だーくにっき


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2004年10月分

10月22日(金)




と、いうわけで、スーパーダッシュ文庫・出張編集部への
持ち込みの返事が郵送されてきました〜 拍手ー!

いやいや☆
今日この日のことをネタにするために、あの日 COMITIA の日記を書いておいた
ようなものだから(笑)


では、早速開けてみましょう。べりべり。

…………。
おう。
さすがに個別コメントの量は少ないぜ(笑) 4行(笑)
ひとまずその部分のみ抜粋して全文掲載してみよう。

ちなみに、持ち込みをしたのはあの「The Wintering Buds」ね。



『SF が入っていることもあり、冒頭に設定の明示文章を割いている為、出だしで
合わない人は読んでもらえないでしょう。内容に関しても同様です。
 ジュブナイル色の強い作品は読者の共感を得ることが大切です。ですから、どう
やったら読者を引きつけられるかを考えて構成をしてみて下さい。』


うむ、耳に痛い(笑)
いたいが…… 微妙に分かりづらいな、これ。
・「退屈だから誰も読んでくれないよ」 と、言っているのか、
・「SF 好きな人しか読んでくれないでしょう」 と、言っているのか。

そして後者の場合、それはそんなに重要なことなのか?
だってこれらは、言い換えたら、
・ 前者 「見せ場が少ないよ。これじゃ地味すぎて売れないよ」
・ 後者 「個性やアクの強さなんていらないんだよ。そんなものがあるから売れないんだよ」

と、いうことになってしまうでしょう?
うーん、『肌の合う人が、読んでくれる』+『読んだらちゃんと凄くおもしろい』だけじゃ
興行的には成立しないのだろうか……
むりやり万人に、肌を合わせていかなくてはならないのだろうか……

とか、悩んでしまう(笑)


まあ、返事の後半に、【つかみ】に 対する言及があることと合わせて読み解くと、
前者の意味であることはまず間違いないんだけどね。
ううむ。
深い。
っつーか、切れ味が鋭いわ。言葉の。

今まで、「前半が重たいです」と言ってくれた人はいたけれど、
「つかみが弱いです」なんて言ってくれた人、いなかったものな(笑)
スマートにすることで読みやすくするんじゃなく、パンチを効かせることで客の視線を
釘づけにせよ、と!(笑)


ううん、いいねぇ。むくむくとヤル気になってきた。
やっぱり、発破をかけられるというのはキクなあ〜。

なんかもう、予定を変更して、次に書く小説を「見せ場満載の大活劇 小説」にしようか
というぐらいのいきおい(笑)
(もともとは次は、原稿用紙 100枚±5 位のシンプルな恋愛小説を書くつもりだった)

でもまあ、これだけちゃんと前向きにやる気が出るのは、
予め「- Wintering -」の頃に、自分の抱えている中の「売れそうもないこと」を、全部
やり片付けてしまっていることと、そんなものでさえ、「凄く好きだ」と言ってくれて
いる人がいるおかげだとも思います。

そうじゃなかったら、もっともんもんと落ちこんでいたかもしれない(笑)

売れそうもないことをやっている本、という意味では、あれがキャッチーじゃなかったり、
デビューに結びつかなかったのは、ある意味しごくまっとうな結果だったと言えるかも
しれない。

そういう「売れそうもないテーマ」を扱いながら、あれだけのレベルまでなんとか漕ぎ着けた、
そんな力量の方をむしろ評価して欲しかったのだが。まあ言ってもしかたがない。
いつか見返せばいいことだよね(笑)

とりあえずは、【つかむ】ための筋肉を揉みほぐす! めざすぜ、エンターテイナー!
ってトコか。



んで、返信の手紙全体のトータルでは、A4 用紙二枚分強くらいなのですが、大部分は
総評的な注意点になっています。
……なので、その部分の引用はしません。

著作権的に無礼になっちゃうからね。


いちおう、手紙の冒頭では四段階のランク分けもしてありました 。
ざっくり説明すると、

A : 担当を付けたい
B : −
C : ダメ。

E : ジャンルが合いません


……と、なっていて、わたしは「B」にマルが打ってあった。
これは、よく言えば「何かしら光るものはある」レベルだと言えるのでしょうが、悪くいえば、

「その他」
と、言っているに等しいよな(笑)
持ち込みを敢行した人間の、9割近くはここに丸があったことであろう(笑)



