比較文化研究 I レポート課題


次の選択肢のなかからひとつ選び、原稿用紙7ー10枚でまとめること。問題は、フーコーの本文をどれだけ繊細に読めるか、ということなので、本文の引用などを多めにするのが望ましい。

選択 1
選択 2
選択 3
選択 4
選択 5

 

選択1 次の問題のなかからひとつ選び、解答せよ。(1)、(2)については、そのいずれに答えてもよく、また両方に答えてもよい。

1)『監獄の誕生』においてフーコーは「身体の政治的テクノロジー」を分析しようとしている。
(1)彼の分析において、なぜ身体が問題になるのであろうか。権力関係の中で身体の演ずる役割についてまとめつつ説明せよ。
(2)この分析は、これまでの分析にくらべ、どのような点で新しいのか。それはどのような展望を開くことができるのか。(ヒント)

2)フーコーの権力論についてのサイードの批判を読み、それが問題にしているフーコーの主張をまとめ直し、反批判せよ 

3)フーコーは「権力は知を生み出す(生産する)」(36)と主張する。この発言の意味を具体例を挙げながら説明せよ→ヒント
(1)自白の問題(42以下)
(2)犯罪の物語の問題(67)
 
4)古典主義時代と近代の境界において、啓蒙主義的な改革者たちはどのような役割を演じたか、具体的に要約せよ→ヒント
(1)改革はどのような意味で司法装置の「内部から」準備され、君主の超権力と下層権力との「接合点」(90)において誕生したのだろうか。
(2)その際、「人間」はどのような意味で「限度=限界=極限(limite)」(78)の役割を演じたのか。
(3)フーコーは18世紀末において、三つの処罰権力が共存していたという(133)。そのそれぞれの関係を説明しながら、改革者の位置を説明せよ。
(4)フーコーによれば、君主権、改革、監獄の三つは、それぞれ「烙印(マーク)」「表徴(signe)」または「表象」、「痕跡」に関係するものである(133)。こうした記号論的な用語に注目し、それぞれが広義の「記号」としてどのような役割を演じているか、説明せよ。

5)上記の問題を参考に、自分なりの問題を立て、解答せよ。ただし、『監獄の誕生』の第一部と第二部の読解からあまり逸脱しないこと。
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選択2

1)配布した『性の歴史』第一巻の「方法」を読み、『監獄の誕生』との関係(おなじ点と、相違点)をまとめよ。

2)配布した『ピエール・リヴィエールの犯罪』についてのフーコーのコメントを読み、『監獄の誕生』との関係を説明しながら、要点をまとめよ


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選択3

・『監獄の誕生』の第一部と第二部から、印象に残った5ー10行程度を引用し、5ー10枚程度(引用は除く)でコメントせよ。その際 1)本文での引用の位置 2)引用の内容の言い替え 3)その意味の自分なりの解釈 などを論じること。

・引用箇所例
(1)二一頁下段、「重要な契機だ。」で始まる段落。
(2)34頁上段「あるひとつの『精神が』」から「身体の監獄たる精神」まで
(3)五四頁上段「力の不均衡、逆転不可能な」から「境界線を形作るのだ」まで。
(4)九〇頁下段「要するに、刑罰の改革は」から「張られていたからである」まで。
(5)一〇三頁上段「刑罰の人間化のかげに」から「精神を、である」まで。
(6)一二九頁下段「個人分化のひとつの」から「装置として機能する」まで。

etc.

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選択4

・一学期に読んだ四章の中からひとつ選び、議論の流れを要約し、その章の全体の中での役割を論ぜよ。

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選択5

・すでに自分なりの材料がある場合には、それを提示し、フーコー的な分析がどこまで有用かを指摘しつつ、分析せよ。フーコーの本文の引用を多めにすること。



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