“変革への序章 (上・下)”
デイヴィッド・ブリン
(ハヤカワSF)
“スタータイド・ライジング”
などの知性化シリーズの続編、“知性化の嵐”三部作の第一部です。
舞台は、辺境の惑星ジージョ。
「休閑地」に指定され知性種族の立ち入りが禁じられているはずであるが、
そこには、故郷を追われた難民たち、
なんとヒトを含め六種もの種属が住んでいた。
彼らは、過去の争乱の時代を乗り越えて、(潜伏者とはいえ)
平和な暮らしを営んでいた。
そこにある日、脳を損傷し、記憶を失ったヒトが現われ、
ときをほぼ同じくして銀河文明の宇宙船が現れた。
新たな難民か、それともついに「裁きの日」が訪れたのか?
しかし、それは大災厄の前触れにしか過ぎないことを、
ジージョの住民たちは知る由もなかった…。
そう、本作の終わりで、話は一区切りは付きますが、
問題はほとんど何も解決しません。
むしろ、悪化して終わっているというか… ^^;。
長い長い話の、ほんとうに「第一部」です。
とはいえ、本作だけで上下巻で文庫本1000ページを越えているのですが…。
第一部、ということで状況設定が多いせいか (これまでのシリーズよりも、
この「知性化宇宙」全体についての設定も増えています)、
前半は特に話の進みが遅い感じです
トールキンの“指輪物語”の“旅の仲間”みたいなものでしょうか。
何にせよ、続きが待ち遠しいところです。
そうそう、“遙かなる地平”
をこれから読む方、
“誘惑”を読むのはこの三部作の後にしたほうが良いです。
読んでしまった方 (含・自分)、御愁傷様です^^;。
(12/21)