映画のベスト10のページです
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1996年の個人的な映画ベスト10を作ってみました
対象は1995年12月から1996年11月に東京で封切られた作品です
[邦画ベスト10]
[洋画ベスト10]
[各賞]
邦画ベスト10
1.幻の光
監督 是枝 宏和
出演 江角 マキコ 浅野 忠信
宮本輝の原作をまだ読んでいませんが、映画としても文学性の高い作品だと思えます。ち
ょっとストーリーとしては現実味がない気もしますが、そこがまた印象度を高く
しています。鉄道のガード下のシーン、葬列のシーン等の印象が強烈です。江角マキコが熱演しているし、浅野忠信の存在感のなさもいいと思います。
2.Shall we ダンス?
監督 周防 正行
出演 役所 広司 草刈 民代
96年の邦画の興業収入を上位に入った作品です。ここのところ邦画の興業上位は、ゴ
ジラとアニメが主であったのですが、この作品はめずらしく大人によって支持された
観客を動員した作品でした。ストーリーもなかなか大人の共感を呼ぶ様な設定で、その辺も人気を集
めた理由の一つと言え、観た後、とてもいい気分にひたれる映画でした。周防正行はコンスタントに良質な作品を作り続けている監督といえるでしょう。
3.ハル
監督 森田 芳光
出演 深津 絵里 内野 聖陽
パソコン通信を始めた私にとってはより身近に感じられる映画でした。各 フォーラムにおいても特別の会議室が設けられたりして注目を集めた作品でした。姉妹の設定の
仕方などに疑問を感じられるところもあったが、まあまあのできだったのでは ないでしょうか。
4.スワロウテイル
監督 岩井 俊二
出演 三上 博史 チャラ
予想より上映時間が長かったのが印象的でした。前年の岩井監督の作品「LOVE
LETTER」程の感動はなかったけれど、長時間さほど飽きずに観られたのでよしとしましょう。刺青のシーンや回想
シーンの映像感覚はさすがだと言えるし、変な無国籍感もそこそこ出ていました。しかし、主人公であるべき三上博史のキャラクターが弱く、他の個性的なキャストに負けていたのは残念でした。高校生等の若い世代の支持を得ていた様ですが、この辺がもっと映画を観るようになるといいと思います。
5.眠る男
監督 小栗 康平
出演 安 聖基 クリスティン・ハキム
タイトルに違わず観る方も眠い映画でした。この作品は群馬県が製作した映画です、自治体がこういう映画を作ったことは評価できると思います。ただ、小栗監督の意図は今一つ分かりませんでした。各自治体も旅費ごまかして裏金作る位だったら映画作って欲しいです。でも、群馬県でも例によって問題になっているようですが。
6.絵の中のぼくの村
監督 東 陽一
出演 原田 美枝子 長塚 京三
割と評価は高いようですが、そんなにベタほめする映画ではない様に思います。かと言って悪い映画ではないのですが。なにか単なる昔はよかった的映画にも見え、それ以上の主張がない様に思います。
7.トキワ荘の青春
監督 市川 準
出演 本木 雅弘 大森 嘉之
この作品も同じことが言えるでしょう。どちらも実話がベースだけに文句つけることもできないのですが。市川監督の独特の世界と本木雅弘を始め個性豊かな俳優陣に救われた作品でしょう。
8.GONIN 2
監督 石井 隆
出演 緒方 拳 高島 礼子
前作の男性版に代わっての女性版です。大竹しのぶがあっけなかったので 意外でしたが、その分喜多嶋 舞他の女優達ががんばっていました。伏線もしっかり張っていて石
井隆も新作が見逃せない監督ですね。 ただ、ラストがちょっと?でした。
9.MEMORIES
監督 大友 克洋 森本 晃司 岡村 天斎
アニメ作品であるが、ばかにはできません。オムニバス作品であるが、第三話は、ワンカットで撮られています。エンディングの石野卓球の音楽も印象的でした。
10.ガメラ2〜レギオン襲来〜
監督 金子 修介
出演 永島 敏行 水野 美紀
コジラはしばらく観ていましたが、3作目位で見放しました。ガメラも期待 していなかったので、一作目は観なかったのですが、評判がいいようでした。
二作目もなかなか面白かったです。何と言っても実際に自衛隊の協力を得てい るというのが効果があります。水野美紀というのも演技がそんなにくさくなくてよかったです。
次点 渚のシンドバット
監督 橋口 亮輔
出演 岡田 義徳 浜崎あゆみ
ちょっといらいらさせられたところもありましたが、大体好感が持てました。ラ
ストの浜辺のワンカットのシーンは、「翔んだカップル」のもぐらたたきのシ ーンをほうふつさせらた印象的なシーンでした。
ワースト 霧の子午線
