UPDATE 2000/1/22

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1999年の個人的な映画ベスト10を作ってみました

対象は1998年12月から1999年11月に東京で封切られた作品です
[邦画ベスト10] [洋画ベスト10] [各賞]

邦画ベスト10

1.ワンダフルライフ
 (テレビマンユニオン=エンジンフィルム 118分 98年)
監督 是枝 裕和
出演 ARATA  小田 エリカ
 主役の二人はほとんど新人、死者の役も一部を除いてはほとんど一般の人と大胆な配役ですが結構功を奏しています。最近多く見られる「死」をテーマにした作品ですが切り口が斬新で新鮮な感じです。一方、役者陣もいいです。実際に亡くなってしまった由利徹や白川和子などは実体験を話していて、谷啓や内藤剛志も良い感じです。


2.のど自慢
(シネカノン/東宝 112分 98年)
監督 井筒 和幸
出演 室井 滋  大友 康平
 乗れるか乗れないか差があると思いますが、私は結構楽しめたしホロリときました。テレビの「のど自慢」というありふれたものをテーマにしても脚本次第で面白い映画になるものですね。アラも結構有りますが、多い登場人物を割とうまくさばいています。大友康平が意外に頑張っていますし、その他のキャストも割とそろっています。いかにも有りそうでなさそうな小市民的映画と言えばそれまでですが、寅さんとかと違ったこの様に全世代的に楽しめて話題にできる映画も必要だと感じます。


3.あの、夏の日 とんでろ じいちゃん
(プライド・ワン=PSC/東映 123分 99年)
監督 大林 宣彦
出演 小林 桂樹  厚木 拓郎
 大林監督の作品は大体交互にいいのと悪いのがあるのですが、今回はどうでしょう。面白いといえば面白いですが、ちょっと乗りきれない所も感じました。しかし、大林作品らしい優しさは出ていたので、おおむね可かな。でも、なぜおじいさんがこの時に過去の思い出を確認しに行く必要があるのか、また孫である少年が一緒に行く必要があるのか、その辺の説明不足を感じ、若干無理も感じたのは事実です。しかし、少年向けの話で、映画も子供向けの体裁は取っているが、その実は「永遠と一日」や「鉄道員」と同じく死を目前にした老人が、やり残したことや思い残したことを片付けていく老人向けのファンタジー映画という感じもします。


4.あ、春
(トラム=松竹=衛星劇場 100分 98年)
監督 相米 慎二
出演 佐藤 浩市  斉藤 由貴
 一見平和に見える家庭でもその裏には…というどこにでもある様な小市民的なネタが詰まっていてなかなか笑えました。逆にちょっと恐い面もある気もしたが…。ずうずうしく居座る山崎努よりもそれを軽くあしらう富司純子、藤村志保はさすがである。孫は男の子なのに雛人形を飾るところは怖い(笑) で、娘の斉藤由貴はバタバタしていたが、なんとなくいい感じではありました。


5.白痴
  (手塚プロ/松竹 146分 99年)
監督 手塚 眞
出演 浅野 忠信  甲田 益也子
 かなりクセが強い作品でもあるので、好き嫌いが分かれるでしょうが、私は一応高評価します。原作は第二次大戦の話だと思いますが、映画では時代性をあいまいにして、ハイテクのテレビ局があったりしています。その辺のギャップにとらわれてしまうと話に入り込めないかもしれません。新潟で大規模なオープンセットを組んだのが話題になっていましたが、終盤の空襲シーンはなかなか見応えがあって、それだけで一見の価値があります


6.鮫肌男と桃尻女
 (東北新社 107分 98年)
監督 石井 克人
出演 浅野 忠信  小日向 しえ

 この映画、出演者のキャラクターがすごいです。岸部一徳や鶴見辰吾のサイコ振りはまだ見慣れているけれど島田洋八と我修院達也(若人あきら)。よくこんなのキャスティングしました。彼らの個性の前にはあの浅野忠信でさえ飛んでしまっています。こういった本筋からそれた横道的なエピソードは結構面白いのに肝心のストーリーが凡庸でオチも締まらなかったのが残念な映画でした。でも、そういう映画でもない気もしますね。


