縮刷版98年4月中旬号


【4月20日】 せっかくなのでやっぱりやっておこうと思い直して主役選びの場面から「サクラ大戦2」を続ける。「スミレ大戦2」ではお正月はすみれのお屋敷に行って不味い馬から煮よ、じゃない不味い料理を食べさせられてギャフンな大神少尉も「サクラ大戦2」では仙台まで足をのばしてさくらの上手い味噌汁をごちそうになる、この違いからもやはり男の自虐心をくすぐるキャラでありストーリーだったと「スミレ大戦2」を理解する。「サクラ大戦2」は日本男児の誉れ、ってところでしょー、但しやっぱり結局尻にしかれる未来は伺えるけど。なにせ相手は赤の王子様までファンにしちゃったんだから。

 同じ場所からやり直しても残りは「レニ大戦」に「アイリス大戦」で、これじゃあショタ(本当はショタじゃないけど)かロリにしからならず遠慮したい気持ち。いや別にロリでも良いんだけどアイリスちょっとやかましそーだしレニはちょっとこわそーだし、やっぱり清楚で無垢なところを頂戴できればなって思う訳ですよ。仕方がないのでまた始めから、今度はレベル上がらなかった眼鏡娘とそれからもう1歩のところまで来ていた織姫を、何とか主役選びの4人に入るまでは上げておきたいもんですが。どうやれば紅蘭ってレベル上げられるんだろー。ほとんど接点なかったんだよな、1回目の「スミレ大戦2」の時は。

 午前5時に寝て午前8時に起きて出社の実に平均的なサラリーマン生活を送る。春眠は暁を覚えなかった。うつらうつらしている所にナムコから資料が届き、港北に新しく出来たアミューズメント施設の記事を書く。何でもかの名作ゲーム「パックマン」が社長を務めるスタジオに遊びに行くってな設定の施設だそーで、管内ではいろいろなナムコのゲームにちなんだアトラクションや、ナムコが(というより大将が)きっと今一番大好きな映画に関するアトラクションが揃っているそーな。港北の方にある東急の6階に25日オープンだそーでお近くの方と親の代からの「パックマン」ファンってな子供(いるのか)(いるかもな)はヒマ見て立ち寄ってやって下さい。「ぷよまん」は売ってないけど「パック饅」なら売っている、わきゃないか。

 98年のゴールデングローブ賞で最優秀外国語映画賞を授賞したとかゆー「ぼくのバラ色の人生」とゆーフランス映画を見る。題名からしてバラ色な恋愛物語、きっとジャン・レノとかアラン・ドロンとかが出てきてイヴ・モンタンがカトリーヌ・ドヌーブとどーした(ってこれくらいしか知らないフランス映画音痴な私)ってな映画かと思っていたらああ勘違いも甚だしく、実に何とゆうか、その、えっと、ゴホン、思わず口ごもって咳払いしたくなる程に、心の琴線に強くつよく触れる作品でありました。

 主人公は少年、だけどいつか女の子になることを夢みていて姉の服を着たりお化粧したりして遊んでる。人形が好きで人形の世界に入り込んでは自分がフリフリヒラヒラなドレスを着ているところを妄想したりもしてるけど、そんなリュドビックが閑静な住宅街へと親の仕事で越して来て、学校に通うよーになったかところからひと騒動が巻き起こる。親の上司の息子と仲良くなったリュドヴイック、上司の息子の家に遊びに行って彼の妹が着ていた服を借り、彼と結婚式の真似事をしていたのを彼の母親が見とがめたからさあ大変。息子を全うな男に育って欲しいと思う上司は、息子にリュドビヴィックと付き合うことを禁じ、上司の手前リュドビックの父親も、リュドヴィックをカウンセラーへと連れて行き、何とか考えを改めさせようと頑張るのだが・・・。

 子供が女装することに理解を示しているやに見えた母親が、父親の失業を契機にどこかリュドヴィックを疎んじるようになってしまい、逆にリュドヴィックの振る舞いに激怒ばかりしていた父親が、失業によって体面を守る必要がなくなると、とたんに冷静になり寛大になっていく描写に、女親と男親の社会に対するスタンスの違い、みたいなものが見てとれて面白い。何より自分はいつか女の子になれると信じて、けれども両親の辛そうなふるまいに思い悩み、とはいえやっぱり女装したくてしょうがないリュドヴィックの描写から、思い出される事の実に何と多いことか。何が思い出されるかってそれは、えっと、ううん・・・・ゴホン。物語とは関係ないけどリュドヴィックの学校で先生が生徒に何か(たぶん)宝物を持って来いといったら、リュドヴィクは当然の如く人形を持って来て、他の多くは(たぶん)「ゲームボーイ」を持って来てたのが印象的、でした。任天堂侮れじ。

 事実の羅列からいかな推論が導き出されようとも、事実はあくまで事実であり、翼賛とか非難とかいった主観とは対極に位置するものと明言した上で、以下に事実を羅列する。産経新聞社はサンケイスポーツを発行しており、サンケイスポーツは今年創刊35周年を迎え、これを記念する増紙キャンペーンが行われている。産経新聞社の社員は夕刊フジもサンケイスポーツも関係なく、サンケイスポーツの拡張を呼びかけられている。産経新聞社の系列にあたる日本工業新聞社の社員もサンケイスポーツの拡張を呼びかけられている。4月が締め切りの増紙キャンペーンで日本工業新聞社の社員の達成率が低かった。4月中にサンケイスポーツを拡張するよう再度呼びかけがあった。サンケイスポーツの拡張は査定と関係があると言われた。5月1日からわが家にはサンケイスポーツが届けられる。私はサンケイスポーツを1部拡張した。繰り返すが以上は事実の羅列に過ぎず一切の主観はこめられていない。言いたいことはそれだけだ。


【4月19日】 真夜中まで起きていられたので真夜中にフジテレビまでもがハマってしまった深夜アニメを見る。その名も「DTエイトロン」が、この4月に始まったあらゆるアニメの中でも最右翼に位置する「SF」を意識させる作品であったと知って、フジテレビなかなかやるじゃんっと驚きつつも感心する。制作がサンライズだったりしておいおい「アウトロー」に「ビバップ」にせ「センチ」に「ブレパワ」に「バァイファム13」に他にも幾つかあったっけ、とにかくこんなに大量のそれも良質の作品を一気に放出して後シワシワになっちゃわないかって、ついつい心配してしったけど。

 舞台は近未来でおそらくは滅びの道を歩む地球の上に出来た管理されたドーム都市、そこに暮らす人々は管理され記憶をも操作されていたけど、中に1人記憶に混乱をきたし感情を宿した少年がいて、そんなある日偶然ドームの外で力一杯生き抜いている、「リターナー」と呼ばれる少年少女に出会ってすっかり魅せられてしまう。とりあえず連れ戻された少年は1度は記憶をリセットされてしまい、でもやっぱり忘れられずやがて・・・・ってな展開は、実のところはSF小説では結構ひんぱんに目にするパターンで、近い記憶では(あんまり近くもないけど)栗本薫さんの傑作「レダ」とか、神林長平さんの小説なんかで見たけれど、それでもついつい引き込まれてしまうのは、社会のシステムに組み込まれて管理されている自分にわだかまりを覚え、常に「どこかほかの場所」を求めながらも、システムに身を委ねることの心地よさから抜けれられない、ジレンマを抱えた現代人の心理を見せてくれるお話だからなのだろう。

 キャラクターの絵柄も目玉の大きなアレじゃなくってともすれば地味ととられるかもしれないし、トーンも今のところは派手なドンパチもなく淡々としたものだけど、管理された都市で圧迫された生活を、あたりまえのように過ごす少年たちの描写を見ている聴衆の心には、いらだちが澱のよーに溜まり、爆発の時を迎える日を否応なく待っていることに気付くだろう。そしてそうした観客の望みに、物語がどう答えるのかそれとも答えないまま問わず語りにほのめかすのか、とまれ期待しつつ次回以降を見てみたい、起きていられたらだけど。「リターナー」の少年が使っているモニターがわりのバイザーと、たぶんグローブ型の中空でキーボードうつフリすると入力できるデバイスの描写が何かカッコ良い。SF設定村上ヒロアキ(だったっけ、録画してないんでウロ覚え)って、誰?

