Last Updated 2022/6/23
日刊リウイチ
TUNAGATTEIRUNOYO
「1998-1999年lain日記」

リウイチとは誰だ?
リウイチとは奴だ!

薄い髪に伸びた髭
趣味はアニメと女子サッカー

日刊リウイチとは
そんな胡乱な野郎の日々を
無限に綴ったページなのだ

ワーニングワーニング

(ホントはただの日記です)

◎積み上げた本の数が這々の体で1800冊に達した『積ん読パラダイス』だけど記念事業もなく、これからも地味に静かに増量方針。ライブドアブログの方で『積ん読パラダイスinBlog』なんてのも作ってみたけど誰が見ているのやら。
落ち行く世界で孤独な少女がロボットと出逢い、つかの間の交流を経てそれぞれの道を選ぶ。切なくも哀しく、そして愛おしい狩野典洋の短編アニメーション『ノアのハコ庭』に全人類よ、涙せよ。
【6月27日】 用事で前橋へ。暑い暑いとは聞いていたけど折田途端にむわっと浴びせられる空気は暑いというより熱くて厚い感じ。この空気の下で生きている人はやっぱり凄い。とはいいつつ見渡すと駅前なのにほとんど人が歩いていないのは暑さを避けて引っ込んでいるからなんだろうなあ。そういう処世術が身についている。とはいえ尋ねるとこの6月でこれほどの暑さは希見るそう。何しろ今日で梅雨が明けてしまったというのだからやっぱり異常。ここからさらに暑くなっていったら10月にはいったいどれだけの暑さになってしまんだろう……というのは漫才のネタではあるものの、7月8月は群馬でなくても千葉でも相当な暑さになりそう。クーラーがある実家に引っ込むか?

 前橋まで来たのだからと名物を探そうにも駅前には店は見えず、しかたがないので駅横のビルに入っている綺麗なプロントでパスタを食べつつしばらく仕事。1階がおしゃれな本屋になっていてたいていの本が揃っていてこれが自分だったら入り浸るよなあと思ったけれどやっぱり人出はそれほどなし。中高生の姿が見えないのは昼間で授業中だったから? 授業が終わってからだといっぱいの人がやってくる? それはちょっと不明。でもアルバイトがしたくなる綺麗な店舗だった。横にはなぜか配膳ロボットとかが並んだロボットのショウスペースがあったけど、誰が見に来るんだろう。謎の前橋駅。

 せっかく群馬まで来たので高崎で本場のベスビオでも食べて帰るかと思ったものの、むわっと来る暑さにこれは歩いて店までいく余裕はないと諦め新幹線に乗って東京へ。早く帰り着いたので新宿バルト9で開催された2回目の「犬王」の無発声応援上映を見物する。前回みたいにハリセンは配られなかったけれども全開よりキンブレの持ち込みが多く、呪いの面では紫、平家の亡霊は赤といった具合に場面に応じた色を出しつつ友成の前説や犬王の舞に合わせて振りつつ手拍子も鳴らしていた。

 変化した友有から始まる音楽続きのラスト近くまでの感がそのままでは長いと思っていた人もこうやって応援できるとなるとあっという間に感じるみたい。誰も彼もが楽しかったと喜びながら劇場を出て行く。「『鯨』は歌いたかった」といった声もあって次は発声有りの屋外上映をやってくれとの声も。これは本当にやって欲しい。屋外だったら声を出しても良いのかはまだ分からないけれど。今回は字幕も出たので何を歌っているかが聞きながら見られてぐっと分かった。

 あの内容の歌詞をあの節回しでよく歌うものだよアヴちゃん。自分で作ったといってもそれは原典を知ってこそ書ける詞でそれを曲に乗せてしまえてなおかつ歌えてしまう。その凄さも応援しながらだと一体感の中に見に入ってくる感じがあるから面白い。これを経験してしまうともう応援じゃない普通の上映が見られなくなるからちょっと困った。オーディオコメンタリーをまだ見てないから。でも次もまた無発声応援上映があったら行くかなあ。とか思っていたら7月に入って我等が立川シネマシティで極音での無発声“狂騒”応援上映が開かれることが決定。他の劇場でも順次行われているけれど、場の空気も大事とするなら“特別”なシネマシティだと良い感じになってくれおすな気がする。行くか。

 「ゴーゴー・キカイダー」「進め!ゴレンジャー」「マジンガーZ」「宇宙刑事ギャバン」といった人気特撮ヒーロー作品やアニメ作品の主題歌を作曲して音楽も手がけた渡辺宙明さんが死去。あれここれもそれもどれもという感じではなく特撮とメタルヒーローが多くあった感じで「ゲッターロボ」や「宇宙鉄人キョーダイン」の菊池俊輔さんと双璧といった印象ではあったけれど、それでも今でも口ずさめる多くの楽曲を手がけた凄い作曲家であったことは間違いない。アニメと特撮の音楽を長く手がけてくれたこともありがたい限り。そんな方に政治は褒賞や叙勲や文化功労などで報いたかというとそのあたりから外れているのがどうにも寂しい。叙勲褒賞をともに得たすぎやまこういちさんとの違いは何だったんだろうなあ。それも含めて疑問を抱きつつ僕らはその楽曲を永遠に覚え口ずさむことで讃えよう。お疲れ様でした。


【6月26日】 さて始まった平尾隆之監督による新・文芸坐でのトークではやっぱり「ギョ」から「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」を経て「映画大好きポンポさん」へと至る過程での作風の変化について言及。とりわけグロテスクな度合いが高い「ギョ」についてはずっとホラーがやりたくて最初は諸星大二郎さんの作品を希望したものの通らず、それならと伊藤潤二さんへと行って作ったとか。本人はもうノリノリだったけれどもあつ日、原画の人が自分は可愛い女の子を描きたいからアニメーターになったのにこんなの描かされてつらいですと話を聞かされ、ハッと思ったという。

 アニメーションは集団作業で自分が作りたいと思っても描いてくれるアニメーターがいなければできないし、見てくれる観客がいなければ成立しない。そうしたものを無視して自分の願望だけを映像にしたところで見てもらえるものになるかといった反省もあって、「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」ではもうちょっとルックも愛らしいものにしてストーリーも大人が見ても子供が見ても楽しめるものにしたのだとか。なるほど上映された「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」を改めて見たら自分の世界での常識しか知らないヨヨが、復活の魔法が使えない世界に来ていろいろと発見をして理解していく過程が描かれていて、それを通じて自分だけで生きているのではなく、無く大勢の中に生きていることを知ることが出来る作品だとあらためて分かった。

 「ギョ」についてはスクリーンで久々に見たけれども恋人に会いたいからとひとり沖縄から危険を顧みず東京へと戻るヒロインのサイコな感じがいたたまれなかったけれど、結果として沖縄で巻き込まれずに生き残ったのだから良かったのかもしれない。でも化物に引っかかれてもウイルスが伝染せず発症もしなかったから単なるヒロイン補正だったのかもしれない。残る人たちは醜くふくれあがっては体中から異臭を発するようになって生きているのか死んでいるのか分からない状態へと陥る。そうなってしまて以後、どうやって栄養を維持してあの肉体を保っているかが気になるところ。魚だってサメから動物へと乗り換えられるなら人間が全部のっとられた先、どうなってしまうのか。そこは宇宙に出て行くのかもしれないなあ。

 そして35ミリフィルムで観た「映画大好きポンポさん」はリールを取り替える時に右上にぐるぐるっとマークが出るのが懐かしかった。わざと入れているんじゃないよねあれ。色味もおちついた感じでノスタルジックではなく東映された色はやっぱり目に優しいような気がしている。人間の目って反射はとらえても発光はとらえてこなかった訳だから。スクリーンが介在してもそこへのステップが従来に近いフィルムの方が馴染むのかもしれない。いや勝手な思い込みだけれど。そんな3本をしっかりと見て、前の押井守ナイトの時と違ってまるで寝なかったのは事前に寝ていたからってこともあるけれど、作品にちゃんと引き込むところがあったから。それだけの作品を作った平尾隆之監督が、次にいったい何を作るのかが興味津々。やっぱり映画かなあ。マイノリティがマジョリティに一矢報いる作品を、ってテーマを形にするとしたら、やっぱり前に発表していた小説「『のけもの王子とバケモノ姫」の映画かなあ。

 「RWBY 氷雪帝国」の先行配信が始まっていたので観る。なるほど「RWBY」のある意味でリメイク的な内容で、ヤンが向かったビーコン・アカデミーのルビー・ローズも招かれることになってそこで出会うワイス・シュニーやブレイク・ベラドンナがそれぞれに何をしてきたかがはっきりと描かれていたのがウエブアニメのオリジナル版とは違うところ。ワイスについては目に傷が出来るところが描かれて、ヒロインで今回はタイトルから相当に中心になりそうなキャラクターであるのにどうして傷があるのかがちゃんと空かされていた。あるいは逃げずオリジナルを尊重するといった意思が示されたとも。以下のストーリーはウエブアニメ版に準拠していて、鳥形のグリムと戦うシーンも戦い方を踏襲していたけれど、そのスピード感と迫力はやっぱりオリジナルの方が激しくて格好良くって手に汗握った。その意味でモンティ・オウムのアクション監督としての凄さが改めて分かった。返す返すも惜しい。本編はずっと先まで行っているけど「氷雪帝国」はどこまで描くんだろう。やがて訪れるビーコン崩壊の前あたりかな。観ていこう。


【6月25日】 夜に平尾孝之さんが監督した「ギョ」「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」「映画大好きポンポさん」の連続上映があるので昼近くまでぐっすり寝てから起き出して、陽が高く昇って灼熱と化した東京都内へと出て秋葉原でしばらくぼんやり。すっかりと人が戻ってきたようでどの見せに入っても行列が出来ている中、割と有名らいし中華料理屋で生姜焼きがのったチャーハンをいただく。まずまずなボリューム。牛すじや牛タンが乗ったチャーハンもあったけれど、夏バテ防止に豚肉のビタミンBが良いと聞いているので夏場は豚肉を食べることが多いのだった。

 外に出て歩いても倒れそうになるので末広町の先にある「VELOCHE」で原稿を打ちながら昼涼み。近所のお婆さんたちが連れ立ってきて喫茶店とは違い小さな席しかないなかを並ぶように座っていろいろと会話をしているのを横で聞く。公園などがないから集まって昼涼みをしながらお喋りをするようなことが千代田区ではできないんだとか。神田明神とかアーツ千代田3331とか木々が植わってそうなところはあっても大勢が集まるには不便。そういう意味で大都会に暮らす大変さというものが漂っていた一方で、集まれるお仲間がいるだけまだましとも。独居の孤独な老人はそれすらしないまま灼熱の部屋で熱中症に倒れていくのだから。

 夕方になったのでオールナイトを見に池袋へと向かう前に、TOHOシネマズ上野に寄って河瀬直美総監督による話題の映画「東京2020オリンピック SIDE:B」を見る。印象はといえば、A面が選手ならB面は裏方なんだろうという普通一般の考え方だとをあっさりとひっくり返し、とてつもないところへと着地させるた快作。そこのB面として描かれていたのは、何と東京オリンピックというもの全体を客観的に俯瞰する視線とは正反対の、東京オリンピックというものを記録する映画監督として撮影し、インタビューし、編集して音もつけて作品として世に送り出した河瀬直美総監督、その人だった。

 なるほど東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が、舌禍を理由に退任へと追い込まれた件を追った映像も、国際オリンピック委員会のバッハ会長が東京都庁を訪れた際、拡声器で叫ぶ反対派の1人に叫ばないで言いたいことを言ってくれと語りかけ、反対派がそれに応じず叫び続ける場面を追いかけた映像もあるにはあったけれど、それは「東京2020オリンピック SIDE:A」にもなんとなく含まれていたこと。違っていたのはそうした俯瞰的な視線を細かく切り取って、そこに河瀬直美総監督ならではの“ストーリー”を作ろうとしているように見えたところだ。

 渡橋オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長も、武藤敏郎事務総長も、日本オリンピック委員会の山下泰裕会長も、開会式と閉会式の総合統括を任された狂言師の野村萬斎も、後を引き継ぐことになってそして途中で降板したCMディレクターの佐々木宏も、開会式で演技を見せた歌舞伎役者の市川海老蔵も、歴史学者のエマニュエル・トッドも、あの天才的IT大臣として知られるオードリー・タンですらも発言は細かく切り刻まれて一部だけが抜き取られ、全体の流れを構成するパーツとして使われている。

 そうやって構成された映像は、例えば野村萬斎と佐々木宏が並んで会見した場面では、クリエイターが並んでいた演出家たちの個性をあからさまに非難し、CMは文化や芸術に劣らないといった具合にCM界出身であることを誇らしげに語る佐々木宏の言葉に、実に癒やそうな表情を見せる野村萬斎の映像を重ねてみせた。実際にそういった非難の心情が野村萬斎にあったのだとしても、言葉を選び映像を並べることによって河瀬直美総監督があるいは抱いている心情を、そこに乗せたのだとも見て取れる。

 自分が撮影に携わって自分が話しを引きだし自分が構成して自分が流れを作ったのだという主張。ラストに国立競技場内にあったように映されていたデジタル時計を一気に100年分進め、未来の子供たちに東京オリンピックの思い出を聞いたという体でソフトボールが金をとった、女子バスケットボールが銀をとったといった記録を語らせ、それくらいしか伝えられていないような雰囲気を醸し出そうとした作為。すべてが河瀬直美総監督の色に染められていた。

 極めつけが、エンディングに流れた河瀬直美監督による作詞と作曲がなされた「Whispers of time」という楽曲だ。その歌が河瀬直美総監督による歌唱といった可能性も浮上する中、当初は藤井風による楽曲が使われる予定だったものを取りやめて、違う楽曲を使ったところに何か作為があった結果と見ると、作為のベクトルも見えてくる。河瀬直美総監督。それがB面のすべて。オリンピックを取材する河瀬直美総監督。オリンピックを考える河瀬直美総監督。オリンピックを伝える河瀬直美総監督。そしてオリンピックを歌う河瀬直美総監督をとらえ、映し出した映画として「東京2020オリンピック  SIDE:A」は存在した。

 それを国際オリンピック委員会からの依頼を受け、堂々と作り出してしまえる凄みはレニ・リーフェンシュタールも市川崑も持ち得なかったものだろう。そこに対する嫌悪はない。あるとしたら、東京オリンピックの開会式に演出家として招かれ、そして降ろされた振り付け家のMIKIKO先生が映画の中で語っていた、何もないという言葉そのままの虚無感か。どれほどの時間と資金をかけ、それほどの虚無感を作り出した映像作家の未来に、贈る言葉も無言、それだけだ。


【6月24日】 クリス松村さんがパーソナリティを務めた「9の音粋」に収録でインタビューに答えた山下達郎さんが、「OPPRESSION BLUES(弾圧のブルース)」について触れていて、別にウクライナの情勢を受けて作ったものではなくてそれ以前のたとえばアフガニスタンであったり、ISであったりミャンマーであったり香港であったりといった各地で起こっていた紛争で、自由が抑圧され人々が弾圧されている情勢を訴える意味合いで作ったものだと話していた。

 それが今という時期にウクライナ情勢と重なるように世の中に登場したことを先見性と見るべきかは迷うところ。それより過去の出来事が現在も進行している上に新たな悲劇が加わっていることを嘆くべきなのかもしれない。歌って何かが変わるとは思えないけれど、感じることで変えられることはあるかもしれないと思うしかない。だから歌い続けたいのだけれど「WAR SONG」と違って楽曲的にあまり格好良くないんだよなあ。そこがちょっと残念かも。

 続く番組でShusuiさんって音楽プロデューサーの番組にも達郎さんがコメントを寄せていたのがちょっと意外で、クリス松村さんなら昔から付き合いがあるから出ても分かるけれどもそうではないShusuiさんがなぜと思って聞いていたら、どうも父親が達郎さんと深い関係を持つ人で、息子のShusuiさんも子供の頃からいろいろと音楽面でのアドバイスを受けていたとか。いったい誰が親なんだと調べてShusuiさんの本名が小杉周水と分かって納得。小杉理宇造さんでありました。

 書記のRCAの頃からアルファレコードに移籍しアルファムーンを立ち上げムーンレコードとなってそしてスマイルカンパニーといった具合に、達郎さんとずっと併走してきたプロデューサーで事務所の社長も務めた間柄。それなら出ても不思議はないか。そういう音楽的なつながりが今に生きるのを七光りと見ることは簡単だけれど、演技とかとは違って音楽はそれでは生き残れない世界でもあるし、おおっぴらにしている訳でもないのでShusuiさんの実力なんだろう。認めるしかないなあ。

 三鷹でいろいろと仕事をしてから家へと戻る途中のイオンシネマ市川妙典で「映画 鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」を見る。栗山千明さんが素晴らしすぎた。髪型といいスタイルといいまさしくヴィクトリア・アームストロングそのもの。割と厚めの唇が大きなスクリーンにしっかりと映し出されるのを目の当たりにできるだけでも意義のあった配役であり実写映画化だったと讃えたい。それ以外だと前編にも登場していた弟のアレックス・アームストロングを演じた山本耕史さんの似せっぷりも良かったけれど、あのボディは本当に鍛えたものかそれともCGIで足しているものかがちょっと分からなかった。やっぱり足しているのかなあ。

 映画自体は原作漫画の名場面を実写で再現してみました的な感じで筋はあっても物語はないといった感じ。ある意味で飛び出す絵本に近いところがあった。その飛び出しぶりが素晴らしいから原作ファンもアニメファンも納得して見ていられるといったところだろう。シンの王子のリンのそっくりぶりは前編から変わらず、そこに加わったエドやアルの格闘技の支障、イズミ・カーティスの似せっぷりが完璧で前屈みになった際の谷間のなまめかしさともども栗山千明さんおヴィクトリアと双璧を張っていた。ほかヴィクトリア配下のブリッグス兵も良いでき。あとは寺田心さん演じたセリムの芸達者さが醸し出す憎々しさも良かった。殺されず延命されたのも良い配慮。そうした役者を見る価値はあるというだけでも、作られた意味はあったかな。

 コラムニストの小田嶋隆さんが死去したということで、雑誌時代からネットへうつっても切れあず鋭く舌鋒も盛んなコラムを結構書いて読まれてた。最近は政治だとか社会に関する発言で諧謔もない生身がむき出しな感じもあって敬遠され気味ではあったものの、届くそうにはしっかりと刺さっていた感じでそうした人たちが悼んでいた。安倍総理とかを讃えるばかりの言論界にあってからかいつつ批判できる不壊では案配の絶妙者も含めてお手本だった。真似する間も開くコラムニストという職種が遠からずなくなるんだろうなあ。残るのはオフィシャル引き打つしの宣材転載半くらい。喪われていく多様性にしんみりと残念会をしていこう。1人で。

【6月23日】 「エスタブライフ グレイトエスケープ」が最終回を迎えて「逃げれば良い、逃げれば分かるさ」というアントニオな明言も飛び出してザ・マネージャーことMのとんずらを逃がし屋たちが手助けし、消滅したサンドリヨンの似姿を持ったMをどこかへと連れ出してまずは一件落着。指名手配になっていたのもリセットと同時に解除されたのか気になるし、エクアのフェイタルラックがMの演算の賜だったとして、それも維持されているのか気になるところではあるけれど、その後に秋葉原クラスタへと現れ、前に逃げなかった男子をどこかへと逃がしたところを見ると普通に逃がし屋家業に復帰したって言えそう。

