりの改造が必要となってきます。

 さらには、ARISTOに移植するにあたっての最大の難問として、車の加重状態に応じてヘッドランプの光軸を調節する「オートレベリング機能」を、どのように活かすか、があります。

 すでに、VIPカーといわれるカテゴリーの車には、新型CIMAのヘッドライトを無理矢理移植したものが出ています。ただ、光軸がバラバラであったり、配光が不自然になってしまっているものも、中にはあるようです。せっかくの移植ですが、ルックスを優先したが故に実用性をスポイルしまっては、意味がありません。

 そこで、「ルックスと実用性を両立させた移植」を第一目標とすることにしました。新型CIMAのヘッドランプの特徴的なデザインや圧倒的な光量を活かしつつ、オートレベリング機能をきちんと動作させ、日常のドライビングにも何の支障も来さないこと、また限りなく純正に近いクオリティーで作り込みを行うこと、この2つを主眼(!)とします。

 ここに、「フォースは我に、新型CIMA複眼移植プロジェクト」が発足したのでした。
(ちょっと大げさか?)(^^ゞ

[マルチプロジェクターヘッドランプについて]

 新型CIMAのアイキャッチポイントとなっているマルチプロジェクターヘッドランプですが、日産さんによると、「従来のプロジェクターの1.7倍、世界最高レベルの明るさを実現した」とのことです。

[写真1]
  • 東京モーターショーに展示されていた、新型CIMA(F50)のマルチプロジェクターヘッドランプユニットです。(写真1)
  • 説明には、「7眼化により、大口径双放物面リフレクターによる高い光束利用率と、レンズ軽量化を両立させたヘッドランプ」とありました。
  • 自動車工学の紹介記事によると、「マルチレンズと特殊な自由局面リフレクタの組合せおよび7つの凸レンズで、大光量をより広く最適に配光し、従来のフォグランプの照射範囲もカバーする」そうです。

[写真2]
  • さっそく日産部品さんまで行ってきましたが、新品で購入すると、片側だけでなんと98,000円(!)もします。(写真2)
  • バーナーもバラストも込みなので仕方ありませんが、アッセンブリー丸ごとの販売で、パーツ単品での販売はしていないそうです。
  • 解体屋さんもいくつか当たってみましたが、そもそもこんな特殊なパーツ(?)が出回るはずもありません。
  • 今回は、とあるサイトより、左右2個セット48,000円で購入しました。

[マルチプロジェクターヘッドランプの分解]

 まずは、今回の素材であるマルチプロジェクターヘッドランプを分解してみました。大きいとは予想はしていましたが、これだけデカいとは思いませんでした。

[写真3]
  • これが今回購入した20mm機関砲、でなく、マルチプロジェクターヘッドランプの本体です。(^^ゞ(写真3)

[写真4]
  • 表側には「MULTI-LENS : MADE IN GERMANY」、裏側には「GATLING BEAM」との刻印があります。(写真4)
    (凄いですねぇ、ドイツ製のガトリングガンです)(笑)
  • HIDバーナーのタイプは、プロジェクター用のD2Sです。

[写真5]
  • とにかく、デカい!です。(写真5)
  • レンズ面の幅は約14cm、奥行きは約15cmもあります。
  • ARISTOのヘッドランプユニットと合わせてみましたが、このままでは取り付けできないことが分かりました。
  • きちんとビルトインするためには、かなり工夫する必要がありそうです。

[写真6]
  • 遮熱板と思われるアルミ板と取付けステーです。(写真6)
  • 取付けステーは、右用と左用とがあります。

[写真7]
  • リフレクターです。(写真7)
  • プラスチック製でメッキ加工してあります。
  • 形状は、たしかに放物線のような弧を描いています。
  • このリフレクターでHIDバーナーからの光を収束し、レンズ面に送るのですね。

[写真8]
  • マルチプロジェクターのレンズ本体です。(写真8)
  • 本当に、ガトリングガンか昆虫の複眼のように見えますね。
  • 覗き込むと、自分の顔が7つ見えます。(笑)

[写真9]
  • レンズをハウジングから取り外したところです。(写真9)
  • 7つのレンズはガラス製で一体成形でした。
  • 裏から金属板でレンズ面を残して遮光されています。

[写真10]
  • ハウジングです。(写真10)
  • 金属製でダイキャストで出来ています。
  • ちょうどレンズに当たる部分が窪んでいます。
    (まるで「たこ焼きプレート」のようです)(笑)
  • この窪みが、レンズ下半分に入射する光を遮ることで、光が上方へ拡散することを防いでいるのですね。
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