昨今の日記人気にあやかり、わたくし-お@り(おまぬけ@りす)-も、日常での小さな出来事や感じた事などを日記風に、あるいはエッセイ風に綴っていきたいと思っています。

に参加しています。なぜか。
(read Me!という"まがいもの"があるらしい。気をつけねばなるまい。)






1999年・1月〜8月




1月ウ日
 仕事中に、同僚が鼻の穴に鉛筆を詰めて遊んでいたので、私は両方の鼻の穴に消しゴムを詰めてみせた。
 彼は、そばにあったピカチュウのぬいぐるみを必死に鼻の穴に入れようとしていた。私は日本経済の危機を感じた。





1月ウ日
 むしゃくしゃしたことがあったので、職場をぬけだして海へいった。浜辺には、強い風が吹いていた。海も空も後ろに見える木々も何もかもが灰色だった。私は沖に向かってバカヤローといって走った。
 すると突然、そばの穴ぼこからチンピラ風の男が出てきた。彼は、黒いサングラスをかけ、原色の派手なアロハシャツに、らくだのももひき、おまけにミッキーのビーチサンダルをはいていた。彼は、「なんだと?!文句あんのか!」とすごんできた。ふと穴ぼこを見ると、頭が少しはげ、黒縁の眼鏡をかけた丸顔の中年男が、顔だけを出してこちらを窺っていた。
 私は、牛の鼻にスペアキーを入れて回しても牛は始動しなかったこと、昨日、夜食にとコンビニで買った豚キムチ鍋が意外とうまかったこと、あの世からもどってきたクマ(グーさん)を健康ランドのサウナで目撃したことなどをチンピラ風の男に説明し、決して男たちの行為に対しての罵声ではないとこを訴えた。
 男は、ぺっと唾をはいて穴ぼこへもどっていった。どうやら理解してもらえたようだ。私は安堵して、職場に戻った。人は誠意を尽くして話し合えば理解しあえるものだと思う。






1月ウ日
 今日は休日だったので、昨日の浜辺に行ってみた。そこに穴ぼこはなかった。黒縁の眼鏡とらくだのももひき、それと赤いビキニの上の方がころがっていた。
 しかし、彼等はいったい何処から来て、何処へ行ったのか?彼等の人類に対する目的とは何んなのか?
 不吉な予感がしたので、神社によった。そして、絵馬に「天ぷらそば。(笑)」と記して帰ってきた。





1月ウ日
 はげっ!





2月ウ日
 昨夜、流れ星をみたと、同僚に話した。彼は、流れ星というのは宇宙にちらばるゴミが大気圏で燃え尽きることによって起きる現象だといった。ミィちゃんは、「私、昨日生ゴミを捨てたぁ。」といった。おそらく私のみた流れ星というのは、その生ゴミではないだろうか。ミィちゃんもなかなかやるなと思った。





2月ウ日


 あ





2月ウ日


 ほ。





3月ウ日
 ミィちゃんのお誕生日が近づいてきたので(人間でいえば、彼女ももうハタチだ)、プレゼントを買いにおもちゃ屋にいった。店員に「超合金のリカちゃん人形はあるか?」とたずねると、無いといった。ためしに「マラリア・キャリーの『G線上のマラリア』はあるか?」とたずねると、やはり、無いといった。
 店内をみていると、不思議なものをみつけた。"おきあがりこぼし" と書いてあった。彼(彼女?)はこちらにとても友好的に微笑みかけているのに、つつくとゴロゴロと音をたてて機械的な挙動をした。不気味である。奇妙な物が好きなミィちゃんにはちょうどいいだろうと思い、それを購入することにした。
   会計をすませていると、店員が「これも、お子さんにどうぞ。」といって、笛のようなものをくれた。吹くとピューと鳴って先がのびた。これは同僚にやろうと思った。考えてみれば、ピカチュウを鼻に入れるよりは、こちらを入れたほうがよほど健康的ではないだろうか。





3月ウ日
 お昼休みにミィちゃんにプレゼントを渡した。彼女は無邪気に前足でおきあがりこぼしを突ついて(猫パンチをして)遊んでいた。どうやら、気に入ってもらえたようだ。同僚は片方の鼻の穴に、例の笛を差し、ピューピューと鳴らしながら、あいかわらずもう片方の鼻の穴にピカチュウを詰めようとしていた。
 私は彼に、「およしなさい。そんなことをしていたら人間がダメになる。犬も歩けば棒にあたる。」と諭した。そして、彼にもうひとつ笛を買い与えることを約束した。