 そのまま話しは続けられそうだけれどとりあえず一件落着として次は発表となった谷口悟朗監督による劇場版「エスタブライフ」の2023年公開を待つことになりそう。それまで話題が持つかが心配かといえばTOKYO MXで7月から放送をスタートさせるそうで、ほかにも配信プラットフォームに提供を行いこれから3カ月間はしっかりと話題をつなぐみたい。3月からFODで先行配信を行ってこれで7カ月間は何かと取りざたされる環境を作ったところがなかなか上手い。一挙配信で2週間しか話題がもたないアニメも多く3か月放送されても3か月後には誰も覚えてないような状況も問題視されている中で、こうやって地道に繋げる努力がちゃんと効果を発揮するか。気にしていきたい。

 午後のオンライン会議とオンラインインタビューに供えて家で待機している間、AbemaTVで大谷翔平選手が登板したカリフォルニア・エンゼルスとカンザスシティ・ロイヤルズの試合を見る。投げては次々と三振を重ねて最終的には13奪三振と個人として過去最高の数を誇ったとか。前日に個人として1試合最多の8得点を刻んでおいて次の日に投手として自信最高を成し遂げるなんてもはや漫画を超えた奇跡の領域に達してたりする。MLBのサイトもそんな大谷選手の“偉業”をサイトのトップ記事で伝えてたりするからやっぱりアメリカ人にとっても漫画を超えた何かなんだろう。そんな試合を間近に見られるアメリカ人がやっぱり羨ましいなあ。これで大谷選手は6勝目。オールスター前でこれならきっと後半もしっかりと投げて10勝を超えてくれるだろう。それで本塁打も30本とか達していたら改めて奇跡の選手として刻まれそう。見守りたい。

 bayfmに山下達郎さんが出演して「SOFTLY」のジャケットについて話してくれた。なぜ肖像画みたいな絵にしたのとクリス松村さんが聞いたらずっと肖像画を描いて欲しかったと思っていたところに、アルバムの話があってそこでヤマザキマリさんにお願いしたとのこと。原画は2周りくらい大きいそうで見ればきっと緻密に描かれているんだろうなあ。そう思うとCDだけではなくアナログ版も欲しくなって来た。新宿のタワーレコードに行けばまだ置いてあるかな。明日公開の映画を朝一で見てついでに拾っていくなんてこと、できるかな。

 ラジオでは今の時代にアルバムなんてものはなくコンセプトなんてない時代だからそんなものはないとのこと。以前はこだわりはあったけれど、今はCDは直線距離だとかで、そういう時代にアルバムを出す意味を考えていて、パッケージなんてないとも思っていた中で出すことになったからなるほど人気曲の寄せ集め感が強くなったんだろうなあ。それでも冒頭に「フェニックス」が置かれたことでイントロ感が出てまとまりが出たような気もする。どこに奥か考えたそうだけれど結果として最初に置いたのはやっぱりアルバムというパッケージの形を意識したんだろう。そこはやっぱりアルバムミュージシャン。良かった良かった。  「LOVE’S ON FIRE」についても喋っていて、今の空気感を入れた楽曲を作ってみたかったということらしく聞くとなるほどキャッチーなメロディがあるもののその繰り返し感があって、大サビからの盛り上がり感にちょい書けるあたりが切り取られてジングル的に流れてもちゃんと伝わる今時の楽曲に重なるといった印象。BTSとか。その上で10年後に聞いてもちゃんと古びていないようにしたというからそこが何かを確かめる意味でも、10年後に聞いてみたいもの。その時に達郎さんはだいたい80歳。その時はどんな音楽を作り出すかも含めて追いかけて行こう。


【6月22日】 ポータブルCDプレイヤーを6000円で買ってようやくやっと山下達郎さんの新譜「SOFTLY」を聞く。2曲目に入っている「LOVE’S ON FIRE」のPVが公開されていて踊っているショートカットの人がなかなかに淫靡だなあと思って出演者を見たら河合優実さんで驚いた。「サマーフィルムにのって」のビート板であり「愛なのに」の矢野岬といったどちらかといえばエキセントリックな雰囲気を漂わせたオタクっぽい女子を演じていた女優さんが、お洒落なクラブでお洒落な男性とお洒落なダンスを踊っているなんて天と地ほどの差がある。それをやれてしまうからこその凄い女優なんだろうなあ。

 シティポップブームが世界的に盛り上がる中でのキング・オブ・シティポップとも言える山下達郎さんの新譜だからよほどシティポップが響いているかというともうちょっとデジタルなビートが多く被ってシティからサイバーへと浮かび上がっている感じ。雰囲気は「僕の中の少年」に近いかなあ、ってそれ以降の達郎さんのアルバムはだいたいそんなデジタルのビートが響くような雰囲気の曲が多くて、ある意味に通っていたりするからなかなか記憶に残らないのだった。そんな中でも「未来のミライ」の楽曲はちゃんと覚えているところはタイアップならではの影響力か。

 そんな中にあってシュガーベイブっぽい楽曲があって「人力飛行機」というタイトルでメンバーを見たらドラムが上原”ユカリ”裕さんでベースが伊藤広規さんでアコースティックピアノが難波弘之さんという昔ながらのメンバーだった。だから昔っぽい音がなっているんだなあ。愁眉は「OPPRESSION BLUES(弾圧のブルース)」と名付けられた1曲。かつての「WAR SONG」に匹敵する反戦と反抑圧への意思にあふれた楽曲も同じメンバーで作られていてクレジットには2022年の作品とされているからあるいは2月以降の世界情勢を折り込んで、急ぎ作って収録したのかもしれない。こういうアドリブからの発進ができるのも音楽の良さ。だからこそ配信で世界に聞いて欲しいのだけれど……。サブスクリプションではなくても提供があれば。あったっけ?

 水道橋まで出向いて気になっていた街中華で希望通りにたっぷりのチャーハンをかき込んでから「ゴールデンカムイ展」に並ぶ行列が見えるタリーズでしばらく原稿を打って、どうにか出来上がったので池袋まで行ってジュンク堂池袋本店で資料となりそうな本探し。それからイケパークへと出向いて坂本真綾さんが推奨していたHIGUMAドーナツを試そうとしたら休みだった。残念。しばらく休んで赤い10輪のイケバスに乗ってTOHOシネマズ池袋まで行きそこで「劇場版 からかい上手の高木さん」を見る。突き抜けるように明確な意思を込めて「うん」となんども繰り返すその声を聞いているだけで、肯定されているような気になって心が元気になってくる。そんな映画だった。

 原作もそれほど読んでおらずTVシリーズも熱心に見ている訳ではないので普段がどれだけ「からかい」に重点がおかれ、西片が高木さんにはぐらかされるつときおりのぞかせる本気にドキドキとさせられているかはよく知らない。映画でもそうした押されては退かれて蹴躓きそうになってぐいっと寄られてあたふたする状況が幾つもあって心を掬われそうになったけれど、そうしたシチュエーションから漂う「からかい」のコミカルさは劇場版では主従では従となって、中学3年生になってお互いを将来も含めて意識しはじめた2人が「からかい」の向こう側にある思いを汲み取って確かめ合うような展開が多くあって、より強く心を掴まれたような気になった。

 虫送りの前、真野ちゃんと中井くんとが一緒にホタルを見に行って、そして幸せな時間が訪れたことを気にかけて夜、勉強机に向かう高木さんは学校で微笑みを絶やさずに西片をからかいつづける高木さんとは違って心をしっかりと見せていた。そのシーンを受けて誘い誘われる虫送りからのホタル探しは2人がよりもっと親密になろうとして探り合っている状況が認識されていたこともあって、ひとつひとつの反応に見入ってしまった。

 夏休みに2人が会う理由を探して話し合っている場面に、どうして2人が理由を探してまで会わなくてはならないのかといった前提はもはや必要がなく、会うことのために理由を探すような関係になっていることがうかがえて嬉しくなった。その時あらわれた白い子猫の世話が2人をぐっと近づけていったけれど、迎えたある種の終焉が悲しさを誘いつつ次への力を2人に与えたのだとしたら、ハナはやはり良いことをしたと言えそうだ。


【6月21日】 電車に乗ったらアップルウォッチをしている人がいて、それも2人いて流行っていることを実感したもののその2人が揃いも揃って腕時計なのに右腕にしていてどうしてだろうと考えて、中にsuicaを入れて改札を通るときにそれをタッチするとなると左腕では手を前に交差しなくちゃいけないから不便だと、右手にはめているのかと理解する。でもそれだとリューズが手首ではなく腕の側にきて左手では操作しづらそう。そういうところも含めて考えてくれるかというと海外で自動改札で右手でタッチしなきゃいけない環境なんてまずないから、アップルも対応なんかしないだろうなあ。便利で不便ならどっちが良い? 迷う判断。使う気がないから自分がその不便をジャッジすることはないだろうけれど。

 アンナミラーズが最後に残された品川店も閉めるそうで漫画なんかに描かれた可愛い可愛いウエイトレスさんの服を直接見ないでこのまま終わりになってしまいそう。ある種、昭和の可愛いのアイコンでもあっただけに1度くらいは見ておくべきかはちょっと迷うものの、朝1番でいっても行列が出来ているらしいからもはや無理だろう。ここはだから心の中で想像した可愛らしさを永遠の中に封印することにしておこう。そういえばある意味でアイコンとなったフーターズも東京都内にあちこちあったのが今はおしなべて閉店とか。銀座にはまだあるそうだけれどこちらも行かずに終わりそう。アメリカンダイニングのアイコンでメジャーリーグにいったルーキーがその格好をさせられることでお有名だった店が日本に来た時はあれだけ騒がれたのに、濃すぎるとやっぱり遠慮されてしまうのかなあ。かといってアンナミラーズも閉店な訳で結局は衣装だけで保つ世界はないってことになるのかな。

 白金高輪で取材があったのでちょっと早めに到着して、スターバックスで時間を潰そうと思って確かめたら時間を2時間間違えていた。午後3時からなのに13時にいってしまっていて大いに時間があまったので、これならアンナミラーズものぞけたかもしれないけれど行っても行列だから入るのは無理だからと気を取り直してスターバックスでちゃかちゃかと原稿を打つ。白金高輪のスターバックスだからさぞや意識の固いシロガネーゼがノマドをしていたり昼下がりのお茶をしていたりして一般人では息が詰まるかと心配だったけれど、こちらも一応は取材ということでびっちりとしたスーツで身を固めていたのでどうにかハイソな空気に溶け込めた。でも注文でフラペチーノだどうだというのはできなかったなあ。クリームマシマシマシとか言ってしまいそうで喋らぬが吉とブレンドショートで抑えておく。

 白金高輪にはほかにタリーズもあるようだけれど、ドトールとかヴェローチェとかプロントといったちょっぴりローコストなカフェはなく、マクドナルドやロッテリアといったファストフードもなくて時間を潰すのが日や時間によってはちょっと大変かもだった。フレッシュネスバーガーもないし。あとは松屋とか吉野家といったチェーン店もなかったなあ。何か建てられない条例でもあるんだろうか。あれだけタワーマンションも建ってくると人も大勢住むようになって休日とか近隣に溢れそう。でもゆったり座ってお茶する場所もないといったいどこへ行くんだろう。有栖川宮公園まで歩いて行くのかな。それもちょっと遠いよなあ。謎めく。

 取材を終えて地下鉄を乗り継ぎ新宿まで出てタワーレコードで山下達郎さんの新譜「ソフトリー」の2枚組初回限定版を手に入れる。見るとアナログレコードもでていてヤマザキマリさんが描いた肖像画のような達郎さんのジャケットがCDとは比べものにならない大きさで陳列されていて、これを部屋に飾ったらいろいろと御利益がありそうだと思ったものの買っても聴く機会もなさそうなんで遠慮する。ずいぶんと前にアナログレコードをいろいろ買いあさった際にプレイヤーも買ったんだけれど使える状態に今はないのだった。アンプが本に埋もれて届かないしスピーカーから音も出せないし。でもせっかくのアイテムなんで次に見かけたら買って保存しておくか。どうせだったら「FOR YOU」のヘビーウエイトなアナログ版が欲しいなあ。


【6月20日】 日本は出られなかったAFCのU23アジアカップ決勝でサウジアラビアがウズベキスタンに勝利。試合前のセレモニーで地元開催ってことで自分たちの国歌は歌手に歌わせてサウジアラビアはテープか何かで済ませる格差をつけてはやっぱりスポーツマンシップの神様に罰せられて当然じゃないかなあ。日本だって国歌斉唱で自分たちが歌手を出すなら相手も歌手に歌わせる場合が割とあるような気がするし。それとも少なかったっけ。だから日本代表にのろいがかかっているんだと言っておこう。どっちにしてもサウジアラビアは強かった。そんなサウジアラビアに予選リーグで引き分けているんだから日本の強いと思って良いよ。あとはシュートの正確性。せめて枠内に持っていけ。

 週が明けて週末の映画興行ランキングが興行通信社から出てきて「トップガン マーヴェリック」が1位となって相変わらずの強さを見せた。2位は「映画ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」で3位は「映画 五等分の花嫁」、4位は「シン・ウルトラマン」と公開から何週も経った映画が上位を締めて動かない。とりわけ「五等分の花嫁」は4位から上に上がってたりして公開館数も少ないのにこの興行成績はいったいどれだけの観客が詰めかけているのかとのぞいてみたくなる。実はまだ見ていないのだった。5位にようやく「バスカビル家の犬 シャーロック劇場版」、6位に「峠 最後のサムライ」と新作2本が並んだけれど、上の強さに割り込む勢いはないよなあ。

 それでもベスト10に入るならまだ良い方で、公開間もないはずの「メタモルフォーゼの縁側」は10位以内に見えず、宮本信子さんと芦田愛菜さんというスタアを要してもなお上に行けない興行の厳しさって奴を目の当たりにする。見れば絶対に感動するんだけれど、入り口としてお婆さんば「BL」にハマるという設定の「BL」が何かまるで分からない高齢者層では宮本信子を目当てにはいけず、興味のない男子は芦田愛菜さんを目当てにはいかない陥穽にすっぽりとハマってしまった気がしないでもない。勿体ないなあ。ここはだからおばあちゃんと女子高生が同じ趣味を持ってコミュニケーションをとるようになる、高齢化社会に生き甲斐を見出す物語だとアピールする方がいいのかも。どうだろう。

 こちらも入ってなかった「怪盗クイーンはサーカスがお好き」だったけど、夕方の新宿バルト9に入ったら満席に近くてそれもほとんどが女性でちょっとびっくり。声優が元宝塚宙組トップスターの大河悠河さんだからタカラジェンヌのファンが大挙して押し寄せたかそれともはやみねかおるさんの原作が刊行されて20年、長い歴史の中でファンとなってそのまま成長していったお姉さまたちが、少女時代の憧れを目にしようとおしかけているのか。ちょっと分からないけれどもプロデュースしたポニーキャニオンの人たちが、まさしくそうやって少女時代に呼んだ世代だってことで自分たちの憧れを動かしたことで同じ思いの女性が観客として集まったってことなのかもしれない。

 冒頭から狭い飛行船のゴンドラにいっぱい猫を飼っていてちょっと多頭飼育が過ぎていて、世話も大変だろうと思ったらちゃんと飼い主を探して送り届けてはいたけれど、その後にまた猫を引っ張り犬も引っ張っていたりして、ちょっとジョーカーはクイーンをたしなめないといつか崩壊するんじゃないかと心配になった。お金持ちだろうから虐待はしないだろうけれど、いっぱいいると猫だってストレスもたまるだろうし。

 お話は今のこの世界が紛争を嘆く時代にあってまさに紛争に巻き込まれて娯楽から隔絶されてしまった地域に娯楽を届けたいと願うサーカス団のお話しだった。そこを発端にクイーンとの勝負が繰り広げられるけれど、ルパン三世みたいに緻密な頭脳がひらめく感じではなく、なんとなく進んでいつの間にかそうなっているといった展開。分かりやすくて楽しくて、そしてしんみりさせられるストーリーは忙しい日々に終われてクシャッとなっている女性の心も卑しそう。だからいっぱいきていたのかな。応援上映があれば内輪に「盗んでクイーン」と書いて持ち込む女性もいっぱいいそう。やればいいのに応援上映。


【6月19日】 サッカーのU23アジアカップで3位決定戦に臨んだ日本代表が、オーストラリア代表を下して3対0で勝利。ゴール前での躍動感とかシュートの積極性&正確性とか負けたウズベキスタン戦とはまるで違っていて、たしかメンバーも替わっていたからそっちの方が調子が良かったんじゃないかとも思ったけれども本番とではやっぱりオーストラリアも含めてスタンスが違ってくるから、比べてどっちが上とは言えないのかもしれない。ともあれこれでパリ五輪の予選に向けたシード権とやらが得られてらしく、1996年のアトランタから続いている五輪の出場を途絶えさせないために得たチャンスを存分に生かして欲しいもの。誰がエースになるんだろう。

 前の劇場版「スプリガン」を劇場で見た記憶はあるけれどもストーリーと構った覚えていないのでNetflixで配信が始まった「スプリガン」が妙に新鮮。ルックが何か1990年代のアニメといった形でそれもOVAテイストが滲むキャラクター描写だったりするものの、それが崩れずずっと描かれていく上にメカとか背景とかが現代だったりするところに四半世紀近く明いた時間の流れといったものを感じる。第1話は富士山を噴火させるのどうのといった大がかりなネタで、実際に噴火しているのに終わった後で世間が火山灰が積もっただけとか言っていてオーパーツは記憶までも操作するのかと思った次第。麓が溶岩まみれになっても不思議ないじゃん、あれ。

 昨日に続いてフレッシュネスバーガーで今度は野菜が多いガーデンサラダバーガーを食べながらぱちぱちと原稿打ち。「ドラゴンマガジン」で新刊の紹介ページをもらっていて内容だとかあらすじだとかキャラクターを書く必要があるのだけれど、いつも書いてる原稿に比べて分量が少ないのでどこをどう絞って圧縮するのかに色々と工夫がいる。まあそれでもどうにか3時間弱で全体を仕上げて後は夜に清書でもしようと店を出て、ご飯は食べずに日本橋へと出てTOHOシネマズ日本橋で「メタモルフォーゼの縁側」を見ることにする。完成披露試写に応募していたけれども当たらなかったのだった。生芦田愛菜ちゃん、見たかったなあ。

 そんな「メタモルフォーゼの縁側」は原作のストーリーをうまく摘まんで繋げて1本のストーリーにまとめ上げていた。さすがは岡田恵和さん。巧いねえ。原作だと女子高生ではっても目つきの悪い主人公が芦田愛菜さんだけあって割とパッチリとした目の女の子になってはいたものの、ちっこい動物のような感じでちょこちょことしてじたばたとしている感じは良く出ていて見ていて飽きなかった。同級生で幼馴染みの男子と付き合っている女子がスレンダーでロングヘアーの美女といった感じで、同じ学年なのかと見比べてしまった。どっちもいるのが高校時代ってことなんだろう。いや芦田愛菜さんがあと10年経ってもああなるとは思えないけれど。なって欲しくないという方が正解か.

