■美和編■
3日目【7月23日】


 
 
Marine Blue Serenade
3日目

【 朝 / 昼 /  /  】


◆7月23日<朝>◆
『退屈な昼下がり』


 

「こらーーっ! まことっ! いい加減に起きて来いっ!」

 階段の下から姉貴が大声で怒鳴る。
 それにしてもよく響くぜ。熟睡していた俺は一発で眠りから引きずり起こされた。
 眠い目を擦って時計を見る。

 げ! まだ7時半じゃん…。

 俺は再び布団に倒れ込むと睡眠モードに入ろうとした。

「昨日の夕食に続いて今日の朝食まで無駄にするつもりか!? いい加減、わたしも飯作らないぞ!!」

 はい。はい。もう何とでも言って。

「康太郎〜、今日からでもいいよなぁ? 新婚旅行。タヒチ行きの航空券、とれる? 大丈夫、まことはずっとうちで寝ていてくれるそうだぞ」

 こっちに聞こえるように大声で話す姉貴。

 クソ姉貴が!!

 俺は悪態をつきながら起きあがると、階段を下りて洗面台に向かった。