 夕方、『幼稚園』の付録についてきた赤鬼のお面をつけて仕事をしていると、同僚が「『犬も歩けば棒にあたる。』というのはどういう事か?」と耳元で聞いてきた。私は、「『棚からピカチュウ。』という事だ。」と答えた。彼は納得したようだ。
 今日も充実した1日であった。が、なによりも同僚にとっても充実した1日であったろう。会社の玄関先で、そう思いながらたばこを深く吸い込み、フーッと大きく吐いた。そして、家路についた。





3月ウ日
 インターネットというものをしていたら、このようなものが目に飛び込んできた。


「工事中」とあった。
工事中とはいえ、いつまでたっても踊っているではないか!あきれたことだ。
「今どきの火星人どもは、」と思わずにはおれなかった。どうなっているのか?

 と思っていたら、こんなもんが目に飛び込んできた!


ばかもん!
日本及び、地球の未来は暗澹たるものであろう。 「今どきの太陽系のものどもは、」と思わずにはおれなかった。





4月ウ日
 今日は、新しい笛を同僚に与えた。彼は両方の鼻の穴に笛を差し、ピューピューと鳴らしながら幸せそうに仕事をしていた。
そんな彼をみていると、私は、自分のしたことは正しかった、これでよかったのだと、遠い目をした。





4月ウ日
 今日は、大人のシックな気分に浸りたくなったので、いきつけのカクテルバーに行くことにした。新しい牛の着ぐるみを着た。カクテルバーに行く途中、村人にあばれ牛と間違われぬよう、うさぎ飛びを交えてみた。念を入れるためにバニーガールの耳をつけた。
 店内には静かにジャズが流れていた。テーブル席にはサラリーマン風の男が二人いた。彼らは書類をみながら仕事の話に没頭していた。私は、カウンターの一番奥に座り、いつものやつを注文した。
 背後に視線を感じたので、振り向くとサラリーマン風の男たちが、こちらをみて固まっていた。おそらく、私の晴れの姿に驚愕したのであろう。私は、牛のポッケから煙草をとりだし、ジッポーライターで火をつけた。煙草は逆さまだった。
 なんとかというカクテルをちびちびやりながら、紙袋からクレヨンとぬりえ帳をとりだした。赤ずきんちゃんを塗ることにした。狼の耳の色が少しはみだした。赤ずきんちゃんの顔の色も紫になってしまったが、まあ、まずまずの出来ではなかろうか。今夜は熟睡できそうである。





4月ウ日
 今日は、鼻くそを食べている人間を目撃した。あれが自給自足というやつだろう。感心した。





5月ウ日
 今日は帰宅途中で、女性物の下着を拾った。レースが入った淡いピンク色のかわいいパンツだ。若い女性のものだろうか。よくみると股間の部分に筋状の汚れがついていた。
 それをかぶって歩いていると、巡回中の警官がこちらに寄ってきた。私は下着泥棒とまちがわれるとまずいと思い、こちらから「ふごっ。」と挨拶をした。警官は「最近ここら辺に、狂暴なたぬきが出没するので気をつけて下さい。」といった。
 「この格好なら、天下無敵でしょう?」と私がいったら、警官は「そうですね!その姿をみればいくら狂暴なたぬきといえども、あわてふためくことでしょう。しかし、匂いはきつくありませんか?」といってきたので、私は「ちょっとくさいです。」といった。
 しばらくは、このパンツで武装して帰ろうと思う。





5月ウ日
 同僚にパンツの件を話すと、彼は「俺にも、くれ。」といった。これは一つしかないので、私は職場で美人とうわさのアルバイトのC嬢(22才)に「パンツをくれ」と頼んでみた。
 彼女は「生理中なの。」といった。私は、「生理中のほうが好きだ。」というと、「それってセクハラよ。」といった。私が困った顔をしていると、「かわりにこれあげる。」とスカートのポッケからライターをとりだした。それは、まぎれもなく私がウ課長に渡したお守りの100円ライターだった。なぜなら、ラベルの部分にある" I(アイ) 。 うきょっぴ! "というボールペン書きは私がしたものだからだ。彼女の香水の残留に包まれながらも、私の頭の中は真っ白になってしまった。
 とりあえず、同僚には「C嬢がパンツのかわりにくれたものだ。これを鼻につめて武装しろ。」とライターを渡した。彼は鼻につめるどころか、ナメていた。





