マスコミ時評バックナンバー(96.08‾09)



'96.9.30 日本経済新聞

 日経新聞の10〜12月期「主要30業種天気図」が発表された。
 アミューズメント業界の天気は、「薄日」となるもよう。5段階(晴・薄日・曇り
・小雨・雨)の上から2番めである。クリスマス商戦に向けて有力ソフトの投入が相
次ぎ、家庭用ゲーム機市場が盛り上がるという見通しを、日経は立てている。
 興味深いのは、「Nintendo64の人気が急上昇しそう」という評価。『マリオカート
64』等、有力ソフトの登場で、ソフト不足が解消されると予測している。

'96.9.27 朝日新聞日本経済新聞

 今週は、ゲーム界の勢力図を塗り替えかねない(?)ニュースが2本登場だ。
 これらビッグニュースを、ファミ通より先にお伝えできてしまう。つくづくインタ
ーネットってすごいと思う。
 さて1本目はスクウェアに関する話題。あの『ファイナルファンタジーVII』が
売延期

 当初CD2枚組の予定だったのが、「入らない!」ってんで3枚組になったのが遅
れた原因。発売日は来年1月末にずれる見込み。
 ただし、どの新聞もこのニュースを、あまり大きく取り上げなかった。とくに日経
はいつも、このテの記事は意地でも大きくするのだが・・・。まあ、遅かれ早かれ、
プレイステーションで出ることに変わりはないから、大勢に影響はないとみられたの
だろうか。

'96.9.25 日本経済新聞

 ニュースその2。
 どうやら心配していた「角川・メディアワークス状態」が、現実のものとなりそう
な気配。
 アスキーを退職された、小島さん、塩崎さんの会社「アクセラ」が、雑誌を3誌創
刊するというニュースが、25日の日経新聞で報じられた。
 3誌の内訳は、競馬雑誌、パソコン誌、そしてゲーム雑誌。なんとゲーム雑誌は週
刊である。3誌とも今年じゅうの創刊となるらしい。
 しかも、聞いて驚けパソコン誌とゲーム誌の編集長は、あの水野店長様だ!
 小島さん、塩崎さん、水野さんが携わる雑誌となれば、品質のほうは保証つき。既
存のゲーム誌・パソコン誌にとって、強力なライバルの出現となる。
 ・・・もっとも、今ですらゲーム雑誌はちょいと過当競争気味。角川の分裂と次世
代機ブームによって、次々創刊されたゲーム雑誌が、まだどこもつぶれていないのだ。
 みんな意外にしぶとい。
 とはいっても、アクセラの雑誌が創刊されて、もしシェアをごっそり奪い取ること
になったら、既存の雑誌はかなり苦しくなると思うのだが。
 ・・・でもみんなしぶといから、みんな生き残っちゃうかもなぁ。
 編集プロダクションは、仕事が増えて喜ぶ。
 メーカーの広報は、仕事が増えて泣きをみる。
 さて、ユーザーは、どうだろう?

 ・・・ファミ通の売り上げが落ちちゃったらイヤだなあ、私としては。


'96.9.17 週刊プレイボーイ 10月1日号(集英社)

 記事のタイトルが凄い。
「第3次<バーチャ戦争>勃発! 武装せよ、ゲーマーたち」
 さすがにマンガ「美闘伝サラ」を連載していた雑誌だけあって、この記事への力の
入り方は半端じゃない。
 要するに、セガの鈴木裕氏へのインタビューなのだが、これが単なるインタビュー
記事に終わっていない。この記事を書かれたバトル・トン氏は、インタビューの前日
に自ら東京ジョイポリスへ赴き、実際に対戦をしてきたという。しかも5連勝してき
たとか。さすが“神保町ジャッキー”を名乗るだけある。
 そしてその戦いによってわかった『3』の特徴を解説。やはりこの手のゲームは、
体験してみてはじめてわかるものらしい。翌日のインタビューでも鈴木氏が、説明す
るより実際にやってみたほうが早いとばかり、対戦をしながら解説をする。
 それにしてもこの記事では、『バーチャ3』の特徴もわかりやすく表現されている
が、鈴木氏の人柄もよく表現されている。
「話をするより、まずはやろうよ、という遊び心が大前提なオイちゃんなのだ。小学
生が苦心して作り上げたガンダムのプラモを自慢したくて仕方ない感じかな」
 ホントに今ゲーム業界で、遊び心のある人少ないもんね。