 ちょこまかとしてどたばかとして可愛い芦田愛菜さんが演じる女子高生が、書店でバイト中に飛び込んできてBLを買ったらハマってしまって続きを求めるお婆さんと知り合って、お互いに情報を交換していくようになるといったストーリー。お婆さんはBLでも偏見を持たず迷わず好きなら好きだといってどんどんとハマって広げていくのに、女子高生はBLが好きだと公言できず好きな子から尋ねられても詳しくないからと逃げてしまう。そう言うことに何か気兼ねしてしまうんだろうなあ。自分なんかがそんなことを言う資格がないとかどうとか。せっかく薦められて同人誌を作っても、コミティアの会場まで行ってテーブルに並べられず逃げてしまうところも、場違いを超えて自分は自分を貫けなかった弱さ故。それを自覚して飛び越えられない自分の不甲斐なさに泣く気持ち、とても分かった。

 原作だとちゃんと出展しては大好きな漫画家さんの手に本が渡る展開になっていたけれど、そこは別のルートで工夫してしっかり拾ってあったのが巧かった。そんな日々から自分のやりたいことがすぐに見つかるということはないけれど、やってみたいことをやらずに過ぎることはなくなったのならこれからの人生、きっとどこかでグッと前に出る時が来るだろう。そんなきっかけを与えてくれた出会いのドラマを通して僕たちも、やってみたいことはやってみた方が良いと思うようになるのだった。それいしても芦田愛菜さん、いったい何枚Tシャツを持っているんだろう。常に違ってた。次に見る時があったら数えてみるか。


【6月18日】 5月13日に公開されて4日の5月16日に丸の内TOEIの予約がゼロだった「ハケンアニメ!」。どうして誰も見てくれないんだろうと絶望したけれど、山崎貴監督が激賞したり末次由紀さんが長文の感想をnoteに挙げたりしてクリエイターの中に口コミが広がりはじめたこともあって、だんだんと客足も伸びてきている模様。一方で公開している劇場の数が減って、行き場に困る人もいて集中も始まっているのだろうか、6月19日の昼の予約がすでに結構な入りになっていて、じわじわと“刺さり”はじめていることがうかがえる。

 願うならスタートダッシュの段階で、こうした口コミが効いて大勢が劇場に行って欲しかったけれどそれを目指してアニメーション業界関係者向けの試写なんかもやっていたはずなのに、それほど広がっていたとは思えないのはあまりに身近な話過ぎて語るにはばかられてしまったのかどうなのか。映画メディア向けの試写だってガンガンとやっていたにも関わらず、激賞が聞こえてこなかったのはこうした大作感がなくネット的にバズるキャストがおらず報じてもアクセスが稼げないとオミットしたなんてこともあるんだろうか。だとしたらアクセス至上主義のネットメディアの弊害。自分たちが盛り上げそれがアクセスに返ってくるなんてサイクルを想像できないんだろう。あるいは想像している暇がないというか。ヤバいねえ。

 それを言うなら「犬王」だってカンヌだアヌシーだと盛り上がりはあっても劇場に足を運ぶ人がどれだけいるかというと、興行成績のベスト10に入らないままだんだんと上映回数が減ってきている。いろいろとグッズも出しているし応援上映だとかコメンタリー上映だとかも行って観客を引きつけようとはしているけれど、元よりコナンだのポケモンだのドラえもんといった“定番”で見に行くことが行事になっているアニメーション映画ではない作品。そこに足を向けさせることの困難さが、ここでも出てしまったと言えるだろう。細田守監督と新海誠監督はそこを踏み越え行くのが行事化した。そこに湯浅政明監督や原恵一監督はどうしてたどり着けないんだろう。真面目すぎるのかなあ。あるいはピーキーすぎるとか。考えなくちゃ。

 少し前から手伝っている「ドラゴンマガジン」向けの原稿をいじりに近所のフレッシュネスバーガーへ。最近改装した船橋駅前のドトールがいつも混んでいるのと比べると、駅からちょっとあることもあってか日曜日でも空いていて使いやすいのだった。それでも座っているとひっきりなしにウーバーイーツや出前館が取りに来るから、食べに行くより取り寄せたい人御用達のハンバーガーチェーンになっているのかもしれない。実際それなりに美味しいし。

 3時間ほどでとりあず形を整え、可視を変えてヴェローチェでフィニッシュまで持っていてまず1本。今月はもう1本あるから対象の本を読んで明日にでも仕上げよう。映画も「メタモルフォーゼの縁側」とか「劇場版 からかい上手の高木さん」とか見たい作品があるんだけれど週中まで我慢だ。とか言ってると「ハケンアニメ!」を見に行ったりして。満席で見たいかって言われれば舞台挨拶が満席だったからそれは良いんだけれど、今見るひとたちの反応もやっぱり気になるのだった。


【6月17日】 朝からなにやら「トライガン」方面が騒がしい。見るとどうやらアニメが再び作られるとか。1998年くらいだかに1度、テレビアニメになっていてその後に劇場版も作られてはいたけれど、「月刊少年キャプテン」に連載の「トライガン」から「ヤングキングアワーズ」連載の「トライガン・マキシマム」へと流れていったストーリーと最初は同じでもだんだんと違っていっただけに、改めて原作どおりの展開でアニメ化されたら嬉しいという人も大勢居そう。一報でアニメとしての出来が素晴らしくって吉松孝博さんのキャラクターデザイン、神宮司訓ノさんのメカデザイン、そして今堀恒雄さんによるギターだけのオープニング「H.T」のマッチングの素晴らしさは他の誰にも代えがたく、それを超えていけるのかといった不安も浮かんでしまう。

 声についても小野坂昌也さんのヴァッシュ・ザ・スタンピードに速水奨さんのニコラス・D・ウルフウッドのハマり具合は完璧だったしメリル・ストライフの鶴ひろみさん、ミリィ・トンプソンのゆきのさつき(当時は雪乃五月)もピッタリだった。けれども鶴さんが泣くなりゆきのさつきさんはミリィというよりメリルの役が似合う感じになっていたりする中で、四半世紀を経て同じ役者を使うと全体に年代がかさ上げされてしまうことになる。速水奨さんの美声には貫禄が備わってねっとりと艶やかな兄さんといった感じではなくなった。小野坂さんは変わらないけれども周囲を若返らせるなら代わりが抜擢されるってのも手だろうなあ。って言ってて櫻井孝宏さんと宮野真守さんに収まったらそれも普通だし。どうなるんだろう。ストーリーがオリジナルに沿うかそれとも独自になるかも含めて楽しみ。待とう登場の日を。

 何か書くことになったのでユナイテッドシネマ幕張へと出向いて朝1番で「映画 異世界かるてっと 〜あなざーわーるど〜」を見る。とりあえずめぐみんはあの世界でずっと履いてなかったんだろうかということが気になった。ヴェラはすぐに取り返していたけれど、めぐみんは大事なものをずっとカズマに持たれていたから履く時間もなかっただろう。すーすーしただろうなあ。そんな感じに「この素晴らしい世界に祝福を!」チームのギャグ要員としての冴えが光った劇場版。巻き込まれて他の面々もギャグにコメディに大活躍してくれたけれど、そんな「いせかる」ならではのシチュエーションがだんだんとシリアスでしんみりとしたストーリーに引っ張られていってクライマックス、涙してしまうくらいに感動を引き出された。「いせかる」で泣かされるなんて! って驚いた。

 バトルシーンにもそれぞれに見せ場があって各作品のファンも楽しかったんじゃなかろうか。エミリアたんがやたらと強くなっていたけど今ってそんな感じなのか。ラストに登場した新キャラも「Re:ゼロからはじめる異世界生活」からだったみたいだし、呼んでないうちに原作もずいぶんと進んだ感じ。読み込んで見るかなあ。あとはクライマックスを超えたエンディングで見せてくれた心ほだされる展開。さすが我等のクズマだけのことはある、ってクズいの? それは見てのお楽しみ。面々が目指す建物がどんな形をしているのかも含めて。まさか中がそんなことになっていたとは! ってちょっと前に入ったじゃん、いやいや昼間は普通だけれど夜な夜な何かが画策されているに違いない。出版の覇権を握るための謀略が。いつか忍び込んでやろう。

 映画を見終わってプレナ幕張にあるパンチョでカレーナポリタン。ちょっと前からの限定メニューだけれどカレー粉がスパイシーに混ぜられていて結構に濃厚なカレー味のパスタとそして良い感じにゴロゴロとしたチキンを味わえる。カレーライスより好きかも。茹でられて柔らかいけどテラテラではない麺もわりと好き。ぱすたやの細身でゆでたてのスパゲティも悪くないし、バルボアのいかにもロメスパといった感じも悪くない。ジャポネやリトル小岩井は行く暇がないから仕方が無いとして、そいったイタリアンから離れたパスタをいろいろローテションしてるのだった。これにあとあんかけパスタがあれば最高なんだけどなあ。明日はどこのパスタ屋に行くかなあ。


【6月16日】 山田尚子監督はもう京都アニメーションでは仕事をしてくれないんだろうか。そしてサイエンスSARUの人になってしまうんだろうか。アヌシー国際アニメーション映画祭で山田尚子監督がサイエンスSARUで新作を作るとの方。水沢悦子さんがキャラクターデザインに入ったそうだけれどいたちどんな映像になってそしてどんな作品になるのか皆目検討が就かないのだった。「花のズボラ飯」しか知らないんだよなあ、水沢さん。

 山田監督は湯浅政明監督が抜けてしまったのを埋めるに足りる人材ではあるけれど、その演出力をシンプルな方向で発揮してもらうだけでなくキャピキャピとした女子たちの騒ぎ戯れる姿を描く中でも発揮して欲しかった。つまりは「響け!ユーフォニアム」の新シリーズ。監督は石原立也さんだろうけれども演出に入って欲しいんだよなあ。どうなるんだろう。湯浅さんはそしてサイエンスSARUを山田尚子さんに譲って放浪の旅にでるのだろうか。しばらく休息されるそうだけれど、次の現場は違うスタジオになったりして。プロダクション・アイジーでなにかやってくれないかなあ、最近尖った企画が足りないんだよ。

 誘われてアニメーション「映画 ざんねんないきもの辞典」を昔の徳間書店があったビルのホールで。ベストセラーの書籍があるけれども実は読んだことがなくて果たしてストーリーものなのか絵図鑑なのかすら知らなかったけど、映画はコアラが出てくるオーストラリアをペンギンばかりの南極とそしてニホンウサギやツキノワグマやオコジョやアナグマやタヌキやトラクターが出てくる日本が舞台の3本がそれぞれにストーリーを持った30分くらいのアニメーションになっていて、それをブリッジでつなぐオムニバスになっていた。

  まずオーストラリア編ともいえる「リロイのホームツリー」はキューブ型のネズミが出てくる「グレゴリーホラーショー」とか四角いペンギンが出てくる「ペコラ」なんかを手がけていたイワタナオミさんが監督。とはいえ独特なデザインワークは使われてなくって割と可愛いルックの3DCGによるコアラやウォンバットが登場してはユーカリの木を捜して旅をする子供が好みそうなルック&フィールの作品に仕上がっていた。声も花江夏樹さんや玄田哲章さんや小松未可子さんや日高のり子さんら人気者がズラリ。そこに混じってトレンディエンジェルの斎藤司さんもいたりするあたりも子供を狙った作品って言えそう。
 そして南極編の「ペンたび」は監督がウチヤマユウジさんということでだいたい「紙兎ロペ」。ジェンツーペンギンにアデリーペンギンにヒゲペンギンが暮らしている南極に道に迷ったコウテイペンギンの姉さんが登場しては基の営巣地に戻るために旅をするという展開が例の脱力させられる会話劇で進む。あり得ないシチュエーションだけれどこいつらならあり得ると思わせるスクリプトの巧さに脱帽。激笑える。そしてしっかりペンギンについて学べる。いつもだいたい中腰だとか。

 凄かったのが日本編の「はちあわせの森」で、監督が由水圭さんと聞けばなるほどやっぱり「リッジレーサー」のオープニングだとか「リョーマ!新生劇場版テニスの王子様」みたいなグリグリの3DCGによるアニメーションが繰り出されるかと思うと、これが実に絵本的というか、切り絵的にフラットな塗りでもってニホンウサギだとかツキノワグマといった動物が切り出されるんだけれど、それがちゃんと動物のように動く。輪郭線だけで描かれていながら立体的に見えるというのはおそらく3DCGのモデリングにフラットなテクスチャを貼り描いたものだと思うけど、そこで動物のフォルムが崩れないということはしっかりと動物らしいモデリングが出来ているってことなんだろう。

 そんな生き生きとした動物たちが跳ね回る自然は美術監督の日野香諸里さんによるもので色彩といい奥行きといい実に日本の自然であり、かつ侘び寂びとはちょっと違ったアニメーションとしての自然の雰囲気を感じさせてくれる。安曇野あたりにロケハンをして描いたっぽく盆地に広がる町があって遠くに雪を被った山の稜線が見える風景が実に綺麗。それもまた絵本のような背景を絵本のような動物たちがアニメーションならの躍動感を持って動き回る力業を目の当たりにせよ! あとウサギもツキノワグマもうんこを食べたり溜めたりするんだなあ。それを言う声優さんもなかなかになかなかな。内田真礼さんや沢城なつきさん。頑張りました。


【6月15日】 ヒットは2本出たけど本塁打は出なかったメジャーリーグの大谷翔平選手。まだ13本で今年はなかなか打てないなあと他の選手の成績を見たら、1人24本でニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手が抜け出しているものの2位はミネソタ・ツインズのバイロン・バクストン選手で18本と1位から6本差があり、また大谷選手と5本しか差がなかったりする。大谷選手も全体で同本数の9位とベスト10に入る成績。ってことは大リーグ全体で本塁打が減っているってことになる。

 どうやらボールに理由があるらしく、日刊スポーツが特集をしていて昨年から少しずつ導入されていた低反発ボールが、今年は全球場で使われることになって湿度管理も行われて飛んだり飛ばなかったりすることがなくなったらしい。ピッチャーもしている大谷選手はよくボールも持つから柔らかくなった気がするとコメント。ピッチャーとしては嬉しいけれどもバッターとなると大変な中でヒットを打ち本塁打もしっかり打っているのだからやっぱり凄い選手なんだなあ。夏場になって気温も上がれば多少は反発係数も増すんだろうか、それとも湿って係数は下がるんだろうか。オールスターを超えてからを見ていこう。

 「とある科学の超電磁砲」を原作者の鎌池和馬さんが小説として執筆した本が出たのと同時に、「魔法科高校の劣等生」の佐島勤さんがBDとDVDのおまけに書いた小説をまとめた「魔法科高校の劣等生 Appendix1」も登場。いわゆる番外編だけあってはっちゃけたキャラクターたちの言動をどちらも楽しめるけれど、ある意味でSSに近い「とある科学の超電磁砲」と比べると「魔法科高校の劣等生」の方は別の意味で異世界転生といった趣で、ひろゆきだって太宰治だって異世界転生する昨今の情勢を反映したかのようなキャラクターの異世界ならではのはっちゃけぶりを堪能できる。

 特に七草真由美は18歳にして魔法少女のような格好をさせられてなかなか大変。司波深雪も含めてほとんどのキャラクターが転移した世界で現実の記憶を持っていないのに対して、司波達也と真由美はしっかりと記憶を維持しているだけに余計に恥ずかしさも募ったもよう。その恥じらいがまた良いのだけれど、残念なことにイラストが入っていないのでどういう格好なのか分からないのだった。残念。面白いのは現実世界では自制も働く兄の達也との関係を心のままに突き詰めようとする深雪の態度に、達也がギリギリと歯噛みしながら押し止めようとしているところ。どこまでストイックなんだと思うけれどもそれが達也ってところなんだろう。1ということは続きもあるのだとしたらどんな番外編になるんだろう。パッケージ買ってないから知らないので楽しみ。

 原稿を書くため日本を読もうと家を出て、総武線から地下鉄東西線経由で阿佐ヶ谷まで行く間にどうにか本を読み終えたので、降りてぱすたやで函館名物のイカスミナポリタンをいただく。まっくろけのけ。食べるとイカスミのせいかかなり濃厚な食感なんだけれども味はナポリタンといった味わいで、どこにどうケチャップが混ざっているのか知りたくなった。イカスミで黒く染めているんだろうか。先月の群馬名物ベスビオが見た目はペスカトーレなのに食べると激辛なのとは反対に、見た目は意外でも味は見知った感じというパスタ。函館の本場ものをいつか食べてみたいな。

 駅の側のサンマルクカフェで原稿を書いてから池袋へと回ってWIT STUDIOの10周年記念展覧会を見物。作品ごとにしっかりとブースが作り込まれていて、そこに原画があって絵コンテがあって実際の映像から抜いたスチールも並んでいてといった具合に同じ場面を違う素材で見せてアニメがこうやって作られているんだと言うことが分かるようになっていた。練られた展示。最後の部屋には見里朝希さんの新作や、久保雄太郎さんと米谷聡美さんによる「とつくにの少女」の展示もあって、そして映像で代表の和田丈嗣ぎさんが山田プロデューサーと見里さんによるストップモーションスタジオが持つ可能性を喋っていて、WITにとって大きなプロジェクトであることを明かしていた。早く目を付け実験であっても取り組み成果に結びつける先見性。それが親会社のIGポートを通してグループ全体に行き渡ったら前みたく、斬新で画期的な作品がもっともっと生まれてくることになるかなあ。期待大。


【6月14日】 「ワンパンマン」がアメリカで実写映画化されるそうで、気になるのは主人公のサイタマがアメリカだとどんな名前になるってこと。日本だと冴えないイメージがどこかつきまとう「埼玉」という言葉をアメリカに置き換えたとしたらやっぱり「サウスダコタ」だろうか、それとも「ノースダコタ」だろうか。「ノースダコタ」は千葉だという声もあるからそこはアメリカの中でもいろいろと議論があるんだろう。ネバダあたりは自分たちとは違うと思っているに違いない。そりゃあまあ、ラスベガスが州内にあるから冴えてないってことはないよなあ。

 冴えないヒーローというとアメリカには「アメリカン・ヒーロー」という偉大なオリジンがあるのでその延長として人気があるのかも。冴えない男だけれどワンパンチでもって強大な敵を蹴散らしてしまう爽快感。それをまったく鼻にかけていない潔さ。あるいは認識とのズレが楽しい作品だけにそうした隙間を突っつくようなニュアンスを、ヒーロー全盛のアメリカでどこまで出していけるのか。そしてどれだけ受け入れられるのか。気になるなあ。流石にタツマキはあのキャラでは出ないだろうけどフブキはいろいろ演じられる役者がいそう。最大の注目はキング。坊主でなければドゥエイン・ジョンソンが演じられるんだけれどなあ。気にしていこう。

 「スレイヤーズ!」とか「灼眼のシャナ」とかを監督しているアニメーション演出家の渡辺高志さんがツイッターで63歳くらいの時にアニメーション業界から脚を洗おうとして転職サイトに登録したらまったく応募に引っかからず、シルバー人材センター行きを進められて夜警とか軽作業くらいしか紹介されずこれはもうどうしようもないと絶望したってことを書いていた。63歳に行かずとも54歳くらいですでにどこにも転職は不可能なことを身をもって体験しているから大いに分かるし、あれだけの傑作を送り出している渡辺監督でも足を洗いたいと思うくらいにアニメーション業界は厳しい世界なんだってことがうかがえる。

 なるほど2015年に「ヘヴィーオブジェクト」を監督してから2021年に「現実主義者の王国再建期」を監督するまで監督作品がぽかっと開いているから大変だったってことはうかがえる。その間に絵コンテとか演出の仕事をしてはいてもそれで何百万は稼げない。あるいは1本はシリーズ監督をしていても、それで悠々とはいかないんだろう。これがアニメーターなら腕と鉛筆と机があれば巧ければ仕事は多分ありそう。とはいえ演出がいなければアニメは作れないとなるとそこをどう配分するかが重要になって来るんだろう。過去の作品がどれだけサブスクリプションで流れても、脚本や声優さんには還元されても監督には1銭も入らないとなると監督なんてやる人がいなくなってしまうかもしれない。それは困るので何か良い方法をサブスク会社には考えて欲しいなあ。サブスク批判に反論する意味でも。