2004年10月分

10月9日(土)




お葬式を終えてきました。

10/04日に知らせが入って、告別式が10/07。
母方の祖母が亡くなりました。
奇しくも、ちょうど一年前の10月7日に、このばあちゃんの連れ合いであるところの、
じいちゃんが亡くなっています。

その祖父の時とは違って、ほんのその時まで元気で、体のどこかにも、これと言って
悪いところもないような状態でしたから、本当に突然でした。
「きっと、お祖父ちゃんが、よんだんだね」
そんなことを、叔父たちと話していました。


お通夜も告別式も、平日の日程である上に遠方でしたから、仕事場では休みをいただきました。
スケジュールのやりくりも、手続きも、それなりに面倒くさくはありましたが、万事とどこ
おりなく終えて参列してきました。

人が死ぬというのは不思議です。
まるで、一般生活の中にはそんな物はないかのように扱われていて、それでいて厳然として
それはやってくる。そしてその時になって、人間は慌てふためくわけだ。


人間の社会というのは、この死に易いものが死なないことを前提に、明日や明後日の
スケジュールが決められている。
すごく高度なシステムなようでいて、実はすごく不確かで。


あるいは今アクセスしているこのネットワークも、また。
私達は『ここ』に、人と人との触れ合いがあるような気がして集まっているけれど、それは
回線を維持しようとする技術者や、労働者の日々の奮闘と僥倖な成功の上でのみ存在して
いて、ひとたびサーバーがダウンすれば、それは感じることすらできないものに
なってしまう。
そんな事件は、ごくありふれたものだ。

それ以前に、こうして使っているコンピュータの中のデジタルデータや、人間の脳
細胞の中の“自我”と呼ばれる存在だって、それを支える部品一つ、弾け飛べば、たとえ
どんな貴重な情報がそこにあったのだとしても、あっけなく消失してしまう。

本当に不条理だ。


そうしたことにやるせなさを感じて、「意識だけの存在」になってしまいたくたって、
そうしたソフトウェアは、堅牢なハードシステムの上でしか存在できないわけで、つまり
そうした発想そのものが間違っている。

だからと言って、別に私は、そんな不確かな情報産業が隆盛する“いま”という時代を
批判する気はなくて。忌避する気もなくて。


その不確かさそのものを、愛していけたらな、と。
その不確かさすら考慮に入れて、生きていけたらと。

その不確かさを含んだ全体を、ソフトウェアシステム全体で、サポートして労っていけたらと。
そんな概念に今、あこがれているわけです。



9月11日(金)




台風と交互に残暑がぶり返してはおりますが、それも一時期ほどではなくなって、
どうやら夏は終わったようです。

私の中でも、コミケ(66)に続いてコミティア(69)も終了し、ひとつの季節が終わった感じが
しております。
最近の私は、これでようやく一息つけるぜ、とばかりにぷらぷらと遊びほうけている
わけですが……
どうも今年上半期の、禁欲生活の反動が出ているらしい(苦笑)
とは言えまあ、その上半期の間、意外に「自分はやるときにはやる奴だ」というのが分かって
きたので、今は信頼して息抜きさせております。

これは、次の小説を書き始めるまでの準備期間という位置づけです。、
まあ、今夏に向けて書いてきた小説のおかげで、頭の引き出しがだいぶすっきりしたので、
今度はそこに新しいものを詰めていこうか、などと考えているわけです。


一応、この夏のコミケとコミティアで、私の同人活動はひとまず休止して、次の小説からの
数本分は、小説新人賞 投稿用の作品を書くぞっ、というのが目下の意気込みなわけです。


さて、そのコミティアとコミケ。
当サークルのスペースまでおいで下さった皆様。ありがとうございました。
すっかり遅くなりましたが、ようやく今お礼を言うことが出来ました!

