不定期刊マスコミ時評


 ゲーム界に関連したニュースは、一般のマスコミに流れる際、得てして誤解されたり、
偏見をもたれたりしやすいものです。
 このページでは、テレビや雑誌、新聞等で、ゲーム界に関するニュースが、どのように
報道されているのか、まとめてみました。
 なにぶんにも私が見聞きしたマスコミに限られますから、すべては網羅しきれないです
し、記憶に頼ってかなりあいまいになることもあります。あらかじめご了承ください。


なぜ突然このコーナーが復活したかというと、
一連の「ナイフを使った少年による事件」の影響で、
最近またぞろテレビゲームに対する批判が強くなってきたからである。
ま、とりあえず、朝日新聞の記事からの抜粋をごらんあれ。

'98.02.05 朝日新聞

 「凶器持ち、『キレる』子どもたち 『何が出来る』親の自問」という記事の一部。

 不登校の子の相談に当たる二十一世紀教育研究所代表の田口正敏
さん(43)は、キレやすさの背景に「ゲームによる人間関係の希薄
さ」を挙げる。中学生が警官を襲った二日夜、渋谷など繁華街のゲ
ームセンター三カ所をのぞいた。
 人気だったのはボクシングなどの格闘ゲーム。中高生とみられる
百八十四人のうち約七割の百三十人が興じていた。「人との関係に
不安を抱いてナイフを持ち、現実と仮想がごっちゃになりナイフを
使ってしまうのではないか」と話す。

 小学生時代、お互いに電子ゲームを持ち寄って集まり、友だち同士のコミュニケーショ
ンをとっていた世代の私からみれば、的外れもいいとこな話なのだが。
 よっぽど、長尾剛氏の『ゲーム解放理論』と香山リカ氏の『テレビゲームと癒し』を送
りつけようかと思った。
 この記事全体は、さまざまな人の多彩な意見によって構成されており、田口氏のコメン
トも、その中の一つという感じの扱いだった。

'98.02.07 朝日新聞

 さらに問題のある記事が出ていた。
 「ナイフを持つ生徒たち」という記事の中の文章で、どうやら読者投稿らしいのだが。

 中高生の引き起こす凶悪事件の背景にはテレビゲームがあると、
東北地方の男性高校教師(42)はいう。
「おとなしい子だったと口を開ければいう。それは当たり前である。
彼らは、人と交わることを避け、自らのカプセルの中だけでコンピ
ューター相手に日夜人殺しをしていたのだから。そうした状況に十
年間さらされた子供のことを、考えてみるとよい」

 以前、某テレビ番組の制作会社のかたにうかがった話だが、やはり、特に年長者の中に
は、ゲームに対する偏見は依然根強いらしい。
 せっかく各ハードメーカー、あるいはCESAあたりが、きっちりとした自主規制基準
を作っているのだから、そのことを各社・各団体が、もっと一般にアピールすべきではな
いかと思う(一般マスコミへの通知、あるいは意見広告のような形で)。
 こういう問題に対しては、メーカー、マスコミ、ファンとも、もっともっと声を大にし
て主張していいのではないだろうか。

'98.02.09 週刊現代(講談社)

 ちょっと笑える記事があったのでご紹介。
 「『キレる子ども』チェック・テスト50項目」というもので、その名の通り、キレる
子どもを見分けるチェック項目を掲載している。
 その中に、こういう子供はキレにくい(危険度ポイントに−2)という項目に、以下の
ようなものが挙げられていた。

「プレイステーションよりセガ・サターンやニンテンドー64がいいという」

 サターンや64が好きだと、なぜ安全なのだろうか? 謎だ。
 まあ、「プレイステーションの好きな子供はキレ易い」と言っているわけではないので
別にいいのだが。
 ちなみに私がこのテストをやってみたところ、31点以上あれば「かなり危険」だとい
うのに、36点取ってしまった(笑)。
 皆様、私に刃物を持たせないでください。
 “トンデモ本”の仲間として、山本弘先生に解説してもらいたいような記事だった。

 あと、週刊新潮で『バイオハザード』と『ザ・キング・オブ・ファイターズ』がヤリ玉
にあげられていた。
 『バイオハザード』に関しては、私はやったことないので(グロ嫌い&ガンシューティ
ング苦手)、この記事についての反論は差し控えたい。
 作者が出てきて反論するのが一番いいだろう。ゲーム誌に寄稿するのもいいが、それと
同時に、一般マスコミにも出て、発言してもらいたい。そうでなければ意味がない。
 なお、ゲーム内の表現が青少年に与える影響については、「アメリカのコミックに対す
る規制とその効果」の例が参考になると思う。山本弘先生の『女ターザンコミックスの世
界』に詳しく載っていたが、自主制作本だから手に入れるのはちょっと困難かも)


ご意見・ご感想・原稿ご依頼等はこちらまで
ff4a-tky@asahi-net.or.jp  または GEF05575@niftyserve.or.jp
ホームページへ戻る