7.菊次郎の夏
 (バンダイビジュアル他/ヘラルド=北野オフィス 121分 99年)
監督 北野 武
出演 ビートたけし  関口 雄介
 率直な感想で言えば従来の彼の作品ほどの出来ではなく、この程度の作品で賞を取ったら他の作品に悪いのではないかなぁという気がします。テーマがテーマだけに今までの彼の作品に比べ、分かりやすい展開になっています。逆に言えば、説明過多と思えるくらいです。「HANA−BI」などに見られる緊張感もなく、冗長な感じさえするほどです。特にバス停のシーンや最後のキャンプのシーンはちょっと飽きてしまい、「スーパーJOCKEY」を見ているような錯覚さえしました。


8.39 刑法第三十九条
 (松竹=光和インターナショナル 133分  99年)
監督 森田 芳光
出演 鈴木 京香  堤 真一
 登場人物がかなりユニークで容疑者役の堤がかえって一番まともに見えるのも面白いです。妙におどおどしている鑑定人の杉浦直樹、いつもガムか何かを噛んでいる岸部一徳、二人住まいなのに目一杯食事を作る吉田日出子等、かなり病的です。この世の中、まともな人間はいないということでしょうか。カメラもわざと斜めの構図で撮ったりして不安定さを増しています。


9.双生児
 (東宝 84分 99年)
監督 塚本 晋也
出演 本木 雅弘  りょう
 モッくんがすごいっすねぇ。このような役をさせたらピカ一になりつつあります。りょうも映画は初めてだと思いますが、存在感があります。ネタはタイトルでバレていますが、とういう展開になるか楽しませてくれるし、ライティングや美術もなかなか凝っています。脇も常連、竹中や筒井・裁判長・康隆、石橋蓮司等々、なかなか豪華ですが、せりふが聞き取りにくいのが難。


10.皆月
  (日活 114分 99年)
監督 望月 六郎
出演 奥田 瑛二  北村 一輝
 奥田瑛二が情けないですね。先日も自分自身がワイドショーネタになっていましたが、役柄とダブって見えるのは私だけでしようか。義弟役の北村一輝がなかなかいいのと吉本「ハヤタ隊員娘」多香美が身体張って頑張っているのが印象的でした。原作、脚本がどうなのか分かりませんが、エピソードを入れるよりも、「日と月の話」にこだわってもよかった気がします。ラストは甘いけれどまあいいか。


11.秘密
 (TBS/東宝 123分 99年)
監督 滝田 洋二郎
出演 広末 涼子  小林 薫
 滝田監督の名前につられて見に行きました。意外といい出来でした、というよりストーリーに、はまってしまいました。小林薫がいいですね。広末が中年の役をしているのですが、演技自体はどうかなぁ…と思える面もありますが、「20世紀ノスタルジア」よりはいいでしよう。


12.大阪物語
 (東京テアトル=大阪物語製作委員会 119分  99年)
監督 市川 準
出演 池脇 千鶴  沢田 研二 
 何はともあれ、主演の池脇千鶴がいいです。CFでも光っていましたが、演技もまあまあです。最初、関西弁がその口から出てくると意外感もありますが、段々慣れてくるといい感じです。あと、弟の面倒をみたり赤ん坊の世話をしたりするシーンも今時そんなという感じもしますが、いいです。


13.おもちゃ
 (東映=ライジングプロ 113分 98年)
監督 深作 欣二
出演 宮本 真希  富司 純子
 いいですね、この主演。二十歳過ぎには見えませんが逆にこの映画にはマッチングしています。演出では前半のスピード感がいいですね。主人公の一日の行動を通して状況や人物説明があるのですが、ずっと走り回っていてキビキビとした感じがよく出ています。富司 純子もいい感じでいいです。オープニングとエンディングの妙な合成シーンと大阪の幼なじみのところに行く場面での街頭シーンが、どう見ても現在にしかみえません。


14.カラオケ
 (TBS/ヘラルド 94分 98年)
監督 佐野 史郎
出演 段田 安則  黒田 福美
 佐野史郎の初監督作品、原案も彼とのことです。くせのある役柄等が多かったため、個性的な作品になるのかと思いきや、非常にオーソドックスな作りでした。題材としては「コキーユ 貝殻」と似たところがありますが、不倫まで行かず中学生の頃の感情をそのまま引きずっているところが違っているというか、子供っぽいというか…。