楽しかったです。
どちらのイベントもまた。それぞれに、ええ。
売り上げはさっぱりでしたが……
まあ、それすらも、二次サークルだった頃と、どこかで引き比べた印象なのかもしれません。
売り上げの一冊二冊よりも、ちらっと感想など頂けて、「ああ、楽しんでいただけたんだなぁ、
よかった」
と思えることの方が、より深く、藤海めをゆさぶります。


で、私はコミケの方でも、イベント参加6回目にして初めて創作系サークルとして参加して
いたわけですが。
楽しかったです。o(^-^)o
お隣になったサークル様にも恵まれまして、大変楽しい時間を過せました。
その時いただいた本が、これがもう、おもしろくておもしろくて。ここのところの Myブーム!
ってくらいに大ハマリ。

あのー、それまでも一ヶ月くらいは私、プラプラしていたのですが、その間「いろいろな作家の
色々なタイプの小説を読んでみよう!」って感じで、養成ギプスのように、自分に合わない
小説も引っくるめて読んでいたのですが。

これが退屈だったりするわけですよ。

いや、ひさびさに読書する楽しさに浸りました。
心が洗われる思いでした……!
心から、角化したうろこが、ぼろぼろと剥がれ落ちて、生まれたままの柔らかい気持ちに
還っていましたよう。気持ちよかったです。本当に。
いい本でした。

やはり、物語というのは、技術のうまい下手よりも好みが強く影響するものなのかもしれません。


そうやってお店を出していましたら、スペース前にメロンブックスの方が。
新刊を一冊、見本誌として持っていってよいか、とのこと。
いや、いいのだけど。

今回の本は一次創作ですよ。今までのような二次創作とは訳が違うわけですよ。
本当に契約が成立するのか?
したとして本当に売れるのか?!

とか思っていたら、本当に発注が来た。総数50冊。……。本当に売りさばく自信がおあり
なのだろうか……メロンのみなさま。
まあ、メロンブックスにしたら、別に「買い切り」なわけじゃなし、右から左へ流通マー
ジンを稼いでいるだけなのだから、売り切らなくても損は出ないのでしょうけど……

なにはともあれ、売れるかどうかは皆様しだいなのでございます! (ごーりごーり)
お買い上げはメロンブックスHP、業界最速通販のコーナーからできるようになっている
もようです。
(商品番号:218750)


さらに藤海は、スペースに配られていた「text jocky」様の書評募集にも応募してみました。
こんなことから世界が広がっていくとしたら、同人活動ってのは本当に楽しいわな。
やめるのがもったいないくらい。
友人たちも応援に顔を出してくれて、一日があっという間に過ぎた感じでした。



さらにコミティア。
売り上げはコミケよりもさらにゆったりとしたペースでした(笑)
が、独特の空気がありました。
みなさん、財布のひもが固くて、「迷ったらとりあえず買っておけ、なくなったら二度と
買えねぇ!」的な祭りの空気が全然ない。
そして、それぞれに自分の求める物語の好みをがっちり持ってらっしゃるようで、
そんな中に初参加して行くというのは、やはり厳しいのかななどと思いました。
立ち読みすらなかなかしてもらえない。



でもそれだけに、一冊、二冊とお買い上げいただいた時には、応援に駆けつけてくれた
みろみろさんと一緒になって大喜びしておりました。
ほんとにもう、踊り出したいくらいに。
実際にはそんな派手なアクションは何もしませんでしたが。
買っていっていただいた皆様。小説はどうでしたでしょう。楽しんでいただけましたか?