'96.9.14 朝日新聞

 コナミ日本IBMと共同で、3D画像を滑らかに動かす技術を開発したらしい。
 この技術を使ってコナミは、格闘ゲームを作るとか。
 ・・・対戦格闘『ときめきメモリアル』だったりして(笑)。
 ・・・あながちありえないとはいいきれないからコワい。

'96.9.13 ズームイン! 朝(日本テレビ)

 だから福留さん、感覚でモノ言うのはよしなさいって。
 キーホルダーゲームの特集。若い人がよく電車の中でやっているアレである。早い
話が小さな『テトリス』。
 とにかくすごいブームらしい。作っているのは知らないメーカーばかり(ただし、
番組に出ていたヒロという会社は、ゲームボーイ版『大戦略』を作ったところであり、
CSGのメンバーでもある)。大手もそろそろこのブームに注目してきたようで、今
バンダイでも『パックマン』と『インベーダー』を出すとか。
 これに対する福留功男氏の発言が、「(街なかでゲームをプレイする)こういう人
人に将来の日本を任せるのは心配だ」というもの。以前この番組で『バーチャファイ
ター』を取り上げたときにも、福留氏は否定的なコメントを残している。どうやら、
福留氏はテレビゲームがお好きでないようだ。
 もっとも福留氏本人も、自分の考えに明確な根拠がないことは承知しているようで、
『バーチャ』のときには、「こう思うのは私が古い人間だからでしょうか」と言って
フォローしていた。
 ・・・それにしても、このテのゲームのブームに、任天堂がまったく絡んでないと
いうのも珍しい。ゲーム&ウォッチやゲームボーイで、モバイル液晶ゲーム環境を築
き上げてきたメーカーなのに。
 がんばれゲームボーイポケット。

'96.9.11 日本経済新聞

 アスキープレイステーションで『ダビスタ』を開発中!
・・・って、前々から言われてたことやん。わざわざ記事にせんでも。
 もしかして、もう他機種版は出さずに、これからはPSオンリーだとか? そうい
うことは書かれてなかったが。
 あと、発売は来年3月を予定していたが、例のゴタゴタの影響で開発が2か月遅れ
たので、予定より遅れるかもしれないとのこと。やっぱり影響あったのね。

'96.9.11 ぴあ 9月17日号(ぴあ)

「今世紀最大の楽園 GAMEの王国」 巻頭カラー。
 まずはアミューズメントスポットの紹介。東京ジョイポリス、サンシャインナンジ
ャタウン、ジオポリス、ワンダーエッグ2(「スタアオーディション」)の4か所。
 その後、各ゲーム機おすすめソフトの紹介。何百本もソフトがあるわけだから、セ
レクトするほうも大変だと思う。そんななかで、この雑誌のセレクションは、まず妥
当なところといえるだろう。
スーパーファミコン・・・『ストリートファイターZEROII』『ウィザードリィ外
 伝IV胎魔の鼓動』『ペブルビーチの波濤New』『ナンバーズパラダイス』『マジ
 カルドロップ2』『大戦略エキスパートWWII』
プレイステーション・・・『TOBAL No.1』『サムライスピリッツ斬紅郎無
 双剣』『アークザラッドII』『スターファイター3000』『究極の倉庫番ひとり
 だけのカーテンコール』『クーロンズ・ゲート〜九龍風水傳』
セガサターン・・・『FIGHTING VIPERS』『サクラ大戦』『バーチャ
 ロン』『湾岸デッドヒート+リアルアレンジ』『バーチャコップ2』『ポリスノー
 ツ』
Nintendo64・・・『ウェーブレース64』『マリオカート64』『テトリスフィアー』
 こうしてみると若干サターン陣営が強いかな?