 「皆様方、今に見ておれで御座いますよ」という奇妙な言い回しばかりがクローズアップされ、そもそもの題材が津山30人殺しという実際にあった猟奇な大量殺戮だったこともあって古尾谷雅人さんが主演した映画「丑三つの村」も猟奇と狂気に溢れたスプラッタかもといった印象が、頭に根強く残っていたんだけれども劇場で初めて見た「丑三つの村」は村でも1番の秀才で明るくて社交的で女性からも持ててた青年が、結核にかかって徴兵検査に甲種合格できなかった途端に村人たちから忌避あれ女性たちからも嫌われていくプロセスに、どうして都会の病院に入って療養するとかしなかったんだ、そして健康になって戻って来るなり教員になって社会から認められよとしなかったんだと不思議に思ってしまった。

 それが戦争とういシチュエーションで、お国のために戦える頑健な肉体を持った男子こそが絶対といった思想の中に日本人たちが囚われていた現れなんだろう。そこにハマて自分は弾かれたと思った青年が、憤った挙げ句にたまった鬱憤をライフルと日本刀と短刀でもって晴らそうとしたのが津山30人殺しだったってこともうかがえた。その周到さとその疾走感は決して猟奇な狂気に溺れた人間の暴走なんかじゃない。確信犯として挑んだからこそ成し遂げたひとつの結果をその結果から非現実の出来事と棚上げするのではなく、起こりえる事態として飲み込んだ上で起こさないための手立てが必要なんだと思わされた。

 そんな映画がどうして上映されたかといえば、笹路正徳さんが作曲した、猟奇で狂気な映画にしては土俗的でもなければ伝統的でもないシンセサイザーを使ったどこかポップでモダンな楽曲が、映画とともに大いに気に入った北村龍平監督が働きかけて始めてパッケージソフト化したから。過去に出るという話があったものの立ち消えになってしまっていたそうで、そんな楽曲を松竹音楽の倉庫から見つけCDにした上に未使用良くまで付けたというから大盤振る舞い。聞けばあの不思議な世界に引きずり込まれること請け負いだ。細かい字で書かれたライナーも読みたいけれどちょっと字が小さすぎ。ルーペを買ってこなくっちゃで御座いますよ。


【6月13日】 SCANDALのライブでメンバーが弾いているギターが気になって調べたらフェンダーからシグネチャーモデルを出してもらっていて驚いた。もはやそこまでの存在になっているのか。ガールズロックでもちゃんと楽器を鳴らして歌うバンドって多いようで今あんまりいなくなっている中で10年以上のキャリアをもってファンも多いSCANDALなら看板になると考えたんだろう。そりゃあ「けいおん!」の放課後ティータイムだって悪くはないけど主人公の平沢唯が弾いているのがギブソンではフェンダーとは組めないよなあ。

 シグネチャーモデルではHARUNAがテレキャスターでMAMIがストラトキャスターでTOMOMIがプレシジョンベース。RINAはドラムでフェンダーでは作ってないからシグネチャーが出ないのはちょっと可愛そうなので時々弾くギターでも良いから作って上げてとちょっと思った。個人的にはテレキャスターが好きなんだけれど白いボディに金の縁取りはちょっと王子様過ぎるから遠慮。赤いMAMIのストラトキャスターはメチャクチャ格好いいけど2人が出演しているフェンダーのギターPR映像を見るとやっぱり地に足がついた音が出るのはテレキャスターなんでそっちが良いかなあ、って弾けないのにそういうところにこだわるのがオタクだねえ。しゃあない。

 20年ぶりの円安水準だそうでちょっと前まで1ドル120円くらいかと思っていたらもはや135円だなんてところまで来ていてここから円高に向かう要素が皆無なだけにもっともっと円安に振れていく可能性が高そう。かといって日本が金利を引き上げると途端に金の流れが途絶えて経済が死に、それで円安が進むだけという八方ふさがりの状況をいったいどうすれば脱することができるのか。公共投資で内需を拡大して景気を浮揚させるしかないんだろうなあ。それでインフレになるかっていうと今の細りきった需要では回復したって元の水準居すら戻りそうもないから大丈夫なんじゃないかなあ。って素人考えの経済政策ではとてもじゃないけど立ち浮き出来ない。プロよ頼む。本当のプロよぜひ頼む。

 東崎惟子さんの電撃小説大賞銀賞受賞作「竜殺しのブリュンヒルド」(電撃文庫)を読む。竜が暮らす楽園のような島があってそこにある智恵のみを狙って人間が押し寄せては竜に撃退され続けていたけれど、そんな最中に押さない少女が置き去りにされ竜の血を浴びて瀕死の状態。竜も見捨てようとしていたら生き延びてそのまま竜の下で智恵のみを食べたりして成長していく。いつか人間の世界に戻ることもあるかと人間に化けた竜としばらく人間の世界を旅してみたもののあまり好まず、そして戻った島で竜が殺され少女は人間の世界に連れ帰られる。そこで出会った父こそが竜を殺した准将だった。

 懐かしさより憎しみが募る少女が虎視眈々と知識を学び人に頼って従順な様を見せていった果てに起こす大騒動。それはいたずらの欲望を振りまく人間への継承でもあるけれど、竜自体はそうした運命を受けているのに人間の少女が憤るところが親の心子知らずというか、やっぱり人間こそが諸悪の根源なような気にさせられた。アバンとそしてラストに現れるシーンが現実離れしたものだとしたら続かずひとつの寓話としてこれだ終わってしまうんだろうなあ。紅玉いづきさんよりは童話っぽさよりファンタジーっぽさが立ち上がった寓話的作品として見るべきなのかな。

 やっぱりやりたくなる「ドンドンパン」をおおっぴらにやれる上映がついに行われるとあってパソコンにはりついてチケットを確保した「犬王」の”狂騒”応援上映に行く。大友良英さん演じる平家の亡霊の声も聴けてなかなかに良かったトークショーのあと、始まった上映ではもらった紙扇子あるいは小型ハリセンを手に膝にぶつけて音をだして手拍子では手の平が赤くなるのをどうにか避ける。前半こそ叩く場面が少なかったものの友有が犬王と知り合って彼のデビューを宣伝し始めるあたりから音楽音楽音楽の連続。そこでハリセンを叩きっぱなしでいたら時間がとても早く過ぎ去った。手拍子してるとライブシーンが自分と一体化してあっという間に過ぎるのかも。聞き込まなくても体で受け流すといった感じ。またやって欲しいなあ。やってくれると信じたい。


【6月12日】 CCCDを音が悪くなるからと一刀両断した山下達郎さんは実にクリティカルで、現実にCCCDは滅び去って先頭を切っていたエイベックスの音楽も下火になっていった感じがあったけれど、アーティストとしての音感とそれを形にする技術の知識が物を言ったCCCD批判とは違って、サブスクリプションへの批判は個人のポリシーに過ぎないところがあるにも関わらず、御大ムーブで周囲が乗っかり何かをスポイルしかねない懸念があったりする。

 それはNetflixだとかAmazonPrimeビデオといった映像のサブスクリプションへと波及し、映像を買いまくっては流すだけの猟師のような存在と見なされ唾棄されたりしかねないところを映像は、かろうじて自ら出資し映画会社やテレビ局の代わりに映像を作って配信しているところがあって面目を保っている。SpotifyだとかAppleMusicにそうした音楽のディベロップメント機能が見えないところがあるいは、達郎さんのサブスク批判に繋がっている可能性もあるけれど、それはラジオ局でも一緒だからやっぱりひとつのツールとしてとらえ、巧く使う方を考えた方がいい気がしてならない。

 僕自身、達郎さんのファンだしあまりサブスクを利用していない身であるにも関わらず、反応してしまうのはアジテーションによって世代間闘争が起こって分裂が起こりかねないから。湯川れい子さんのAKB商法批判も同様で、言いたいことは分かるけれども言っても詮無いことであって、だからこそ自らが世界に通じる音楽を発見してプッシュし続ければ良いじゃんと思うのだけれど、何かに奪われている感覚は歳を経るとやっぱり募るもの。そこを振り切れないからこそ時代は来る返すのでありましょう。日本からBTSみたいな存在感を持ったサウンドが生まれるには、それこそパリピ孔明が必要なのかもしれない。いやいやそれって中国の智恵じゃんとか言わない。

 パンって孫悟飯の子供らしいけどいったい梧飯と誰の子供かとちょっと考え、どうやらミスター・サタンの娘のビーデルとの子供らしいと分かってきた。梧飯とビーデルがどこで知り合ったのかについてはまるで思い出せないけれど、そもそも漫画版「ドラゴンボール」で描かれていたのかどうなのか。長く続いた連載の最後の方が分からない現象がここでも起こっている。ちなみにトランクスがブルマとベジータの子らしいということは分かっていたけれど、悟天とフュージョンをしたのと最初に出てきたのが同じなのか違うのかといったことまで思いよらなかった。クリリンと人造人間18号が結婚していたことくらいは知っている。僕の18号をよくも取ったなクリリンの癖にと思ったから。とはいえクリリン、あれで人類最強なんだよなあ。

 そんな曖昧な関係性で見た映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」。予告編では神谷浩史さんの声が勝っていたけれど、映画では正義の味方はウルトラマンゼロみたいにアイスラッガーめいた突起が2本ある2号が宮野真守さんの声で登場して、これで相手が神谷さんでなく小野賢章だったらタイバニと被ったところだったと胸をなで下ろす。人気声優ばかりキャスティングしていると起こりがちな現象。逆にピッコロの古河登志夫さんと悟空に梧飯の野沢雅子さんはほぼほぼ衰えなしに昔どおりの雰囲気を聴かせてくれたのでまだしばらくは同じ演技を期待できそう。

 映画はそんな新しい人造人間が、生みの親のドクター・ヘドともどもレッドリボン軍の残党に騙されブルマたちを悪だと思わされて挑むといったストーリー。そこで悟空やベジータやブロリーがいれば小指で蹴散らせただろうところを修行中な上に連絡が取れず地球には悟飯とピッコロくらいしか残っていない。それで立ち向かうためにあれやこれや工夫をこらし、残っていた悟天やトランクスや18号や17号やクリリンも結集しての総力戦。18号は髪が短かったけれども相変わらずのクールさでゾクッとさせられた。17号は目立たなかった。ってか生きてたんだまだ。

 「くまのがっこう」の映画版を監督した児玉徹郎さんが監督をしていて3DCGだけれど2Dライクなルックでちゃんと格闘シーンも見せてくれて東映アニメーションの次代の可能性って奴をさらに見せてくれた印象。作画で描いても大変だけれど3DCGでも大変なバトルを迫力も重量感も衝撃もちゃんと描ききっていた。日常芝居はちょっとCGっぽかったかなあ。あと巨大なTCXで見たのでところどころシャギーが出ていたような感じ。気のせいか? 思ったのはピッコロ直々に訓練を受けているパンは、サイヤ人と牛魔王とミスター・サタンの血を引くだけあってクリリンより強いんじゃないかということ。純ではないから人類最強とは言いがたいけどいずれサイヤ人化してクリリンを追い越していった時、自分は人間で良かったと思うのだろうかそれともヤムチャにならないよう頑張ろうと決意するのだろうか。気になった。


【6月11日】 サブスクリプションはマーケティングというよりもプラットフォームで、その上に音楽を置くことで誰でもいつでも繋がれる環境が出来てそこから好みの音楽を探したり知ったりしてアクセスして音楽への造詣を深めていくためのツールであって、昔だったらラジオが行っていたことをより機能を高めつつ代行しているに過ぎないとしたら、それを否定するのはラジオで音楽をかけることも否定するのかて話になりかねない。何がどこで流れるかがFM雑誌に出ていてそれを呼んで聴きたい曲が流れる時間にラジカセの前に立って録音ボタンを押していた人間にとって、サブスクリプションはそこから時間の概念を取り払っただけに過ぎないのだから。

 リコメンドのような機能だってラジオが以前からパワープレイとかヘビーローテーションといった形で繰り広げていたことであって、それが一時に数曲に留まっていたのが今はより細分化されあらゆるジャンルであらゆるチャネルからあらゆる時間に行っているとも言える。それだけ薄く個々に狭くなったとも言え広く濃く突っ込んでいくマーケティングとは対極にあるサブスクリプションを、マーケティングだからと切って捨てる山下達郎さんの意見にそのまま賛同するのはかつて、テレビCMで「RIDE ON TIME」に出会いラジオの特集で「FOR YOU」を聞き込んでファンになっていった身からすると、ちょっと寂しくそして矛盾しているような気もしてしまう。

 「だって、表現に携わっていない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取ってるんだもの。それはマーケットとしての勝利で、音楽的な勝利と関係ない。本来、音楽はそういうことを考えないで作らなきゃいけないのに」とYahoo!ニュースのオリジナル特集に掲載されたインタビューで達郎さんは応えているけれど、それを言うなら今のレコード会社だってアーティストが作った原盤を預かりプレスし宣伝を行い流通網へと流して儲けを取っているだけのディストリビューターに過ぎない。その機能をネットワークというツールで代替している人たちを「表現に携わっていない」というならレコード会社だってどうなのって話になる。でもそう言わないのは音楽を共に届けたいという意識を持った仲間だからで、それをサブスクリプションの会社に言わないのはちょっと違う気がする。

 以前に配信は音楽のクオリティが落ちるからと言っていてそれには帯域の問題もあって納得できたけれど、今やハイレゾ音源のサブスクリプションだって可能な時代にレコード会社と同じプラットフォーム機能としてのサブスクリプションをマーケティングと言って非難するのは何かひっかかるけれどもそこはまあ達郎さんだし、音楽のクオリティをとことん突き詰め作りアルバムという形に落とし込んで世に問い少数であっても最高の音楽を聴かせられる会場でしかライブをやらないスタンスには共感できるので、これからも聞き続けるしCDだって買うし当たらないけどライブには応募し続けるのだった。でもヤマザキマリさんのジャケットはちょっとなあ。ひっくり返すととり・みきさんだったら流石と思うんだけどなあ。

 ユニクロのブラトップのCMみたいなのを期待すると肩すかしを食らうとは言っておきたい「はい、泳げません」をTOHOシネマズ六本木で舞台挨拶付きで見る。だったら「Shall we ダンス?」かというとまるで違って予告編から感じられる泳げない男が美貌のインストラクターと出会い泳げるようになるまでを描いたコメディ映画ではなく、泳ぐことによって止まっていた、あるいは心が止めてしまっていた時間を動かし前へと泳ぎ出すまでを描いたシリアスでナイーブな映画だった。

 もちろん綾瀬はるかさんの水着での登場はあるけれど、ボディラインをなめらかにする競泳用水着なので凸凹はまるで目立たず、むしろほとんどパンツ一丁で出演している長谷川博己さんの分厚いとは言えない胸板となだらかな肩線とそして長い手足を見守る映画だった。見ていた思ったのはその体型、「シン・ウルトラマン」のウルトラマンにそっくりということでもし次に「シン・ウルトラマン」がCGではなく着ぐるみで作られることがあったら、中に長谷川博己さんが入ればぴったりなんじゃないかと思った。というか着ぐるみだと体型が薄れてしまうからここはボディペインティングで。せめてウインドブレーカーで。ちょうど発売されるみたいだし。

 東京都現代美術館での井上泰幸展関連シンポジウムを見物。膨大な資料をどう分類し、どうスキャンしファイルの名前をつけて保存しつつリスト化して行ったかが、手がけた人たちの解説によって聞けた。ある程度は姪の方の分類もあったけどそれを開け、アーカイブ化のためにデジタライズする作業は大変だった様子。そのワークフローが聞けて、興味深かったです。思ったのは、仕組みは作れても、タイトルでの分類から物品名のジャッジで知見が必要なこと。これは一体何の何なのかを即断してリストに書き込んでいかないと行けないから。そのためにノウハウを持っている人からの知見を集め、これからの世代に継承していくことが大切と感じた。会場には著名な方々が多数。参加された方はお疲れ様でした。


【6月10日】 それは漫画かそれとも少年野球か。大リーグのロサンゼルス・エンゼルスに所属している大谷翔平選手がボストン・レッドソックス相手の試合に投手として登板し、7回を1失点で切り抜け13連敗からの勝利に道筋を着け、そしてその大谷選手が今度は打者として逆転の2ランホームランを放ってチームを勝利へと導いた。もちろん自分も勝利投手に。大リーグのサイトは「ワンマンショウ」といった大見出してその活躍をトップで伝え、そしてレッドソックスのお膝元の新聞、ボストン・グローブも大谷選手の写真をサイトに掲載してその偉業を伝えている。

 少年野球なら投手で4番は当たり前だし高校野球でも桑田真澄選手をはじめ投手で強打者というのはザラにいるけど、分業が進んだ現代野球のそれもプロの最高峰たる大リーグで、二刀流がまかり通っているだけでも不思議なのにその最高峰たる先発からの勝利投手&打者としての逆転ホームランを同時に成し遂げるなんて普通はあり得ないし普通でなくてもあったらおかしい。そのおかしいことを期待どおりにやってしまうから大谷選手は何があっても大リーグの選手たちから敬意をもって讃えられている。いくら審判が判定を渋くしたって気にせず臨んで結果を出すんだからもはや審判団も認めるしかないだろう。あとは大谷選手を大リーグの顔として売り出しファンを獲得してNFLとかNBAの後塵を拝し気味の人気を再燃させるしかない。

 中野方面に出かけるついでに阿佐ヶ谷まで脚を伸ばして「ぱすた屋」でペスカトーレ。函館名物のイカスミナポリタンも考えたけれども真っ黒のをそれから出かける前に食べる気力は流石に起こらなかった。食べれば美味しいことは分かっているので提供されている月内に再挑戦しよう。ペスカトーレは見た目は先月に食べた群馬名物の激辛ベスビオにそっくりなんだけれど、黒く焦げた唐辛子が乗ってないだけで味がまるで変わってしまうところが面白い。唐辛子も食べている時は大変だったけれどすぐにスッと引いたから悪くなかった。でも普通に食べられるペスカトーレの方が嬉しいかなあ、とか言いつつ普段はかけないタバスコをかけたのだった。やっぱりベスビオ、癖になる。

 阿佐ヶ谷のスターバックスでちょっとだけ仕事をしてから中野へと出て中野サンプラザで開かれるSCANDALのツアーグッズからTシャツを購入。大昔に千葉市文化会館だかどこかで開かれたライブでTシャツを買った記憶があるけれど、SCANDAL自体を見るのもそれ以来な感じでいったいどんなバンドになっているのか皆目見当が付かないのだった。Tシャツはデザインもおしゃれで最近はロックでもなくアイドルでもない路線に行っているのかと想像。まあそりゃあ全員が30歳を超えて来ているからいつまでもギャルな路線はとれないだろう。

 とかいいつつライブが始まっているとそれこそ昔の制服風のコスチュームでも勤まるくらいに全員が若々しくて声も若々しくてそれでいて演奏のレベルが上がってとても良い感じに仕上がっていた。新譜「MIRROR」をひっさげてのライブということでアルバムをまだ聴いてなかった身にはどれが新曲か分からなかったけれど、印象からそれまでのビートに乗ってギターサウンドが響くハードロックとはちょっと違った、メロウでナロウな印象の楽曲が最近の曲だとしたら音楽性にも広がりと奥行きが出てきた感じ。HARUNAの声は相変わらず元気でそれでいてバラードもこなすところに重ねた年月も見えた。

 MAMIのギターも相変わらずに鳴りひびく。そしてTOMOMIのベースの巧さよ。重低音がぐんぐんと響いて会場内を煽るのに、当人はふらふらとしたりくるくると回ったりしながら弦も見ずフレットも見ないで平気で弾いている。昔から巧かったけどどんどんと巧くなっているなあ。海外ツアーで見初められてどこかのハードロックバンドに引き抜かれて世界デビューしたって不思議はないけど、それをやられてしまうとSCANDALの癒やしが減じてしまうので今すぐにはあげないよ。ドラムのRINAもずっと叩き続けてそして歌まで唄ってと大変。外さないビートでなおかつ突き抜ける音をあの体型でやってしまうんだから凄い。やっぱりSCANDALは一流だ。

