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   主イエスのたとえ話

  
〈22〉汚れた霊が出戻った家のたとえ

 聖書
 ★(イエスは言われた、
ルカ11:17
 ★「私の味方でない者は、私に反対する者であり、私と共に集めない者は、散らす者である。
 ★汚れた霊が人から出ると、休み場を求めて水の無い所を歩き回るが、見つからないので、出て来た元の家に帰ろうと言って、帰って見ると、その家は(空いていて、/
マタイ12:44)掃除がしてある上、飾り付けがしてあった。
 ★そこで、また出て行って、自分以上に悪い他の七つの霊を引き連れて来て中に入り、そこに住み込む。そうすると、その人の後の状態は、初めよりももっと悪くなるのである。
 ★(よこしまな今の時代も、このようになるであろう/
マタイ12:45後半)」。
 (ルカ11:23〜26;参照マタイ12:43〜45)


はじめに
 ★この「汚れた霊の出戻りの話」をたとえ話と呼ぶのは、この汚れた霊が出たり入ったりしている人が汚れた霊の家にたとえられていると言う意味であって、この話は、
金持ちとラザロの話同様、霊の世界の厳然たる事実を語っているのだということを初めにお断りして置きます。
 ★汚れた霊とは、聖なる神の前で人に罪を犯させ、人を汚す働きをする悪霊どものことを指します。悪霊は親玉サタン(悪魔・ベルゼブル)の配下の兵卒共で、サタン同様眼に見えない霊的存在です。

このたとえの要約
 ★汚れた霊が人から出て、帰って見ると、その家は掃除がしてあって、空なので他の自分より悪い7つの霊を連れて来て住み込んだ。

解説
 ★このたとえ話はマタイとルカの二つの福音書だけに記されています。そして、マタイの場合もルカの場合も共に同じ出来事の後に語られています。その出来事とは、悪霊につかれていて、目も見えず、口もきけない人が連れて来られて、主イエスが彼を癒し、ものが言え、眼も見えるようにしてやった出来事です。
 ★この出来事はユダヤ人の中に二つの反応を引き起こしました。一つは「この人が悪霊を追い出しているのは、全く悪霊の頭ベルゼブルによるのだ」
(ルカ11:15; マタイ12:24)という反応であり、もう一つは「イエスを試みようとして、天からのしるしを求めた」(ルカ11:16; マタイ12:38)ことでした。
 ★この二つの反応は共に、ユダヤ人が待望するメシヤ・キリストとして、主イエスを否認する姿勢を表しています。すなわち、「悪霊追放はベルゼブル(サタン)の力によるのだ」とすることは、主イエスと聖霊とを冒涜する言葉であり、「天からのしるしを求める」ことは、彼らの目の前で行われた数々の主イエスの奇跡を「天からのしるし」と認めないということです。
 ★彼らが、主イエスを信じないで、自らの行いの義、すなわち杯や皿の外側をきよめる生活に
(マタイ2:25)固執する限り、個人も社会も良くなるどころか悪くなる一方であることを、主は汚れた霊の出戻りのたとえで語ろうとしておられます。

このたとえ話が教えること
T.主イエスは、すべての人を二種類の人々に分類しておられること
 ★すなわち、主イエスを信じる人と主イエスを拒否してサタンの側につく人の二種類です。そのどっちにも付かず、中立の立場の人の存在を主は認めておられません。
 ★救い主イエス・キリストを自分達の待望していたメシヤ・キリストと認めることを拒否し、自力による行いの義(救い)を追求するユダヤ人は汚れた霊(悪霊)から見ると掃除されて、飾りつけられた、住むのに都合のいい空き家でしかありません。

U.主キリストの御霊が内住していない人の中に汚れた霊は内住したがるということ
 ★発展途上国の人々を除く現代人の多くは、サタンや悪霊の存在を信じず、悪霊が人に住みつくという聖書の記述に接しても寓話の類としか見ようとしません。
 ★福音派教会の中の多くの教会も、聖書の中の悪霊追放の教えを実践的・現実的に十分に学んでいないので、彼らから派遣されて発展途上国で伝道している宣教師たちは悪霊づかれの人々を聖書的かつ適切に対処できず、そのため現地で救われた教会員たちが土着宗教の祈祷師のところに助けを求めて偶像礼拝に舞い戻ってしまう残念なケースがあると聞きます。
 ★サタンとその配下の悪霊たちの仕事は「盗み、だまし、殺す(滅ぼす)こと」
(ヨハネ10:10;8:44)です。その仕事の達成のために、またキリストの救いの事業を邪魔するために人の中に住み込むことが都合がいいので、悪霊どもは人の心身を住家として住みつく事を好みます。
 ★悪霊が人を住家として住みつくのを好むからといって、悪霊は気の向くままに、人なら誰にでも住み込めるという訳ではありません。
 ★主イエスを裏切ったイスカリオテのユダにサタンが入り込んだ場合のように
(ヨハネ13:2,27)、悔い改めない罪を隠し持った人の中にサタンは入り込む権利が与えられます。
 ★また、偶像礼拝者や占い師などに住みついている悪霊が子孫に伝達されることもあるようです
(出エジプト20:5)。麻薬常習者や幼児期の虐待被害者に悪霊の内住が見られる場合があるようです。