'96.9.11 FLASH 9月24日号(光文社)

「人気女性タレントの『プリクラ』博覧会!」
 女性タレント11組(15人)がプリクラで撮ったシールを、読者にプレゼントす
るという企画。
 この中で、辺見えみりさんのコメントに、興味深い個所を発見!
「プリクラはいままで一度も撮ったことがないんです。するのはシューティングゲー
ムなんですよ」
 辺見えみりさんがシューティングゲームやってる図って、なんか想像つかない。
 『セクシーパロディウス』を1コインクリアするくらいの腕前だったらさらにコワ
い。

'96.9.10 Voice 10月号(PHP研究所)

 今週も各経済誌に、ゲーム関連の記事が載っていた。
 『Voice』と『経済界』には、任天堂の山内溥社長のインタビューが掲載され
ていた。
 まずは『Voice』のほう。山内社長は何度も、“ダメソフトの氾濫によるユー
ザーのゲーム離れを止めなければならない”ということを強調していた。
 Nintendo64に関しては、長期的なスパンで見ているようだ。「子供さんに、急に三
万五千円のものを買ってくれとねだられても、すぐに買えるわけではないですから、
クリスマスだ、お正月だとなってくるのは当り前」「なにもビジネスというのは、い
ついつに終るということはないのだから、時間をかけて徐々にソフトの種類を増やし
ていく」
 まあ確かに、スーパーファミコンのときも、本当に売れ行きが安定してきたのは、
発売から1年後、『ゼルダの伝説』が出た頃だった。今判定を下すのは早いというと
ころか。ちなみに任天堂は、年内に14タイトルを予定しているとか。
 また、コンビニでのソフト販売についても触れている。「(コンビニが新しいゲー
ム機の販売ルートになる)可能性は小さいですね」小売店は今たくさんあるから、こ
れ以上増やしても意味がない。また、ゲームは遊んで初めて価値を問うもので、店頭
でユーザーに体験させる必要があるが、コンビニにはそんなスペースがとれない。
・・・というのがその根拠。ただし予約販売の場合は、「その商品が売り手市場であ
る」ならうまくいく可能性があるとも述べている。ローソンでのNintendo64予約販売
がこのケース。
 インタビューの後の、聞き手片山修氏のコメント。
「日本のテレビゲーム機の成長が鈍化するなかで、世界市場へ再飛翔するためには、
自信と強気の姿勢が求められる。その意味で、山内氏の強気こそは、ゲーム業界にと
って貴重な財産といわなければならないだろう」

'96.9.10 経済界 9月24日号(経済界)

 同時期に同じ人に同じことを聞いているのに、内容があまり重なっていないのが面
白い。『経済界』では、バーチャルボーイの話が中心となった。
 バーチャルボーイの問題は、「プレイヤー以外には見えない」「フルカラーではな
い」こと。
「事前アンケートで九〇%までが『これはダメだ』という答えが出ていた。しかし残
り一〇%が『これはいける!』と」
 これで成功してたら伝説になって後の世に語り継がれる話だったのだが・・・。
 PSとサターンが予想以上に伸びたことについては、
「僕は『価格はいくら高くても二万円台にしないとダメですよ』と言ってきた。する
と彼らは相次いで値下げしてきて、僕の言っているとおりになってきた」(一部略)
 PSがややサターンに水を開けていることに関しては、
「セガは『ゲームセンター族』の好みのソフトがメーンなんです。だから『ゲームセ
ンター族』は取り込んだが、ライトユーザーまで伸びなかった。ソニーはライトユー
ザーに浸透していった。この違いです」
 気になる「Nintendo64不振」というマスコミの見方についての反論は、以下の通り。
「例えば、秋葉原の電気街や全国のファミコンショップなどへ行ったら、ソニーの
『プレイステーション』が一番売れているかもしれません」しかし「百貨店では、明
らかに『Nintendo64』が一番売れている」

'96.9.10 実業の日本 10月号(実業之日本社)

 連載企画「電脳のサムライたち」にアスキー西和彦社長が登場。
 86年、アスキーとマイクロソフトが提携を解消し、アスキーにいた古川享氏と成毛
真氏がマイクロソフトに引き抜かれた際の経緯を中心に、「アスキーを去った人材が、
現在のパソコン業界をリードしている」と述べている。
 もっとも、古川氏と成毛氏以外の人のことは具体的に書かれていなかったが。
「多才にして多感、多情、多産な西は、いくらでも夢を創り出すことができる」「一
個人としては実に魅力的だが、しかし、経営者としてみた場合にはこれが西の最大の
欠点でもある」「彼らをつなぎ止められなかった点が西の弱点であり、逆に魅力でも
ある」
 またこの号には、NHK『電子立国』『新・電子立国』の相田洋氏へのインタビュ
ーも掲載されていた。
 日本はモノ絡みのソフトウエアでは強さを誇るが、パッケージソフトでは米国が圧
倒的に強いという。「巨大システムをつくるときは日本人のほうが得意」であるのに
対し、「小回りがきいてほとんど『君』と『俺』みたいな感じで進めていく。そうい
うソフトウエア分野では米国人はすごく得意」
 日本人にとって問題なのは、「(パッケージソフト分野では)二番手商法がきかな
いこと」。日本人が他の商売でやっていたように二番手商法でやっていても成功しな
いとか。
 相田氏は、「『人のやらないことを考え、生み出していく』『新しい価値観を生み
出していく』ということが大事な時代になる」と語っている。そういう時代に対処す
るためには、「会社のなかにいる異端をもう少し認めること」だとか。
 まあしかし私が考えるに、会社の中だと、異端が異端ぶりを発揮できる環境は作り
にくいと思う。周りは普通の人間ばっかりなんだから。

