Last Updated 2020/11/30
日刊リウイチ
TUNAGATTEIRUNOYO
「1998-1999年lain日記」

リウイチとは誰だ?
リウイチとは奴だ!

薄い髪に伸びた髭
趣味はアニメと女子サッカー

日刊リウイチとは
そんな胡乱な野郎の日々を
無限に綴ったページなのだ

ワーニングワーニング

(ホントはただの日記です)

◎積み上げた本の数が這々の体で1800冊に達した『積ん読パラダイス』だけど記念事業もなく、これからも地味に静かに増量方針。ライブドアブログの方で『積ん読パラダイスinBlog』なんてのも作ってみたけど誰が見ているのやら。
落ち行く世界で孤独な少女がロボットと出逢い、つかの間の交流を経てそれぞれの道を選ぶ。切なくも哀しく、そして愛おしい狩野典洋の短編アニメーション『ノアのハコ庭』に全人類よ、涙せよ。
【11月30日】 フクダ電子アリーナでのJ2はジェフユナイテッド市原・千葉とジュビロ磐田との試合の前に、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースでゴールキーパーをしている山根恵里奈選手が、今シーズン限りで引退するということで挨拶に立って、選手としてずっとやって来たけれども気付けなかった大事なことに最近気付けたので、これからはそれを伝えていきたいって話してた。いったいどういうことだろうと気になったけれど、それを言わなかったのはやっぱり自分で気付いてこそって意味なのかもしれない。

 個人的には12月20日の誕生日が来てやっと30歳の山根選手が、次のシーズンから始まる日本女子プロサッカーリーグの中で、中心的な存在として活躍していってくれることを期待していただけに、引退は残念でならない。188センチの身長は男子のゴールキーパーを入れてもトップ級。挨拶で花束贈呈に訪れたジェフ千葉の佐藤優也選手よりも高いくらいで、並んで記念撮影する時に佐藤選手からちょっと背を下げてって合図が送られ笑わせてくれた。それだけのフィジカルに海外での選手生活からスピードや足技も出るようになって、いよいよこれからジェフレディースとなでしこジャパンの守護神になってくれると期待していた矢先の引退。どうしたんだろうという気がしてならない。

 本人もなでしこジャパンの合宿に行っていたからやりたいとう気構えはあったんだろうけれど、それでもこれから選手生活を続けるというイメージが湧かなかったらしい。いくら周囲が薦めたところで、当人の気力が足りていなければ無理ってのは自分自身が去年の今ごろ、ありとあらゆる事柄に対して前向きさを失っていたからよく分かる。今だってたぶん薬のお陰で意欲を持ち上げているようなところがあるから、自分がそこに居て良いんだろうか、それをやって良いんだろうかといった気持ちになったなら、その気持ちに従うのが正しいと分かる。山根選手はだから今はサッカーから離れて自分を見つめ直して、それでやりたいことが見つかればそこに向かえば良いんじゃないかな。それがサッカーだったら嬉しいけれど、バレーボールでもバスケットボールでも舞台でも何でも良いや。これからの活躍を祈念しています。

 500人規模からすれば少ないけれども311人は7月8月9月といったあたりからすればとてつもなく多い数字。その中から重症者も出ているとするなら東京都内の新型コロナウイルス感染症に関する状況はなかなか逼迫していると言えそう。医療崩壊の何歩か手前にあったりするかもしれないにも関わらず、自民党の下村博文政調会長「GoToトラベル」を来年の大型連休まで実施するよう菅義偉総理大臣に求めたというから頭がどうにかなっているとしか思えない。あるいは心が壊れているというか。理由は経済対策だというけれど、それをやって感染者が増えてありとあらゆるセクターが止まってしまったら、何にもならないて分からないんだろうか。分からないんだろうなあ。或いは分かっていても止められないか。それはどういう理由からなんだろう。アメリカ合衆国のありもしない陰謀よりも余程陰謀的。暴く人はいないのか。

 前週の259億円から16億円増えて「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入が275億円に達したとか。「タイタニック」も抜いて上には「千と千尋の神隠し」があるだけの日本における映画興行収入歴代2位になったけれど、ここから33億円を埋めて「千と千尋の神隠し」に追いつけるかというと、少し分からない気がして来た。前週の増加分が確か29億円で、そこから13億円も減らしてしまっただけに次の1週間で4割言となれば10億円に行くかどうか。さらに4割減の6億円から4億円3億円といった具合に減っていった時、年内に300億円にたどり着けるかどうかってことになる。

 年末年始に果たしてさらに人が行くか、それとも新しい正月映画に行くようになるか、微妙なところではあるけれど、ここで例えば煉獄さんのセリフステッカーとかでも配ってくれれば集めるために観客がどっと増える可能性はないでもない。「うまいうまい」とか「よもやよもやだ」とか「心を燃やせ」といったたセリフが書かれた奴。もらって自分の糧としたい人や、ご馳走へのお礼に使いたい人を誘って劇場に観客が溢れそう。やってくれないかなあ。自分も3度目を見に行くだろうなあ。あるいは年末にかけてテレビシリーズなり新しい劇場版の発表があるとか。そういった燃料をくべることで減りかけていた観客を増やせば308億、夢ではないかも。どうなるか。どう出るか。注目だ。「君は彼方」は1000万円いくかなあ。


【11月29日】 最初の「スター・ウォーズ」が公開された1977年の前年、1967年に「スター・ウォーズ」が撮影された街をひとつの切り口にして、映画に出演を果たしたメインではない人たちの今を追いかけた映画「エルストリー1976 新たなる希望が生まれた街」というのがあって、その中で今も全米なんかで開かれる特撮系のコンベンションに、「スター・ウォーズ」に出演したという触れ込みでいろいろな人がやって来て、サイン会なんかを行っている光景が出てくる。

 例えば酒場にいた頭の大きな女であり、ハン・ソロに撃たれるエイリアンであり、本編では登場シーンを削られてしまったルーク・スカイウォーカーの親友のXウイングパイロットであり、といった具合。そんな端役であっても「スター・ウォーズ」に出演していれば存分にスターであり、サインを求められるくらいの認知度を誇っているところに「スター・ウォーズ」という映画の、とりわけ最初の映画が持つ価値ってものが感じられる。

 そんな映画にあってほとんど唯一といってくらい、スター中のスターが登場している。デビッド・プラウズ。世界最大級の人気と認知度を誇るだろう悪役中の悪役、ダース・ベイダーを演じた役者なんだけれど、その彼が今は存在を認知されず、声を出す機会を奪われ今はディズニーやルーカスフィルムが開くファンイベントから閉め出されているというから驚いた。役への矜持を訴えすぎてルーカスに疎まれたとか。それでもやっぱり僕らの世代では、ダース・ベイダーといえば声のニール・アール・ジョーンズよりはやっぱり体格としてのデビッド・プラウズになってしまう。

 そのデビッド・プラウズが死去。R2−D2役のケニー・ベイカーやチューバッカ役のピーター・メイヒュー、そしてレイア姫役のキャリー・フィッシャーが亡くなってオリジナルの出演者が続々と去って行く中で、不遇でも存命だったダース・ベイダーも世を去ってひとつの時代の終幕といったものを感じてしまう。アレック・ギネスやピーター・カッシングといった前世紀のスターたちと、若いマーク・ハミルやスターとなったハリソン・フォードらをつなぐコスチュームの中の役者たち。残るはC−3POのアンソニー・ダニエルズくらいか。9部作を終えて後、作られるかは分からないけれども可能ならひとり、どこまでも演じていって欲しいなあ。あとは願うならデビッド・プラウズの復権を。ルーカスの手から「スター・ウォーズ」が離れた今こそ、是非に。

 これは流石に拙いだろう。個人が自分のSNSでどんなデマをまき散らそうと知ったことではないけれど、公器として知る権利を代弁している新聞がたとえ署名のコラムであってもそこに陰謀論に塗れたデマを載せてはやっぱり拙い。せめてそれはデマかもしれないといった但し書きを付けてようやくといったものを、何の注釈もなしに載せているのだから無責任も甚だしい。曰く「ウィスコンシン州では投票率90・2%という異常な数字になった」「史上最多票となったオバマ氏を1千万票も上回る8001万票。『裏に何かある』と考えるのが常識」「『百万人デモ』ののツイートが相次いだがテレビ、新聞は過小報道」等々。

 投票率は基礎となる数字の取り方が違うと解説が出ていたし、オバマ前大統領をトランプ大統領だってオバマ前大統領を上回る得票数を得ているのにそちらには「裏に何かある」とは感じていない矛盾。そしてデモに集まった人数を公的なメディアがテレビも新聞も含めて似たような数字を出しているだろうことに関心を持たず、そうあって欲しいと願う人たちの体感似すぎないSNSでの数字を正しいものだと信じてテレビや新聞を批判してしまうその支離滅裂さを、本人が果たして自覚しているのかいないのか。いずれにしてもそうしたメチャクチャな暴論を検証も無しに載せてある種のお墨付きを新聞が与えてしまっている。これはやっぱり拙いだろう。とはいえそうした自覚が新聞にあるとも思えない。共に死地へと歩む覚悟でいっぱいってことなのかなあ。やれやれ。