15.金融腐蝕列島 呪縛
 (東映 114分 99年)
監督 原田 真人
出演 役所 広司  椎名 桔平
 東映でメジャー公開の映画を原田真人が監督したことがちょっと意外だが、そこそこの出来には仕上がっています。中盤までは緊迫感やスピードがあって面白かったのですが、終盤ちょっと息切れしたのが、残念です。


ワーストの該当は特になしです。上位は拮抗でそんなに差がないと思います。今年の邦画はそこそこのできだったのではないでしょうか。「豚の報い」、「M/OTHER」、「どこまでもゆこう」等は福岡未公開のため未見です。



洋画ベスト10 

1.セントラル・ステーション
原題 CENTRAL DO BRASIL (ブラジル 98)
監督 ヴァルテル・サレス
出演 フェルナンダ・モンテネグロ  マリリア・ベーラ
 冒頭の代書屋に来る客の口述のアップシーンの連続、仕事を終えて電車で帰る主人公、家に帰り着いての一作業、この辺の流れがわざとらしさを感じさせずに人物を語るのに十分の役割を果たしていてうまさが目立ちます。大きい駅であると思われるのにコンコースやホームでの横移動のカメラの撮り方がまたうまく、脚本もうまいですね。電車ではなくて、バスなのが残念ですが…。子供と一緒に父親探しに行かなくてはならなくなる動機づけ、お金がなくなる理由、つかの間の恋、思わずうなずいてしまいます。


2.運動靴と赤い金魚
原題 BACHEHAYE ASEMAN 「CHILDREN OF THE HEAVEN」 (イラン/エース・ピクチャーズ 88分 97年)
監督 マジッド・マジディ
出演 ファロク・ハシェミアン  バハレ・セッデキ
 ストーリーとしては特に特別のものもない平凡な子供が主人公の映画なのですが、カメラが子供の視点に立っていてすごく撮り方がうまいです。靴をなくした兄に文句いいながら授業が終わると靴の交換のため妹が一目散に学校を飛び出す風景、誰か自分の靴を履いているものがいないか、朝礼の時に他人の靴ばかり気にしているシーン、それでもやはり遅刻して先生に見つかったけれど言い訳できず涙を流す兄。「泥の河」を連想させるものもありますが、現在の日本が失っているものを思い出させる感じがします。


3.黒猫・白猫
原題  CHAT NOIR, CHAT BRANC   (ユーゴスラビア/フランス映画社 130分 98年)
監督 エミール・クストリッファ
出演 バイラム・セバルジャン  スルジャン・トドロビッチ
 あまり予備知識なしで観たのですが、笑った笑った。かなりデタラメなストーリーですが、巧妙に考えられていて、それでいてこんなに笑える映画とは知りませんでした。役者ではない本物のジプシーが演じているのが多いのですが、すごくパワフルでかつ見応えがあるコメディになっています。冒頭のシーンからうまいですね。登場人物がどういう関係でどういう生活をしているのかとついつい引き込まれてしまいます。


4.恋におちたシェイクスピア
原題 SHAKESPEARE IN LOVE  (ユニバーサル/UIP 123分 98年)
監督 ジョン・マッデン
出演 ジョゼフ・ファインズ  グウィネス・パルトロウ
 史実とフィクションを合わせた脚本だと思うのですが、よく練られていて面白くいい意味での娯楽映画の王道作品だと言えます。セリフも印象的です。ロミオとジュリエットは知っていてもシェイクスピア本人については知らない人が私を含めて多いと思うので、この作品の製作過程をメイキング物というか劇中劇みたいな感じで楽しめます。ジョディ・ディンチの存在感もいいですが、今まであまり評価しなかったグウィネス・パルトロウがこの作品についてはいいです。 ジェフリー・ラッシュも面白いし、ラストで「十二夜」に繋がるというのもいいかも…。