 暖かいので秋葉原を散策、とくに季節とはつながりはないけど暖かさに誘われて大勢の人出でごったがえして、これのどこが不況じゃいといつもながらの疑問を抱く。駅前のセガのアミューズメント施設内にできた「ゲーマーズ」の店に上がって「VIRUS」のトレーディングカードを購入。前に1箱買った時にはあと1枚が揃わなくって、それも3枚しかない箔押しのメタリックカードが揃ってなくってこないだ2パックだけ別に買ったらスカだった。箱で買えば確立は高いだろーけど流石に金がもたないので2パックだけ購入、とるものもとりあえず階段の途中で引きちぎるよーに袋をあけて思わず「ビンゴ」と叫ぶ。心の中でだけど。

 1箱と4パックとゆー、まあそれなりにリーズナブルな投資で揃った最後の1枚はナンバー56のカード。55と57が共にエリカ知念だったから、56もそうかと想像していたら違って、小さいのに細いのに胸はメロンなミレイちゃんだった。短すぎるスカートからのぞく両足の隙間にちょっとだけ見えるアレは白? かとルーペを取り出しマジマジと観察するなんて無粋なことはしないけど、ソフビなエリカのフィギュアがショップの店頭に並んでいるのを見掛けて、はやくミレイのも出してくれないかなー、衣裳は着せ替えできるやつでね、って思うアタシは立派な社会人、な訳はない。ガレージキットはミレイだけは見掛けたけれど、こっちはエリカとそれからハルシオン・ブラックが欲しいところで、夏フェスあたりに登場を期待する。版権おろせよ未来計画。

 「スミレ大戦2」(こだわってる)を終えて思ったことあれこれ。すみれと「星方武侠アウトロースター」のエイシャと「フォトン」のキーネと「天地無用!魎皇鬼」の魎呼では誰が1番料理が下手かと考え、とりあえずすみれは人間的に許される範囲の料理を作ったから1抜けだなってな結論に達する。正月にすみれの家で大神少尉は、壮絶無比なビジュアルをしたすみれの手料理を食べさせらるけど、それでもその後で囚われた他の仲間を助けに行って降魔の撃退に成功した。これが例えば「アウトロースター」のエイシャが作ったクタールクタール的に正しい鍋だと、それを涼しい顔をして食べた鈴鹿が、ジーンと海賊の決闘シーンに助太刀に出た際、腹痛でうずくまってしまいやられてしまうってな具合に、後々まで尾を引いただろーから。

 それでも腹痛程度で済んだから良いものの、これが「天地無用!魎皇鬼」の特別編で魎呼が作った手料理だと、魎皇鬼を一瞬で沈黙させてしまったし、「フォトン」でキーネがフォトンのために作った手料理も、アウンの凶暴なふるまいによって無理矢理ノドに押し込まれたコロちゃんを、それからしばらく死線をさまよさせることになった。考えられるのはすみれの家が大邸宅で置いて合った食材がとりあえず高級品だったから、味は酷くても食べられたし体調をおかしくすることもなかっただけで、貧乏な大帝国劇場の冷蔵庫の余り物で作ったら、大神を含めて花組全員を地獄に叩き込む空前絶後の料理を作ったかもしれん。それでもあたしゃ我慢するから、どうか婿にとってくれ。


【4月18日】 映像観賞強化月間、ってことであれやこれやとビデオにLDにDVDの観賞を続ける。読書の意欲は空のお星様になって燃え尽きてしまいましたわ1日で。まずはいよいよ佳境な「KEY」のVer.14「システム」。これだけで95分もある長編エピソードだけど、LDだったら両面使うところをDVDだから片面2層でひっくり返さず見続けられるのが有り難いと自慢。でも途中でちょっと良い場面(美浦がお乳ぷるんさせて胸かっさばく場面、とか水槽ん中でゆらゆら揺れるKEY、とかいろいろ)でストップかけると微妙に震えるのがやっぱりDVD。これが嫌でLD買う人もまだまだきっといるんだろーね。

 実際DVD買った「20世紀ノスタルジア」は特典映像に惹かれてのことだし、同時発売だったらやっぱりLDの方を買ってしまうかもしれんあー、ライナーも大きいし。でも置場所が小さくて済むって魅力もあるし、取り扱いが簡単てのも捨てがたい。なんてったってビニール袋に入れなくっても良いですよ。秋の「青の6号」が同時発売だから、その時きっと悩むだろーなー。それにしても一時は泣かず飛ばずだったDVDも、最近では月間10万枚程度は売れるよーになったってゆーけど、さても正念場を迎えてもう1弾のキラータイトル投入に期待がかかるとこですね。例えば「カウボーイビバップ」とか(もーテレビ良いから出しちゃってよ飛び飛び放映はイライラすんのよさ)。

 うーんほとんど喋らなかったぞKEY。これで岩男潤子さん他のみんなとギャラいっしょ、だったら何て楽しいお仕事なんでしょ声優は、ってことは置いておいて、いよいよ明らかになったKEYの力の秘密、それをねらう蛙城の魔の手がKEYに、さくらに伸びていよいよ物語はクライマックス、3万人分の思いを一身に背負ったKEYの力が覚醒し、壮絶なエンディングへと至ることになるんだろー。来月が待ち遠ーしーぜまったく。しかし端役でも「エヴァ」なら「フライデー」で主役でも「KEY」に「パーレクトブルー」は無視かい講談社。

 「KEY」にも出ていた三木眞一郎さんが主役を張った「VIRUS」もやっぱりラス前の第5巻。ヴァリアブルギア着て足振り上げているエリカのポーズが最高なジャケットはやっぱ大きなサイズのLDならではの迫力だと前言を途端に翻したくなる意志薄弱な僕。スペシャルリテイクを銘打たれているLD版だけど今度の第9話と第10話からはどこがどう変わっていたのか一発では判別不可能、今度よくビデオを見比べてみよー。余勢をかって録画してある第11話と第12話を見返し、ラストの宇宙空間をサージがエリカと2人で落ちていくシーンまで見てむせび泣き、やっぱ説明不足は映画か何かで補完してもらわなくっちゃいけないと、未来計画説得工作を強く心に誓う。ハドソンの広報には「VIRUS」(もちろんアニメの方だ!)人気あったんだよって囁いてるんだけど、ここはもちょっと囁きを強めてみるか。