 あの遠藤保仁選手が生で見られるってことでフクダ電子アリーナへ。去年あたりだともう気分が最悪でJリーグの試合を見る気力もまったくなかったけれど、最近は自分が見たいなら見て何が悪いといった気分が出て来てなでしこリーグもJリーグも映画も展覧会も見られるようになった。変えた薬が効いているってことでもあるけれど。そんなJリーグの試合はジェフユナイテッド市原・千葉とジュビロ磐田の試合だったけれど、そこにどうしてガンバ大阪で長く中心選手として活躍していた遠藤選手がいたのか。それはガンバで最近出番減っていたことで、出場機会を求めてレンタル移籍をしていたから。

 とはいえ40歳の選手に出場機会がめぐってくるという補償はなかったけれど、そこは日本代表として世界にも知られた遠藤選手。しっかりとポジションを得てスターティングメンバーに名を連ね、中盤の底でボールをもらっては簡単にはたいたり送ったりする要として活躍して、ジュビロ磐田の攻撃に溜とテンポを作り出す。こちらはジェフ千葉のサポーターな訳で決して歓迎すべき活躍ではないんだけれど、そこはレジェンドな選手。繰り出される技は上手くて見ていてとても楽しくて見入ってしまう。

 それだけでも凄かったけれど、ジェフ千葉のゴールに近い場所でも慌てず数人でボールを回し、前へと出して味方を走らせ戻って来たところを蹴り込み見事にゴール。鮮やか過ぎるその得点に敵ながらアッパレといった思いが浮かんでしまった。これで0対2。そこからジェフ千葉も素早い攻撃から1点を返したけれど、あと1点が奪えず負けてしまった。本当だったら悔しい気持ちになるんだけれど、遠藤選手のレジェンド級の仕事が見られて気持ちは満足。ジェフ千葉の検討も見られて負けた憤りも減殺された。というか目の前で試合が見られるなら勝っても負けても気にならない。これも薬が効いているせいかもしれないけれど、地元に応援したいチームがあって試合をしてくれれば充分だという気持ちが分かるようになってきた。流石にJ3に落ちられるのは勘弁したいけど、J2でもしっかりと試合をしてくれれば良いかなあ、でもやっぱりJ1に挙がって欲しいなあ。来年こそ。そろそろKAPPAを止めよう。


【11月28日】 細田守監督と富野由悠季監督の対談を長考できる抽選に当たっていたら、富山県立美術館で始まった「富野由悠季展」へと出向いたかもしれないけれども残念ながら外れてしまって、そして遠くに出かけるのもはばかれる状況になってきたこともあって富山行きは断念。でもまだ見ていない「富野由悠季展」をどこかで見るとしたら富山か、次の青森くらいしかない訳で、開催期間の2021年3月6日から5月9日がうまく映画「いとみち」の青森での先行上映なり本上映に重なったら、それに合わせて言ってみるのも手かなあとう気がしている。

 何しろ「いとみち」では「機動戦士ガンダム」で作画監督だとかキャラクターデザインを手がけた安彦良和さんが応援イラストを提供したTシャツがもらえるクラウドファンディングが行われていて、それが届けば着ていくと何か良いことがありそうな気もするし、会期中なら合わせ技でのイベントなんかも期待できるから。それは流石に贅沢かもしれないけれど、雪どけから春へとうつる季節に青森の地に立つっていうのも悪い話じゃない。弘前の桜を見られればなおのこと心も晴れそう。とはいえやっぱり気になる新型コロナウイルス感染症の拡大。この冬に猖獗を極めて来春が酷い状況になっていないとも限らないし。

 何しろ東京都での感染者が561人に達して2日連続で500人を超えたとか。日本全体でも2592人でこれれは3日連続。いよいよもって重症者数も拡大の兆しで、国の基準に比べて厳密目の東京都の重症者数ですら67人と過去最高になっていて、これが国の規準となるとどうやら150人くらいを超えるらしい。東京都の重症者向けのベッド数が150くらいだっけ。これが国の基準合わせなら満床どころじゃないし、そうでなくても医師や看護師の人数からすれば67人だって多すぎるらいし。あの忽那先生ですら疲弊して辞めたいと思い始めている状況は、決してピークではなくこれからいよいよ本番を迎えることになる。

 医師も看護師もバタバタと倒れ院内感染で病院も次々に閉鎖された先に来る医療崩壊からの社会恐慌は、経済的な損失をもたらすだけに留まらず人心の荒廃にも広がりそう。そんな先が見えているにも関わらず国は相変わらずGoToを辞めようとしないし春のような外出自粛を呼びかけるでもなく自助努力でのマスクと手洗いを奨励するのみ。深く政治に関わっているにも関わらずそんなことないよと嘯く竹中センセイは、そんな程度の重症患者で医療が崩壊する訳ないじゃんと、関わる人数や必要とされる施設運営の大変さを考慮しない発言で事態を軽く見せようとしている。

 国が財政を出動させてセーフティネットを張りつつ難局を乗り切らないと、来るのは破綻でありより経済的に強い勢力による蹂躙で、それこそ前総理なり今の総理なり与党を熱く支持する人たちによって裏切りにも等しい状況であるにも関わらず、未だ支持率が下がらないのは何だろうなあ。まったく訳が分からない。それでいてアメリカの大統領選挙では外国勢力による陰謀があったといって民主党を批判する。その口が同じように国を荒れさせ売り渡そうとしている政権なり与党にどうして向かわないのか。それこそ何かの謀略か。いずれにしても正念場。ここを乗り切らないとオリンピックどころか新年すら迎えられないかもしれないなあ。やれやれだ。

 富山行きを断念したからって訳ではないけれど、一張羅二張羅ではやっぱり年相応の格好も出来ないと越谷レイクタウンのアウトレットにスーツを探しに趣いて、前にも1着買った銀座山形屋のアウトレットをのぞいてあれこれ探す。先週覗いたときにはエルメネジルド・ゼニアの見本が出ていて45000円がブラックフライデーの5000円引きになるって興味をそそられたけれど、サイズがA6では今の体型にちょっとウエスト的に足りないこともあって断念。間を開けてのぞけば何か入っているかと行って出してもらったのが、何とスキャバルで驚いた。

 オランダで1938年だかに誕生した生地の商社で世界中から優れた生地を集めて提供しているという話。それを銀座山形屋でも仕入れてフルオーダーを受け付けているんだけれど、そのためのサイズ見本が時間をおいて流れて来たものらしい。オーダーだと11万9000円するものがとりあえず、AB6の標準モデルで作られていて3万5000円に。それがブラックフライデーで5000円引きならとてつもなく安い訳で、体が入ればめっけものと着てみてとりあえず、ウエストも収まったのでその場で購入を決めてアウトレット内にある裾上げの店で調整もしてもらって持ちかえる。ネイビーのヘリンボーンで遠目には無地にも見えるから、前週に見たペンシルストライプのゼニアよりは使い勝手も良いかな。まあ着ていく場所があるかは謎だけど、冠婚葬祭の葬はともかく他には使えそう。あとはブルーのソリッドタイがあれば完璧か。探そう。


【11月27日】 明け方にクラーケンが爆発したみたいだけれども騒いでいるのはなぜか日本の以前からシドニー・パウエル弁護士を正義の女神と持ち上げて幸福感に浸っている人たちばかり。アメリカの方ではCBSとかブルームバーグとかビジネスインサイダーといったところが冒頭からスペルミスがあるし言ってる内容はすでに否定されたことばかり。それでいったい裁判が成り立つと思っているのかと言わんばかりの添削記事で、真っ当な思考の人が読めばこれはやっぱりヤバい系な人だったんだと思うだろう。

 ところが彼女を正義の女神と奉っている人たちは、そういうネガティブな情報こそが闇の勢力による謀略であって、それを暴くために我らがシドニー・パウエル弁護士は単身戦っているんだ、だから忙しくって夜も寝ていないからスペルミスだってしてしまうんだ、なんて可哀想な、でも言ってることは正しく正義で確実にバイデン候補を血祭りに上げてトランプ大統領を当選に導くんだと主張し続けている。そういう思考がいったいどこから来るんだろう。どこかにそうした思考に導く主体でもいたりするんだろうか。謎多い日本国内だけのシドニー・パウエル人気。いずれ暴かれる時は来るのか。