 総じて演奏し続けていたけれど、アンコール前のシングル曲「one more time」ではHARUNAがギターを下げてマイクだけ持って踊りながら歌ってた。かつてダンスと楽器のアイドル的なユニットとして慣らしただけあってダンスはお手の物。それは今も変わらないところを見せてくれた。全員が踊る曲も見たかったなあ。「瞬間センチメンタル」とか「太陽と君が描くSTORY」とか「HARUKAZE」とか懐かしいヒット曲もやってくれたので昔を思い出せた。観客席はそんな昔から来ている人もいれば若い人もいて女性も多かった。さらに若い人にも広がって欲しいけれど入ってくる入り口はあるんだろうか。音楽番組がなくなりPVと配信がメインの中でガールズロックがファンを獲得するチャネルが何か気になる。こちらとしてもその一助になるよう口コミに努力だ。次もまた行こう。


【6月9日】 日付が分かると同時に「犬王」の手拍子サイリウムOKな上に大友良英さんと後藤幸浩さんが音楽談義をしてくれる“狂騒”上映のチケットを確保。アヴちゃんと森山未來さんと脚本の野木亜希子さんが登壇した舞台挨拶付きの上映を見たばかりだけれど、そこで登壇者がお進めしていたまだ脚が生える前の犬王の愛らしい動きだとか、顔を取り戻したのに能面みたいな犬王が無音の中を舞うシーンを確かめつつ、手拍子でもってスクリーンの中のフェスを外に引っ張り出した空間に身を置いて、いっしょに楽しみたかったのだった。どんなフェスになるかなあ。歌えたらもっと最高なのに。

 博多の人口のほとんどが殺し屋だというとんでもない設定の「博多豚骨ラーメンズ」(メディアワークス文庫)とキャラクターを少し引き継いだ木崎ちあきさんの「百合の華には棘がある」(メディアワークス文庫)。ハッカー青年が実は国会議員の御曹司だとう設定を生かして野党の新鋭国会議員として政界へ送り込みつつ、起こる事件を探偵女子を動かし探らせ弱みを握ったり悪を懲らしめたりしていた。

 そんな中に加わったのが刑務所から出たばかりの元格闘家女子。昏睡させられ襲われ書けたところを抵抗したら相手が転んで打ち所が悪く死んでしまったという業務上過失致死で3年を食らって出所したら働く場所もなく食べ物にも困っていたところを探偵女子に助けられ、そのまま居着いて政治家の関わる事件に首を突っ込んでいく。その先に格闘家女子を過去に襲った不幸な事態の原因も発見。さらに宗教団体のテロの裏にあった謀略までもが浮かび上がってちょっとしたスパイ大戦へと発展していく。博多でにわか侍の活躍が見られた前のシリーズとは違ったサスペンス。これは続きが楽しみだ。

 「ハケンアニメ!」の舞台となった大泉学園にある日本最大のアニメーション会社の前に立ってる映画館で、「ハケンアニメ!」が上映最終日を迎えてしまうのでこれは聖地でやっぱり見たいとはるばる遠征。たぶん前の東映アニメミュージアムが閉館になった日に行って大塚康生さんをみかけて以来となる大泉学園でさて昼食でもとろうと見渡して、チェーン店ではつまらないと通りがかった中華料理屋「祥龍房」に入ったらこれがなかなかにボリューミーな豚キムチチャーハンを食べさせてくれた。これはなかなかリーズナブル。また生きたいけど遠くて行けそうもないものの、同じ名前の店が各所にあって同様にボリューミーな街中華を食べさせてくれるそうで、今度近場に行ってみよう。水道橋かなやっぱり。

 タリーズとロッテリアで時間を潰してから「ハケンアニメ!」。個人的には4回目。決して大きなシアターではなかったけれど、それでも半分くらい埋まっていたのはなかなかで、これで上映を終えてしまうのはお膝元でもあるだけに勿体ない気がしてならなかった。幸いにして本家のお膝元となる丸の内TOEIではまだしばらく続くみたいなんで、そっちであと1回くらいは見てみたい。上映最終日が決まればそれも行って拍手喝采したいなあ。あと4回目にしてやっと気づいたトウケイアニメーションにあった箱に書かれてあった「スイキュー!」の文字。どんなアニメだ。


【6月8日】 リストラを喰らってメンタルが粉砕されていた時期だったこともあって2019年から行かなくなって3年目。久々に秋葉原へと出向いて交差点で手を合わせてくる。4年ぶりで供えてあった花とかは少なくなっていたけれど、それでもちゃんと思って訪れて手を合わせていく人もいたいするところに、自分たちの街の秋葉原で起こった、自分が巻き込まれたかもしれない事態で亡くなられた、自分の分身のような方々を悼む気持ちは減じていないことがよく見えた。あるいは自分が起こしたかもしれない事件への複雑な思いを抱えた人のきっといただろうことも。きっと来年も行くだろう。その次の年も。可能な限りそこで自分だったかもしれない被害者と加害者を思うのだ。

 取り囲むメディアは前に比べて減ったとは言え、やっぱりそれなりに来ていて交差点の献花に手を合わせる人を狙おうと待ち構えていた。自分はすっと行ってさっと手を合わせてそのまま通り過ぎたから反応は見えなかったけど、朝とか大変だっただろうなあ。それはお仕事だから良いとして、いわゆる霊前とも言える場所でしゃがみこんで退屈そうにしていたり、立ってはいても熱心にスマートフォンを見ているのは弔意としてどうなんだろう。誰かのお葬式に取材に行ってスマホを見てたりしゃがみ込んで写真をとってたら蹴飛ばされるか祟られるだろう。そうした“常識”から治外法権にいると思っているところに、メディアの人々からの乖離があったりするのだろう。もうどうしようもないのかなあ、この惨状。

 これは面白い。「薬屋のひとりごと」の日向夏さんによる新作「聖女に嘘は通じない」(フロンティアワークス)は国の外交の顔を鳴る神子(聖女)を選ぶ試験が行われ、そこに教会で孤児達の面倒を見ながら街に出てはギャンブルに精を出して金を稼いでる神官のクロエに、なぜか白羽の矢があたって候補者として成金侯爵の息子だけれど結構やり手のの騎士に連れて行かれる。そこではすでにお嬢様的な態度の候補者は、圧倒的な美少女の候補者や、ぼわんとして動物好きの候補者や、女の子が可愛い服を着るのを見るのが大好きな候補者がいてそこにクロエは新たに加わることになった。

 他の候補者は実は2年前にも同じように集められていたけれど、その時にいた候補者の1人がボウガンで撃たれ死んでしまったことから延期となっていた。クロエはいわば欠員補充の形で参加したことになってそして、本当の目的としての犯人捜しを始めることになる。聖女は異能があるか得意なことがあるかするらしく、クロエはそれがギャンブルで慣らした嘘を見抜く力。そして聖女候補の中にいるかもしれない犯人を、その能力で以て探し始めるという展開は一種のミステリーとなって誰が嘘をついているか、そしてどうして候補者を殺したのかといった真相へと迫っていく。

 その構成も面白ければキャラクターも個性的。おつきの騎士は剣の腕より金の力で解決を図り、侍女は可愛い物が大好きで見ると鼻血を出すと行った具合。それでもコメディには走らずしっかりと政情から心情から条件として考慮された展開となっているから、推理しつつ明かされる真相に驚ける。その結果はなかなかにシビアあけれど、良い人が悪い場合もあれば悪い人が良い場合もあってバランスはとれているからちょっと安心。続きは描かれそうにもないけれど、楽しいキャラクターたちをこれで終わらせるのは勿体ないから、修行に入ったクロエたちが巻き込まれる事件に候補者たちが再結集なんて展開を呼んでみたいかも。待ってます。

 「犬王」の舞台挨拶付きイベントがあるので新宿へと向かおうとして途中で思い立って新宿御苑に寄ったら、新海誠監督の「言の葉の庭」に登場した東屋が柱の傾きが発生した関係で工事予定とあって立ち入り禁止になっていた。座ってビール……はだめだからノンアルコールとチョコで時間を潰したかったのに。傾いているから柱あけ直して元通りにしてくれるとは思うけど、これを機会とこぎれいな建物に変えてしまったら映画の聖地が消えてしまうことになる。ただでさえ映画のようなトークンではなくバーコードによる改札になってしまった新宿御苑が、これ以上変わってしまうのは寂しいので元通りの再建を願いたい。

 「犬王」のイベントではアヴちゃんが自分は平家の末裔だってことを教えられたと話して場内大湧き。好きな踊りでは1番最後の、無音で顔を取り戻した犬王がけれども無表情で待っている姿に切なさを感じたと話してた。人間なのに能面みたいなその表情から、一変して元の顔に戻るラストがだから余計に嬉しくなるのだ。そんな「犬王」では脚本の野木亜希子さんが書き下ろしたショートストーリーが収録された小冊子が11日から配られるとか。ほかに字幕入りの上映とか、オーディオコメンタリー付き上映もあるそうで、行って歌詞を感じながら見たいし、コメントを聞きながら見たいし、二次創作めいたお話しに想像を膨らませながら見たい。あと数回は行かざるを得ないなあ。


【6月7日】 朝からアップル界隈が騒がしかったのは新型のMac Book Airが発表になったからみたいで、自社製チップのM2を搭載したマシンは薄くて軽くて速いといった三拍子が揃ったものになっているようで、値段も20万円とかしないならちょっと使ってみたい気も生まれて来た。一時期シャープのメビウスとかを使った後、もう20年くらいはThink PadのXシリーズを使っていいて、今もX280を使いながらちょっと前に買って置いたX390にいつ乗り換えようかと思いながら、データ移行の面倒くささとソフトのインストールの手間を考え、逡巡していたりする。

 そうこうしているうちにThink PadのXシリーズは3ケタシリーズが消えてX13とかいったネーミングになっていたりして、こだわりも薄れていた今のこの機会にMacに切り替えてみても悪い話ではないけれど、やっぱり気になるのがキーボードのタッチ。字を書く人間にとって大事なそれを切り替えるのって結構勇気がいるのだった。とはえい最初はマックだった訳で、LC575と買って28年くらいになるんだろうか。ノートブックの性能の悪さからモバイル以降時にウィンドウズに乗り換えたけれど、そろそろ宗旨を変えてもというか戻しても悪くないかなあ。ほら、基本なんでも経費に出来る訳だし。あっと10万円超えれば減価償却対象か。ちょっと考えよう。

 見かけたのはたぶん、2代目の「AIBO」が発表になった会見の時と、それから秋葉原でスタートアップ企業が集まった時に「ガッチャマン クラウズ」に登場するトミーカイラを作っていた会社を支援する人として登場した時。今をときめくソニーのトップだという時代と、ソニーを去って悠々自適におさまらずいろいろと新しいことを探している時代の両方ともスタイリッシュでエネルギッシュなビジネスパーソンといった雰囲気を感じさせてくれた。<

 あとは茶目っ気。これがたぶん重要で、ただカチカチに固まって戦略を立てて正しい方向に行くだけじゃなく、先は見えないけれどもたどり着ければ凄いことが待っていそうな分野へと道を切り開く時に、深刻そうな顔をするより明るくて楽しげな表情でいた方が、周りもついていくし失敗しても次があるさと割り切れる。だからこそ取締役から社長になって撃ち出したインターネットの事業で今のネットワークで大きな利益を稼ぎ出すソニーの今を作ったとも言えるし、ゲーム事業を後押しして今のソニーの屋台骨を支える存在へと押し上げることができたとも言える。

 金融だってインターネットがあっての物だね。違うとすればコニカミノルタから買収したカメラ事業くらいだけれどこれだって1990年代のイメージセンシングへの投資があったから保っているところもある。AIBOだとかクオリアといった方面は成功したとは言いがたいけれど、ソニーというブランドに先進のイメージを持たせる役には立った。これがあったからこそ安い家電のイメージがまとわりついたサンヨーのように消えず、何をやっているか今ひとつ煮え切らないパナソニックのように安閑としないでソニーを日本でも屈指の優良企業のままでいさせたんだろう。

 出井伸之さん。若くはないとはいえ亡くなる歳でもなかった。こうして平成の経営者が去って行き、残るのはネットで一山当てた、新しいプロダクツもサービスも生み出さないフリーライダー経営者ばかりで日本の未来やいかに。まあソニーだってプロダクツに関してはテレビはじり貧でイヤホンも高級化に走る一方。ライフスタイルそのものを作るプロダクツは生み出せていないものなあ。プレイステーション5が未だ先進を走る状況から、次の時代に覇権をとれるプロダクツは生まれようとしているのか。それは何なのか。気になって眠れないかもしれないなあ。

 強い強い井上尚弥選手がボクシングの試合に出ていたのをAmazonPrimeビデオで観ていたら、過去に最強と言われていたWBCの世界バンタム級チャンピオンを倒してWBA世界バンタム級スーパー王座とIBF世界バンタム級王座を守って3団体の統一王者に輝いた。日本では初とか。これにあとWBOを加えれば4団体統一となるんだけれどそれに相手が応じてくれないとなるともはや防衛戦だけになってしまうから、階級をスーパーバンタム級に上げて新しく挑戦を始めるんだろう。パンチにスピードがあって破壊力もありそう。とにかく迫力の試合を今は地上波じゃなくネットが配信する時代なんだなあ。その方が世界で観られてチャンピオンとしても嬉しいんだろう。ボクシングは強く経済はヘタる日本の今を観た気分。AmazonPrimeビデオは次、どんなスポーツを提供してくれるんだろう。


【6月6日】 「湯川専務」としてセガ・エンタープライゼスの家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」のCMに出演していた湯川英一さんが亡くなっていたとの報。自虐的な内容とともに大うけしたけれどもスタートダッシュで台数が揃えられず出遅れたことの責任をとらされ常務に降格された時、それが人事として正式に発令されたものだったことがどうしても引っかかって、プロモーションを手がけていたあろう秋元康さんとそれを諾々と受け入れたセガが一変にきらいになった。

 ソフト担当でハードは管掌していなかった湯川さんが目立っているからと責任を取らせて笑うのは、働いている人たちにとって絶対に良くないと思ったから。そんなガバナンスを平気でやらかす会社が後にどうなったか、って考えるとやっぱりという気がしてしまう。プロモーションは巫山戯ても経営で巫山戯てはいけないという例。でも今は巫山戯た経営が持てはやされる時代だからなあ。やれやれ。

 湯浅政明監督を迎えて阿佐ヶ谷ロフトAで行われた「犬王」の作画を語るイベントで、犬王が足利義満の別荘で演じた際に竜が動き回る部分で竜の影が伸びたり縮んだりする映像を作る際、「10番目の感傷(点・線・面)」という作品を使ったってことにちょっとだけ触れていた。タイトルからはピンと来なかったけれど、光が動いてそれが鉛筆とかの影を壁面に映し出す作品と聞いて、アーツ千代田3331で見かけたあれかと思い出したけど、作者の名前までは調べなかったら今日になって新潟県にある美術館で、クワクボリョウタさんが手がけた「LOST#6」という作品が壊されたといったニュースが出てきて、その作品が光でもって影を映し出す作品だった。

 そしてクワクボリョウタさんこそが「10番目の感傷(点・線・面)」の作者だと分かってなるほどここに繋がるかと思ったのはさておいて、たぶん部屋にごそっと置かれた品々を間違えて蹴飛ばしてしまった程度かとニュースを見たら、踏み荒らしたとあってこれは意図的な破壊だと気がついた。修学旅行で出かけた中学生のやんちゃな奴らが部屋に転がるおもちゃのような物をみて、蹴飛ばしていてエスカレートでもしたんだろうか。でもそれは作品であって先日ルーブル美術館で行われた「モナ・リザ」にケーキをぶつけるのと同じ所業。「モナ・リザ」はガラスに守られて無事だったけどこちらはむき出しの作品が破壊されてしまった。

 そこにある品では再現は不可能らしいけれども偶然に頼るインスタレーションではなく光と影を計算して作り出す作品だから、設計図通りに部品が揃えば再現は出来ると思うもののその手間とコストが大変。コストについてはどうにかするとして手間については踏み荒らした中学生を呼びだして展示室に入れてアーティストといっしょに作品の再現に取り組ませれば、どれだけの労力で作られた作品かが分かって教育にもなるんじゃないかなあ。明和電機の土佐正道社長は自分の作品が壊されたらそうするってツイートしてた。応じるかは別だしクワクボリョウタさんの腹の虫がそれで治まるかも分からないけれど、いたずらに罰するだけではない道を見つけて欲しいもの。気にしていこう。

 仕事から戻ってTverでサッカー日本代表とブラジル代表の親善試合。シュートを放った瞬間に停まるとかTver回戦が弱すぎだろう。それとも自分のモバイル環境が細いのか。それでもだいた観られて日本代表が相手ゴールの近くまで攻め込めてもそこでボールを持ちすぎて奪われ良いところを作れない一方、ブラジル代表はワンタッチで繋ぎドリブルでも突破してどんどんと攻め込んでいくところに大きな違いがあると分かった。

 スコアは0対1でそれもネイマール選手によるPKではあっても、枠内シュートがブラジルの22に対して日本は5、そして枠内シュートが日本は0というところに歴然とした力の差がある。それで喜んでいるようでは本番で引き分けても勝ち上がれ歯しないだろうなあ。冨安選手と前田大然選手と三笘選手と南野選手といった持てて切り込めて受け渡しができる選手をちゃんと揃えよう。久保健英選手は……申し訳ないけどいらないなあ。


【6月5日】 映画「響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜」が公開された3か月後に起こった事態で多くのものを失って、もう立ち上がれないのと大勢の人を心配させて、それも仕方がないと諦めさせた京都アニメーションは、その後もちゃんと立ち上がって数々の作品を世に送り出し、大丈夫だっていうことを見せてくれている。そして3年生編がアナウンスされていた「響け!ユーフォニアム」シリーズも、3年を経てようやく立ち上がることができた模様。アンサンブルコンテスト編とそして久美子の3年生編が、相次いでアニメーション化されることが発表された。

 アンサンブルコンサートは2年生になった久美子たちが関西大会から先に進めなかったことを踏まえつつ、部長となった久美子が滝先生と相談して、少人数の編成で演奏する大会に出場することを決めてその代表を選ぶ演奏会を部内で開くことを描いたもの。それまで目立たなかったマリンバとか他の楽器の面々が名前を出して登場して、3年生になってから起こるいろいろな事態に備えさせてくれる意味合いもあって短いながらも厚みがあった。それを映像でみられるのはちょっと嬉しい。ジョイナス先輩無きあとの貴重なメガネ枠で、妹が癖のある釜谷つばめの正確無比なマリンバの演奏とか、ここでお披露目されるわけだし。ワクワクしかない。

 そして3年生編は、部長になった久美子がユーフォニアムのリーダーとしての地位も安泰かというとそこにとてつもないライバルが登場。さらには癖のある1年生がどっさりと入り面倒臭い2年生も含めてしっちゃかめっちゃかの中、久美子にとっては最後の全国大会に向けた1年が始まるというこれもドラマティックなストーリーが待っている。最後の最後まで気が抜けない展開をどう描くのか。久美子ら4人の結束は少し前の北宇治高校吹奏楽部の定期演奏会で確かめた。ならばあとはその結束を描く人たちの頑張りに期待するしかない。キャラクターも楽器も思いを受け継ぎ素晴らしいものを描いて魅せてくれるに違いない。期待して待とう。