'96.9.10 財界 9月24日号(財界研究所)

 ここはちょっと視点を変えて、『XBAND』の話題。スーファミの『ストII』で
通信対戦ができるアレである。
 『XBAND』のカタパルト・エンタテインメントは、日商岩井が中心となって作
った会社。日商岩井といえばニフティサーブ。ゲーム機を端末にして、少年層版のニ
フティを作るのが狙いらしい。
 カタパルトはアメリカの会社。日商岩井が出資して、日本でのライセンスを取得し
た。この米国カタパルト社に関して、8月にある事件が起こった。
 セガソフト系列のエムパス社が、カタパルト社を買収したのである。
「セガ本体が、何か大きな狙いをもって行った買収というのではないんです」と、セ
ガの中村俊一常務。しかしこれによって、「スーパーファミコンを使ったネットワー
クは、セガグループの技術の枠の中で行われることとなった」とこの記事は語る。
 偶然この時期に、サターンでもXBAND対戦通信ゲームサービスが始まった。
「(セガは)ソフトの品揃えの面で、ソニーに一歩遅れている部分があり、そこを通
信とネットワークで補う戦略をとっている。任天堂よりセガのほうがこの分野に意欲
的だ」

'96.9.10 文藝春秋 10月号(文藝春秋)

「英雄なき時代を熱くする'96年ニュー・ヒーロー18」と題した、ニュー・ヒーロー
18人へのインタビュー記事。
 この18人の中に、セガの入交昭一郎副社長が選ばれていた。
 2ページ弱の記事だったので、それほど注目すべき発言はなかった。ホンダからセ
ガへ移った経緯と、ゲーム業界で感じたことが中心。
 面白かったのはむしろ成毛真氏のほう。変わった仕事ぶりについての話だった。

'96.9.9 AERA 9月16日号(朝日新聞社)

「任天堂の笛に客は踊らず」
「レコード一枚のためにステレオを買わないだろう」
 見出しからいきなりこれである。本文中でも、スクウェアのSCEへの移行、価格
の高さと、任天堂にとってのマイナス材料が並ぶ。
「九千八百円というN64のソフトは、値段が高くて、つくる側からいうと心が痛い。
(中略)値段とソフトの種類の多さから、プレイステーションを選ぶ人が、僕の周り
には結構いますよ」
 あの飯野賢治氏がこう言うのだから、本当にプレイステーションは順調なのだろう。
 ただしSCEもセガも、今の状況に安穏としているわけではない。これからの任天
堂の巻き返しに備えて、対抗策を練っているところのようだ。
「N64の機能からいって、従来とは違った使い方ができるはずなのに、その点が利用
者に示されていない」(小売店向け情報誌を発行するメディアクリエイト代表取締役
細川敦氏)
 スーパーファミコンのときは最初から、『F−ZERO』のようなソフトがあった
のだが・・・。

'96.9.5 輝け噂のテンベストSHOW(日本テレビ)