 可哀想なのは名古屋市民だよなあ。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴って愛知県が栄だとか錦三丁目といった繁華街での営業について、営業短縮だとか休業だとかを要請したいと言ったことに対して名古屋市の河村市長が「業者が可哀想だから同意できない」と言ったとか。もうたわけかと。ようするに大村知事が治める愛知県に従いたくないって意識が根っこにあるんだろうけれど、それで営業を認めたことで名古屋市に感染者が蔓延して、病院が逼迫して普通の疾患の人も入院できず治療も受けられずに亡くなったら、それはもう可哀想としか言いようがない。

 でも名古屋市長は業者が可哀想だとしか言わない。そこを可哀想でなくしつつ市民も可哀想じゃないようにするのが行政って奴じゃないのか。そういう発想に行かずにただただ愛知県のやることにノーだけいってごねる態度が先のリコールでニセモノらしい署名をいっぱい集めて身内から反発が出てくるような事態を招いた。それなのに未だ反省する構えをみせずに市長として君臨しては何もしないことで市民の生命を脅かしている。これでどうして反発が出ないんだろう。どうして何度も当選してしまうんだろう。そこがやっぱり分からない。知名度かなあ。対抗馬でいっそうの知名度がある人が出たら簡単にひっくり返るかなあ。誰かいないかなあ。

 どうしてこの企画が成立したのかを知る由もないけれど、どうしてこの企画が成立してしまったんだろうかを知りたい気もしないでもない。瀬名快伸さんという監督にしてプロデューサーで脚本も書き声優としても活躍しているというマルチな才能が、これまでいったいどうして僕の眼にも触れず耳にも聞こえてこなかったのかは、きっとおそらくたぶん僕が別の次元に行ってしまっていたからかもしれない。それが証拠に瀬名監督の長編劇場映画「君は彼方」をTOHOシネマズ池袋で見ていた時に、気が付くと違う次元に気持ちが向かって取り戻すのに苦労した。

 でもって「君は彼方」だが僕を彼方に飛ばしてしまうくらいにユニークな作品だった。ご当地ということで池袋がフィーチャーされててTOHOシネマズ池袋も出れば近隣の商店街も出るし雑司ヶ谷の鬼子母神も都電荒川線も出る。できたばかりの再建版トキワ荘まで出てしまうんだからももう豊島区も大喜びのはずなんだけれど、そんな映画で主人公たちの鍵となる場所がサンシャイン水族館でもなければ巣鴨プリズン跡地でもなく池袋ウエストゲートパークでもない、どこかの岬の突端というのはどういう訳だ。池袋が総出で応援した甲斐もないじゃないかと思わないでもなかったけれど、それはきっとどこかを出せばどこかに筋が通らないからと配慮したに違いない。自分はこうしたいからこすうるんだと主張を貫くことの難しさを、訴えていた映画をそれはある意味で象徴しているように見えるから。

 ストーリーについては多くを語らない。それはこれから見る人の興を削ぎたくないからで、見てその目でどういう映画化を確かめて欲しいからでもある。きっと彼方に気持ちを飛ばされるだろうから。それでも簡単に言うなら幼馴染の男子がいて好きらしいけど好きだと言われて好きだと言えないでいるうちに、いっしょに遊んでいた友達の女子が彼を好きだと言い始めたりして応援するよと言いつつ後悔もしてモヤモヤとしているうちにぎくしゃくしはじめ喧嘩して、謝らなきゃと焦る気持ちが起こしたひとつの事件。そこから始まる物語の先には山寺宏一さんと大谷育江さんが入れ替わるように声をあてるマスコットがいたり長髪の美形でありながらも声が竹中直人さんという死神めいた男がいたりと挑戦的な配役がなされている。

 土屋アンナさんに夏木マリあんまで登場するんだからいったいどれだけゴージャスなんだと思わせる、その絵は果たして精鋭なのかの9人しか原画がおらず第二原画も6人くらいだったっけ。それだけで95分もの長編アニメーション映画を作ってしまったのだからやはり挑戦的と言うしかない。見れば誰もが心を空の彼方へと飛ばされることだろう。声に関して言うなら松本穂香さんはやはりうまい。女優としても圧倒的なだけあって演技にしっかり感情がはいっている。入りすぎていて泣いたり叫んだりするシーンの耳に刺さるような脳天を揺さぶられるような感じもすさまじく、それが平たい顔をした女子のキャラクターから聞こえてくるとなるという、なかなかに得難い経験をさせてくれる。

 イケメンの幼馴染を演じる瀬戸利樹さんも普通はうまいが泣きながらしゃべるところはもうすこし頑張って欲しかった。竹中直人さんも山寺宏一あんも大谷育江さんもプロフェッショナル。それがビジュアルにマッチしているかは見た人が自由な気持ちで判断して欲しい。欲しいのだ。とまあいろいろ書いてきたけど正直にいうなら脚本と展開をもうちょっと整理した方が良かったんじゃないかなあ。主人公の澪がどうして新という男子が好きなのに告白できないのかって理由が分からず想像はついてもそうとは限らない可能性もあって情緒不安定なだけに見えるし、新も占い師を尋ねるあたりで不穏が態度を見せ始めていてそれが唐突な異能に結びつき、なおかつ冒頭のビジョンへとフィードバックされて家族にまつわる悲運めいたエピソードが浮かんでくる。唐突な上に盛りすぎでおなかが膨らんでくる。

 その上に池袋をフィーチャーしながらもラストシーンは違う場所。どうして池袋にしたかったんだろう。プロダクトプレースメントでも意識したんだろうか。これで池袋に愛着を持てと言われてもちょっとねえ。むしろどこかの岬に行きたがるだろう。かろうじてサンシャイン水族館の空飛ぶペンギンか。そんな感じにちぐはぐでズレた感じを整えることによって、シュっとした映画になりそうな気がしないでもない。編集をしなおして整えればあるいは。ってことを思いつつ目覚めたらそこはTOHOシネマズ池袋の椅子の上。今僕は空の彼方に行っていた。外に出て見上げると雲間に月。


【11月26日】 ディエゴ・マラドーナ死す。享年60歳。その逸話は数あって、たとえば1986年のワールドカップメキシコ大会準々決勝のイングランド戦で見せた「神の手」と呼ばれるたぶん手で触れてるんじゃないかな的なゴールとそして、5人を抜いて叩き込んだゴールが今も伝説として語られているけれど、個人的には1994年のワールドカップアメリカ大会、ギリシャ戦で見せた鮮やかなゴールと、その後にカメラへとかけよって叫んだ顔が今もくっきりと記憶に残っている。さあここから一気に大会の中心になっていくぞと思われた矢先、ドーピング疑惑で追放の憂き目にあってワールドカップから去り、そして代表のピッチに2度と戻って来ることはなかった。

 選手としてはもうちょっと活動はしたけれど、世界の檜舞台でまだまだやれるところを見せてくれながらも退かざるを得なかったのは、ドーピングが原因とはいえやはり残念でならない。当時まだ32歳。決して若いとはいえないけれど、それでも分厚い胸板とぶっとい足で動き回ってゴールを叩き込んだあのプレイなら4年後のフランス大会でも活躍できたような気がするし、選手として充実した人生が送れていれば肥満からの体調不良をたびたび起こして健康を害し、今回のように早く亡くなることも避けられたような気がしてならない。返す返す勿体ない。

 サッカー界にはたびたび時代の中心となる選手が現れる。ブラジルのペレであったりジーコであったりドイツのベッケンバウアーであったり、イタリアのバッジョであったりフランスのジダンであったり、イングランドのベッカムであったりポルトガルのロナウドであったりアルゼンチンのメッシであったりと挙げれば続々と挙がるけれど、その中でもペレよりロナウドより高く君臨して激しく輝くサッカー界の星となると、やっぱりアルゼンチンのマラドーナになってしまうなあ、僕の世代だと。

 若くして強烈な印象を世界に与え、そしてワールドカップで自ら活躍して優勝を果たしたマラドーナ。メッシがバルセロナでいくらゴールを量産しても、代表での活躍とそしてワールドカップでの栄冠を得ていない以上、マラドーナの後継者を名乗るのはやっぱり難しい。それだけ巨星であり永遠の存在であっても、病気には勝てず死去。これが時代でありこれが生に限りある人間の運命だとはいえ、もうちょっとだけ存在を保ってアルゼンチンのサッカー界に真の後継者が誕生し、その活躍によって30年以上届いていないワールドカップでの優勝を果たすを見届けて欲しかった。謹んでご冥福をお祈りします。次のJリーグでは偉大なサッカーファミリーに黙祷を捧げて欲しいなあ。

 うへえ。安倍晋三前総理の事務所が「桜を見る会」の前夜祭で参加者が支払った会費では足らない分を補填していたんじゃないかって話で、秘書に聞いたけど秘書は違うといったから私は国会でそんなことはやっていないと答えたまでで自分は悪くないぞ的な良い訳をしている感じになっていて、いやいやそこで嘘をつくような秘書を雇っていた方にだって責任はあるし、本当に調べるのなら帳簿を洗うとか領収書をひっくり返すとかして徹底的に調べてた上でそんなことはなかったと答えるべきだったと言えなくもなくって、それで自分には責任がないと言うのはちょっと一国を率いる立場だった人には不用意だし不見識じゃないかって思ったりする。