 いい加減飽きたので寝て起きてさあ日曜日の午後は残りの「スミレ大戦2」を最後までプレイだ、と決めてゲーム機の前に座ったのが午後の2時。途中でスパゲティを茹でてカルボナーラにして貪り喰いながら最終話へと突入し、数々のバトルを経てよーやくにしてエンディングを見たのが午後の9時。感動の親子体面に滅び去る悪、結ばれる2人ってな分かり切った物語に、要領さえ知っていれば(「サクラ大戦」をクリアできた人ならたぶん知ってる)絶対に負けない戦闘シーンは、ともすれば途中でもーいーやってな気分にプレーヤーをさせるかもしれない。

 けれどもそこは広井の王子さま、適度にドラマを盛り込みアニメを盛り込みやられそーになってもやられないよーな戦闘バランスを盛り込んで、コントロールパッドを握る手を離させない。噂には聞いていたなかなかにしつっこい、いやもー本当にしつっこいラスボスとのバトルを終えて感動のフィナーレに、すみれとの思い出の数々をバックに流れていくスタッフリストを見ながら、アニメはプロダクションI.Gか巧いなあ、CGはビルドアップか岡部さん相変わらずヤってんのかなあ、などと感慨にひたりつつ、次は本当に「サクラ大戦2」として終わるぞー、ってな気になっているのが割れながら恐ろしい。本読む時間、やっぱ当分作れそーにもありません。

 業務連絡経過報告。子産みでしばしの休養をとっておられた漫画家の青木光恵さんが復活して活動を始めているのはファンならたぶん周知の事実、冬コミでもそのお顔を遠くから拝見しつつも、隣りにご主人様で自分にとっては怖ーい編集さんが立っていたため、ヒゲで変装し帽子を目深に挨拶もせずに退散したけど、今はとりあえずいっしょに仕事してないんで、5月1日から新宿区のギャラリーで開かれる「第3回★青木光恵個展 FRUIT PUNCH」には、ちゃんと変装せずに普段着でピンクハウス着てうかがいます。2年ぶりの個展では、きっといっぱいの元気な女の子のイラストが展示とか販売されることでしょー。会場の正確な住所は新宿区百人長1−22−26シラハマビル2F、ギャラリーSHIBAアート、最寄りの駅は中央線の大久保駅、時間は午前11時から午後8時まで。

 夜中に「テロメア」見て三輪ひとみの揺れる山を堪能する。昼間やってた「スターシップトゥルーパーズ」のメイキング番組を見たあとだとこれを特撮って言ってもいーのか悩む「テロメア」だけど、少なくとも揺れる三輪ひとみほかテロメアガールズ(ってーのか彼女たち)を見られたから、すべてがオッケーと強く断言しよー。あの山はホンモノだ、決して(某パラサイトの某リオナみたく)上げ胸も足し胸もしてない、とは思うけどあーいった服を着るともしかして盛り上がるものなのか。ABライフな人は彼女で実験してみて報告して下さい。服なら円谷一夫さん家に取材にかこつけて借りに行きますから。


【4月17日】 積ん読強化月間、てことであれやこれやと読書に勤しんでいるものの、根性のいる「五輪の薔薇」とかってのは流石に手出しはできず、漫画とヤングアダルトとっかえひっかえ読みつ読まれつするのが関の山、合間にLD見てDVD見てビデオ見てゲームやってエトセトラ、どちらにしたってお宅な活動に白き肌をますます青白くする風まだ冷たき春なのであった。家んなかじゃー風が冷たいのも温いのも、どっちにしたって解りゃしねーんだけどもよ。

 「イノセント」でいよいよヤングの取れたアダルトマーケットに鞍替えか、なんて思った図子慧さんだけどやっぱり主戦場はのびのびと書けるのか、新作の「猫曼魔」(ねこまんま、小学館キャンパス文庫、540円)ではキャラ立ちまくりーの話転がりまくりーのギャグたっぷりーのな、楽しい話を読ませてくれる。主人公たちはブレイク寸前な劇団の座長と役者と脚本家の一党、どこぞから逃げ出して来たゾンビに襲われ病気をうつされた、かもしれない座長を探してドタバタが繰り広げられる一方で、座長はそんなドタバタを余所に、ノホホンと構えて世界の機器に気がつかず、ああ座長の運命やいかに、ってな物語が展開される。

 美形、だけど演技はバツで性格もおかしな男優、だったり美人、だけど中華饅やおにぎりを一口で呑み込む大食漢の女優、だったり本人はシリアスで書いても、常にコメディになってしまう脚本家、だったり巨体の割には演技派、なのにオカマな青年、だったりな脇役たちの一挙手一頭足が何とも楽しく、そんなキャラクターたちを描く神村幸子さんんお絵も美麗で、じっつに楽しい時間を過ごさせてくれる。これだけのキャラを1作で沈没させるのは実に惜しい、ってことでここは是非ともシリーズ化を望もう。問題は作者がとことんゲームにのめりこんでいることで(まるで「バイオハザード」だもんなこの話だって)、そこんとこゲームと折り合いを付けながらも作品を量産している作家さんに、秘訣を聞いて頂きたいところ、と思ったけどそんな作家、いねーやな。

 広岡未森さんの「魔諜軍団1 フライング・サーカス始動す」(青心社、540円)の続編にあたる「暗躍!! フライング・サーカス」(同、560円)が出ていたので買ったのは良いけれど、実は第1巻の内容をすっかり失念していて、あわてて自分家のページを読んでこんな話があったのかあ、などと納得する始末。物忘れが激しいとゆーより物覚えが不自由になってるって方が正しいね。

 まだ読んでないからどんな話かは解らないけど、あとがきを読むと第3巻の刊行も決まっているよーで、ヤングアダルトいったん軌道にのればあとは順次流れていくものなのか、それとも青心社の文庫の特殊要因なのか思案する。少なくとも小学館スーパークエスト文庫では、続編決定までにはなかなか気苦労も多いようで、野心に燃える作者が例えば「剣に首筋を吸われて悶える龍奈」とか「ネコ一同」とか「全キャラの水着姿」を加崎さんに描いてもらいたいなと思っても(って何の本だこのだ)、本決まりになったみたいじゃなさそーで、後はやぱり読者の応援が必要のなのかも。図子さんとこもどうにか応援、していこー。

 おどろいちゃったよ、えう゛ぁんげりおんにでていたゆうめいせいゆうのいわおじゅんこさん、ぢつはもと「せいんとふぉー」だったんだあ、びっくりしたなあ。って客をなめるのもたいがいにしないと、いつかしっぺ返しを喰らうぞ講談社。前に宮村優子さんにAV出演の過去あり、なんて記事で「フォーカス」を上回る実売率をあげたからといって、同じ「エヴァ」でも端役(ファンの人ごめん、でも事実じゃん)だった岩男潤子さんがかかつて「セイントフォー」だったってなファンなら周知の事実を、「衝撃の告白」なんてたいそーな惹句つけて紹介しないでくれよな。思わず買ってしまって(買ってしまった)(買わずにいられなかった)激怒、だったけど常盤貴子さんお「全裸ヘアヌード」が載っていたから怒りもとりあえずはおさまった。第3弾があるのかもしれないけれど、今度こそはたとえば三石琴乃さん水着(あるのか?)とか、加持リョウジ役の山寺宏一の素顔とか(毎朝見られるゾんなもんは)、もっとファンが喜ぶ(喜ぶのか?)写真を探し出して来てくれたまい。