5月ウ日
 おそらく、歳はかなり離れているが、ウ課長とC嬢は兄妹なのだろう。まさに灯台もと暗しということか。





5月ウ日

 今日、私は新しい顔文字を発見した。

これは、とかげのしっぽだ。(ミミズではない。)
v. 上を向いた魚だ。
←(^.^)-( 矢が貫通しても動じない人だ。


パソコン界が大混乱するので、黙っていようと思う。知らぬが仏ということだってあるだろう。





6月ウ日
 最近、パンツで武装して帰っているが、たぬきが姿を現さないところをみると、私の勇姿に恐れおののいているのにちがいない。しかし、そろそろ匂いがきつくなってきたので、洗濯しようかと思っている。
 いや、匂いがあるから、たぬきを寄せ付けないのかもしれない。悩むところだ。





6月ウ日
 「愛とは何か。」というのは昔から語られていることだ。
 「愛とはXXXだ。」とか、「愛とはXXXのようだ。」とか。
私は愛とはミミズクのようなものだと思っている。





6月ウ日


 ....。





6月ウ日
 書類上のミスで、ウ課長にひどく叱られた。同僚が鼻に笛を差すようになってから彼の仕事が好調なおかげで、ほんの小さなミスなのだが、私がこっぴどく叱られることが多くなった。今日はいてもたってもいられず、職場を抜け出して浜辺へいった。
 まあるく赤くおおきな太陽が、水平線のすぐ上にある雲の層のなかに隠れようとしていた。まるで、「わしゃ、知らんよ。」とでもいいたげだ。ちくしょー。
 私は、急いで深さ50cmほどの穴を掘った。そして、その穴に向かって大声で悪態をついてやった。
 「ウ課長の耳は、キティちゃんの耳!」

 職場にもどるとウ課長は、私の悪態のことなどつゆしらずといった感じで仕事をしていた。
 ザマァみろと思った。





6月ウ日
 最近、どうもこの日記が他人にみられているような気がしてならない。





7月ウ日
 小さな商店街の八百屋の前を通ったときだった、「はい、おつり30万円!」という八百屋のおやじの声が耳に飛び込んできた。私は、驚いてしまった。野菜たちをみると、一かご300円だの、一束150円だのと書いてある。私は、隣の時計店のショーウインドーをみるふりをして聞き耳をたてた。
 「525円のお預かりぃ。じゃあ、おつり50万円。」「全部で180万円ねぇ。まいどー。」「奥さん、美人だから5万円おまけ。旦那によろしくね。」
 ここでは、一日に相当の大金が動いているようだ。私は動揺を隠しきれなかった。気を落ちつかせようと煙草をとりだし、火をつけた。しかし、何度やっても火がつかなかった。どうやら、煙草を鼻に差していたようだ。
 私は煙草を鼻に差したまま、あれこそまさにどんぶり勘定というやつなのだろうと思った。





7月ウ日
 夜風が気持ちよかったので、牛を見に牧養場にでかけた。空には無数の星々がまたたいていた。時折、牛舎のそばの木々がさわさわと音をたてた。牛たちはひしめくようにして、思い思いの方向でまるくなってねむっていた。
 そんな彼らをみていると、彼らの一生というのは、じつはとても幸せなものなのではないかと思った。「彼らはゆくゆくは殺される運命だ」ということを知っているのは人間のほうだからだ。彼らは一生知ることがない。あたえられた空間で、当たり前のように食べ、当たり前のように眠る。悩む必要もない。「悩み」とは外界を知るからこそ生じるものだと思うから。
 そう考えると、人の一生は、なんと辛くて過酷なものだろうか。なのに、なぜ人は自由を求めるのだろう?





7月ウ日
 昨夜は、寝付けなかったので、浜辺にでかけてみた。
うっすらともやがかかっていた。潮風は弱く、じっとりと重く感じた。
遠くの方で若者達が花火に興じていた。歓声が聞こえた。
ロケット花火が時折、上がった。
海では溺れている者もいた。