5.オースティンパワーズ デラックス
原題 AUSTIN POWERS THE SPY WHO SHAGGED ME (/ヘラルド 95分 99年)
監督 ジェイ・ローチ
出演 マイク・マイヤーズ  ヘザー・グラハム
 前作は98年最高のおバカ映画という評を下しましたが、本作については近頃にないおバカ映画ということが出来るでしょう。たまたまこの映画、関西で見たので吉本の「フォースティンパワーズ」を上映前に見ることができ、これからタイトルロールの流れまで笑いっ放しでした。全編がパロディみたいな映画ですので、そのネタ探しだけでも楽しめます。ハマれる人とそうでない人といるでしょうが、私はこの映画、最大級の賛辞を送ります。


6.永遠と一日
原題 MIA EONIOTITA KE MIA MERA  (ギリシャ/フランス映画社 134分  98年)
監督 テオ・アンゲロプロス
出演 ブルーノ・ガンツ  イザベル・ルノー
 なかなか見応えがある作品でした。時系列が結構飛びますが、従来の彼の作品より分かりやすい気がします。多くの監督がそうであるように「死」というのは魅力的なテーマなのでしょうか。なぜかビーチが大抵出てきますね。「永遠と一日」というタイトルも深い。ブルーノ・ガンツ、好演でした。死に対して直接的にはどう思っているのかわからなかったけれど…。


7.オープン・ユア・アイズ
原題 ABRE LOS OJOS (スペイン/ポニー・キャニオン=東京テアトル 117分 97年)
監督 アレハンドロ・アメナーバル
出演 エドゥアルド・ノリエガ  ペネロペ・クルス
 かなり面白い映画でした。「オペラ座の怪人」的な映画かと思ってみていると「マトリックス」な展開になっていきます。「トウルーマンショー」に似ている面もありますね。あちらがアクションなどを多用したかなり大業的な映画になっているのに比べこちらは、ストーリー展開で酔わせていてくれる正統的なやり方で魅せてくれます。しかし、ラストは今ひとつ納得がいかない気がするのがちょっと残念です。


8.シンプルプラン
原題  A SIMPLE PLAN   (パラマウント/東宝東和 136分 99年 SRD)
監督 サム・ライミ
出演 ビル・パクストン  ビリー・ボブ・ソーントン
 「死霊のはらわた」や「ダークマン」のサム・ライミが監督するとのことで注目の作品ですが、意外と?オーソドックスな作りになっています。原作者自身が脚本を書いているせいでしょうか。夫を操るブリジット・フォンダも怖いですが、何と言っても兄役のビリー・ボブ・ソーントンがすごいですね。この人、映画毎に全然イメージが変わります。アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされていますが、今後も彼の出演作は注目しておくべきでしょう。


9.八月のクリスマス
(韓国/パンドラ 97分 98年)
監督 ホ・ジノ
出演 ハン・ソッキュ  シム・ウナ
  テーマはありふれていますが、いい作品です。せりふはかなり少なく、カメラも固定で撮っているシーンが多いので、どことなく市川 準っぽい映像です。写真館や小学校の遠景を繰り返し使っているのも効果的。せりふは少ないのですが、そのせりふは印象的なものが多いです。主人公と彼に好意を抱く女性とのやりとり、写真館 の客とのやりとり…。


10.サイモン・バーチ
原題 SIMON BIRCH (ハリウッド/ブエナビスタ 113分 98年 SDDS)
監督 マーク・スチーブン・ジョンソン
出演 ジョゼフ・マゼロ  イアン・マイケル・スミス
 「ガープの世界」や「ホテル・ニュー・ハンプシャー」と同じ原作者なのですが、いずれも一般人でない人を主人公にすることによって、当たり前の社会を皮肉的に捉えているところもあるのですが、この映画も系譜的にとらえられます。また、冒頭からのカメラワークも考えられていて、映像は色々凝っています。ただ、全体がエピソードを綴った形になっていて、そのそれぞれのエピソードは結構面白く笑えるところもあるのですが、全体のストーリーとして見るとちょっと弱いかなぁという感じがします。


11.ライフ・イズ・ビューティフル
原題 LA VITA E BELLA (イタリア/松竹富士=アスミック・エース 117分  98年)
監督 ロベルト・ベリーニ
出演 ロベルト・ベリーニ  ニコレッタ・ブラスキ
 イタリアのチャップリンと呼ばれるベリーニが脚本、監督、主演と活躍しています。以前「ダウン・バイ・ロー」に出ていた時などはそんなでもなかったですが、結構笑わせますね。実際の妻でもあるブラスキにアタックかける前半のラブストーリーが非常に面白いです。昨今のハリウッドのドタバタと違って、久々動きや繰り返しによる笑うことができるコメディシーンでかえって新鮮な気がしました。その前半がよかっただけに肝心の主題になる収容所での話になる後半が弱い感じがしました。コメディで押し通すのも難しいでしょうが、ちょっと残念な作品です。