 せっかくだからと渋谷にいって「攻殻機動隊SAC_2045」の展覧会をちょっとだけ見物。絵がある訳ではなくってイリヤ・クブシノブさんがデジタルで描いた絵をいろいろと投射する窓みたいなものが並んで、固定させず移動しながら絵が移り変わっていく空間になっていた。そこにARらしきものが展開されてスマホ越しに見ると何か見えたけれども光の粒子が飛んでいたくらいで面白みにはちょっと欠けた。それとも操作が悪かったんだろうか。VRでは電脳世界に入り込んだような気分が少し味わえたけど、これも以前に試した攻殻VRほどの迫力はなかったかなあ。素子出ないし。まあご祝儀。ニューバランスを頭に乗せた素子のTシャツもあったけど高いからパスだ。

 あの夏、かたわらを通り過ぎていった、なにか大きなものが何だったのかが分かった。それは、ひとつひとつが自分はどこに向かっているのかを思って、歩き続けてきた道の集まりだった。いろいろと話題の河瀬直美監督による映画「東京2020オリンピック SIDE A」。集まった道のそれぞれが、どこかへと向かって歩いていったそのく先を見せてくれた。観たTOHOシネマズ渋谷でそこそこ入ってた。半分位高齢者。その人たちの期待をはぐらかして、映画は個に目を向けて何かに沿わせず、何にも阿らないそれぞれのオリンピックを淡々と描き出した。勝利も敗北も棄権も参加もその人のものとして映し、良かったねと思わせた。

 柔道。女子バスケットボール。ソフトボール。スケートボード。サーフィン。陸上女子200メートル。陸上女子マラソン。空手型。日本が金に輝いたソフトボールや銀を獲得した女子バスケットボールはなるほど華々しさを伝えていたけど、そこからむやみに感動を抉りだそうとはしていなかった。女子バスケットボールはむしろ、カナダから参加した選手が生まれたばかりの子供も連れて来日し、母乳を与えながらプレイに臨んだ姿を見せる一方で、出産後に復帰したものの開催延期で再び引退した日本の元選手を対比させ、自分がそうありたいと思ったからそう生きることの強さ、そういうものだからと認め身をなぞらえさせた優しさのどちらが正しいのではなく、そこに人それぞれの行き方があるのだと教えてくれた。静謐な中に蠢動する表現への思いを感じられる映画。悪くない。


【6月4日】 庵野秀明セレクション「ウルトラマン」4K上映を前にTOHOシネマズ池袋で見た「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島は、前半の苛立つブライトとか相手の士官の浮つく声音に、安彦良和さんの描く漫画的な口の形や表情が重なって感情移入を妨げ、そして半ば遭難で半ば虜囚の身なのに問わず手前勝手に振る舞うアムロの態度が共感を阻害して、見ていてどうにも居たたまれなくなった。「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」でも感じた部分ではあったけれど、より激しくなったのは最後だからと安彦良和監督のやりたいようにやらせたからかなあ。

 好きならハマれたかというとそこはやっぱり漫画とアニメーションという表現の差もあり、乗っていない音声の替わりを絵で描いた表情で行う漫画になおかつ音声まで乗せたらクドくなって当然といったところで、過剰な波動に圧倒されて入り込もうとする気持ちが妨げられる。それでも、後半の三つ巴なモビルスーツ戦になってからは状況が進んだこと、表情や声になれたこともあって観られるようになった。

 モビルスーツ戦に関しては、CGI演出を頑張ったYAMATO WORKSの森田修平さんがアカデミー賞短編アニメ賞にノミネートされるくらいの世界的な腕前でもって、スリリングな映像を作り出してくれたからなのか引きつけられた。ストーリーに関してもあの島にククルス・ドアンが残り続けた理由がしっかりと描かれていて、単なる脱走兵による贖罪の日々とは違った意味性を感じられた。サザンクロス隊の当て馬ぶりは可愛そうだったけれど、生き残らせて本編に絡ませるにもいかない存在ならああいった結末もしかたがない。だったらコアブースターは何なんだ。いやGファイターじゃないなら劇場版準拠といえるけど、だったらあの描写はなになんだ。1.5倍のゲインがあったのか。気になった。トニーたけざきさんも驚きだっただろう。良かったねえ、セイラさん。

 阿佐ヶ谷ロフトAで「アニメスタイル」のイベントとして「『犬王』の作画を語ろう」が開かれたので見物に行って最前列で聞く。湯浅政明監督を脇に置いて亀田祥倫さんと中野悟史の両総作画監督が主にどんな仕事をしたかを話す内容から、なかなかに厳しいスケジュール感で進んだ制作の状況が垣間見え、そうした結果として作り出された映像の素晴らしさに改めて頭が向かう。最初は原画として呼ばれながら作画監督を任され総作画監督にまでなってしまった亀田さんはヒップホップみたいな犬王のダンスを描いたみたい。いろいろな映像をミックスしてロトスコープ気味に作ったみたいだけれどそこにアニメーターならではの手癖も乗ってヌメヌメではないイキイキとした生命感が表れている気がした。

 そんな亀田さんが描く友有の並びの悪い歯を見せ歌う場面がさらに「ポリゴン数が多い」感じに描かれたという原画があって、まだ若い人がスケボーで通い帰りながら作ったそうでクールでスタイリッシュでそれでいて泥臭いアニメーターが生まれて来ていることを知る。若い人では女性で犬王が池の上を優美に舞うシーンとかを描いたアニメーターがいて、湯浅さんに自分のポートフォリオを見せて加わりサイエンスSARUの作品に関わり上で前を上げて「犬王」で湯浅さんが褒めるアニメーターに成長したとか。そういう人がぐんぐんと現れているんだなあ。同じことが老舗でもちゃんと起こっているんだろうか。気になった。

 演出の人の突拍子もないキャラクター性も愉快だった。傍若無人だけれどマッチョではなくナードな感じ。きっと庵野秀明監督もこんな執着だったんだろう。将来が楽しみ。逆にベテランも凄い人たちが松本憲生さんも含め関わっているんだけれど、自分に納得ができないのかそれとお生来の性格なのかクレジットに名前を載せることを嫌がる人もいたとか。結果としてクレジットを見てもその人が参加していたと分からない作品が増えていく。そして口頭では参加したことが語られていく。アニメスタッフのデータベースに端っこで関わっている身として、どちらを“正史”とすべきか迷う。せめてパッケージには名前を入れておいて欲しいなあ。順番も謙遜で位置を迷いながらもがっつり関わっているというから、クレジットの順番が軽重にもならない問題への対応も考えないといけないなあ。


【6月3日】 シュワ!とばかりに古谷敏さんいよる生スペシウム光線ポーズを目の当たりに出来て嬉しかった、庵野秀明セレクション「ウルトラマン」4K特別上映 in TOHOシネマズ池袋。ゲストにウルトラマンの中に入って演技をしていた古谷敏さんを招き、清水崇さんがいろいろと訪ねていくトークショーが行われて、古谷さんからまずは「シン・ウルトラマン」について自分への愛を感じてくれている描き方だと喜んでいた。

 モデルになっただけでなく、モーションアクターも務めたことが「シン・ウルトラマン」のクレジットに書かれてあって御年78歳にしていったいどれだけの演技をしたのか、気になったけれどもそこはまだオフレコらしく多くは話してくれなかった。ただ、披露してくれたスペシウム光線のポーズを見るにつけ、そのやや前屈みになった角度だとか指先まで神経が通った腕の組み方が、まさに「シン・ウルトラマン」で見たまま。ウルトラマンのウルトラマンたる部分において、そのモーションをキャプチャしたんじゃないかととりあえずは確信している。いつか詳細が明らかになる時を期待しよう。

 上映される「ウルトラマン」の4作品についても解説があって、最初の第18話「遊星から来た兄弟」についてはザラブ星人が返信した偽ウルトラマンの頭が重いのほか固く、相手が普段いっしょに組んでスタントをしていた人でなかったこともあって距離感がつかめずチョップがあたってしまって、つい痛がってしまったという。本当は没なのに使われたことが今でも意外なよう。醜態は見せたくないというプロのスーツアクターを感じさせた。

 第26話「怪獣殿下(前編)」については庵野秀明さんが「ウルトラマンが美しくやられていく様」を讃えて選んだそうだけれど、それについてゴジラのスーツアクターとして有名な中島春雄さんから、美しく戦い美しくやられるようにと言われたことを実践したのだとか。なるほど上映された対ゴモラ戦でウルトラマンは暴れず悲壮さともちょっと違った名流れるようなやられっぷりだった。しかし前編だけしか上映しないのは殺生だよなあ。どうやってゴモラを倒したんだっけ。気になって夜寝られない。

 第28話「人間標本5・6」のダダ戦については、相手が人間型ということもあってプロレス技を意識したとか。なるほどいきなりレッグシザースで倒し、途中でネックシザースで転がしといった具合にプロレスで見られる技を繰り出していた。でもその細身で長い手足から繰り出される技は、パワフルなプロレスとは違った優雅さを感じさせる。そこが単なる怪獣プロレスを超えた美を見る人に感じさせたんだろうなあ。

 古谷さんだからこそのウルトラマンという訳。それについては成田亨さんからも「ウルトラQ」から続いてのスーツアクターとしての付き合いもあって、ウルトラマンを表現する上で古谷さんだからこそ作れるんだと言うことを訴えてくれていたとか。そんなウルトラマン役を途中で降りることも決めていた古谷さんだけれど、渋谷から円谷プロのある成城まで乗ったバスに乗ってきた子供たちの口からウルトラマンの話題しか出なかったことから、子供の夢を壊してはいけないと気を入れ替えたという。

 子供についてはあの円谷英二監督から、古谷さんが中に入ったウルトラマンが話しかけている有名な写真に関連して話があって、よく聞き取れなかったけれども子供に愛される存在になって欲しいという要望があったらしい。他には「息は苦しくないか」「目は見えるか」といった労りがあったとか。それも中島春雄さんから聞いていた、スーツアクターに優しい円谷さんに触れて古谷さんも嬉しかったみたい。ニコニコとして振り返っていた。

 上映4本目の第34話「空の贈り物」は実相寺昭雄監督だけあってウルトラマンがバトルし倒す展開とは違うものの、そんな実相寺監督が撮る怪獣へのこだわりが記憶に残っているとのこと。スカイドンは重たいという設定だけれど着ぐるみとしては軽かったとか。それを重そうに表現するのは以外や楽だったとか。重たいものを軽そうに扱うよりはそりゃあ楽だろうなあ。そして見た映像はスプーンが! 今も鮮明に覚えている『ウルトラマン』屈指のギャグシーン。4Kで見られて良かった良かった。もう1回くらい劇場に行って見るかなあ。


【6月2日】 エンターテインメントとは関係のない取材仕事で藤沢市へ。横須賀線を戸塚で降りて横浜市営地下鉄のブルーラインに乗り換えて湘南台まで行くと結構な規模の駅舎で、さすがは小田急線も停まるターミナル駅だと感心する。とういか慶応大学の湘南藤沢キャンパスってこの湘南台からバスで行くのか。東京から通うとするととてても大変そう。かといって近所に下宿すると遊びいくのは東京はもとより横浜だってなかなか遠い。どういうキャンパスライフなんだろう。気になった。

 慶応ボーイといえばお洒落の権化でもあるんだけれど、都心の三田に比べれば日吉もなかなかローカルな上に、さらにローカルな藤沢の海から遠い場所にあって慶応ボーイだなんて自慢できるのかはちょっと謎。とはいえ一方でSFCといえばハイテクな起業も結構あったりする最先端のキャンパスでもあって、都心だから偉いといった時代でもないことをある意味で証明しているとも言えるのだった。マサチューセッツ工科大学だってニューヨークやワシントンにある分けじゃないからなあ。

 取材先まで歩いて行けそうだったので湘南台駅を西口から慶応大学湘南藤沢キャンパス方面へとつらつら。良い天気の中を自衛隊機が飛んでいったけど近所に基地でもあったのか。途中に巨大ないすゞ自動車の工場があったけれど昔は格好いい乗用車を作っていた会社も今はトラックくらいしか作ってないんだと思い時のうつろいを感じる。取材先では@時間半くらい滞在。営業車を5台以上転がしている事業所は、運転する人のアルコール検査を毎日乗る前と帰ってきた後にやらなくちゃいけなくなっていることを知る。新聞社も支局に寄っては記者が乗用車を転がし取材しているけれど、同じように検査を義務づけられるのか。飲酒運転で事故を起こして解雇された記者もいたりするだけに気になった。

 取材を終えて必要な写真もあったので湘南台から小田急で藤沢へと出てそこから片瀬江ノ島まで行って橋を渡り江ノ島に行く。いったい何時依頼の訪問になるんだろう。ずっと昔、「Just Because」が流行った頃に登場したモノレールに乗って大船から江ノ島へと出てそこから渡った記憶があるけれど、まだ仕事をしていた時代だから軽く3年は経っていそう。その後コロナになって寄りつくことすらはばかられたけど、今は人出もそこそこ回復して島に入って神社までの参道も人でいっぱいで、食堂も人が並んでた。なので生しらす丼はお預け。今年は海の家も出るみたいだし本格的な復活も期待できそう。この環境が去年だったらオリンピックも盛り上がったのになあ。やっぱり2年延期すべきだったんだよ。それを安倍元総理が……。ポン酢の世話は大変だ。

 帰りは前に乗ったモノレールを逆に江ノ島から大船まで。降りて食道でメンチカツ定食を食べてそして横須賀線から横浜経由で家まで戻ってお務めを終える。ネットを開くと日本SF作家クラブへの新入会員が発表されていて、「宝石商リチャード氏の謎鑑定」の辻村七子さんや斜線堂有紀さんの名前が入っていた。斜線堂さんはともかく辻村さんはミステリの人じゃないって反応も多そうだけれどこれがどうして、デビュー作となった「螺旋時空のラビリンス」はガチガチな時間SFで、そして「マグナ・キヴィタス」はガチガチのロボットSFだったりするのだった。集英社オレンジ文庫で出てSFファンには決して届いているとは言いがたいけれど、これで興味を持って手に取る人が増えればSFマガジンで紹介してきた身として嬉しい。SFも書いてくれると信じよう。


【6月1日】 「トップガン マーヴェリック」を見てトム・クルーズが来ていたフライトジャケットの格好良さに撃たれたものの、買うだけのお金もないので昔取り寄せた放出品でアラミド繊維製のフライトジャケットCWU−36Pに、せめてこれくらいはとミリタリーショップから取り寄せたパッチを張ってトップガン使用に仕立て上げる。アイロンプリントらしくマジックテープがついてないのでユザワヤでマジックテープのシールを買って来てパッチの裏に貼り付け、パッチの形に切り取って完了。前から張ってあったパッチを外してくっつけとりあえずトム・クルーズ気分を満喫する。

  そうえいば大昔に何かの記者発表会でお土産にアルファ製MA−1のトップガン仕様をもらったことがあって、割と来ていたけれどファスナーがいかれて着られなくなったので捨ててしまったのだった。あれのパッチを外せば使えたかどうか気になるところだけれど、縫い付けだったし無印「トップガン」と新作の「トップガン マーヴェリック」では張ってあるパッチも違うみたいなんで応用は利かなかっただろうと想像。その時にDVDがついていたかどうかは覚えてないけど、「トップガン」そのものを見た記憶がないのできっとフライトジャケットだけだったんだろう。作りすぎて余ったかな。今でも中古で買えたら面白いんだけれど。

 とある新聞社の決算が出て、一応は全国紙を名乗ってはいるものの北海道から東北北信越に中部中国四国九州あたりに拠点がなかったりするのでもはや都市圏紙としか呼べない新聞だけに売上高も800億円を割り込み単体では500億円前後となかなかに厳しい状況が垣間見えた。上半期だけだと赤字になっていたけれど、そこは販管費を連結で78億円ばかり削り、単体でも70億円くらい圧縮して上半期以上の減少を達成。さらに固定資産売却益を11億円乗せてとりあえず、営業利益、経常利益、当期利益を黒字にしたみたい。それでも配当を出せば留保なんて出来ないから大変。だからといって配当を出さないと存在価値すらなくなるグループ末端の悲哀。経営って難しい。いやそれはせめて売上げ減を止めてから言えって話か。うーん。

 FIFAワールドカップ2022カタール大会に向けて動き始めたサッカーの日本代表が、キリンチャレンジカップに出場するにあたって背番号を決めてこれがひとつ本番での規準になるとしたらラモス瑠偉選手や中村俊輔選手あたりが背負って価値づけてきた10番はリヴァプールの南野拓実選手が背負うことになるみたい。プレミアリーグでの出場がなかなか出来なかったもののカップ戦では大活躍して海外のクラブチームでプレーする日本人選手の中でも抜群の存在感を示したからこれは妥当。フォワードでもゴン中山選手が確か10番だったこともあるから大丈夫だろう。シューズもアディダスだし。

 ハムストリングスさえ痛めなければプレミアリーグにずっと出て大活躍できただろうアーセナルの冨安健洋選手はディフェンスってこともあって16番。右サイドバックはだったら誰ってことだけれど2ばんが山根視来選手で3番が谷口彰悟選手と国内組。4番の板倉選手に5番の長友選手と比べ冨安選手が落ちるとも思えないからそこは好みなのかもしれない。センターバックが決まっている吉田麻也選手は22番だし。謎めくのは11番の久保健英選手でマジョルカでも今ひとつだし代表にもフィットしていないのにこの厚遇は誰の差し金か。フォワードなら前田大然選手と古橋亨梧選手と三笘薫選手で十分なきもするけれど、そこはやっぱり知名度、なんだろうなあ。まあ森保一監督が本番で使うかは分からないけれど。


【5月31日】 Yahoo!ニュースが一部の芸能記事に関するニュースを配信している媒体のコメント欄を閉鎖したとか。調べたらどうやらWeb東スポと週刊女性PRIMEとNEWSポストセブンらしくそれぞれが配信しているニュースを見たらたしかにコメント欄がなかった。Web東スポは格闘技とかのスポーツ系ニュースについてはちゃんとコメント欄がついているから、芸能に関して閉鎖となったのだろう。それとも前からずっと閉鎖していたんだろうか。ちょっとそこは気づいてなかったので自身がない。

 週刊女性PRIMEとNEWSポストセブンは基本が芸能ニュースばかりだから媒体に関してコメント欄が閉鎖になったってことなんだろう。それが果たしてどういう効果を持つのか、コメント欄なんてまるで気にしていなかった自分にはまるで分からないんだけれど、ランキングを見るとそうやってコメント欄が閉鎖された媒体が上位にまるで入って来ていないことを見ると、拡散されることが減ってニュース自体の伝播が狭まるような影響が出ているのだろうか、それとも単純にコメントが荒れやすい媒体だったのでそれを閉鎖するだけで誹謗中傷の類を目にすることがなくなっただけなのか。いずれにしても何らかの意図はあり影響もあってそれが良い方に転がることを期待したい。

 唐突に「PUI PUI モルカー」の第2期放送が2022年秋に行われると発表になってびっくり仰天。WIT STUDIOに移ってストップモーションアニメーションのスタジオ立ち下に取り組んでいて、それと新しいタイプの新作アニメーションにも勤しんでいるかと思ったらしっかりと「モルカー」に関わっていたとは。吉祥寺アニメーション映画祭に登壇してトークを行っていた時もきっと制作中だったんだろうなあ。それでも外出できるくらいの余裕はもって作れているなら善哉、きっと良い物に仕上がることだろう。

 気になるのはどこをスタジオとして使っているかで、前は割と個人制作気味なところもあったけれど今となってはアニメーション界のドル箱スター、潤沢な資金と整備された制作環境を与えられていると思いたいけれど、そこであるいはWIT STUDIOの新しいストップモーションアニメーションのスタジオが使われていたりしたら、シンエイ動画の制作ではあってもWITも絡んでといった具合に面白い座組になっていそう。どうなんだろう。近年は久保雄太郎さんとかを起用してアーティスティックなアニメーションも提供しているWIT STUDIOだけにこうした外部との強力、あるいは外部への強力なんかも行ってアニメーション全体の称揚を図ろうとしているのかもしれない。