 この番組では、過去何度かゲーム関係の話題が取り上げられていたようだが、残念
ながら私は見ていなかった。今回初めて見ることができたので、このコーナーで取り
上げる。
 毎週、これから流行りそうなモノを紹介するこの番組。今週紹介されたモノの中に、
タカラの「ダイノバイザー」が入っていた。いわゆるヘッドマウントディスプレーで
ある。1メートル先に120インチの画面が現れるような感覚で、ビデオやゲームが
楽しめるらしい。
 さっそくスタジオでの実演が行われた。使用されたゲームは『パンツァードラグー
ンツヴァイ』。タカラのディスプレーにセガのゲームという組み合わせが、なんとい
うか、冬木弘道・安生洋二組のような、違和感があるようなないような、不思議な感
じだった。
 ゲームをプレイするのは、レギュラーの草なぎ剛氏(“なぎ”が出なかった。まあ
いいか、SMAP×SMAPのホームページでも“なぎ”はひらがなだったから)。出演者全
員がヘッドマウントディスプレーをかぶり、草なぎ氏のプレイに合わせて首を動かす。
一種異様な光景だった。
「ヘッドマウントディスプレーでゲームをやってるさまは、はたから見るとコワい」
という、ゲーム界に昔からあった定説を、はからずも証明する結果となった。
 もっとも、この日一番インパクトがあったのは、大日本プロレスのたにぐちゆうい
ち選手(小学生の格好でファイトする)だった。ちなみに番組内では「デビュー以来
連戦連敗」と紹介されていた。そこまで弱い選手ではなかったはずだけど・・・。

'96.9.4 日経トレンディ(日経ホーム出版社)

「中古市場がいま元気」と題した記事の中で、中古ゲームソフトについて触れられて
いた。
 なんと実際に五つの店で、客としてゲームソフトを売ってみたとか。
 売ったソフトは『ダビスタIII』と『ダビスタ96』、『バーチャファイター2』、
箱と説明書なしの『ドラクエVI』、そしてプレイステーションソフトの『トバルナン
バーワン』。
 その結果、どのゲームも、店によって買い取り価格がかなり違うことがわかった。
最高値と最安値の差は、どのゲームでも1000円以上開いている。実際どこの店が高く
てどこの店が安いかという情報は、「トレンディ」を読んでいただくとして・・・っ
て、単なる宣伝だな、これじゃあ。
 それと『トバルナンバーワン』は、5店中1店しか買い取らなかったそうだ。公取
委の立ち入り検査の後も、あんまり状況は変わっていないということか。もっとも、
プレイステーションの新品を扱っていない店では、中古の売買が行われているようだ。

'96.9.3 週刊プレイボーイ 9月17日号(集英社)

「東京ゲームショウをしゃぶり尽くす!」
とあったが・・・。
 ・・・なんか混んでてたいへんだったらしい。
 ・・・私行かなくて正解だったかも。
(あ、念のために言っておきますが、この記事ではちゃんと、『FFVII』や『バー
チャロン』など、いくつかのゲームについての感想が書かれてます)

'96.9.2 実業界 10月号(実業界)

 いきなり記事タイトルからして、
「待望の新機種“64”が一ヵ月でコケた『任天堂』存亡の危機!!」
なんである。
 内容は基本的に、Nintendo64の売れ行きが不振という日経の記事を受けて、任天堂
の株価が下落したという例の件についてである。ただしこの記事は、これまで他誌に
あった同様の記事と比べて、かなり任天堂にとって厳しい見方をしている。
 「日経新聞と任天堂のどちらの言い分が正しいのか、両方とも信じられないところ
がある」状態だったが、日経の記事が出て午後の取り引きが停止となった日の翌日の
8月15日、任天堂株は13日の7,740円から690円安の7,050円。
「投資家は任天堂のさらなる業績悪化の見通しを信じたのである」
 う〜ん説得力がある。
 この後この記事では、Nintendo64の不振、ソフト供給の出遅れ、カセット方式採用
によるコスト高、そして任天堂の人材不足について触れている。
「現在のところ任天堂において魅力的なゲームソフトを開発できる技術者と言えば
『宮本茂さん一人しかいない』(ソフト会社経営者)という有様である」とまで書か
れている。
 そしてこの記事は、シメの部分にも大胆なことを書いている。
「やがて、任天堂がプレイステーションやセガサターンのソフト供給会社に没落する
日がこないとは言い切れない状況である」
 いくらなんでもそれは、・・・いや、最近のゲーム界は、本当に何が起こるかわか
らんからなぁ・・・。

'96.8.29 日本経済新聞

 アスキーが雑誌4誌を改革するらしい。
 「MacPeople」誌面刷新、「テックジャイアン」月刊化。
 「ファミ通PS」は、月2回刊になるとか。
 そして、

「ログイン」も、編集方針を大幅に刷新するようである。
 どんなふうに刷新するかはわからないけど、個人的にはインターネット関連のペー
ジを、もうちょっと増やしてほしいと思う。Java言語が、パソコンゲームの流れ
を、がらりと変えるような気がしてならないのだ。
 もっとも、こういう私の予想は、いつも当たったためしがない。ま、当たる予想を
たてられる能力があったら、私は今頃馬券で食ってるだろうけど。

'96.8.28 笑っていいとも!(フジテレビ)

 なんと、あのタモリさんもゲーマーだった!
 一時期、あの『パックマン』(ナムコ)に、熱中していたというのだ!
 どう考えてもゲームと結びつきそうにないタモリさんまでハマらせるとは・・・。
『パックマン』おそるべし!