ああ、そう言えば。
この日、その夏の新刊「The Wintering Buds.」で絵を担当していただいたみろみろさんが、
8ページくらいのA5サイズ コピー本を新刊として持ってきて下さいました。
なんかこれを作るために徹夜までして頂いたらしく……

もう嬉しいやら申し訳ないやら。
一部もらってスペ内で読ませていただいていたんですが、これがもう! 素晴らしくて……!
内容としては、各種イラストとともに、各キャラへの思い入れや創作秘話みたいな物を
一言ずつみろみろさんが書きこんだ、設定集兼楽屋本という感じの本なのですが、
各ページ・各キャラにみっしりと溢れんばかりの愛が注いであって。

読み返すたびに嬉しい気持ちが満ち満ちてくるんですよ。
愛にくるまれた空間が、ここにあるのですよ!
コミティアからもう一週間以上経ちますけど、いまだに一日一回くらい読み返しているという
くらい(笑) 素敵な本でした。


これ、再版とか通販とかしないんでしょうか、みろみろさん。
みろみろさんも通販は承っている作家さんなので、たぶんメールか何かで問い合わせれば、
応じてくれると思います。
タイトルは「Another Southern Cross World」。

なんかこの本の、おだやかで暖かい空気の中で、ようやくあの駆け足だった物語が
完結するというか、盛り沢山だった世界を落ちついて思い返せるようになるというか。
私めの小説を「よかった」と思ってくれる人全員にオススメしたいくらいの本なのです。
でも、さすがにこれはメロンさんでも扱ってはくれないだろうしなあ……



さて、そのコミティアも閉会に近づいたラスト30分くらいのところで、挨拶回りを敢行
いたしました。(それまで怖くてスペを離れられなかったの(苦笑))

コミケ66にて両隣だったサークル様は、お二方ともこのコミティアにも参加してらした
ようだったので、ちょっと挨拶をして、読ませて頂いた本の感想を言ったり、新しい本を
買いに行ったりしようと思っていたのです。

さてそうこうしていた私の耳に、ただごとならぬ情報が。
コミティアの企業ブースこと、「出張マンガ編集部」。(そういうものがあるのです)
つまりそこで、原稿の持ち込みをしてアドバイスを受けられたり、うまくすればデビューに
つながるかも!  というスペースがあるわけです。


ほとんどがその名の通り漫画の出版社の出張所だったのですが、その一つに「スーパー
ダッシュ文庫」の名があることには、私も事前に気が付いていました。

……が、おそらく表紙イラスト等の絵師さんを募集しているだけなのだろうと思って
いたのですよ。スーパーダッシュ文庫はちゃんと新人賞も開いているところですから、
小説の書き手に困っているということもないだろうし。
しかし。

「え? あれってイラストレーターの応募だけじゃなかったんですか?」
「今まではイラストだけだったのが、今回初めて小説の持ち込みも始めたらしいですよ。
その場ではコメントのしようがないから、いったん持ち帰ってから後日、という形らしい
ですけど。なんか結構皆さん行っているみたいですよ」

藤海さんも行ったんですか?  みたいなことを言われまして。


……。
うーん? 私はデビューするなら真っ向勝負、新人賞を獲るという道からは逃げないぜ!
とか考えていたので、出版社持ち込みと聞いても今ひとつ火付きが悪かったのですが。
自分のスペに戻って考えて、30秒。
「やっぱ行く」

行ってきましたとも!  ラスト1分、時間ギリギリになっちゃいましたけどね!
連絡先を書いて、本を渡して来ましたともさ!

なんか、同じことを考えた作家さん多数だったようで、スーパーダッシュ文庫編集の
方は、「こんなにたくさん来るとは正直予想外だった」みたいなことをおっしゃって
いました。
そこに閉会ギリギリで駆け込む男一匹。……すみませぬ…………。



とは言え。
持ち込むだけは持ち込みました。
これで即刻プロデビューに繋がったりなどという可能性はほとんどないでしょうが、
とりあえず、アドバイス・指導・批評などはちゃんといただけることは念押しして
確認してきました。

それさえあれば、新人賞くらい、自力で取っちゃるぜ!
意気込みはここ。
さあ、ねちねちと、びしばしと、けちょんけちょんに、欠点と改善点と、個性と長所を
指摘するがいい。

おーれーは、負けんぞ!