12.エリザベス
原題  ELIZSBETH   (ポリグラム/ヘラルド 124分 98年 SRD)
監督 シェカール・カプール
出演 ケイト・ブランシェット  ジェフリー・ラッシュ
 「恋におちたシェイクスピア」より「エリザベス」の方が重厚で見応えがあるのはあるのですが、知っている史実でやや退屈な感もあり、娯楽性がある「恋におちた…」の方が面白いです。主演のケイト・ブランシェットも華がなく、何故彼女が…という理由がわかったのがラストシーン。脇もジョセフ・ファインズやジェフリー・ラッシュとダブっています。観る順番が違っていたらまた感想も違っていたでしょうが…


13.ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
原題 LOCK, STOCK & TWO SMOKING BARRELS (英/ソニー 108分 98年)
監督 ガイ・リッチー
出演 ジェイソン・フレミング  デクスター・フレッチャー
 相変わらずのイギリスもの。今回は失業どころかみんなろくなことしていません。インテリ校出身とかいいながら大麻の栽培などしているくらいです。ストーリーは受けがいいだけあって、冒頭からノリがいいです。登場人物がちょっと多いので、整理ができていない面がありますがまあ大体わかります。まあ、わからなくてもノリで勝負の映画でしょう。


14.シュウシュウの季節
原題 天浴 (米/エースピクチャー=ビクター 99分 98年)
監督 ジョアン・チェン
出演 ルールー  ロプサン
 文化大革命というのは当時はあまりその実体が分からなかったけれど、最近の映画でも取り上げられることが多くなっている感じです。主人公は純真な感じでなかなか演技もがんばっていたのですが、後半のシーンが結構リアルで痛々しさがあります。ただ、そう言ったシーンが吹き替えであるのが見え見えなので、そこまでする必要があったのかどうか…。ラストシーンを見たときはアレッと思って合点が行きませんでしたが、後で考えるとなるほどと思い直しました。なかなかうまい演出でしたが、やはりちょっとつらい話でした。


15.バッファロー’66
原題 BUFFALO'66 (米/キネティック 113分 98年)
監督 ビンセント・ギャロ
出演 ビンセント・ギャロ  クリスティーナ・リッチ
 単館系で非常に流行っている映画ですが、情けない主人公です。刑務所に入っていたくせに立ち小便もできません。そのくせ女性や弟分に対してはすごく強がった行動もできるようです。冒頭は強引な話の進め方で馴染めないところもありますが、段々はまって行けるのは演出のせいでしようか。誘拐されるのが「アダムス・ファミリー」のクリスティーナ・リッチなのですが、すごい身体になっています。ラストはありふれた展開かなと思っていたのですが、思わぬ展開で意外でした。


ワーストは特になし
 こちらも上位の差はあまりありません。


各賞です

邦画洋画
主演男優賞 小林 桂樹 (あの、夏の日 とんでろ じいちゃん) ロベルト・ベリーニ (ライフ・イズ・ビューティフル)
主演女優賞 室井 滋 (のど自慢) フェルナンダ・モンテネグロ(セントラル・ステーション)
助演男優賞 我修院 達也 (鮫肌男と桃尻女) ジェフリー・ラッシュ(恋におちたシェークスピア、エリザベス)
助演女優賞 富司 純子 (おもちゃ) クリスティーナ・リッチ (バッファロー'66、I Love ペッカー)
最優秀監督賞 是枝 裕和 (ワンダフル・ライフ) エミール・クストリッファ (黒猫・白猫)
最優秀脚本賞 是枝 裕和 (ワンダフル・ライフ) ゴルダン・ミヒッチ (黒猫・白猫)
最優秀音楽賞 該当なし ドクトル・ネレ・カライリチ他 (黒猫・白猫)
最優秀新人賞 池脇 千鶴 (大阪物語) バハレ・セッデキ (運動靴と赤い金魚)



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