 しかしあの顔、でも喋れば2枚目から3枚目からパパチャまで、実に様々な役柄をこなす山寺さんが過去現在未来において一番カッコ良く思えるのが「カウボーイビバップ」、かもしれない。いやパパチャも良いんだけどでもカッコってーとね、ちょっとね、すごくね。いきなりな第7話とはひっくり返りまんぐり返しな「ビバップ」も、フェイが出てきた先週から話がすっげーしまってて、見ていてホント気が抜けない。キャラ萌えって要素もない訳じゃないけど、ツボをおさえたお話の「くーっ」って来て「ニヤッ」とさせられる展開も、山寺林原の攻守がっぷりとかみ合ったトークも、まさしく大人が見るに相応しい作品、がなぜ6時に放映されるのかが今はすっげー謎で、13話しか放映しないんっだたら夜やれ最初からDVDで出せってな文句を、製作したやつらに言ってやりたくってしょうがない。CSはダメ、ウチじゃ見れないから。とまれ次週もおさえたトーンのしっとりと哀しい話になるみたいでとっても楽しみ。「アウトロースター」も敵キャラが総出で現れて、本格的なアクションが始まる予感があって楽しみ×2。やっぱ最初から見てーなー。


【4月16日】 そうか「クリーミィマミ」のLD−BOXを買ったのかこんちくしょうめ俺も欲しいがお金がないぞべらんめえ、でも同じ歳で「マミ」にハマってたってことは大学生にもなって「マミ」を見てたってことで、きっと同級生からは迫害を受けたんだろーなーと、思わず同類相哀れむ。ゲーム業界では既に功成り名遂げた人なのにぃ。でも名誉の為に誰がLD−BOXを買ったのかは伏せておきます。おっと浜松の助教授、ではありませんリオナは買ったみたい、だけどそれはこっちのフリを受けたから、で薄いところを見せてしまってどうもスイマセン。お詫びに「ジターリング」、差し上げましょーか?

 それとゆーのもかのバンダイ、「ハイパーヨーヨー」の2番煎じを狙ってこの「ジターリング」でもひと山あてよーと目論んでいるみたいで、今日なんかプレスリリースと実物の「ジターリング」を持って、記者クラブとか本社にいる担当記者のところを回っていた。会社には広報担当者がぞろりと4、5人そろって来訪、プレスリリースといっしょに「ジターリング」をくれたけど、生憎とゆーか気が早いとゆーかスノッブとゆーか、すでに4月4日に実物を手に入れていたため、1本余ってしまったのです。聞くと東京商工会議所の記者クラブでも、サンプルとして記者たちに「ジターリング」を配ったみたいだけど、こればっかりは誰かがプレイしているところを見せないと、遊び方すら分からないシロモノなので、おじさんやカタブツばかりの東商クラブでは、可哀想に山と積まれて放ったらかしになっていたとか。もったいないなあ、もらいに行ってこよーかな。

 2番煎じ、とはいえ4月4日の「ハイパーヨーヨー」のイベント時、テスト販売した1000個が3時間で売り切れたと聞いてあるいはもしかしてブームになるかもしれねーなーと、思ってなおさらのこと在庫の仕入れに走りたい衝動にかられた。バンダイでは「ハイパーヨーヨー」の前例を踏まえて、この「ジターリング」でも全国各地のおもちゃ屋をめぐってのデモンストレーション・キャラバンを組むみたいで、もしかしたらある日奇妙な輪っかを持った集団が、新体操のリングならぬ輪踊りに興じている姿を見せるかもしれず、その時は迷わず1本買い求めて、何がいったい面白いのかと突き詰めてやっちゃーくれまえんか、嫌なに小生未だに面白さが分からんもんで。

 もっとも10日あまり「ジターリング」に手を触れて来た関係で、基本の動作とちょっとしたトリックくらいはマスターしている小生は、フジサンケイグループのみならず、日本新聞協会所属のすべての報道機関の中できっと、1番の「ジターリング」の使い手なのだろー。となれば先駆者は先駆者なりの義務を果たすべく、会社で取材先で路上でベッドで、「ジターリング」を披露してその面白さを伝えていかねばならない義務がある。分からないなどと駄々をこねているヒマはない、ここは単純な動作でも良いから、人前で実演していこー。まずはそーだな、役所の大臣記者会見の場に潜り込んで、大臣の後ろでくるくると回すか。あるいは首相官邸で総理の背後にブラ下がって、話を聞くふりをしながら実演してみせるか。ってことで皆さん、しばらくは政治ニュース経済ニュースに注目していて、くれなくてもいーよ。

 やたらを本を買い込む。1冊はすんぢ、とゆー人の「デザーティフィケイション」(ラポート、505円)で、相変わらずの絵のうまさ女の子の可愛さメカの格好良さを味わい、それから物語としての悲しさ嬉しさを味わう。寡作の人のよーだけど、もっと描いて欲しいなー、メジャーな商業誌でも活躍して欲しーなー。それから買ったのが石村里沙さんの「サイコグラフィア」(偕成社、900円)。偕成社といえば遠野一実さんの「双晶宮 上・下」(偕成社、各980円)や紺野キタさんの「ひみつの階段1」(偕成社、880円)を刊行しているファンタジックな漫画ではちょっとは知られた出版社。だけど「サイコグラフィア」はちょっち「ガロ」的、近藤ようこ的、山岸涼子的、高橋葉介的ででもどれとも全然違うホラーな作品集。なかなかに脳味噌をかきまわしてくれて面白い。

 北村薫さんの「朝霧」(東京創元社、1400円)を購入、いつもながらの蘊蓄ぶりにはややもすれば辟易させられるけど、しっとりと情感たっぷりな描写にはやっぱり惹かれてしまう。三省堂で購入したので5月2日に開かれるサイン会の整理券がついてきた、ので2日には多分行列に並んでます。そーこーしているうちに短評用の本が届く、おー今回はまた難しいセレクトだねえ。仕事の関係で残念ながら「パーフェクトブルー」関連のトークショウには行けず、まあいずれ今敏さんのホームページでリポートが載るだろーから、どんなやりとりが出たかが綴られるのを楽しみに待ってまーす。


【4月15日】 「スウォッチ」ブームも今は昔で、新型が出るからアーティストシグネチャーが出るからといって、スウォッチショップの前に徹夜の行列が出来たなんて話も終ぞ聞かなくなった。むしろ「Gショック」の方がよほど人気があるよーで、限定品なんてことになるときっと目の色かえて買いに走る若いお兄ちゃんお姉ちゃんが出るんだろーし、レア物なんて「スウォッチ」の「キース・ヘリング」もきっと顔負けなプレミアム価格で取引されているんだろー。例えば「イルクジバージョン」とか。何せ今や「イルクジバージョン」って銘打つだけで、フィギュアだってまたたくまに売り切れてしまうんだもん、ってのは1月のワンダーフェスティバルで販売された村上隆さんの「プロジェクトKO2」のボーメさん原型6分の1フィギュアの話ね。