 そんな上が上だからか、西村康稔経済再生大臣が新型コロナウイルス感染症の感染が拡大している状況が今後どうなるかを問われて、「神のみぞ知る」と答えて担当している政治家の責任を投げ出しているかのような態度だと非難されたことについて、いやいやそれは専門家の尾身茂先生が言った言葉を引用しただけで、切り取られて拡散されているといった良い訳をしたらしい。本当に尾身さんが言ったのかどうかは確かめようがないけれど、仮に言ったのだとしてもそうした言葉を自分が発して世間がどう受け止めるかを考え、使うかどうかを判断するのがその立場にある者としての務め。それができなかった時点で失格だし、責任をなすりつけるなんてのももってのほかの所業。でも上が上だから下もそれで通用してしまうところにこの国の矜持というものの底が完全に抜けてしまっている感じがひしひしと漂う。誰も責任をとらない政治が行き着く先は……ってそれが今か。やれやれだ。


【11月25日】 午前0時になってしばらくして、配信が始まった谷川流さんの「涼宮ハルヒの直感」をペラペラ。巻末に「最後に」という言葉で京都アニメーソンで起こった悲しい出来事への言及があって、そこに「私はあなた方を忘れない。私はあなた方が為したことを忘れない」と書かれてあって心に染みる。原作でもそれなりに人気があったけれど爆発したのはやっぱり京都アニメーションによるテレビアニメの放送が始まってから。特異な構成に高品質の映像といった特徴で一躍大人気となりライトノベルを代表する作品になってしまった。

 こうして9年半ぶりに出る新刊が話題になるのも、京アニによるアニメの人気が大きく貢献しているのなら、自作を広めてくれて愛してくれた京アニに感謝の言葉を捧げて不思議はない。その機会が1年4カ月も経ってしまったのはその間に作品を出さなかったからでもある。もっと連続して書きながら自分を発信していれば、早くに言葉も聞けただろうと思うと谷川さんには9年といわず9カ月で新刊を出して欲しいと願いたくなる。書けないって訳ではないんだろうけれど、だとしたらどうして書かないんだろう。そこが気になる。他にもあったシリーズだってまるで手を着けてないしなあ。

 そんな新刊となった「涼宮ハルヒの直感」で話題はやっぱり鶴屋さんが出てくる「鶴屋さんの挑戦」という中編。よく分からないキャラクターとして登場してはSOS団やらハルヒに絡んでくる女子だけれど、想像するなら涼宮ハルヒという特異な存在についていろいろと知って影で動いている感じがある。「とある魔術の禁書目録」で言うなら上条当麻の先輩に当たる雲川芹亜みたいな感じ? 裏に通じながらもそれを隠して主人公に接していろいろと手を回すといった。そうした黒幕的な立ち位置ってやっぱり憧れるもの。そんな鶴屋さんがメールでもっていろいろとSOS団のメンバーと、そしてミステリ研究会に参加した外国人らしいTという名の女子に謎解きを挑んで来る.

 冒頭にまずミステリ談義があってエラリー・クイーンの国名シリーズでベストは何かを聞いたりしつつ後期クイーン問題といった言葉なんかを出したり読者への挑戦状といったものの是非を問うたりしてはミステリという形式が保つさまざまな特徴に勘づかせ、そこに鶴屋さんからのメールによる出題をぶち込んでハルヒたちにあれやこれや考えさせる。鶴屋さんと少女がパーティを抜け出しドレス姿でテニスをしたり、再会したその少女と温泉に行って葡萄踏みをあって逃亡してといったエピソードを重ねつつ、それぞれに仕込まれた謎を解かせる。

 読むとなるほど一種のミステリとしても楽しめる感じだけれど、問題はこれがSF的な多次元だったり未来だったり宇宙だったりといった状況を背後に保つ作品だってこと。本来は文芸部の部室というSOS団のたまり場という限定された空間でもって謎解きが行われているその周囲で、いったい何が起こっているんだろうと想像することで、そもそもどうして鶴屋さんがそうした謎解きのような挑戦を突きつけてきたんだろうとか、果たしてそのイベントがハルヒの何を刺激して何をもたらしたんだろうとか、想像できていろいろと考えてみたくなる。

 逆に言うならただのラブコメだったりミステリだったりスポ根だったりでエピソードをつなげても、積み重ねてきたSF的な設定を仄めかせば途端に深淵な物語にもなる訳で、そこで楽をすればいくらだって続きは書けそうな気はするけれどもミステリ物をやるだけでも相当に研究を重ねてミステリとは何かを突き詰めた上で、エピソードを想像して積み重ねてさらにSF的な状況も重ねてみせているから大変なもの。何でも書けるけど何も書けない状況があるいは、谷川さんの筆を縛っているのかもしれない。そう思うとこれは貴重な1冊になるのかなあ。でもやっぱり次が早く読みたいなあ。アニメ化でも嬉しいんだけれど。

 アメリカのユタ州にある岩ばかりの荒れ地らしい場所でモノリスが見つかったってことで話題になっていて、誰が作ったんだろうアーティストが作ったんだろうかやっぱり本物だろうかといった話が飛び交っているけれど、画像を見たら1対4対9ではなくってそれはモノリスではないと思ったし、別の映像では違う角度から取られていてそもそも板ではなくって三角柱だったことが分かって、モノリスでもなければ話に出たジョン・マクラッケンへのリスペクトでもない別の何かだって感じがした。だったらなおのこと何かが分からないんだけれど、想像するならエレベーターの隅っこにあって閉じ込められた時に必要な道具が入ったロッカーを、砂漠に突き刺しておいて何かの時に使おうとしたんじゃなかろうか。そんな訳ない? こりゃまた失礼いたしました。

 東京国際映画祭に続いて「魔女見習いをさがして」を新宿バルト9でやっぱり舞台挨拶付きで見る。森川葵さんと松井玲奈さんと百田夏菜子さんが登壇しては映画についてあれやこれや語ってくれて、それぞれに「おジャ魔女どれみ」が大好きだったんだなあってことが分かった。もう20年近くも前の作品だけれど、5歳から7歳くらいで始まって4年くらい続いていた作品だからどっぷりとリアルタイムで見ていたってことになりそう。それから暫くして始まったプリキュアシリーズだと、成長してハマらなかったかもしれないと考えると、あの世代にとって強く心に刻まれた作品は、プリキュアでも「美少女戦士セーラームーン」でもない「おジャ魔女ドレミ」だったと言えそう。

 そこを掘り返してはかつてのファンが見ていろいろと感じられる映画に仕立て上げたことが、観客に足を運ばせそれなりの興収を稼がせる要因になっているのかも。マーケティングといっちゃうと見も蓋もないけれど、ファンサービスとして良い企画だった。20代の女性が映画館に足を運びたくなるのも分かる。見て直面している仕事だとか学校だとか恋愛だとかいった問題についても、いろいろと考えさせられそして前へと進む勇気をくれる内容でもあるし。それは男性でもいっしょか。「機動戦士ガンダム」からいろいろともらったけど今は成長して忘れた心を甦らせてくれる「ガンダムを探して」があったら嬉しいかなあ。でも集まった3人がガンダム好きだと言いつつ違うガンダムを上げて喧嘩になるんだ。


【11月24日】 本国のアメリカではすでにシドニー・パウエル弁護士はトンデモな言説が過ぎて共和党にとっても味方になるどころか厄介にしかならないから、もう何も言わせるなってことでトランプ陣営にプレッシャーがかかって、はじめから身内なんかじゃなかったんだよといった言説とともに遠ざけられたって感じになっているにも関わらず、なぜか日本のライト方面に偏っては中国を毛嫌いしている人たちが、トランプを応援したいあまりにシドニー・パウエル弁護士を正義の女神の如く持ち上げて、今回の放逐も民事と刑事を分けるために離れただけで、本気を出してバシバシと摘発していくんだって期待を強く表明している。

 とっくに否定されたベルリンでドミニオンだか何かのサーバーを米軍が奪取したって話も今もって信じている感じ。それを報じているのがアメリカでも名うての保守的な政治情報サイトで、なおかつそれを宗教系のサイトが伝えているようないかにもフレームアップされた情報といった感じであるにも関わらず、すっかり信じて拡散しているんだからもう厄介。さすがにこれはヤバいと感じたのか、ジャーナリストの人がトランプ大統領からバイデン候補への政権移行が進み始めているという話を紹介すると、作家の人がまだ早いよ諦めてはいけないよと突っ込んでくる始末。ちょっとした地獄絵図になっている。

