■真澄編■
5日目【7月25日】


 
 
Marine Blue Serenade
5日目

【 朝 /  / 夕 /  】


◆7月25日<朝>◆
『小野寺さんとデート』


 


 朝。今日もいい天気だ。

 こんな日に、家でじっとしているのはもったいないので、朝の散歩とシャレこんだ。
 さてと、特に今日は約束とかなかったし、どうしようかな?
 昼から真澄ちゃんでも誘って何処かに行こうか?
 そんな事を思いながら、海沿いの国道を天乃白浜方向に歩く。

「あ! 宇佐美君〜! いいところに来た」

 手を振りながら俺の方にやってきたのは小野寺さんだった。
 今日はジーンズに長めのシャツというラフなスタイルだ。

「やあ、小野寺さん。今日も来てたんだ」
「うん。でも弘がいないの。あいつったら自分から誘っておいて一人でいなくなっちゃうんだもん。ひどいと思わない?」
「弘の奴も来てるのか…」

 俺は、なんとなく嫌な予感がした。

「ねぇ、よかったら一緒に探してくれないかな? わたしこの街の事、よくわからないし、お願い出来ない?」

 上目使いに俺の顔を見る小野寺さん。俺は特に断る理由もなかったので了解した。

 俺達は天乃白浜海岸を三本松海岸方面へ歩く。
 そういえば、小野寺さんと二人だけでいるのは初めてだぞ。少し緊張するなぁ。
 そうだ、もしかしたら真澄ちゃん、ビーチに来てるかもしれない。ついでに探してみよう。
 俺はビーチにいる人たちを注意深く見ながら移動する。

「いないね。まったく、何処ふらついてるのかしら」
「いなくなったって急にかい?」
「うん。バスを降りた後、ビジターセンターのチケットを買ってくるって言ってそのままいなくなっちゃったの」

 まったく、あの野郎、幼なじみとはいえこんな可愛い娘をほったらかしてどっかに行くなんて許せない奴だな。
 俺達はそのまま辺りを探し回った。