 それに気を良くしたからって訳じゃないだろーけど、村上さんが「イルクジ」ならぬ「DOB君」バージョンの時計を作って売り出すことになった。企画したのはワーカホリックスって会社で、聞くと「Gショック」並みに人気が出始めているシチズンの「インディペンデント」を原型に、文字盤にDOB君が踊り真ん中ではDOB君の目をプリントした円盤の秒針が回転し、裏蓋に今回のために描き下ろされたDOB君が刻印された、ってなDOB君づくしの時計になるそーな。何せケースまでが耳の付いたDOB君の形になるってゆーから、こりゃもーDOB君ファンなら絶対に買わずにはいられない。っても「インディペンデント」集めてるよーなストリートな男の子女の子の中に、どれだけDOB君ファンがいるのかは疑問だったりするけれど。

 ちなみにお値段は19000円くらいになるとのこと。「インディペンデント」よりはもちろんちょっとお高めになるけれど、それでも赤と銀色のちょっと目ウルトラマンに見えないこともないその名も「HIROPON」、カッコだけなら抜群だから、シグネチャー云々は抜きに売れてしまうかもしれず、村上隆作のアートじゃなくってボーメさん原型のフィギュアとして売れた可能性大な「KO2ちゃん」同様、あっとゆー間に売り切れてしまうのかもしれず、やっぱりアートな人たちは兄ちゃん姉ちゃんに押されて手にいれられないって事態が起こるんだ。まあそれも村上さんらしーけど。

 ちなみに5月からアメリカで人気のファッションブランド「X−Large」がロスに持っているギャラリーで開かれる展覧会「HIROPON SHOW」に展示されて、先行予約販売されるってことらしーので、確実に手に入れたければまずはロスにゴー、だな。企画した会社の人は999本の限定本数がぜーんぶアメリカで売り切れてしまうなんてことはないから、7月上旬からの「X−Large」ショップとかギャラリーでの販売を待てばいいよ、って言っていたけど、やっぱねえ、あのフィギュアの騒ぎを見てるから、こっちも予約で売り切れてしまうんじゃないかって、ちょっと心配になっている。うーんどなたかロスまで予約に行く人いませんかあ。

 さっさと原稿を書いて東小金井まで飛ぶ。東小金井と言えばアニメスタジオがあるところで、どーゆー気を回したのかブエナ・ビスタ・ホームエンタテイメントが、ビデオシリーズ「ジブリがいっぱいコレクション」の1本として、あの空前絶後な大ヒットアニメ「もののけ姫」をいよいよビデオ化して6月26日から発売することになったので、その発表をジブリでやりましょうってことになり、はるばる東小金井まで出向かされたって訳だ。到着してしばし待つと現れたのがブエナ・ビスタの星野代表とそれからジブリを仕切る鈴木敏夫プロデューサー。片や珍しく背広にネクタイ姿の星野代表、こなたチェックのシャツにコットンパンツに裸足で雪駄の鈴木プロデューサー、髭でいっぱいの顔といー、とても「スタジオジブリ・カンパニー」の「プレジデント」の要職にある、どえりゃーエラい人には見えない。

 おまけに座ると片方だけ雪駄を脱いで椅子の上で片方だけの胡座をかき、途中からは両足を椅子の上にあげて敢然な胡座をかいて会見するんだから、そのくつろぎ具合といったらまるでわが家の炬燵の中。よく見ると雪駄はかかとの部分がすり切れていて、相当に履き込んでいる感じが出ていた。いったい何年物、なんだろー。さて会見は星野代表から全米での「もののけ姫」公開に向けた声優選びへと話が進んで、既報のよーにレオナルド・ディカプリオをアシタカ役にしたいってなミラマックス(配給会社、ね)の工作が、今も米国で進められているとのこと。ほかにモロ役にグレン・クローズ(「101」のクルエラ・デ・ビルは最高だったね)が挙がっていたり、ジコ坊役にロビン・ウィリアムズかジム・キャリーかダニー・デビートが候補となっていたりと、ハリウッドの一流どころの俳優が起用される見通しで、徳間社長お得意のラッパだけじゃなかったんだってことが、はじめてわかってちょっと安心した。

 鈴木さんに言わせれば「映画は映画館で見て欲しいし、作る側も映画は映画館で回収できることを1番に考えて作らなくっちゃダメ」らしく、それは過去にジブリの作品が結構良い値段でリリースされたことからも分かるけど、「もののけ姫」に関しては「もう回収しちゃったから、ビデオはまあおまけみたいなもの」になっていて、だから僕たちは昔みたいに1万2万って値段じゃなく、4500円の映画としては安い値段でビデオを購入できることになる。目指す本数は500万本ってゆーから豪毅だけど、あれだけの小難しい内容ながら、あれだけの動員数をあげた映画だもん、もしかしたらってな気がしないでもない。500万本のビデオ、タテに積み上げたらいったいどこまで達するんだろー。

 但し鈴木さんはここでもしっかと釘をさす。それは「映画を見ていない人にビデオを買って欲しい。それは『もののけ姫』を劇場で見た1330万人がさらに広がることになるから」。それにはテレビではやらないってことにしないといけないけれど、さて日本テレビはいったい何時「もののけ姫」をテレビで流す? あと「最近の映画館は上を2割もカットしたりドルビーとは名ばかりの酷い音声を流したり。ビデオの方がよほど映画に近い形で見ることができる」とも話していて、空前の大ヒットに作品良ければ客は来る、なんんて勘違いする劇場が増えやしないかってな前に取材した時に鈴木さんから聞いた懸念が、いよいよ現実になりはじめているのかもってな印象を持った。勝って兜の緒を締めよ、だな。

 会見が終わってからジブリ内を見学、これだけでもわざわざ東小金井までやって来た甲斐があったってもんだ。まずはCG関係の設備がある1階から回ると、奥の方で色がいっぱい描かれたチャートを周囲に配置して横に絵の具をズラリ並べたちょっと年輩の女性が若い人にあれやこれやと指導している。おお彼女こそがジブリを色で支えた保田道世さんだと感動の眼差しをおくるも、向こうを向いてたから届かなかった残念。奥に向かってふと壁を見るとコンピューターの配置表が張ってあって1台1台のコンピューターにそれぞれ名前が付けられていた。例えば「アシタカ」とか「エボシ」とか「パズー」とか「シータ」とか。ちょっと大きいコンピューターが空調の入った部屋にあって、1台にはやっぱりな「ししがみ」の名が。けどもう1台につけられていたのが何故か「やまだくん」だったりして、そーかいまや「やまだくん」はジブリにとって「ししがみ」以上のウエートを占めている存在なのかと、妙なところで納得してしまう。

 その「やまだくん」、スタジオのあちらこちらに設定が張り出されていたり原画が描かれていたりしていて、「ますます製作快調!」ってなところを見せていた、けど今もって正式な製作発表はなかったんだよな。いしいひさいちさんが漫画で描いたカレンダーが貼ってあって、思わず剥がして持って帰りたくなった。ほかには原画動画のいかにもスタジオな2階では、「玉繭物語」とか「Bマンビーダマン」とかを描いている人がいて、「もののけ姫」の終わったジブリでは、外からの仕事を受けて間をつないでるんだとゆーことを実地で見ることができて勉強になった。屋上に上がってトリケラトプスのレプリカを見て良い風にあたって、ああこーゆー環境で人はゆとりってのを味わえるんだと淀んだ空気に雰囲気な、我がオフィスとの差を思い途端に気が滅入る。せめて住環境だけでも改善しないと、神経がすり減ってしまうなー。もうすこし広いところに引っ越そーかな。