 そりゃあシドニー・パウエル弁護士を2024年の大統領候補と持ち上げた作家の人にしてみれば、何をしようが正義のためだと言わざるを得ないんだろうけれど、そんな偏向ぶりと心中したくはないだろうなあ。とはいえこれまで偏った情報を煽るように掃海してきたジャーナリストの人にとっては、自分が育てたようなライティな層を裏切るようにして真っ当になろうとするのは虫が良すぎる。ここはどこまでもトランプ大統領の正義でありバイデン候補の悪を信じシドニー・パウエル弁護士の力を頼みに何かアメリカでグレーとな変化が起こると煽り続けては、そうはならない状況にしおしおになって頂きたい。できれば自称皇族の人とか作家の人の周辺にいる女性編集者なんかも巻き添えにして。

 昨日あたりから例の「桜を見る会」でもって安倍晋三事務所が開いた前夜祭に招かれた人たちが、5000円の会費で飲み食いをしたホテルでの費用が実はそれだけでは足らず、事務所が毎年のように補填していてその領収書が見つかって、安倍晋三事務所の関係者が東京地検に任意聴取されているといった話が広まっていて、スクープした読売に続いてNHKも大々的に報じ始めて結構な大ごとになっている。安倍晋三前総理は自分はいろいろと問題になった時に、秘書に支払ってないよねと電話で聞いて支払ってないよと返事を聞かされたから、国会でそのように答弁したってことを安倍総理の周辺の人が話しているそうだけれど、これを須直に信じる人もいないだろうし、東京地検ならそのあたりも踏まえて秘書を絞り上げているだろう。

 そこをしっかり口をつぐんで地獄まで秘密をもっていく覚悟があるかって話になりそうだけれど、果たしてそこまで忠義を尽くす相手かってところで、すでに総理でもない身分となった人に命までかけられるかとうと悩ましいところ。だからゲロして総理の手が後に回る可能性もないけれど、そこまでいかなくても事態が公職選挙法違反として聴取を受けているなら、上が知っていようが知らなかろうが連座が適用さるからやっぱり手は後に回る。政治資金規正法違反ならそこまではいかないだろうけれど、時の総理大臣ともあろう人が事務所のメンバーに法律を守らせることもできなかったのかって事で印象は悪い。ただ昔だったらこれだけで政治生命がピンチになったけれど、今は悪いのは周りで当人はいい人が通用してしまうから、今回も応援団が出て来て安倍さんに罪はないって大合唱を繰り広げるだろう。それはシドニー・パウエル弁護士が正義の女神だと叫ぶ人たちと重なっていたりするところがこれまた地獄絵図。やれやれだ。

 「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入が259億円に達したようで、邦画だと新海誠監督の「君の名は。」の250億円を抜いて宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」に続く2位にランクイン。洋画も含めても「タイタニック」の262億円もすぐそこだからすべていれても2位になるのはもう確実。あとは「千と千尋の神隠しに」にどこまで迫るかだけれど、凄いのはこの8日間で26億円を積み上げたことで、これって今日日の映画が最初の週末に稼ぎ出す興行収入すら上回っている数字。なおかつ全集が7日間で29億円を積み上げたのと比べて、数億円しか落ちていない。

 5週目ともなると前週から半減以下になるのが興行の常なんだけれど、そうはなっていないことから考えるなら、次に20億円を積み上げその次が低15億円でその次が8億円でそれから6億円3億円1億円でも312億円。ここで例えば次のテレビシリーズが決定したとか、劇場版で続けるとかいった情報が出たら、今のうちに見ておこうという人たちが劇場にかけつけさらに大きな数字になるだろう。感謝の舞台挨拶なり来場者プレゼントがついたらもう大爆発。結果、とてつもない数字を積み上げてしまうことになるかもしれない。これを抜くとしたらどんな映画があるかというと、同じ「鬼滅の刃」しか思い浮かばないところに数字の凄さが改めて感じられる。それとも新海誠監督の新作が追い抜くか。そうした楽しみも生まれた2020年。広がった市場でアニメ会社は、アニメ監督は何を企む?


【11月23日】 ミステリーサークルを見に行った10歳の時にアブダクションされたと思ったものの、幼なじみの未想はそんなことはないと証言する。それでもやっぱり気になっていた圭太郎は中学時代に宇宙人にさらわれたといってハブられたこともあって、高校に上がった時は普通の日々を過ごそうとしていた。そこに現れたのが曖という名の少女。圭太郎は自分を超能力者だと行っていた過去から虐められていた曖も引き込んで、廃部になりかけていた数理研究部を復興させては曖が訴える消えてしまった姉を探すことになる。

 そんなストーリーの中西鼎さん「放課後の宇宙ラテ」(浸透文庫nex)。曖は姉がペンネームを使って書いたらしい論文を元に脳を刺激し超能力を使えるようにする装置を組み立て圭太郎で実験する。まずは記憶力の増進。何か効果があったようで圭太郎は苦手だった英語のテストで高得点を取る。そして未来予知。なぜか見知らぬコンデンサがはめ込まれ、パワーアップしてた装置を使ってテストの問題や宝くじの数字を当てようとしたけれど、どちらも外れてしまったようで、実は当たっていたかもしれない可能性が浮上する。

 誰が装置を改造したのか。その装置を壊したのは誰なのか。曖の姉が消えた謎。圭太郎のアブダクションの記憶。それらが重なったところに浮かび上がった事態は事実なのか、それとも圭太郎や曖が見ている幻想なのか。いろいろと気になる展開。すべてが明らかになった時に、人間の潜在能力の可能性だとか、宇宙の広がりなんかを感じられるだろう。スニーカー文庫でデビューした時はちょっと追ってなかったけれど、東大の物理で修士をとったらしい知識が盛り込まれつつジュブナイル的なワクワク感を与えてくれるSFストーリーとして、これは楽しめた。続くか次ぎに行くかは知らないけれど、追っていこう。

 トランプ大統領の支持派には、中国共産党やらウクライナの石油マフィアやらとつながっている民主党やバイデン候補を糾弾し、アメリカ合衆国および世界を脅かす悪魔の集団を相手に真っ向勝負する光の戦士にして正義の女神、そして日本の作家には2024年のアメリカ合衆国大統領選の候補とあがめ奉られていたシドニー・パウエル弁護士が、ジュリアーニ弁護士を筆頭にいろいろと大統領選にクレームを付けていた集団とは関係ないと言われたといった話。普通に考えればあまりにもトンデモなことを証拠もなしに訴えては、ファクトチェックで否定されてこれではかえってイメージが悪くなるから敬しつつ遠ざけただけに見える。

 けれども、シドニー・パウエル弁護士を光の戦士にして正義の女神と讃える人たちはそうは考えていない感じ。これからガンガンと大統領選での不正を摘発していくんだけれど、トランプ陣営にいたら連邦政府の中にいる人間をトランプの配下として訴えることになるからできないとかいった理由を空想しては、離れた場所から共和党民主党関係無しに不正は不正として暴いていく立場になったんだとか、元からボランティアで個人の立場で語っていただけで、その立場を明確にしただけだといった擁護が飛び出している。おいおいどうしてトランプの弁護団にいると連邦政府の職員を訴えられないんだ。軍隊だって憲兵が軍人だけれど同じ軍人の悪事を摘発する。トランプの弁護団だってトランプのために悪いことをした連邦職員を摘発して悪いはずじゃない。むしろその方が潔癖さを証明できるんじゃないのか。

 っていうか、そういう可能性なんか最初からあった訳で、離れる前にくっつくこと自体を問題視すべきだったんじゃないのか。だから最初からボランティアの立場で独立していたという話にもなるんだろうけれど、ジュリアーニ弁護士なんかといっしょに会見までして仲間とされてた時期もちゃんとあって、しっかり記録されている。支持者は擁護のためにあらゆる想像を繰り出している感じだけれど、決定打となるものがまるでない。そうこうしているうちにご本尊のシドニー・パウエル自身がステートメントを出してきたけど、これがさっぱり分からない。

 曰く「私が編集している証拠は、このソフトウェアツールがトランプ大統領や他の共和党候補からバイデンや他の民主党候補に何百万もの票を移すために使用されたことを圧倒しています。私たちは訴訟の準備を進めており、今週それを提出する予定です」。グーグル翻訳だから意味が通ってないけれど、それでもちょっとおかしい。ドミニオンとかいう機械に問題がなかったことは山ほどのファクトチェックによって証明されている。プログラムに仮に操作があたっとしても、電子投票だけではないから投票は紙で残っていて集計すれば全部分かるようになっている。

 それで結果が出ている州もある。だからプログラムの操作なんて無意味だって言われているにも関わらず、今もって機械がデータを書き換えたなんて言い張っているんだからちょっと妙。「 私たちは、この偉大な共和国が共産主義者によって盗まれたり、私たちの投票が香港、イラン、ベネズエラ、セルビアなどの外国の俳優によって変更または操作されたりすることを許可しません」。何だろうイランとかベネズエラとかセルビアって。やっぱり意味が分からない。

