◆7月22日<夜>◆
『レストランにて』
「で、どうだったんだ今日は」
「なにがだよ」
唐突に弘が俺に聞いてくる。
夕方、弘は予想より早い時間に帰ってきた。小野寺さんはすっかりあきらめているのか弘を怒らなかった。
そして三人でビーチを後にする。
帰り道、弘が晩飯をおごると言ってきたので、今、駅前のファミリーレストランに入った。
注文を済ませて料理を待っている所。今は小野寺さんがお手洗いで席を外しているので俺と弘の二人だ。
「だから、美和とはだよ。楽しかったか?」
「か、関係ないだろ?お前こそ、どうだったんだよ」
「俺か?上手くいっていたら、今頃お前らと飯、食っているかよ」
弘は堂々とそう言ってのける。
「おごってやるのだって、その為の予算が余ったからついでに…って俺の事はいいんだよ。本当の所、お前、美和の事、どう思ってるんだ」
ついに来たか…。
いつかはその事を聞いてくるだろうと思っていたのだ。
さて、なんて答えたらいいだろう?
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