'96.8.27 財界 9月10日号(財界研究所)

 なんだかゲーム業界の人が、やたら出ているんである。
 バンダイの山科社長のインタビュー記事がある。
 「起業家群像」というコーナーで、イマジニアの神藏社長が紹介されていた。
 日立がアミューズメント機器市場に進出することも書かれていた(「ソフトのコン
テンツがない」「商品サイクルが短く、大組織だと対応しづらい」という2点が、不
安材料として挙げられていた)。
 ソフトバンクの快進撃がいつまでもつか、という記事もあった(今のところ大きな
不安要素はないが、「米国のハイテク景気」「日本の低金利」「ソフトバンクの株高」
のどれかが崩れたときにどうなるか、といった感じだった)
 そしてもう一つ、例のアスキーの騒動について。同社幹部4人の覆面座談会が、4
ページにわたって掲載されていた。
 「前回(塚本氏らが抜けたとき)は上の人だけの話だったが、今回は現場に根差し
た問題」「役員ともなると現場から遠くなるから、いなくなっても現場にいる人間に
はほとんど影響がない」(要約有り)等、興味深い発言があった。
 それにしても、この手の雑誌に、これだけゲーム関連の記事があるのには正直驚い
た。つくづくゲーム界は、日本の財界で大きな位置を占めるようになったものである。
 もっとも、「インターネットをやると人間が薄っぺらになる」なんてことを平気で
書いているような雑誌に、ゲーム界の記事を書かれるのは、はなはだ不安ではあるが。

'96.8.26 Bart 9月9日号(集英社)

「ゲーム業界サバイバル戦争勃発!!」
 記事タイトルを見たときは、「また任天堂・セガ・SCEの現状をさらりと紹介し
て終わりの、よくある記事か」と思っていた。だがこの記事は、スクウェアのコンビ
ニへのソフト供給等、ハード関係以外の話題もいくつか取り上げていた。
 とくに、「ゲーム嫌い!?の新たなゲーム世代」の項には独自性があった。「子供の
おこづかいが月平均で1300円くらいですから、特別な時期を除けば、ミニ四駆を
買ってしまえばほかに買えるものはありません」と分析するのが、コロコロコミック
の久保雅一副編集長。
 とくにNintendo64が厳しいとのこと。子供ファン層でのシェアを誇ってきた任天堂
にとって、自らのソフトの価格設定が、ここにきて重くのしかかってきたというとこ
ろか。
 Bartは任天堂、SCE、セガの三つ巴の争いを、キングギドラに例えている。
「あのゴジラもモスラも息の根を止めることができなかった無敵のキングギドラだが、
個性豊かな3頭の意思統一が乱れれば最後。お互いの首根っこにかぶりつき、ついに
は自滅にもなりかねない」

'96.8.22 Forbes 10月号(ぎょうせい)

 本年度「なんてタイミングの悪い記事なんで賞」けってーい!
 「任天堂のジレンマ」なんてタイトルだから、てっきり例の株式取引停止事件につ
いて書かれているのかと思ったら、どうやらあれより以前に書かれた記事だったよう
だ。内容は、山内溥社長へのインタビューだった。
 まあしかし、こういう時期だけに、注目すべき発言はいろいろあった。とくに、ソ
フトの少なさについて。
「『スーパーマリオ64』のようなソフトが出てくると、それが基準になり、それと比
べて見劣りしない程度のゲームソフトを出していかねばならなくなります。(中略)
任天堂も含めて、ゲームソフトの開発はますます大変になります。でも、それはしか
たがないことで、今のままでほうっておいて、駄作・愚作の山が積み上がると、ユー
ザーからそっぽを向かれてしまう。そうなったら、任天堂もソフトメーカーも流通も
おしまいです」
 う〜ん。言ってることは間違ってはいないんだが、Nintendo64の場合は極端過ぎる。
どうも山内社長は、「万人受けしないソフトはダメソフト」という考えを持っている
ように受け取れる。すべてのソフトが『スーパーマリオ64』みたいに万人受けするも
のになってしまったら、逆にNintendo64はつまらなくなってしまうような気がするの
だが。
 やっぱり、『ダービースタリオン』があって、『三國志』があって、『バーチャフ
ァイター』があって、『ウィザードリィ』があって、『グラディウス』があって、
『Dの食卓』があるのが、正常なゲーム界ではないかと、私は思う。