V.悪霊には性格・性質の違う色々の種類があるということ
 ★このたとえ話の中の初めの汚れた霊が「自分以上に悪い7つの霊を引き連れて引っ越して来た」とあるように、悪霊の性質は比較的軽い悪党から極悪非道この上ないサタンに至る序列があるようです。
 ★その上、一人の人に1プラス7計8つの悪霊が住み付いているように、聖書の中に悪霊が集団で一人の人に住み付いている例があります。
 ★
「週の初めの日の朝早く、イエスはよみがえって、まずマグダラのマリヤにご自身を現された。イエスは以前に、この女から7つの悪霊を追い出されたことがある」(マルコ16:9)
 
「(墓を住みかとしている)悪霊づかれの人に、主イエスが『何と言う名前か』と尋ねられると、彼は『レギオン(下記参照)と言います。大勢ですから』と答えた」(マルコ5:3,9)

 ★〈レギオンはローマの1軍団の名称で6000人によって編成されています。主イエスを捕らえるために祭司長・長老から遣わされて役人達がやって来た時、ペテロがその内の一人に切りかかって耳を切り落としたことがあります。その時、主イエスはペテロにこう言っておられます。「剣を取る者はみな、剣で滅びる。それとも、私が父に願って、天の使いたちを12軍団以上も、今遣わしていただくことが出来ないと、あなたは思うのか」。この時主が言われた12軍団とは原語ギリシャ語で12レギオンです。つまり、6000×12=72,000人からなる天使の大軍勢という意味です(マタイ26:47〜56)。〉

W.主イエスはサタンに対する勝利者であり、キリスト者は主イエスの御名によって悪霊を追放することができること
 ★
「主イエスはご自分の十字架の死によって、悪魔と言う死の力を持つ者を滅ぼし、一生涯死の恐怖につながれて奴隷となっていた人々を解放された」(ヘブル2:14,15)とあります。ですから、サタンは主イエスの前では完全に無力なのです。最終的にはサタンの滅びは決定しているのですが、敗戦国が正式の終戦の日まで抵抗を続けるように、サタンは今最後のあがきのような抵抗を続けているのです。
 ★私たちキリスト者は、主イエスを信じる信仰により、その尊い血潮によって罪を清められると共に、悪霊からも解放されました
(ヘブル9:14;10:22)
 ★悪霊から解放された私たちキリスト者は、主イエスが行われたように、悪霊につかれた人々から悪霊を追放する権威を与えられています
(ルカ10:17〜19)

D.人は聖霊の宮・御霊の宿る家となる時、キリストに似た真に人間らしい人になることができること
 ★主イエスは人間の世界に猛威を振るっているサタンを縛って捕らわれ人を解放されました
(ルカ11:14〜22)。主イエスはサタンに勝利して「天でも地でも一切の権威を授けられた」(マタイ28:18)ことを宣言されました。この故に、人はこのキリストかそれともサタンかこの両者の内の一者を自分の人生の主として選ばなければなりません。キリストの陣営に付くか、それともサタンの陣営につくか選択しなければなりません。中立の立場は霊的世界には存在しないのです。
 ★
「人は神と富との両方に仕えることは出来ない」と主イエスは言われました(マタイ6:24)。同様に、キリストを救い主と信じる者以外は皆、好むと好まざるとに拘わりなく、否応なくサタンの陣営に組み入れられるのです。
 ★サタンに付け込まれる手掛かり足がかりをサタンに許さないために
(エペソ4:26,27)私たちキリスト者はキリストを信じるだけでなく、自らを聖なる捧げものとして神に捧げ、霊・心・からだの全てをキリストの御霊に明け渡す必要があります(ローマ12:1,2;黙示録3:20)
 ★私たち自身が神の住みたもう神殿になるために
(1コリント6:19)私たちはキリストの尊い血潮によって買い取られ(使徒20:28)、キリストのものとなりました。クリスチャン・キリスト者とはその意味です。
 ★私たちは徹底的にキリストの者となる時、真に幸せな人生を送れるように造られセットされているのです。

結び
 ★あなたがまだ、主イエスを自分の救い主として受け入れていないのなら、サタンの陣営の一人としてサタンとその配下の悪霊共と一緒に滅びることの無いように、主イエスを信じてキリストの陣営に加わってください。

聖書
 
★「悔い改めなさい。そして、あなた方一人一人が罪の赦しを得るために、イエス・キリストの名によって、バプテスマを受けなさい。そうすれば、あなた方は、聖霊の賜物を受けるであろう」(使徒2:38)



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キリスト紀元2006年 1月 10日公開

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