【4月14日】 4歳から東京に(千葉だけど)に出てくる24歳まで住んだ家が夢に出てきてそれも改築する前のまだ小さかった頃の玄関が夢に出てきてそこでなにやら得体のしれないグチャグチャしたものをナイフで刺しても刺しても死なず次から次へと似たようなものが出てきて始末におえなくなって目が覚める、びっしょりの汗と高い熱が体調の悪さを示しているけど見た夢が意味するものは結局分からず、4月になって精神が不安定になっているのか何か新しい事が起こる前兆なのか。今晩寝るのが実に楽しみ、だって所詮は夢だもん。

 とはいえ寝起きの悪さは否めず時間ギリギリに飛び起きて電車に乗ろうとしたら両国駅と浅草橋駅の間の鉄橋に人が登って電車が徐行運転しているとの報。「ええい落ちてしまえ」と鉄橋につながった線路に向かって毒念波を送りながら、それでも電車は止まってはいないと知ってとりあえず電車待ち、やがて来た電車に乗って地下鉄へと乗り換えて一路六本木アークヒルズにある全日空ホテルへと向かう。エレベーターで36階に上がって案内に従って記者発表の会場へ。何でも新しいゲーム専門店の団体が出来るとかで、どないな人たちがてぐすねひいて待っているのかと中をのぞくと、以外や見た目もたぶん実年齢も結構若い人たちが、代表者としてズラリ並んで待ち受けていた。若い業界だけにやっている人も若いのかと、怠惰に歳を喰って来た我が身をちょっとだけ反省、でも苦労してそーだし、真似するのはいーや。

 明響社とボックスグループとスパイスコーポレーションとコンググループの、専門店をチェーン展開している4社が集まって設立した団体はその名も「TVゲーム専門店協会」略称「ACES」。いわゆる「ARTS」がゲームの中古販売を違法ではないと行って展開しているのとは対称的に、ゲームメーカーの考え方に従って中古の販売に消極的な4社が集まったといえば分かりやすいかもしれず、実際記者会見では集まった記者から、中古販売をやるのかやんないのかやんないならどうすんのかCESAとは何を話し合うのかARTSとの関係はどうなのか云々の、中古問題1点にほぼ集中した質問が浴びせかけられた。もっぱら質問してたのはN本K済新聞の兄ちゃんだったけど。

 これできっと新聞には「ゲーム小売店に新団体 中古問題で業界分裂 メーカーとの協調打ち出す」とかなんとかいった見出しが踊って、ゲーム業界の1戦この中古問題の攻防にアリ、なんて見方が経済界一般に伝わってしまうんだろーなーと思いつつ、会社にかえって似たよーな原稿を書いてしまう嗚呼新聞記者のなんとゆー事大主義で視野狭窄で一点豪華でトラブル大好きな人種のことよと嘆息する。見方するつもりじゃないけれど、新団体が結成されたのは何も中古問題の解決「のみ」を目指してのものじゃなく、地域密着で品揃え抱負な専門店の存在が、ゲーム業界にとって必要なことを踏まえた上で、ならば専門店が生き残っていくためにはどーすれば良いかを、メーカーといっしょに考えていこうってこと、じゃないかと思う。

 明響社の人が言っていたのは、仮に今のまんまで専門店が死に絶えて、メガストアに量販店にコンビニばかりの世界になってしまったゲーム流通の世界では、これからでっかくなる可能性を秘めたメーカーが、最初に数万本を作って売ろうと思っても売る場所がない、ってなことになりかねないってこと。すでに宣伝やユーザーへの告知といったの面で、大メーカーと中小メーカーとでは資金力の格差メディアの反応の格差といった現象が起こっているけど、それに流通チャネルにまで及んだ暁に、到来するのはどんな世界だろー。

 決してゲームのファンじゃないけど、出版社が大手だけになってしまった世界を想像すればその恐さってのも何となく実感できる。「AERA」の飯野賢治さんの表現といー、昨日のゲーム学校での子供に諭すよーな先達たちの言葉といー、なんか先行き、暗澹とするものがあるなー。このままだとホント、再来週あたりに某誌に短評が載るかもしれない「超クソゲー」が、続々々巻あたりで取りあげたくなるよーな個性的なゲームが、生まれ売られる素地がなくなってしまうかも。っても大メーカーが大資金力投じて作ったソフトにも立派に「クソゲー」はあるんだけどネ。

 しかし当面の問題はゲーム業界の中古問題でもなければ支払い不能で止められてしまったPHSでもなく、例の写真集をどーやって15日の発売日初日にゲットするかとゆーことで、目覚ましを5つ6つかけて早起きして書店にならぶべきかそれとも今から徹夜でならぶべきか、悶々としつつもちょっとだけ下心を持って夜までやってる銀座の本屋で、行くとおおこれはなんと写真集ではありませんか。1も2もなく4500円(税別)を財布から抜き出し支払ってゲット、これで今晩の晩酌はしっかりと、良い夢もみられそーだとウキウキ気分で家路につき、かえって袋から抜き出してページをあけると・・・・。

 そこにはなだらかな、本当になだらかな大地が写っていた。山はない、従ってもちろん谷もない、ただ草だけがたなびく、南アメリカの突端に広がるパンパとも、アフリカの大地に広がるサバンナとも形容できる平原が写っていたのだった。嗚呼。タニマニアを自称しながらも裏ではロリコンを自認する某氏にとって、これほど素晴らしい写真集はないけれど、大河内志保はじめ本当に山が好きそーな某助教授(未確認)にとって、いかな価値を持ち得るのか、反響を刮目して待ちたい。しかしねえ、これじゃー「SADA」に「不夜城」、降りた訳も分かるよなー。


【4月13日】 バンダイが浅草でやっている「ウルトラマン倶楽部」に関連の取材。本社で話を聞いた後で、てこてこと歩いて「ROX」4階に上がるとそこんは煌めくばかりのM78星雲が広がって・・・はいなかったけれど入り口をくぐった仲にこぢんまりと広がるウルトラマン・ワールドには、ウルトラマンの関連グッズが山と積まれて寂しいフトコロをさらに寂しくさせんと猫なで声を出していた。けど流石にショップで使われた金額としては過去最高だったとかゆー4万円を超えるほどに金を突っ込む訳にもいかないので、隅にあったプリネームで「タニグチリウイチ」名義の名刺を作成して名刺入れに入れておく。間違えて配ってしまったどーしよー。まあ似たよーな物だからいーか、表も裏も。

 日曜日付けの読売新聞、だったのか違うかもしれなず自信はないけど週末の新聞の家庭欄に、ファッションショーの招待状に代わった物が増えてるって記事に使われていた写真に仰天。黒いひじきみたいな紙の詰め物をした透明ケースの仲にパンツ1枚の人形を入れた招待状ってのがあって、広報担当者の「どんな服が登場するのか、想像をめぐらしてほしいというデザイナーの思いをこめた」ってコメントを紹介していた。なるほど、と感心する一方で使われている青い髪、赤い目の人形が服を逃がされた綾波レイにしか見えず、これは「ビューティー・ビースト」(ブランドの名前)、タカラかどっかからまとめ買いしたなと想像し、こーゆーレディメイド的なフィギュアの使われ方が、果たしてフィギュアのファンの人、あるいは版権をおろしてるガイナの人たちにどー思われてるのか気にかかる。もらえた人はほんと、ラッキーだけど。