 それはCloverWorksとアニプレックス、集英社と組んで新しいアニメの企画会社を立ち上げたこととも重なる。座組みだけなら「SPY×FAMILY」で一山当てたんで同じような展開を同じメンバーで考えようぜってことに見える。同時にあれあけのデカい企画を成し遂げた後で同じような企画をオリジナルでなんて練り上げられない、やっぱり出版発のIPをアニメ制作会社を抱え込む形で確実に映像化したい集英社の戦略に過ぎないんじゃないかとも思えてしまう。だからこそ気になる次の企画。完全オリジナルなのか集英社作品なのか。集英社だとしたら何になるのか。オレンジ文庫あたりから良いのを選んでくると面白いんだけれど。辻村七子さんの「螺旋時空のラビリンス」とか。

 午前中に図書館で原稿を1本書き、午後に2本のウエブ会議を終えて時間があったので、イオンシネマ市川妙典で「ハケンアニメ!」を見る。3回目。平日の午後6時半からの上映で都心部でもないのに10人以上入っていたのはそれだけ面白さが知れ渡り始めている現れか。今回思ったのは、王子千晴監督が斎藤瞳監督と対決した発表会で紹介映像が流れる前に黙っていたのはかっこ付けじゃなく、自分で作れなかったのを有科香屋子プロデューサーがどう繋いだかを確認してたのかもしれない。直前まで行方不明だったわけだから。

 そして見て何も言わなかったのは繋がれ方に納得がいったからなのかも。それで惚れたか、俺のことが分かっている人だってことで。しかし3回見てもまた見たくなるのはEDロール後のアレを見てジーンとしたいからなのかもしれない。あるいは斎藤瞳監督が「サウンドバック 奏の石」の最終回の構成を変えると言ってから、説得にも応じず自分を貫き断言し、そしてクリエイターを巻き込みラッシュまで行く怒濤の展開の気持ちよさを味わいたいからなのかも。クライマックスが大好きで何度も通った「サマーフィルムにのって」と同じ味。あるいは「キサラギ」のダンスエンディングに笑いたいため。そういう映画、もっと出てきて欲しいなあ。


【5月30日】 興行通信社の週末映画興行ランキングが出て、沈んでいた「劇場版 呪術廻戦0」が8位へと再浮上。いよいよ劇場での上映が終わるってことでいっせいに上映が行われて舞台挨拶もあってそのライブビューイングも行われたことから集客がぐっと増えたみたい。もう見納め感があってもイベントひとつで盛り上がれるのなら、ほかの映画でも試せばあるいは動員を増やせると思うのだけれど日本の映画宣伝って仕込みは一生懸命でも、その後の盛り上げにはなかなか淡泊。2の矢3の矢が飛んでこない。

 公開そこまでが仕事って割り切っているのだとしたら、あとは責任を持っている配給会社なり製作元が頑張らないといけないんだけれどその時は別の作品にとりかかっているから手が回らないのだろう。そうした中で「ハケンアニメ!」はツイッターに続々と情報を出して頑張ってはいるんだけれど、それでも届いていないのか2週目もやっぱりベスト10外でちょっともったいない。都内の劇場では箱が小さいこともあって満席のところが出始めているのだけれど、地方ではやっぱり入ってないんだろうなあ。あと1押しが必要だとしたら何ができるんだろう。

 そうした中で、この映画が気に入ったのか稲垣吾郎さんがレビューをしてそして自分がTOKYO FMでやっているラジオ番組「THE TRAD」に吉岡里帆さんを招いて映画のことをいろいろとトーク。「本当に面白かった」と重ねて行って、前は試写で観たから今度は劇場でもまた見たいと話す吾郎さん。「クリエイティブの難しさと人間の成長物語。アニメがどうやって作られるか、楽しむことができた」といった言葉には、ちゃんと映画のテーマを普遍化して受けとめていることがうかがえた。

 受けて吉岡さん。「心に残るアニメにたくさん触れてきた」という経験から映画の中について触れて、「すごくプロフェッショナルで、これが世界に認められる日本のアニメの裏側なのか」と思ったと話してくれた。えいがではメガネをかけて髪しばった化粧っ気のない顔で出ているけれど、そんな斎藤瞳監督役が「それでも可愛かった」と吾郎さんに言われたら、やっぱり嬉しいんだろうなあ。

 あの役も今だから演じたれたところがあると吉岡さん。「7年がかりの映画でオファーも前だった。そのころ演じてたらこうはなってなかった」というのは、いろいろな仕事を経て責任とか感じるようになったから。役者としての積み重ねがあって、それでもベテランにはまだ届いてない今だからこその必死さが現れていたのだとしたら、それこそが時間を切り取り定着させる実写映画の醍醐味って奴になるんだろう。

 「アニメって多くの人の緻密な作業の積み重なりで初めて世に送り出されている」と吉岡さん。「その感動、当たり前のように見ているアニメーションがどれくらいの努力の結晶なのかが伝わったら良い。何かに一生懸命頑張っている人なら、秀逸なセリフが胸に刺さって、明日もう少し頑張ろうと思ってもらえるのでは」と改めて話して鑑賞を呼びかけていた。これだけのプッシュがあったら改めて、見に行かないといけないなあ。東京あたりならまだまだ上映機会も多そうだけれど、3週目に入るとすっと減る可能性もあるから要注意。それは「犬王」にも言えるか。やっぱりランク外。映画って難しい。

 5月31日で終わってしまうので阿佐ヶ谷のぱすたやに寄ってご当地パスタシリーズで群馬県名物らしい「ベスビオ」を戴く。火山の名前がつけられているとおりに食べると口から噴火しそうな辛さ。それはカレーとは違って唐辛子で見た目は普通にトマトソースのペスカトーレなんだけれど、黒くカリカリになった唐辛子が何本も入っていることからソースが辛い。ただ食べられないほどではなく辛さがほどよく口を刺激して大盛でも食べきることができた。しばらく口に辛さは残っているけれど、1時間ほどで消えてしまうところも潔い。お腹がどうなっているかは不明ながらもこれは食欲をそそられるのでどこかで恒久メニューにして欲しいなあ。だったら群馬県に来い? ごもっとも。次は函館イカスイナポリタンだそうで黒いパスタを食べられそう。お昼には食べられそうもないかな。

 トランスジェンダーの人へのパワハラでセクハラが続いて訴えられた某社が至らなかったとコメントを出したみたいだけれど、2019年の段階でそうした事態が起こってすぐに手を打ち職場を分離する措置を講じたにもかかわらず、1年後に同じ部署に戻したりそこから2年も手が打たれなかったりしたのはなぜなのか、ってことの方がちょっと気になる。やった気になっていたのかそれともそれ以上は何もできなかったのか。ずっと同じようなことが執拗に行われていたのかも気になるところではあるので裁判に突入した以上はそこで審議され判断されて欲しい。セクハラパワハラ人間が居座り偉くなる会社は衰退していくとしても、その某社の業務はクリエイターの自立にとって重要だから。


【5月28日】 新宿へと出向いて「犬王」の舞台挨拶付き上映が始まるまでに食事でもと思ったものの、10時半頃では開いてる店も少なかったので牛丼屋のたつ屋に入って並を1杯。しばらく前に400円に値上がりしていてまつ屋とか吉野家に比べてリーズナブルな感じも薄れたけれど、よく煮込まれた牛肉とそえられた豆腐が良い味を出していて大手チェーン店では食べられない味を楽しめるからやっぱり通ってしまうのだった。

 店内のテレビではトム・クルーズがインタビューに答えていて、「トップガン マーヴェリック」ではセット撮影は使わず自分だけでなくメンバーもやっぱりジェット戦闘機に乗って実際にGを浴びながら撮影を行ったことを明かしていた。自分は操縦できても若い俳優はちょっと無理なところを映画さながらに教官となって訓練したみたい。だからこそのあの先生と生徒感も生まれたんだろう。あと超メジャーな若手俳優が混じってなかったもの、そんな危険な撮影に臨む人がいなかったってことなのかも。でもそうした試練をくぐり抜けた俳優たちは36年前のトム・クルーズと同様、これからの道が開けたんじゃないだろうか。極めれば道は開かれる。学びたい。

 さて「犬王」。新宿バルト9までエスカレーターで上がった8階の以前は中華そば青葉があって、そのあとラーメンTETSUが入っていた場所にパスタ屋さんが入ってしまったそっちで食べればとも思ったけれど、値段が結構高かったので今回もそして以降も断念。パスタならちょっと前に新宿紀伊國屋書店から移転したJINJINが、バルト9の下ちょっと新宿御苑寄りにオープンしていたのでそっちを使うから別に良いのだ。バルト9の中のカフェは「映画 五等分の花嫁」のコラボカフェになっていたけどそっちはそっちで作品を知らないので今は遠慮。公開中に観て感動したら使おう。

 さて「犬王」。前に東京国際映画祭で観ていて今回が2回目、その時にすでにロックフェスのようだといった感想を持っていたけれど、改めて見てやっぱりロックフェス的な盛り上がりを味わえる映画だってことを確認できた。だって後で登壇した出演声優陣がそろってフェスだって例えていたんだから。女王蜂のアヴちゃんに森山未來さんの2人がメインを張っている映画だけれど口から出る演奏場面を例える言葉がフェス。だからこそ映画館でも応援上映が解禁されて足踏みならし手拍子を打って叫ぶような観賞が出来れば最高なんだけれど、上映期間中にそこまで至るかどうか。岸田内閣次第か。

 壇ノ浦で海中に潜って平家の遺品を引き上げつつ漁師をして来た友魚の目が見えなくなって琵琶法師に拾われ京へと上ってそこで琵琶法師の弟子となり、最初は普通に唄っていたのが京の都を駆け回る異形の存在、すなわち猿楽の家に生まれながらも訳あって人間らしさを奪われ怪異な姿となって生まれた子供と出会い目の見えない友魚から名を変え友一と出会って意気投合。見よう見まねながらも優れた才能を異形の体躯ととおに見せる自称「犬王」の講演に、友一変じて友成は観客を誘う前座の音楽を奏でるようになり、そして犬王は誰も観たことがない能楽というかもはやイリュージョンを河原で、清水の舞台で、そして将軍足利義満の庭園で披露するようになる。

 そこで奏でられる音楽は現代のロックで、琵琶と太鼓でどうしてそんな音が出るかというのはこの際気にせずスピリッツとしてのロックすなわち体制への反抗が室町時代にも奏でられ、大衆を引きつけたと理解して観ていくとして、そうした音楽がとにかく凄まじく格好良くって心がシビれる。唄われているのは犬王という異形の存在の物語なんだけれど、その歌詞も歌われる歌声もアヴちゃんによるもの。性別不詳の響く声が醸し出す時にロック的で時にオペラ的な雰囲気に満たされた映画館もまた、ロックフェスの会場となって観る者たちを犬王の、そして友成のパフォーマンスへと引きつける。けれども。

 権力はやがて反体制的なものであり、自分より人気のあるものを弾圧するのが世の常で友成座の音楽は禁じられ弾圧され斬首される。なら犬王は、ってところが謎であり不興も買いそうだけれどそこは舞台挨拶で森山未來が触れていた、600年が経ってなお成仏できずにさまよう友成戻って友魚の魂を、ようやく犬王の魂が見つけられたように彼もまた無念を遺して600年を彷徨っていたことを感じ取るべきだろう。史実として犬王は義満の庇護下で栄え命も繋いだならばそこで表舞台から退く訳にはいかない。自分がそちらがわにいることで得られる何かに期すところがあったのかもしれないけれど、魂は友成と共にあったのだと理解しよう。だからこそ戻ったのが、本来の姿に。

 中盤からほぼずっと怒濤のロックサウンドとイリュージョンが繰り出され、席を立つ間もないからそこまでの、友魚が琵琶法師となって友一と名を変え犬王と出会うまでをひとつしのぎきって後は怒濤の展開に身を任せよう。そこまでの頼りは目を切られうっすらとしか見えない友魚の視界をそのまま映したようにぼやっとしながらディテールが分かるアニメーションの表現のアーティスティックな部分をしっかり堪能。後半以降も踊り唄う面々のアクションであり表情にアニメーションとしての凄みを感じよう。途中、森山未來さんが上げていた、藁で出来た手がずばっと刈り取られる場面でのけぞった犬王の顔を俯瞰で映すシーンは、24コマのフルアニメーションで描かれているそうなので改めて見る時に確かめたい。


【5月27日】 実は1作目をろくに観てない「トップガン」の実に36年ぶりとなる続編「トップガン マーヴェリック」が公開となったのでTOHOシネマズ新宿のIMAXで早々に観る。バビューンでドバーンでグオーンでズダダダダでドカーンだった。楽しかった。以上。ってそれでは説明になってないからもうちょっと書き足すならば、今度は廃校の危機ではなく戦車道の総本家を駆けた戦いが日本戦車道連盟へと持ち込まれ、世界選抜を相手に戦うことになってもはやどうしようもないといった状況下、西住流家元の西住しほが抜擢されて日本の高校選抜チームの教官となって昔取った杵柄を見せるといったストーリー、かな。かな?

 見どころは間にどれだけ時間が経ってもまるで衰えていない西住しほのボディスタイルとそして戦車を操り勝利へと導く技術。娘の西住みほとの関係もどうにか修復し、身を出身校の黒森峰学園のタンクジャケットに包みティーガー戦車に乗って全体を指揮して世界選抜が繰り出す物量に任せた攻撃をかわしてチームを勝利へと導く。面白そうだとしか言えないそんな設定を、世界のトム・クルーズが超音速で飛ぶジェット戦闘機を操りながらやってしまうんだから面白くないわけがない。ミッションが達成された瞬間にヒャッハーと叫び、そして危機一髪からの大逆転を迎えた瞬間にヒャッホーと拳を振り上げたくなる。

 アメリカだったらもう大声で歓声が飛んだだろうなあ。そんなエンターテインメント性に溢れメロウなドラマもたっぷりな「トップガン マーヴェリック」。途中、西住しほとみほの母娘が敵地で鹵獲されていた四号戦車を奪取して敵を攪乱するような場面があるかもしれないしないかもしれない。そして危機に陥ったところをまほが駆けつけ母親と妹を救うとか、そんな映画を創ってくれたら見に行くなあ。タイトルは「ガールズ&パンツァー 西住流」とか、そんな感じ? しかしCGではない戦闘機がほんとうにドッグファイトを繰り広げる映画は日本じゃあ撮れないよなあ。映画大国アメリカならでは。アメリカではどんな受け止め方をされるんだろう。興味津々。

 将棋の棋王戦で里見香奈女流四冠が本戦への出場を決めたとか。これは快挙である上に、対プロ棋士との対戦成績でプロ棋士編入試験を受験する資格が出来たそうでこれに申請をして5戦のうちで3勝すれば四段プロ棋士となってフリークラスに編入される。三段リーグを勝ち上がってプロ棋士四段になれば順位戦に参加できるC2クラスに編入されるから活動に制約はあるものの、女性で今までプロ棋士四段になった人はひとりもいない状況から考えるに、歴史始まって以来の快挙に手がかかったこの貴重な機会を是非に生かして欲しい気もする。

 ちょっと前に西山朋佳女流二冠が三段リーグで次点をとって、そこで2位以内に入ってさえいれば堂々の四段昇段を決められたのだけれどわずかに及ばなかった。それでも次の期にもう1回次点をとればフリークラスに編入されたけれど、今ひとつ調子を上げられないまま奨励会を退会してしまった。そこでの限界を認識したってことを理解したらしいけれど、同様に里見女流四冠も三段リーグで戦いながら退会をしてしばらく女流として活動し、そこで成績を上げて来た。早熟の天才もいる一方で晩成の大器もいるのが才能なら、自分はそちらなんだと誇って良いと思うので、かつて及ばなかった場所という感情は埋めて今できることをやり抜いて欲しい。それがプロ棋士挑戦なら是非に。

 アニメーション会社で働くクリエイターが貧乏なのはよろしくないと、ヒット作が出て儲かったアニメーション会社についてはご褒美として税金を割り引いて還付金としてアニメーション会社に戻せばハッピーと言って非難囂々だった赤松健さんが、「先日のアニメーター待遇改善案について、『還付金を制作会社に渡しても現場に還元などされない』、『ヒットした作品に限定すべきでない』など多数のご意見を頂きました。直接クリエーター支援に繋がる施作にすべく、根本的な現状改善に向け政策を改良していきます」というコメントをやっと出した。

 すぐさま声が上がったにも関わらず、てここまで2週間もかかるのかがまず分からない。あと、誰かが憶測していた、アニメ会社の単年度でドバッと儲かっても、税金で持って行かれて次の投資に回せないので、そうした税制面を改めるんだと言いたかったのを端折っただけという話ではなくて、本気でヒット作を出したご褒美として還付金を出すといった感じで、勝てば官軍であり勝たなくては無意味といったクリエイティブにあるまじきスタンスが根底にあったことがまるで分かっていなかったことが分かってちょっと心配になって来た。誰かまっとうなブレーンはいないものか。肝心要のインボイス制度にはまるで無関心なのも気になる。どうなるかなあ。


  【5月26日】 図書館に行ったら「演劇界」という歌舞伎を紹介する雑誌が休刊になっていて、根強いファンがいそうなジャンルでも雑誌を維持するだけの読者を得られていない現実に慄然とする。まあファン層の年齢が確実に上がっているジャンルでもあるから仕方がないのかもしれないけれど、日本が世界に誇る文化でこれからも維持していかなくてはならないジャンルで衰退が目立つのはちょっと拙い。むしろだから国が雑誌を支えて広報メディアとして利用し若い層に歌舞伎の魅力を伝えていく努力をしなくちゃいけないのに、劇評は近所の書店で頒布されるレターに置き換わってしまった。それすらもきっと読まれないんだろう。

 雑誌では「近代柔道」と「ボクシングマガジン」も休刊。東京オリンピックがあって柔道だってボクシングだって競技が行われたはずなのに、それがまるでスポーツの振興からの雑誌の売上げ拡大につながっていなかったことが如実に分かってしまった。柔道はともかくボクシングならファンもいそうな気がするけれど、雑誌を支えるほどではないんだろう。いっそう闘犬よろしく拳闘もギャンブルの対象にすれば雑誌を買う人も増えるかというと、リアルタイムに近い情報が求められるネットに置き換わっていくんだろう。競馬はだから雑誌より新聞が生き残っている。次は相撲かプロレスか。

 だったらウエブが安心かというとcakesって書き手のクリエイターが文章を発表するプラットフォームが8月で完全閉鎖となって記事もいっさい読めなくなるとか。さすがに成果がぶっつぶれては書き手も怒るってことで、運営元があわててデータはしばらく保存し渡せるようにすることをアナウンスしていたけれど、一般の人はもう読めなくなるということに媒体の運営者として何ら配慮をしないところが寂しい。いつでもどこでもアクセスできて、時にタトゥーとして永遠に残ると言われているネットだけれど、記事は消されて読めなくなってしまう方が多い。紙なら出てさえいれば誰かどこかが保存してくれるのに。そんなネットに依存して文章を発表し続けるリスクも考えないとなあ。