 というか、イランやベネズエラやセルビアがウクライナやロシアや中国でであっても、そうした外国からの工作でどうにかなる国でもないだろうアメリカって。それが可能ならトランプ麾下のCIAが余程無能だったってことにもなるのに、そこには目も向けずに謀略が進行していたかのように訴えるるシドニー・パウエル弁護士と、それを支持する日本のライティーな方々。いったい何が原動力なんだろう。それこそ幸福で統一な法の輪に支えられてでもいるんだろうか。まあ遠からず結果は出るだろう。そうなったらそうなったで陰謀に敗れて世界は悪魔に乗っ取られたとでも言い続けるんだろうけれど。やれやれだ。

 東京は314人で大阪は282人と高い水準での新型コロナ感染者が発生している昨今。症状はないし退院者だって出ているんだから前とは違うしょって言う人もいたりするけれど、重症者の人数が331人で過去最高だった第1波の時の328人を超えて過去最高になった。そしてこれはおそらくピークではなくまだまだ増えていく感じ。328人の4月30日時点では移動の制限も行き渡って発生者数も減っていた時期だから、ここから下がるだろうという予見は出来たけれど、今回はこの3連休でさらに増えて1日に3000人とか4000人といった新規感染者が発生し、中から重症者も1日10人20人と現れて退院者を上回り増えていくような気が強くする。

 4月の時より病院の受け入れ体制も整ってはいるんだろうけれど、それを上回る増え方をしたらパンクは必死。なおかつ大阪だとか北海道といった特定の地域に集中すればさらにパンクの可能性は高まる。4月の頃だと待機にホテルなんかも徴用されてそこが軽症者に宛がわれていたけれど、GoToトラベルの開始でホテル需要も少しは高まっただろう今、そうした拠出に応じるホテルがまた出てくるとは限らない。なおかつ政府による支援も対策もまるでなさそう。「スパイ教室」のクラウスじゃないけれど、個人や自治体に「良い感じにやれ」とだけ言う政府の下で、何をしたって補償を求められる行為に踏み切れないまま患者は増え重症者も増えそして死者も増えていく悪循環。それがもう目の前に来ているというのに総理は会見すらしないんだからなあ。どうなっていくんだろうこの国は。


 【11月22日】 前に行ったのが2019年の5月でその時はまだ気力もそれなりにあったけれど、秋ぐらいから急激に気持ちが下がって晩秋は遠慮してそして今年5月は中止になったからかれこれ1年半ぶりくらいとなった文学フリマに行く。新型コロナウイルス感染症の接触確認アプリを見せてと言われてスマートフォンを保ってないので見せられないから入れないか心配したけど、名刺を出せば良かったので一安心。入ってとりあえず滝本竜彦さんのブースへと向かって10年ぶりくらいにご挨拶。変わってなかった。ってかかれこれ20年変わってない。すごい人だ。

 篠田真由美さんが例の自費出版による函館のカフェに関する小説を出していたので購入してサインも頂く。そうこうしているうちにいっぱいになったからく入場は制限するというアナウンスで、配布する入場証がかりのシールでもって数を把握しているっぽい。少し落ち着いたらまた入れるといったかんじで総数を調整していた感じ。もとよりそこそこの人数で回るイベントだから大丈夫だったけれど、これがコミックマーケットくらいの規模になると熱を測ったりとか制限を設けたりとか難しくなるんだろうなあ。どうなるんだろう。ってか来年5月の開催は可能なんだろうか。気になります。

 ひええ。ニューヨーク・ポストが確か仄めかしたくらいで、ニューヨーク・タイムズだとかワシントン・ポストだとかちゃんとした信頼ある情報しか報じないアメリカの主要メディアが報じていない、フェイクの可能性が高いバイデンの息子のハンター・バイデンが預けたPCから中国とかウクライナとのビジネスに関するメールが発見されたという、ファクトチェックに引っかかっていた話を真実かのように堂々と引っぱってコラムを書くコモリンもコモリンなら、真偽不明の情報を元に誰かを非難するコラムを載せる一応は全国紙も全国紙だし、そのコラムを引っ張りバイデンを非難するジャーナリストもジャーナリストという地獄絵図。問題はコモリンも一応は全国紙もジャーナリストも、フェイクを拡散したところでそういう勢力だと見なされ問題にもならないことか。フジテレビならそれでも世間が騒いで訂正が出たのに。参ったねえ。

 「ブレンダとケルズの秘密」も「ソング・オブ・ザ・シー 海の歌」も「ブレッドウィナー」もアカデミー賞長編アニメーション映画賞にノミネート止まりで、受賞とはいかないところにアメリカ的でディズニー的でピクサー的なアニメーションとの壁がヨーロッパのアニメーションにはあるのかもしれないけれど、それらのどれとも違うアニメーションを作り見てきながら、それらのどちらも見られる環境に育った僕たちの目にはどちらも素晴らしくて面白いアニメーションに映るという意味で、アニメの国の日本に生まれ育ったことを喜ばしく思ったりしながら、ヒューマントラスト有楽町で吹き替え版「ウルフウォーカー」を見る。

 1650年だから日本だと江戸時代初期のアイルランドでイングランドからやって来た護国卿が統治する街があってそこを拠点に近隣の開拓が進められ、森の木の伐採も進んでいたところに現れたのが狼たちの一群。襲われ追い返される木こりたちの中に傷を負ったものもいたけれど、群れの奥から現れた少女とそして母親らしい女性によって傷がふさがれ癒やされる。彼女たちはウルフウォーカー。狼たちと共に暮らし狼の言葉を介して自ら狼にもなったりするという、伝説の存在。

 それを信じるアイルランドに旧来から住む人たちとは違って、イングランドから来た護国卿は王命に従い森を開いて農地を作り収穫を増やそうとしているし、ついてきたハンターの男も狼を狩って護国卿につくそうとしている。そんなハンターの娘のロビンもやっぱりハンターに憧れていて、子供ながらも森へと出かけていっては狼を狩ろうとして出会った狼におびえて逃げ回っていたところを、罠にかかってつり下げられて、そこを襲おうとしたのか助けようとしたのか、狼にいじられ噛まれてしまって起こる不思議。

 そんな展開から森に暮らすウルフウォーカーのメーヴとロビンとの交流が始まるものの護国卿は狼を排除し森を広げようと意欲を見せ、部下でロビンの父親のハンターにも命令を下す中で人間と狼の対立が深まっていく。そして一気呵成に森を焼き払おうと護国卿は兵を率いて森へと向かうのだった。っていうのがだいたいの展開。その中で、最初は狼を怖がっていたロビンがメーヴと知り合い狼への理解を深めつつ、自分のことを信じてくれない父親との間に距離もできてしまう展開が、異文化との交流であり世代の断絶を感じさせつつ、親子の愛なり仲間への場といったものを感じさせる。

 結末はメーヴたちウルフウォーカーにとってはひとまず良好なものだった気もするけれど、人間側の概評として人間としての利益を求めた信心深い護国卿の側からみるとちょっとかわいそうな木もしないでもない。彼は彼で信念を通していた訳だし。あの時代のあの立場で森への、自然への信心とか畏怖とかは無理でしょう。「もののけ姫」のエボシ御前と立場はいっしょ。彼女のようにタタラ場を仕切って弱者を救済しつつ朝廷とも決してなれ合わないような態度を見せていたらもうちょっと、好感も湧いたかもしれない。そこはだから宮崎駿監督のキャラクター配置の妙ってことになる。

 ロビンはアシタカでメーヴがサンかというとそこは自分の居場所を森とタタラ場の間においたアシタカとは違ってロビンは向こう側に惹かれている感じ。母親を失い父親と2人、遠いアイルランドで暮らす寂しさを埋めるには仲間が必要だったのかもしれない。その選択もまた一時の幸福ではあるものの、いずれ人間は自然を御して狼たちをさらに奥へと追いやっていく。そうした歴史の必然への視点も感じさせつつ、今の時代にだったらどうすべきなのかを問うようなメッセージを込めても良かったかもしれない。まあ見る側が感じ取れば良いんだけれど。

 それにしても「ブレンダとケルズの秘密 」からこっち、絵本のような絵柄のキャラクターを本当によくうごかす。デフォルメされていながらも仕草とか表情とかからちゃんと感情が伝わってくるし、アクションいなれば狼は狼として、人間は人間としての動きの中で走り回ったり戦ったりする。観察によってエッセンスを抽出しつつ設定上のキャラクターに重ねるアニメーターの腕前は、果たして日本のアニメーターでも同等の、同種のものを示せるか、ってところで少し不安も浮かぶなあ。昔だったら多彩な絵でもちゃんとそれなりにうごいていた「まんが日本昔ばなし」があってクリエイターがそれぞれに独自の絵が空をうごかしていたけど、今はそういうのってあまりないから。あってもショート。それを長編として動かしてのける技術力、ストーリーそのものの面白さを日本はどう受け止めるのか。それはそれでこちらはこちらと割り切っていて良いのか。悩みます。