 取材が進んでいると噂には聞こえていた、朝日新聞社は「AERA」の連載「現代の肖像」にワープの飯野賢治さんが登場。インパクトのある風貌とエキサイティングな言動をもって、ゲーム業界のスーパースターあるいはカリスマととなった飯野さんの、ふくらむだけふくらんだ、あるいはマスコミがふくらますだけふくらませたイメージと、販売本数とゆーシビアな数字に照らし合わせた場合、確かにトップクラスではあるものの、ミリオンセラーの1本も持たない、ワン・オブ・ゼムのゲームクリエーターに過ぎないという現実とのギャップに、どこまで切り込んでいるのか注目していたので朝イチで買って読んだ。

 けど、飯野さんが登場して来た背景と、一躍脚光を浴びるにいたった「エネミー・ゼロ事件」、それから生い立ちとゲーム作りとの関係について踏み込んではいるものの、批判とか非難といったネガティブな評価は下していないし、そういった意見を持った人のコメントも掲載していない。紹介しているのは、ゲームアナリストの平林久和さんやゲーム作家の飯田和敏さんの、飯野さんが持つ作家性とか純粋さを裏付けるコメント。今の立場を得るために相当な苦労したんだな、他のクリエーターには無いものを持っている凄い人なんだなって印象を、たぶん読む人に与える記事になっている。

 それでもセガ・センタープライゼスとの蜜月を証明するために、飯野さんが喋った「入交さんとは週3回会ってます。大きな会議にも呼ばれます。大川功さんとも仲がいいですし、アスキーの廣瀬さんも・・・・」を紹介したあたりに、飯野さんの凄みを伝える裏にその立場の危うさを示唆しナよーとしているよーな気がして仕方がない。この言葉からは確かに、飯野さんがそれほどまでにセガ(あるいは入交さん)に心酔してるのが分かる。でも一方で、大人の人たちを満足させるために何かを失ってはいないかとという点が、どーしても気になって来る。

 例えばそーだな、自分の担当している作家が「オレはオタクの社長と会長と副社長と懇意でね」と言われた時、編集者はその作家が出して来る作品が酷くても果たして正直に「ノー」と言えるだろーか、という疑問。あるいは自分もそーだけどブンヤが企業に取材に行って、「そういえばオタクの社長とは学生時代からのポン友でね」と言われた時、いっさいの圧力も感じないでいられるだろーか、という自問。いられるとしたらよほど信念が強いか、それとも信念が無いかのどちらかで、たいていはそれを暗黙のプレッシャーと思って、相手の言うなりに事を進めてしまうだろー。だってそのほうが安全だもん、さらりまんとして。

 お墨付きを得て自らが作る物にはすべてオッケーと言わせるようなシチュエーションを作り出したのは、たとえ意図はしていなくても正しい戦略になっている。でもお墨付きという暗黙のプレッシャーを与える人たちの、企業人としては有能でも、1人としてゲーム好きには見えないシチュエーションから、送り出される作品がはたしてエンドユーザーの、心底からのニーズに答えているものかどうか、やっぱり判断に苦しむ。5月23日にはいよいよもって「Dの食卓2」が発表され、セガとの蜜月もなおいっそう深まるだろーけど、それがハンディとならないくらい、つまりは上だの下だの四の五の言わせず現場を圧倒してしまうすっげー作品を、是非とも作って欲しいし作らなくっちゃいけない。出来る、かな。

 記事を見てキレてるかもしんないと、飯野さんが出席すると聞いていたコナミのゲーム学校の入学式をのぞく。今をトキメく人たちの話をタダで聞けるんだもん、こーゆー時だけはこーゆー商売やってて良かったって思う。録音したら売れるかな。それはさておき、入学式ではまず最初に、飯野さん以上にセガとは蜜月な赤い会社の王子様が来賓として登壇。そこで喋った言葉に、飯野さんとは違ったプロ意識を感じて、さすが大人は言うことが違うと関心する。曰く広井さん、33歳でゲーム業界にデビューするまでに、たくさんの血の涙を流して来たけれど、それを見せるのは絶対にだめ、だってゲーム業界ってサービス業なんだから、お客さんががいてそれを楽しませるためには何人死のうが何人倒れようがそれを外に伝えることはない、出来たもんだけが全てってことらしー。

 その後に登壇した飯野さんは、昔はコンピュータ扱える人間が珍しかったから、ちょっと出来ればゲーム業界に入れたけれど、今はこーゆー運の使い方ができなくなるって喋ってた。それから評価される作品がない学生のうちは、みんなで誉めあって伸ばしていこーと喋ったことも、どこか批判を許さないところがある飯野さんの、良く言えば優しい性格があらわれているよーに思った。飯野さんが何年も講師の仕事をやって来て感じたのは、伸びるのは友達の多い人ってことらしく、だからどこか暗い雰囲気の漂っていた学生に向かって、このままじゃー全員ダメになるぞって脅してた。これも真理、だけど世の中誉めてくれる人ばかりじゃ絶対になく、そーした声をいかに血肉にしていくかについて、飯野さんならではの処し方を聞きたかった気もする。まータダで聞いてるから無理なことはいわない。


【4月12日】 夕方から寝入ってしまったため目醒めた夜の12時から、朝方までせこせこと趣味の方の原稿書き。ながらこーゆー時に持ってて良かったDVDで「20世紀ノスタルジア」を多分3回目の観賞、橋の上で「たーいむましんいのーおってー」と突然歌い出す圓島と広末の、ミュージカルってる場面には相変わらず唐突だなーと赤面しつつも、広末演じる遠山杏にとっては遊びだった夏の自主映画の撮影が、圓島演じる片岡徹にとっては自分の居場所を探して悩み、癒しを求めてさまよう行為だったと分かった後で、杏が徹に寄せた思慕が単なる同情だったのか、それ以上の恋愛感情がこもったものだったのか、続くシーンをハッピーなエンディングまで見ながら考えて、結局結論を出せずにビデオを終える。

 多分恋愛感情に近いものはあったとは思うけど、へんてこりんな言動の少年が悩みを吐露したらなびいた美少女がいた、ってのは普遍からほど遠い言動と分かりながらもそう言い振る舞ってしまうキレた人間にとって、とにかく心強い事実と受けとめたい衝動にかられる。けど普遍から外れる行為の背後に、人から注目されたいってな邪(よこしま)な打算が垣間見える者にとり、真剣さゆえに普遍から外れてしまってなおも突き進む徹の行為を、そのまま同じと受けとめて良いかは難しく、それが美少女になびかれるか、あらゆる人間から疎外される(というより自閉する)かという彼我の差となって今に至っているのだろうと、納得しつつ床に付く。

 ムズカシい事を考えすぎたのが良くなかったのか、見た夢がこれまた素っ頓狂で、何故か「SFセミナー」の会場に着席して講義を受けている自分の前に、ゲストとして招かれたという「SFマガジン」でも写真を掲載させなかった作家の恩田陸さんが登場、とあって注目したら現れたのが身の丈2メートルには達しようかというずんぐりしたプロレスラーも吃驚な兄ちゃんと、小さいけれどどこか凶悪な雰囲気を持った兄ちゃんの2人組。背後には巨大なラグビーボール状のバルーンが浮かび、歓迎を意味するよーな文字が描かれいている。おそらくは5月3日に開かれる現実の「SFセミナー」に、実物の恩田陸さんが招かれて大森望さんと対談するって案内を読んだから見た夢だとは思うけど、おそらくは妙齢な恩田さんを、何故にプロレスラーまがいの巨体と夢に見たのか今もって謎。ともかくも夢を良い意味で破壊するために、「SFセミナー」には頑張って出て実物に合い見えんと思った次第。実物も・・・だったらどうしよう?