 菊名へと行く用事があったのでとりあえず横須賀線で武蔵小杉まで行って東急東横線に乗り換えようとしたらものすごく歩かされた。あの距離を朝は近隣のタワーマンションから吐き出される大勢の会社員がぎっしりと詰まってホームにも溢れ改札の外にも溢れる状況に陥っていると思うと都市作りってのはよほど考えないといけない分野ってことがよく分かる。住みたくないなあ。とはいえ菊名あたりだとタワーマンションもないけれど飲食店も少なく買い物もできる場所がなかったりしてとても横浜市街近郊には思えない。横浜線も通っているターミナル駅なのに東急はどうして開発しなかったんだろう。日吉はあれで慶応大学があるから立派なんだろうなあ。

 ひと仕事終えてさて帰って寝るかと思ったものの、丸の内TOEIで上映されている「ハケンアニメ!」の入りが芳しくなく、午後4時10分からの回で予約が1人もいないことが見えたので、これはどうにかしなくちゃいけないと日比谷線から銀座で降りてかけつけ観賞。幸いにして3人くらいはいたけれど、都内でも最大規模のスクリーンで上映されている東映のお膝元であるにも関わらず、この入りは先行きがちょっと心配。あれだけ宣伝もしていたのに、そして舞台挨拶の抽選でチケットが外れるくらいの人気だったにどうしてこうなってしまうんだろう。

 「ハケン」が「覇権」なのに「派遣」と思われてたいように、ストーリーが分からなかったのかもしれない。それだと行かない日本の安全パイばかり囓りたがる嗜好をどうにかしないと、エンターテインメントは死んでしまうしそれ以上に感性が摩耗してしまう。前評判とか気にせずコストなんて無視してふらりと映画を見て面白ければ喜びつまらなくても経験だったと笑える社会にならないと。さて2回目は原作を読んで見知ったものと少し違っていた映画の全体を把握した上で流れを追って観ていくことができた。最初は緊張で怖々として手探りだった斎藤瞳監督が、刺激を受け自分を改め成長していく感じをちゃんとつかめた。王子も余裕綽々なようで時に才能への懐疑を示す繊細さがあることを垣間見れた。それでもやっぱり最後には感動してしまうところがやっぱり凄い。もう1回観ても感動するんだろうなあ。そのためにまた行こう。入場特典も変わるみたいだし。


【5月25日】 秩父にあるアニメの作画会社が映画「ハケンアニメ!」の中で作られる「サウンドバック 奏の石」と「運命線線 リデルライト」の両方の作画を受注していることから、同時刻の放送を壁を仕切って見ている描写があって、時の勢いを反映して見る人の数が増えたり減ったりしていたのを現実でも再現したら面白いかもと企画。同じ劇場で同時刻から「ハケンアニメ!」の上映を始めて、片方に「サウンドバック 奏の石」派、もう片方に「運命戦線 リデルライト」派が入って映画を見るようにすることで集まった人数を競い合ったらどちらが勝つだろう。

 そこは役者の内で「サバク」の斎藤瞳監督を演じた吉岡里帆さんのファンと、「リデル」を監督した王子千晴を演じた中村倫也さんのファンがそれぞれに推し活を繰り広げるだけで、アニメの評価にはつながりそうもないから無理かなあ。いやいや監督だって数ある宣伝の弾の1つ。100撃って1つ当たるかどうかと城成理プロデューサーも言っていたから、それに乗っかりたとえ役者のファンの推し活になっても宣伝のためにやってみたらどうだろう。その場合自分だったらどっちに行くだろう。榎本佑さんも推したいけれど尾野真千子さんも推したいんだよなあ。それくらい、キャラのパワーが拮抗していた希有な映画。もう1度くらい見て誰を推すか考えたい。

 アメリカのテキサス州で銃の乱射事件が起こって子供を中心にして21人くらいが亡くなったとのこと。どういう理由なり心境からの乱射なのか伝わっていないけれど、少し前に起こった乱射事件は白人至上主義をこじらせた人が黒人を狙って乱射したって話で、その際に匿名掲示板の「4ch」をハブにして情報が回ったようなことが取りざたされていた。今回の乱射でも発生直後から「4ch」が関与しているかどうかを噂する言葉がSNSなんかに上がっていて、いよいよヘイトとレイシズムの言動が濃縮されて発信されるプラットフォームとして全米的に認知されて来たみたい。その運営に直接関わっているかは分からないけれど、生みの親ともされる人間を日本はテレビ局がコメンテーターとして起用しありがたがっている。不思議だけれどそれが日本のメディアの限界であり厄介なところなんだろう。

 だって真っ当なメディアなんて経営できないじゃん。日刊現代だかで編集長を務めた瀬尾潔さんが立ち上げた「スローニュース」ってサイトが早くも記事の更新を停止して実質的な撤退を決めた。ノンフィクションを応援するプラットフォームとして購読料を集めつつ優れたノンフィクションを優れたライターに書いてもらうコンセプトでそれなりに読み応えのある記事が掲載されていたようだけれど、「現代」にしろ「宝石」にしろノンフィクションが載る雑誌は「文藝春秋」「中央公論」を除いて絶滅してしまった現在、ネットだからといってコストをかけずに運営できるかというと、今度は購読者が集まらない。雑誌は買ってもネットにお金は払いづらい風潮の中、それでもファンを集めて運営するには何が必要か、って考えると東浩紀さんの「ゲンロン」は巧くやっている方なのかもしれない。毀誉褒貶あれど中心的な人物に特徴があるから。

 何かの冗談だとしたらたちが悪いし、真剣だとしたら頭が悪い。AV新報なるものが取りざたされている中で、立憲民主党の堤かなめ衆議院議員は「政党として性行為AV禁止の法律を別途検討していくことは可能か」といった立場から、「テレビや映画の殺人シーンで実際に人は殺さない」といった考え方をバックにして、性行為の撮影や動画の売買を認めることは個人の尊厳を傷付け性的搾取を許すことだ。党としてさらなる対策を検討し進めていきたい」と国会で話したとか。おいおい、性行為はすると殺人のように罪に問われるものじゃないだろう。「個人の尊厳を傷付け性的搾取を許す」場合もあるけどそうでない場合もある。そこを一緒くたにしてしまって突っ込まれるだろう可能性を、考えなかったのなら戯けだし、考えていっているならそれは表現の自由への挑戦でもある。今度の選挙も政権交代には遠そうだなあ。

 思うところあって横浜F・マリノスの試合を見に三ツ沢へ。マリノスだったら横浜国際じゃないのっていうとそれではやっぱりコストもかかるから最近は三ツ沢も使うことがあるみたい。行ったのがいったい何時以来になるか覚えておらず道にも不案内だったので、横浜駅からバスでスタジアムの側までいって中に入って試合を観戦。ちょっと前に豊田スタジアムで見た京都サンガを相手にマリノスが押し込みながらもキーパーの攻守もあって得点を奪えずちょっと苛立ちも出てくる。それでも右サイドを駆ける仲川輝人選手の圧倒的なスピードに、左サイドで安定したプレーを見せる宮市亮選手、そして得点を奪った小池龍太選手の頑張りなどもあって1点をリードし、後半にも1点を加えてマリノスが快勝する。

 両サイドのスピーディだったりする動きとあまりボールをもたずワンタッチで回していくパスワークが見事で、これで縦への圧も加われば往年のジェフユナイテッド千葉でのオシムサッカーの再来になったかもしれない。ただゴール前で回す余りに飛び込んでのシュートといった危険なプレーにやや乏しく、それが相手に守備の意識を生まれさせて堅守へと繋がって得点差を広げられなかったのかもしれない。後半に入った水沼宏太選手はボールの落ち着きも運びも良くってやっぱり一級品とった風格だけれど、もう32歳なんだよなあ、23歳で同じだけの活躍ができていたら世界がとれる選手になったかもしれない。そういう人が残って前田大然選手やオナイウ阿動選手は海外で活躍。日本サッカーの空洞化も極まってきたかもしれない。その中で最大限に面白いサッカーをやってくれている分、マリノスはましなのかもしれない。ちょっと観察していこう。


【5月23日】 「シン・ウルトラマン」が「ウルトラマン」のリブートだとしたら、「ウルトラマン」の続きであるところに小林泰三さん「ウルトラマンF」はある意味で「シン・ウルトラマン」の続きとしても読める気がする。巨大化した富士明子がフックとなって大活躍するストーリーが、そのまま「シン・ウルトラマン」の続きになるとしたら浅見弘子がメフィラスによって巨大にさせられた影響を引きずって、あの後も活躍する禍威獣を相手に浅見弘子が覚醒して変身して戦うことになったりして。それはセクハラではなく立派に女性の社会参加と見るか否かは変身後の格好次第か。さすがにグラマラスにはできないか。

 山口県で給付金の10万円を間違えて1人に4630万円を誤送金した件で、振り込まれたお金を全額オンラインカジノで使い切ったと嘯いていた人を横目に決済代行業者がなぜか3500万円を町に返したとのこと。警察にガサ入れされて怪しいお金を集めては怪しいところに投資していたことがバレて摘発されるのを恐れて自分はもう関係ないという証として手切れ金として振り込んだのか、それとも最初からオンラインカジノに使ってなんていなくて決済代行業者が後でバックするために一時保管していただけなのか、いずれにしても怪しい仲介人が絡んでのお金の動かし方をする人に、ピンポイントで大金が渡ったことがやっぱりなかなか信じられないのだった。偶然かなあ。

 バイデンバイデンバイデン、バイデンバイデンバイデン、バイデン、バイデン、バイデンデンーン。なんて唄いたくはならないバイデン大統領の来日がまったく個人的に話題にならないのは、そういった話題でもちきりのメディアの中にいないのと、そういった話題を伝えるテレビをほとんど見ていないせいか。ネットとかで見るニュースでは天皇陛下と面会をしてそれから岸田総理を会見もしたみたいだけれど、何を言ったかといえば台湾有事へのスタンスを示したくらい。それは助けると言いつつホワイトハウス的には言ってなかったりする曖昧なもので、そうした言動を国民が許し認めて騒がないところが、日本のノイジーライティーが強いメディア状況との違いなのかも知れない。

 新潟国際アニメーション映画祭というものが立ち上がるみたいで来年3月17日から22日という日程は東京アニメアワードフェスティバルとはズラしていると思うけれども近すぎる日程はその後にAnimeJapanも控えているだけにアニメーション業界関係者にはちょっと忙しい気もしないでもない。合わせたのかそれとも挑んだのか。ちょっと気になる。商業がメインの長編アニメーションの映画祭ということで、それなら東京アニメアワードフェスティバルがやっているかというとファンの投票で候補作を選ぶという映画祭とはちょっと違ったセレクトをしているところが映画祭とはちょっと違う。だから目下やっぱり唯一ってことになるんだろう。それで選ばれるのが優れているけど興行がイマイチな名作なのか、名作呼ばわりはされないけれど確実にマーケットを得てファンもいる作品になるのかは審査委員の心情次第か。お手並み拝見。取材行けるかな。

 三鷹でしばらく仕事をしてから帰って船橋の銀座コージーコーナーで今度はちゃんと変えたカスタードのエクレアを帰って食べて幸せな気分。これが斎藤瞳が求めていた味か。そして始まった「攻殻機動隊SAC_2045」のセカンドシーズンを見始めて、プリンがちょっと大変なことになって涙ぐむ。続いてトグサの失踪からの行き先が東京あたりを分かったけれど、どちらかといえば筑波あたりを思い出される風景というか、25年後も日本はそれほど変わっていないというか、そういった世界観の独特さがどうにも不思議なテイストを醸し出している。シリーズなのでテンポの悪さは相変わらず。これらをギュッとまた縮めた劇場版が出てくれば嬉しいかもしれない。曽世海児さんは荒巻もやればポストヒューマンの女性のミズカネスズカもやったりとモーションアクターで大活躍。スミスが凍結されちゃって声の出番はもうなさそうなだけにそっちで期待だ。


【5月22日】 そして始まった「天使のたまご」の上映は半分くらい起きていたようで眠っていたようで戦車めいたものが砲塔を横に向けてガラガラと走って行くキャッチーな場面は見られて巨大な目玉みたいなのが降りてきて海に落ちてそこに立像がわんさか乗っていて「宝石の国」で月から降りてくる奴らのビジョンを思い出す。あとはラスト付近で少女が大声で叫ぶところ。ここでパチッと目が明いてそして少女が人形となって目玉と共に上へと上がっていく場面は見たけれど、全体としてどういうストーリーがあったのかはやっぱり分からなかった。次に見る時はいつだろう。

 続いて「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」。こちらも話を知っているだけあって見なくても分かると意識を飛ばしつつラストの博物館でのバトルだけは目覚めて素子のゴリラ化とその前の磯光雄さんによるアクションを確認。でも「ネットは広大だわ」のセリフでは意識が飛んでいたりして短い間に行ったり来たりしていたみたい。人間って不思議だ。そして「イノセンス」。こちらはしっかりと最後まで見終えた。プロダクトデザインはいっしょでもルックがまるで違ってアニメっぽさから遠ざかっていたけれど、当時はそれを進化と思っていたんだよなあ、新しいこが始まるって。

 でも今となってはセル画調で描かれた「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」が懐かしく思う。肌触りも良い。そこはだから古い人間なのかもしれないけれど、結果として次の「スカイ・クロラ」ではセル画調のルックへと回帰していたようだから、押井守監督も馴染みがあるのはそっちだったのかもしれない。もし次が作られるとしてどっちのルックになるんだろう。3DCGはすでに「攻殻機動隊SAC_2045」で既にやってしまったから、元に戻して究極のセル画調を目指して欲しいなあ。それが押井守監督の最後のアニメーション映画となるのかもしれないならなおのこと。

 帰ってからちょっと眠りそして起き出してイオンシネマ幕張新都心へ行って「シン・ウルトラマン」をULTIRAで見る。真下から見上げるような浅見弘子の香しさを堪能しメフィラスの耳触りのよい声に聞き惚れそしてゼットン相手のワンパンチ勝利に喝采。そこへと向かう直前の浅見との別れのシーンでベタベタな音楽も流さず涙も見せずにさらりとながす人間ドラマの希薄さを是とする口ではあるけれど、2度3度見ると淡泊過ぎてもうちょっとベタっとしたところがあっても良かったかもしれない。人間って贅沢。そしてゾーフィ相手の会話を経て目覚めて終わる割り切りの良さも潔いけど物足りないと思う瞬間もちょっとある。「仮面ライダー」ではそうした人間味をどこまで出すか、それとも割り切るか。見守ろう。

 戻って銀座コージーコーナーで「ハケンアニメ!」御用達のエクレアを買おうとしたらチョコが載ったカスタードは売り切れだったのでいちごを買って食べたけど、それでチョコじゃないと斎藤瞳は泣き出したのだからあまり応援にはならないか。原作だとドーナッツなんだけれどコラボレーションがコージーコーナーになったのは、話を持ちかけて断られたからなのかそれとも東映が根城にしているのが銀座だからなのか。気になります。原作との違いといえば「サウンドバック 奏の石」が舞台にしているのは原作では新潟県なのに映画では秩父になっていた。既にご当地アニメが沢山ある秩父じゃ聖地巡礼も嬉しがらないのにどうして変えてしまったのかなあ。近場だと盛り上がると思ったのかなあ。そこで行城理プロデューサーのような人が暗躍して仕掛けたのなら凄いなあ。


【5月21日】 用事があって銀座に出たらプランタン銀座の建物がユニクロになっていた。でもって隣が無印良品で比べてやっぱり自分には無印の方が合っている感じ。ひとつには素材で麻にしても綿にしてもしっかりと表示をしてその効能をうたっていることがひとつあり、なおかつそうした素材で作られたファッションがどれもシンプルで体に合う。着ていてまるでストレスを感じないのがシンプルだからこその力って奴なんだろう。

 ユニクロはジーンズに関しては悪くないけどシャツは全体に生地が薄くてそして丈が短い印象。そうやって少しずつ詰めれば全体でどれだけの節約になるかと考えた時にひとつのアイデアなのかもしれないけれど、1枚1枚を身に纏うことになるユーザーにとってはちょっとした丈の短さだとか薄さは着心地に致命的になるんだよなあ。それが今も続いている風習なのかは確かめてないけれど、かつてそういった印象を持ってしまうとなかなかくつがえせない。それでもジーンズに関しては履き心地がずいぶんを上がった印象なのでサイズ直しの充実度合いも含めて利用していこう。ようは使い分けってことで。

 自分の話から入れば新聞記者だったので世のドラマに登場する権力に噛みついて不正を暴き、警察を出し抜いて真犯人に迫り、文豪を奮起させて折った筆を元に戻させ、挫折したアスリートを支えて競技の第一線へと送り返すなんてことをする新聞記者は、万人に1人もいないだろうことは分かっている。それでも、過去にウォーターゲート事件が暴かれリクルート事件が指弾されたように誰かが何かを成し遂げたという実績はある。そして、関わる人は忙しい日々に疲弊しながらも、心のどこかに新聞記者にはそうあって欲しいと思い、ドラマのような新聞記者を理想の姿として夢見る。そんな新聞記者ばかりになれば世の中にも何某らの活気が起こり、正義が貫かれるだろうという願望とともに。

 アニメーションを作る現場が視聴率を競い合ってぶつかり合うようなことはたぶん起こってはいないだろう。ぎりぎりの段階まで監督がラストを迷って迷って迷い果ててなお迷い続けるような状況も現実的ではないだろう。そんな余裕などアニメ制作の現場にはないからだ。変えられたコンテに従って作画をやり直す余裕もなければ、事前に収録を終えてあるはずの声優が変更された台本に合わせて最終回の放送間際に声を録るなんてこともないだろう。

 だからありえないと映画「ハケンアニメ!」の一連の描写を否定して理想が過ぎると呆れるアニメ関係者が少なからずいるだろうことは否定しない。土曜5時台に1クールのアニメが放送されるような状況も、その1本が大手アニメーション制作会社が手がける子供向けのアニメーションであるということも現実的ではない。だから原作は違っている。放送時間は別々でターゲットも違うし視聴率でも競争しない。

 ”覇権アニメ”という言葉の下に天才監督による魔法少女アニメと新人監督による子供向けのロボットアニメが同じクールでぶつかりあっても、その勝敗は視聴率という明確な物ではなく、人々の間の評判であったり世間にあたえたインパクトといったものの総称として用いられ、雰囲気の中でどれが”覇権”と言えるだろうかといった雰囲気の中で、誰となく認識する作品として語られる。

 それがあったから小説としての「ハケンアニメ!」は視聴率であったりパッケージの売上高であったりといった数値の上下で優劣が決まるといった、アニメーション好きの神経を逆なでしそうなバトルではないと理解され、受け入れられた。それが映画版「ハケンアニメ!」では、真っ向から視聴率対決にされてしまったことに、アニメーション好きは少なからず違和感を覚えるだろう。

 ただし、これは映画だ。映画というエンターテインメントだ。ドラマの新聞記者と同様に、ある種の理想像を時にカリカチュアライズも含めて描くものだとしたのなら、映画『ハケンアニメ!』はアニメーションの業界がそうあれば、とてつもなく理想に近い作品が続々と生み出されて働く人たちも理想を貫け、受けとめる視聴者も喜びを噛みしめられる世界になるのだといった思いが、形になったものだと言えるだろう。

 逃げ出したくなっても逃げられない中、やれることをとにかくやり続けることでしか作品は生まれないという確信。監督がやり抜きたいと思うことを誰もが受けとめ限界を超えて挑み突破して最高のものを作るのだという意識。時間だとか資金だとか気分といった現実の壁に阻まれて、届かない夢であっても思い続けることで少しずつ近づいて、そしていつかそこへとたどり着きたいという思いの容れ物として「ハケンアニメ!」という映画がなってくれれば嬉しい。その嬉しさを共有したいと思える人が1人でも増えていく始まりに、「ハケンアニメ!」という映画にはなって欲しいし、なっているのではないかと思うのだ。



(ACCESS COUNTER '96.07.20)


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