【11月21日】 山田孝之さんだろうなあ、それだと北条義時を演じる小栗旬さんとの掛け合いが楽しいからって思った「鎌倉殿の13人」の源頼朝役は、過去に三谷幸喜さんの映画「清洲会議」で羽柴秀吉を演じた大泉洋さんに決定。過去に大河ドラマでは「草燃える」で石坂浩二さんが演じたこともあった頼朝だけれど、大泉さんなら激情も見せつつ義経に嫉妬するような小心ぶりもよく見せてくれることになるだろう。あとは梶原“悪源太”景時役で中村獅童さんが出演。ねっちりとした悪役ぶりを見せてくれそうで今から楽しみ。その前にテレビが見られるようにならないとなあ。

 石坂浩二さんといえばよく似ていると噂された東映会長の岡田裕介さんが突然に死去。解離性大動脈瘤というから大滝詠一さんと同じ病気。11月3日に須賀川で特撮アーカイブセンターがオープンした際に、映連の会長ってこともあったのか映画好きだったのか来場していたそうで、その時に見た元気そうな姿からすると信じられないと出席していた人がつぶやいていたから、やっぱり急逝だったんだろう。いろいろな会見でお顔を見たことは何度もあって、父親の岡田茂さんのコワモテぶりとは違った軟弱さも見えたけれど、それは表面でしっかり映画会社の灯を護り、「孤狼の血」のようなヒット作も送り出していた映画人だった。合掌。今後の東映の舵取りはどなたがされるんだろうなあ。白倉伸一郎さんが出て来て特撮とアニメで盛り上がったりするのかなあ。

 昨日から東京でGoToイートのプレミアム付き食事券が売り出され、そして21日から3連休が始まってあちらこちらに移動する人が増え始めた一方で、一昨日あたりから東京の新型コロナウイルス感染症の陽性者がとてつもない数になってそして、日本全国の陽性者数が過去最高を連日更新していたという状況を鑑みるなら政府はこの連休が始まる以前、そして東京都なりがGoToイートのプレミアム付き食事券を売り出す前に決断すべきだった。移動はするなと。会食にも行くなと。

 にも関わらず菅義偉総理はマスクで会食すれば良いと嘯き、田村憲久厚生労働大臣はフェイスシールドさえ着けていれば大丈夫だと、防ぐべき目への飛沫を防止する部分をあろうことかくりぬいたフェイスシールドを着用して分かって無さをさらしていた。そしてプレミアム付き食事券が売り出されてさあ食べに行くぞと東京都民が動き出し、観光に行こうと国民が動き始めた今日になって記者会見ではなく会合の中で、移動しないように、食事にも行かないようにと要請を出すことを明らかにした。遅いだろう。なおかつ命令すらしていない。結果、動いて食べに行って新型コロナウイルス感染症の陽性者が増えたところで、政府は自分たちのせいではないと言って責任を回避するだろう。すべてを外に押しつけ潔癖を護ろうとするこの政府を何と言おう。ニッポン無責任内閣か。やれやれだ。

 子供たちだけでてくてくと歩いて島根だか鳥取だかに向かっていったような記憶もあれば、地上と空とに分かれた東京でモンスターたちと戦っていたような記憶もある「モンスターストライク」のアニメの映画だったけれども、そんな過去をまるで吹っ飛ばすどころか設定すらもまるで語らずいきなり救われた世界で起こった反乱めいた出来事から始まる劇場アニメ「モンスターストライクTHE MOVIE ルシファー 絶望の夜明け」は「モンスト」でおなじみのオラゴンがなにやら自室で自撮りし配信していたところに穴が開いてどこかに呼び出されたそこでは、かつてオラゴンたちといっしょに戦い世界を救ったはずのルシファーって女性のキャラクターが、世界を守護しているオーブとかいう宝玉みたいなものを奪って世界を滅ぼそうとしていた。

 仲間だったのにどうしてと不思議がるオラゴンだけれど、ほかの例えばソロモンだとかノアだとかアーサーだとかパンドラといった面々はルシファーが世界を裏切ったのだと思い込んでは挑んでくるルシファーを相手に武力を繰り出す。見た目は明らかにルシファーは的でソロモンやアーサーは正義の味方。なにしろルシファーはソロモンが所属していた世界からオーブを奪ってて凍結させ、そしてアーサーのブリタニアにも攻め込んでは次から次へと向かってくるかつての仲間を倒していく。やっぱり敵だ。世界の敵だと決めつける皆の中にあってオラゴンだけは、ルシファーはそんなことはしないと信じ続ける。

 これがなかなかうっとうしい。現に世界は次々に滅ぼされ仲間はぼろぼろに傷つけられていく。オーブを戻せば復活するとはいえ、そして命こそ奪われてはいないとはいえ残るオーブは天界の1つだけとなって命運はつきようとしていた。そんなルシファーを信じる方がおかしいのに、理由もなく根拠も示さないまま仲間だからと信じ続けるオラゴンの状況を見ず聞き分けも良くない態度にいらだつけれどもそうした態度が結果、もたらすものが分かった時に気づかされる。信じ続ける大切さというものに。

何が行われようとしていたのか。そしてルシファーは何を行おうとしていたのか。ルシファーについていたカエサルやベルゼブブといった悪辣そうな面々の思いも含めてすべてが明らかになった先に浮かぶまっすぐで純粋な思いの重さに感動できた。テレビだか何かで描かれたエピソードの続きを説明もなくぶつけてこられて戸惑うかもしれないけれど、そこはそういうことがあったんだなあと理解するアニメ脳で補完して、そして描かれるそれからの物語にすっと入っていけばあとは最後まで連れて行ってくれるからご安心を。

 そんな映像は基本は3DCGでゲームのムービーみたいなルックだけれどもコンテが良いのかレイアウトがしっかりしていて映画的な構図の中で繰り広げられるドラマであったりアクションを楽しめる。「グスコーブドリの伝記」とかにも参加していた江口磨吏介さんとか関わっていたみたいで芝居もアクションもちゃんとしていた感じ。迫力もあって飽きさせない。2時間くらいあって長いことは長いけれども最後まで眠らずダレずに見て行けたのは良かったかも。

 それにしてもルシファー、剣で戦う割には足癖悪いのか蹴りとかよく繰り出すなあ。その蹴りを食らって吹っ飛ばされる場面とかも迫力たっぷり。モーションキャプチャではなく手付けでうごかしているのだとしたらなかなかにセンスのあるモーションアニメーターさんたちだし、キャプチャでやっているのだとしたら素晴らしく戦闘力の高いモーションアクターってことになる。どっちだろう。


【11月20日】 ど阿呆でなければど戯けか。誰って今の菅義偉政権にいる大臣様たちで、東京で2日続けて500人の感染者が出た新型コロナウイルス感染症がこれからどうなるかを問われて、新型コロナ担当という最前線で施策の舵取りをするべき西村康稔大臣が、何を血迷ったのか「神のみぞ知る」と言ったというからこれはもう開いた口がふさがらない。知っていようが知らなかろうが、とくに何かしてくれる訳ではない神様なんかは脇において、今の状況を把握した上でこれからどうなるかをシミュレートして、対策を練るのが新型コロナ担当相って役職だろうに。
< BR>  それが自分には務まらないと言ったも同然のこのセリフを、聞いて現場で咎めるメディアはいなかったのか。あるいは聞いて阿呆かと窘める同僚はいなかったのか。そういうところにこの国の政治もメディアも衰退していることが現れている。そんな西村担当相も大概なら、厚生労働省という医療なんかを司る省庁のトップにある田村憲久厚労相もどうしようもないというか、親分の菅義偉総理が会食時のマスクを招請したのを受けたのか、飲食の時とかフェイスシールドをしたら良いって自ら着用をして記者の前に立ったらしい。おいおい。

 世界のいろいろな国で研究成果が出ていて、フェイスシールドは下ががばがばになっているから喋ればそこから息とか漏れて部屋中に広がることが分かっている。つまりはザル以上に効果がないく、だからこそマスクもいっしょいn着けることが求められているにもかかわらず、素顔にフェイスシールドだけを着けて万全といった態度を見せて奨励している。厚生労働省という役所は外郭機関なり管掌している医療機関も含めてフェイスシールドの効能についてまったく把握してないと思われかねない暴挙を、どうして周囲は止めなかったのか。どうして現場で記者は窘めなかったのか。やっぱりこの国はどうしようもなくなっている。

 日本も大概だけれどアメリカのエスタブリッシュメントであるべき現職の大統領とその周辺も大概なようで、かつてニューヨーク市長を務めて荒れたニューヨークを立て直したことで大いにもてはやされたジュリアーニが今はトランプ陣営の弁護士を務めていて、先の大統領選挙に関連して民主党がいろいろと不正をしたってことを話す会見を行ったらしいんだけれど、そこでの主調のことどとくにCNNだとかワシントンポストだとかが即座に事実ではないとファクトチェックをぶつけて潰していた。