 目覚めたら昼だ。お腰に吉備団子色の「ポケットピカチュウ」を付けて昨日をほぼ同じルートを辿って新聞を買い缶珈琲を飲み東武百貨店上の旭屋書店をなめ、おもちゃ売場で「ポケットピカチュウ売り切れ」の張り紙を見て悦に入りイトーヨーカ堂で食材を仕入れて帰途に着く。歩いた総歩数およそ4000。距離に直せばきっと1キロメートルにも満たないけれど、1000て数字は見るとそれだけで運動した気にさせられるのが有り難い。例えばこれが数100だったら、ガックリ来るところだろー。だから無理でも在宅勤務の方々は、近所をふらりと散歩して数字を数1000から頑張って1万までに上げてしまおー。いったん上げてリセットしなければ、ずっと1万台の数字が見られて見た目運動した気になる、だろーから。

 「スミレ大戦2」をやっとこ第11話までやり継ぐ。クリスマスの場面でおよそ4人に絞り込まれた候補者の中から、選ぶのはやっぱり神崎すみれだった辺りが、美人で金持ち家着き高ビー、にどこか弱い性格を証明しているよーで恥ずかしい。でもねえいくら何でもレニは選べんでしょー、さすがにショタ(「SPA!」流なら女ロリコン、ってことか)る訳にはいかんし、ってホントはショタでも無さそーだけど。幸いだったのがカンナが残って無かったことで、もしもクリスマスの劇の主役にカンナを選んでしまったら、演じられる舞台の中央で聖母様の扮装をした筋肉が、画面に映し出されることになっただろー。一応主役を選ぶ直前のデータはセーブしてあるから、気力があれば「サクラ大戦2」もプレイしてみよー。「織姫大戦2」にするにはちょっち遡って親密度上げないといけないから、気が向いたら夏にでもヤリ直し、してみるか。

 しかし長いぞ「スミレ大戦2」、は個人的なタイトルだから正式の名前で呼ぼう「サクラ大戦2」。ただでさえ花組が7人に増えて攻撃が長くなつってーのに、戦闘場面がやたらと長かったり1話に2回もあったりして、1話を終えるのにたいてい2時間以上はかかってしまう。1本の映画が見られる時間で、話が10分の1も進まないってのが遊びとして適正か否か、後になって疑問に思ってはみるもののプレイしている時間は結構時間が過ぎるのも忘れてボタンを押し戦闘指揮を執ってる自分がいて、本も読まずテレビも見ずスポーツもしないゲームが好きな人にとって、これくらいの時間ってのは費やして当然むしろ短すぎるのかもしれないと考える。未だ手つかずの「ギレンの野望」はさらなる時間を必要としそーで、ハマれば海路の日和あり、全ての時間を費やして取り組むことになるのかと、一方に積み上がった本の山、仕事の山を見て溜息をつく。時間、欲しいなー(プラスお金も、だけど)。


【4月11日】 近所でヤングアダルト漁り。あちこちの書評で評判な「ブギーポップは笑わない」(上遠野浩平、メディアワークス、550円)みたく、新鋭の新刊がぽこっと発売されているケースがあってなっかなか目が離せないけど、大半はシリーズ物の5巻とか10巻とか60巻(は違ったこれはヒロイック・ファンタジーだった)だったりして、今さらちょっとね時間がなくってお金もないからと、手にとってそのまま棚に戻すってことが多い。

 時には気分が高揚して(魔がさして)、氷室冴子さんの「銀の海、金の大地」の7巻あたりまでを一気読み、なんてやってしまうけど、これは実家に帰省した正月の、退屈がなせる技であり評判を記したレビューに惹かれた故のこと。同じく評判の小野不由美さんは「十二国記」シリーズ一気読みも、いつかやってみたい気持ちがあるけれど、退屈な正月は怠惰さに流され、退屈な夏休みは多忙さに潰されなかなかチャンスがめぐって来ず、未だ成し遂げられずにいる。今度のゴールデンウイークあたりが近い挑戦のしどころだけど、ほら最近はゲームとかってあるでしょ、それが惜しみなく時間を奪ふ、我死にたまふ、なのです。

 で運良く見つけたたぶんシリーズ最初のスタートってのが中追貴六さんって人の「クラック・ウィング」(小学館、543円)って本。魔法と科学が融合した世界で全身を包み込むバリアブルギア、じゃないパワードスーツに身を纏った少年少女(一部じいさん)が血煙たててバトルする、って描写が加崎善彦さん描くイラストと相まって、脳味噌を興奮の坩堝に叩き込んでくれる。1巻とか銘打たれてないところを見ると、これがツカミで評判が良ければシリーズ化、ってことになってるんだろーと思うけど、とにかく書き尽くしたいって思いからなのか、説明があんまりない割に情報が詰め込み過ぎに詰め込まれていて、初読はちょっと戸惑った。

 何よりこれからって場面で終わってしまっていて、読後に欲求不満のたまること。日頃たまった欲求を名実ともに爆発させてくれる良く似た名前の中笈木六さんの本じゃないから仕方ないことなのかもしれないけれど、願わくば売れてくれて評判になってくれてシリーズ化がなされてついでにアニメ化漫画化、なんてことになってくれれば謎だけど魅力たっぷりな世界観がつまびらかにされて、欲求不満もさっぱり解消、なんてことになってくれるんじゃないかと思う。表紙絵バージョンの鬼姫とロシア帽姿の那瑠のフィギュアがちょっち欲しまり。冬フェスあたりで誰か作ってくれないかな。

 お腰につけた吉備団子色の「ポケットピカチュウ」は、それでも3000以上を刻んでいるから人間結構歩くものだと関心する。これが1日部屋にこもって絵を書き続けている漫画家さんとか字を書き続けている作家さんとか、ゲーマーとかモデラーとか映画評論家とか書評家だったらいっと1000歩にも及ばないだろー。買い物ぢうよう、せめて晩のおかずぐらいは自分で歩いてスーパーまで買いにでかけましょうと、ふくらみはじめた自分のお腹は脇におき、ふくらみ続ける人々に向かって余計なことを言う。

 200グラムの粉を練って200グラムの豚コマを入れて卵2つにキャベツ8分の1をぶっこんで作ったお好み焼き、が大きすぎて食べられず胃袋と体力の衰えを知る。先週は180グラムのフェデリーニと200グラムの合い挽きミンチとカレールウで作ったインディアンスパ、を食べてなおかつ500ミリリットルのビールも飲み干せたのに、やっぱり体調不良が重なっているのかもしれない。明日は2玉の冷やし中華に卵2つ肉200グラムキュウリ1本を乗せて食べてみようかと思っているが、150グラムの大型ハンバーグ2つに300グラムのジャーマンポテトサラダに500ミリリットルのビール、とうい選択肢にも魅力があって迷う。ただ1つ確かなことは、こんなんばっかり休日の度に喰っているから、たとえ自分で買い物に行ったって、ふくらみは止まらないってことだ。ああ食欲の春(夏も秋も冬も、だけど)。


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