「なに言ってるんだ? 直美さんだって負けてないって」
「まこと君? いくらなんでも彼女みたいな本職のモデルと比べて言われたら、お世辞以外には聞こえないわ」
「いやホントだって。直美さんってけっこうラフな格好してるから目立たないけど、モデルさんみたいに色っぽい格好したらけっこういけると思うよ」
「そうかなぁ。私、スタイル良くないし」
「でも直美さんって足とか綺麗だぜ。けっこうスレンダーだし悪くないとおもうけどなぁ」
「…アリガト。お世辞でもそう言ってもらえると嬉しいわ」
直美さん、顔を赤くしてぶっきらぼうに答えた。
「でも、やっぱり男の子って、あの人のような色っぽい美人がいいんでしょう?」
「まあ、一般論ではね。でも好みって人それぞれだし、外見だけで決まるものでもないしね。直美さんには直美さんにしかない魅力があるし、そう悲観的になることないと思うよ」
「あはは、まこと君ってホント、上手ね。さすがに海でナンパするだけの事があるね」
「からかわないでくれよ。人が真面目に話しているのに」
「わかった、わかった。そういう事にしておこう」
まあ、なにはともあれ、直美さんの機嫌は直ったみたいだ。よかった、よかった。
でも、ホント、比較して落ち込むようなスタイルじゃないと思うんだけどなぁ。
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