監督 出目 昌伸
出演 岩下 志麻 吉永 小百合
岩下志麻と吉永小百合の顔合わせというので期待して行ったのですが、オヨヨでした。相手役の玉置浩二に魅力がなくて話を壊していました。今時、こんな旧態依然として映画は勘弁して欲しいです。
洋画ベスト10
1.イル・ポスティーノ
監督 マイケル・ラドフォード
出演 マッシモ・トロイージ フィリップ・ノワレ
これはなかなか泣ける映画だった。ロケーションの絶妙さと言い、主役とそ
れを演じるマッシモ・トロイージの執念とも言える演技といい、印象的だっ た。フィリップ・ノワレもさすがだ。
2.ビフォア・ザ・レイン
監督 ミルチョ・マンチェフスキー
出演 グレゴワール・コラン カトリン・カートリッジ
今年の作品では、バルカン半島をテーマにした映画が何本か会ったがこれもそう
である。ロンドンとマケドニアを巧みに結んだ関連性があるオムニバス形式になっている。特に最初と最後の話がつながっていて作品に重みを深めている。ラストで降り始める雨が印象的。
3.アンダーグラウンド
監督 エミール・クストリッツァ
出演 ミキ・マノイロヴィチ ラザル・リストフスキー
これもヨーロッパを舞台にした映画なのだが、時代が錯綜していてとても面 白い映画になっている。とても奇想天外な映画でみるほうもストーリーを追いかけるのが大変だった。
4.明日を夢みて
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
出演 セルジォ・カステリット テッツィアーナ・ロダート
「ニューシネマパラダイス」と同じ様に映画好きにはとても楽しめる作品で ある。ただ、後半違った方に話が流れていったのが惜しまれる。
5.ユリシーズの瞳
監督 テオ・アンゲロブロス
出演 ハーヴェイ・カイテル
これもバルカン半島がらみの作品であるが、なぜかアメリカ人であるハーヴェ
イ・カイテルが主役になっている。途中話について行けないところもあるがな かなかの力作である。
6.愛のめぐり逢い
監督 ミケランジェロ・アントニオーニ
出演 ジョン・マルコビッチ イネス・サルトル
大体この手の作品はあまり好きでは無いのだが、相手と結ばれない話が多か
ったのが気に入った。(笑) ジョン・マルコビッチが主役というのが意外だが、その他の配役もなかなか豪華でした。
7.デッドマン
監督 ジム・ジャームッシュ
出演 ジョニー・デップ ゲーリー・ファーマー
わー、変な映画。でも気に入った。はたして彼は死んでいるのか、死出の旅なのか。ニール・ヤングの音楽もすごい。
8.ファーゴ
監督 ジョエル・コーエン
出演 フランシス・マクドーマンド スティーブ・ブシェーミ
コーエン兄弟の新作。ストーリーは今一つ奥行きがなかったが、雪景色の撮り方、登場
人物の心情描写等なかなか好感が持てた。スティーブ・変な顔・ブシェーミが怪演。
9.ロストチルドレン
監督 ジャン・ピエール・ジュネ
出演 ロン・パールマン ジュディット・ビッテ
「未来世紀ブラジル」みたいな変な映画。もっとも「デリカテッセン」の監督だから当然か。「みつばちのささやき」に通じるような童話っぽいところもある。結構セットに金かけているようです。
10.フィオナの海
監督 ジョン・セイルズ
出演 ジェニ・コートニー アイリーン・コルガン
大好きなジョン・セイルズが監督なので、当然と言えば当然なのですが、
とてもいいです。の民話みたいなお話です。少女 が大人と対等にやりとりしていてとてもほほえましく、大人もそれをある程度認めているところがいいです。
何と言ってもあざらしに演技をさせていると ころがすごいです。最後は思わず感動してしまいます。
次点 ウエールズの山
監督 コクリストファー・モンガー
出演 ヒュー・グラント
期待しないで見に行ったら意外と面白かった。イギリスの小話みたいな話を ここまで持っていったのに好感が持てた。
次点 リービングラスベガス
酔っぱらいの映画でした。何でそこまで飲むの。でも、純愛なのかも。
ワースト サブリナ 全然魅力がなく、トホホな映画でした。
その他「デッドマンウォーキング」「猫が行方不明」「ブルーインザフェイス」もよかったです。でも「ケス」「デカローグ」等は未見でした。
各賞です
最優秀監督
邦画 是枝 宏和 洋画 マイケル・ラドフォード
幻の光 イル・ポスティーノ
最優秀男優
邦画 役所 広司 洋画 マッシモ・トロイージ
Shall we ダンス? イル・ポスティーノ
最優秀女優
邦画 江角 マキコ 洋画 該当なし
幻の光
UPDATE 97/3/9
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