'96.8.21 週刊新潮 8月29日号(新潮社)

「『利益激減』報道で株式売買停止『任天堂』の真相」
 今までこのテのネタは、週刊文春がよく取り上げていたが、今回は新潮のほうが取
り上げた。任天堂の株式売買停止に関する報道である。
 日経新聞が14日、「任天堂、経常益7割減、64ビットゲーム機苦戦」「『ゲームボ
ーイ』開発担当者 横井氏、あす任天堂退社」と報道。これにより任天堂株の売り注
文が殺到、株式売買一時停止という事態に至った。
 日経のライバル紙の記者のコメントを要約するとこうなる。日経はよく、小さな情
報を大きく扱うことがある。今回もそれに近い荒っぽい記事といえる。ただし、横井
氏のことに関してはウラを取ってあり、また今任天堂が置かれている状況を考えれば、
内容に不思議さはない。
 新潮は今回の事件を、任天堂の「殿様商売のツケ」とみている。高額の委託料など
に対するソフトメーカーの離反。殿様商売による流通の崩壊。山内社長の超ワンマン
体制。
 新潮は、当の横井軍平氏にもコメントを求めている。以下要約。
「真実が罷り通らないワンマン体制の下に蠢(うごめ)く人間関係はイヤでしたね」
「もともと任天堂は“すきま商品”の会社。しかし、テレビゲームが大きくなりすぎ
て自ら表舞台に躍り出てしまった」
 私が考えるに、こういう会社は任天堂に限らない。急激に膨らみすぎた業界だけに、
ゲーム界にはこうした会社がいくつもある。
 ・・・この次は、あなたの会社の番かもしれない。

'96.8.20 マックジョイ 9月号(日本マクドナルド)

 マックといってもマッキントッシュではない。マクドナルドの広報誌である。
 表紙に大きく「TV GAME最前線」の文字が。どんな記事だろうと思い、ペー
ジを開くと、「『セガサターン ネットワークス』始動!」「バンダイから『スーフ
ァミターボ』登場!」の文字が。
 この調子で最新ニュースが続くか? と思ったが、次から3ページにわたってソフ
ト紹介の羅列。1ページあたり12〜15本の紹介を、ぎゅうぎゅうに詰めこんであ
る。
 一応『ストリートファイターZERO』『ファイナルファンタジーVII』『ドラゴ
ンクエスト』の3本は、やや大きくスペースを取り、別格扱いにしている。しかし、
『ファイティングバイパーズ』を、その他大勢扱いにしてしまったのが惜しまれる。
ドラクエやFFの発売日なんてまだまだ先だろうに。

'96.8.15 朝日新聞

 今週は、任天堂にとっては悪いこと続きの週となってしまったようだ。
 15日の朝日新聞によると、14日の東証で任天堂株に売り注文殺到。午後の同社株の取り
引きが停止されたとのこと。
 一部報道でNintendo64の苦戦が伝えられたため、こうなったらしい。
 現時点でソフトが未だ3本というのは、やはり大きなマイナスのようだ。今週から任天
堂は、『ウェーブレース64』のCMを流し始めた。起死回生のヒットとなるか?
 ・・・やっぱ格闘とRPGとスポーツものは欲しいよなぁ(ひとりごと)。

'96.8.14 日本経済新聞

 任天堂の横井軍平氏が退社されるそうだ。
 今回の退社に関しては、「バーチャルボーイの不振による引責退社」との見方が有力視
されている。だが、横井氏は「ゲーム&ウォッチ」や「ゲームボーイ」で同社に多大なる
功績を残した人物。「バーチャルボーイ」で失敗したからといって、それだけでやめさせ
られるわけはないだろう、というのが、私の個人的な考え。
 あと、・・・いつの間に出荷停止になってたバーチャルボーイ(泣)。

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