ここだけの秘密だが、私の夢は、たくさんのロケット花火を体に取り付けて宇宙にいくことだ。

 ただ、ここで問題になってくるのは、これらの多くのロケット花火にどのようにして同時着火させるのか?ということだ。これが、私の夢実現の大きな障害になっている。






7月ウ日
 夜の8時頃、牛の着ぐるみを着て(このほうがリラックスできるのだ)会社の車を運転していると、検問にひっかかった。牛が運転していると間違われるのではないかと思い「私は人間です。」と警官に言った。
 「免許証をみせて下さい。」と言ってきたので、免許証をみせると、警官は「これはなめ猫のです。」と言った。こちらの方がはるかに貴重なものなのだがと思いながら、気を落ち着かせるために牛のポッケから落花生を取りだし鼻に詰めた。そして、「ふんっ!」と落花生を飛ばすと、警官の帽子に当たった。警官は無言だった。
 しょうがないので財布を調べていると、ピンサロの名刺をみつけた。裏には「。シジミです。今日は指名してくれてありがとう。また来てくださいね!。」と水色の水性ペンで書いてあった。私は警官に「ここは、ホタテちゃんと、ホヤ貝ちゃんがお薦めらしいです。あ、これ店員にみせると割引きになりますから。」といって、名刺を渡した。警官は黙ったまま受け取った。そして、「最近、狂暴なたぬきが当たり屋をはじめたようなので気を付けてください。」と言った。
 私は「また、狂暴なたぬきか!」と思った。パンツをもってこなかったことが悔やまれた。





8月ウ日
 今日は仕事帰りに、私と同僚とミィちゃんとでカラオケボックスにいった。それぞれ何曲か歌ったあと、最後に私とミィちゃんとで「昭和枯れすすき」を歌った。すると、同僚が泣きだしてしまった。私は曲の途中だったが、彼のそばにいった。そして、上着のポッケから落花生を取りだし、そっとやさしく彼の鼻の穴に詰めてあげた。彼は「ありがとう。」といって、また泣きながらテーブルに伏してしまった。テーブルの上にはあの100円ライターがあった。
 そんな、甘く切ない夏の夜の出来事だった。





8月ウ日
 ミィちゃんが私の方に走りよってきて、「うそつき!」と言って前足で私の足をパシッ!と叩いた。彼女の前足の肉球には、ひどく汚れてしまってはいるが、あの100円ライターのラベルがはりついていた。私は、誤解だと直感した。ミィちゃんは「バカ!」といって走りさってしまった。

 ミィちゃんは、お腹の部分に黒い模様があるが、一見すると白の和猫だ。そして、彼女の動きは、とても俊敏でしなやかだ。野良として生きるための体は、無駄のない筋肉で覆われている。怒りにつつまれたその逞しい走りをみると、一層ミィちゃんがいとおしくなった。かわいいと思った。

 いや、それより誤解を解かなくてはならない。どうしたものか。





8月ウ日


 けんすいを10回するところをみてもらえば、私の誠意を理解してもらえるだろうか。





8月ウ日
 今回の件でみんなが誤解しているとすれば、同僚が私に「ありがとう。」といったのは、彼の優しさだったのだろうと思う。しかし、そのやさしさ故に、彼は自分で自分を苦しめることになっていると思うのだが。





8月ウ日
 今日は、みんなに集まってもらって、100円ライターの件についてすべてを話すことにした。
ミィちゃんは目を合わせないようにしていた。同僚はおどおどしているようだった。
 私は、ありのままを話した。ウ課長とC嬢は兄妹であることも告げた。同僚は「名字が違う。」と言った。私は、「それには、彼らの家庭の深い事情があるのだろう。あれだけ歳が離れていれば当然かもしれない。」と言った。そして、「C嬢を採用したのはウ課長だし、うちの課をしきっているのは彼自身なのだから、詐称はできるのではないか。詐称しなければならないほどの理由があるということではないか。」と付け加えた。同僚は唸っていた。
 いつの間にかゴロンと横になって四肢を伸ばして黙っていたミィちゃんが、「私、ウ課長とCさんが楽しく買い物をしていたのを見たことがある。」といった。私は、「それみろ。」と、同僚にいった。彼は、苦笑いをした。
 その後、みんなでカラオケボックスにいって盛り上がったことはいうまでもない。





8月ウ日
 給湯室でC嬢がおならをしたのを目撃したと、同僚に話すと、「こんどはにぎってきてくれ。」といった。 私は「自分でやればいいじゃないか。」というと、彼は黙ったまま下を向き、笛を鼻で激しく鳴らしていた。
 残照が職場を包んでいた。ウ課長は鼻をほじって、指を机の裏にこすりつけていた。同僚の机にある陰影をつけたピカチュウが、我々のことを穏やかに見ているような気がした。
 なぜか、突然「ポテチン」という言葉が脳裏をよぎった。私は、ピカチュウをぼんやりと眺めながら「ポテチン」とは、ポテトを "ちん"することではないだろうかと考えた。





8月ウ日
 最近、文章がへんだ。愛の力だろうか?
ミミズク?ミミズクが私を陰で操っているのだろうか?






 



1997年 1998年 1999年・前半 1999年・後半(9月〜


ひとつ前 / ほーむ