 ジュリアーニの主張にも不正があるとは言う物の証拠はまったく見せられていない状況。裁判の連続で時間稼ぎをしているだけでしかないのに、そうした態度を日本で見てやっぱり不正はあったからジュリアーニが会見で話したんだと受け止めて、トランプは負けていないとアピールするジャーナリストがいたりするからやれやれ感も募る。どうしてそこまでトランプに勝たせたいんだろう。同類のライティ化したアメリカ人弁護士もさすがに擁護はできないのか、ジュリアーニを批判しているというのに。そこは法曹の矜持って奴だけれど、ジャーナリスト氏にはその矜持はなさそう。なくても食えるのが日本なんだよなあ。大してアメリカはああしてすぐさまファクトチェックが走る。だからこそ今も信頼がそれなりにあるんだろう。日本は本当にヤバイかもしれない。

 思い立って松尾豪監督の「グラフィティ・グラフィティ!」という短編映画を見に行く。タイトルのとおりにグラフィティについての物語。ヒップホップにかぶれた同級生の男子が、寂れた商店街のシャッターにさあグラフィティを書くぞと意気込みつつも尻込みしたところを誘われ、少女が手にスプレーを持って書いたグラフィティがなかなかだったけど、そのシャッターが開いたところにある商店のおやじは最初は憤って上から消すものの、少女は被せるようにまた書いてはおやじから0点だとか罰点と書かれるやりとりが始まった。

 その先、直面する進路といった問題に悩む少女と、寂れる商店街の中で厳しくなる経営に沈むおやじといった、それぞれの問題が浮上。時が流れそして終わりを迎えそうになった時、浮かぶ相手への思いが爆発する、って感じのストーリー。見てそりゃあグラフィティは犯罪行為ではあるけれど、お互いが求めるなら良いんじゃないかとも思えるし、犯罪行為だからこそ攻め手にはぎりぎりの精神から浮かぶ情熱があり、受ける側には憤りを超えた感慨があるのではかろうか。

 そんな映画だった「グラフィティ・グラフィティ!」の初日ってこともあって、松尾豪監督を始め出演者が登壇しての舞台挨拶も行われた。まず松尾監督。「完成から2年くらい暖め続けて、この瞬間に立ち会うために頑張ってきた仲間です」と紹介。入ってきたのは柚子役の渡邉梨香子さん、商店のおやじこと権三役の萩原正道さん、へたれた同級生の小太郎こと角健士さん、柚子と同級生の村上真衣さん。そんな面々にまず、撮影時のエピソードを松尾監督が尋ねて答えた渡邉さん。「撮影が2年前で卿まで結構いろいろなことがあってずっと考えていた。こんなにも映画祭に入選するとも思っていなかったし、明後日も福岡インディペンデント映画祭でグランプリを受賞する。

 それだけに去年の今頃、田辺・弁慶映画祭で入賞はしたけど無冠に終わって、あんなに落ち込んだ松尾君は見たことがなかった」とのこと。「そこからここに来るまでの盛り返しには、作品にも出ているように、監督のクリエイティブなことへの思いがにじみ出ている」と渡邉さん。ちなみに目下、新宿テアトルで田辺・弁慶映画祭のセレクションが上映されているそうだけれど、TOHOシネマズ池袋の新しくて大きいスクリーンで上映できるのなら「グラフィティ・グラフィティ!」もリベンジを果たせたんじゃないか。なんって思うのだった。

 続いて萩原さん。「最初に現場に入ったとき、アバウトな感じがして大丈夫かと思った」とか。何しろ監督が助監督のようにカチンコを打ち、キャストの送り迎えもしたそうで、人手も不足する中で7日間で撮った作品。なおかつそこから1年以上が経過した。「作品ができあがったら想像を絶するような、自分が抱いていたイメージの遙か上を行く作品になっていて、なんだこれはと出演者ながらびっくりした」。出ていた人たちが驚くんだから、見て驚かない人はいない。「撮影が真夏の7日間。40度近いくらいの中、監督はひとりだけ薄着なのに、こちらにはマフラーを白とかふるえろとか。最後まで何も書いていないところで演技しろと」。それが見ると「マザーファ●●ーってあって、大丈夫かと思った」。

  ちなみにこの映画は、映倫でPG−12になっている。あの正規の大ヒット作『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』と同じレーティング。完成時には「誰も映倫に引っかかるわけ無いと思っていた。通していて PG−12ですと言われた。言葉が汚かったからと思ったら、未成年が犯罪行為をしていますねと」と松尾監督。なるほどグラフィティはやっぱり犯罪。そこは感動的だからといってはずしちゃいけない部分なんだと改めて感じた次第。続いて角さん。「撮影のこともそうだけれど、この映画を作る前から松尾監督と一緒にいろいろ作ってきた。

 今回も一生懸命に作っているが、こういう展開を見せるとは想定していなかった。 映画祭に幾つか出品して、幾つも良い評価をいただいて。僕が出たものの中で一番いろいろな所に連れて行ってくれた。多くの人と作品を通して出会うことができた」と喜んでいた。ただ、やっぱり浮かんだ田辺・弁慶映画祭での件。「映画祭で割と良い結果が続いていたタイミングで田辺・弁慶映画祭になって、あそこの映画祭が1番早く入選が決まっていたから、良い気分で皆で行ったら無冠だった」と角さん。だからこそ松尾監督の呆然度合いも大きかったみたいい。

 「松尾監督のしょげかえった背中を本当に見てられなかった。背中から哀愁が漂っていた。一気に老け込んだようだった」とも。それが「誰もが知る映画館で上映させていただける機械をいただいた。感慨は大きい。特別な体験です」。その感動に付き合うためにもTOHOシネマズ池袋にゴー・フォー・イットだ。そして村上さん。「低予算出作ってる中で1日中撮影をして、監督が車両部としておうちまで2時間くらいかけて送り続けてくれた。その頃に、誰がこの大きいスクリーンで上映されることを想像していたのか」。そりゃあ想像もつかなかっただろう。

 「これも松尾監督が行動を起こしたからで、フライヤーを作ってビラを配ったことで、たくさんの人が見て下さった。いろいろなグラフィティを書いて下さった。それらを見てくれた人がいたからこそ、今日ここで上映することができた。行動力のすさまじさをこ映画を通して感じました。見て下さった人も感じてくれたら嬉しい」。感じました。そんな感じで行われた舞台挨拶。終わりに渡邉さんが、松尾監督がVFXで真夏の撮影に白い息とか落ち葉とか、雨とか雪を作り出しているので注目して欲しいとアピール。最後に松尾監督。「皆様の生の声が子の作品の成長を加速します」。分かりましたと生の声を上げよう。グラフィティにはできないのでそれは勘弁を。


【11月19日】 「『性交時のコンドームだな』。首相は18日、政権幹部らと強制的な性交による望まぬ妊娠増への危機感を共有した席でそう語った」的なズレを感じてしまう、菅義偉首相による「マスク会食」の薦め。新聞によれば新型コロナウイルスへの感染者が急造している状況を見て、「会食時のマスクだな」と言って発生源になりがちな会食時の会話なんかを制限するため、会食するなら食べる時だけマスクを外して会話する時はマスクをすることを推奨すれば良いといった認識を示したとか。受けて下々が会食時はマスクだて喧伝しはじめ、メディアもそれを広めている。

 けどちょっと待て。どうして会食をやめようって話にならないのか。強制的な性行でもコンドームを付ければ妊娠が防げるというのが問題ではなく、強制的な性行そのものが犯罪な訳で、会食するのが感染の原因になるならマスクを付けて行う以前に会食そのものをやめるのが筋ってものだろう。会話なんて別に合わなくたって今時はスマホを介して映像付きでできてしまうし、チャットだってメールだって電話だってあるから会わずにコミュニケーションは可能。そして食事は1人で黙々ととるなり家で静かにとれば周囲も気にせずにいられる。

 それのに、敢えて会食という場を設けようとするのはそれを制限すれば自分たちが推奨しているGoToイートとの矛盾が出ると分かっているからなのか。だから「マスク会食」だなんて異常な振る舞いを求めて本質的な解決からは目を背ける。ここまで責任から逃れるのが好きな政権だったとはなあ。やれやれ。その一方で配下の萩生田文部科学相は大学が対面授業を行わずリモート授業を中心としていることに異論を挟んで、対面授業を増やせと言い始めた。これを「マスク会食」の施策と重ねるなら、授業もマスクをして会話を極力抑えなくちゃいけないけれど、それだと授業にならない。

 ディスカッションが大事な今時の大学の講義で会話するなってこと? それとも超能力を養って無言でも以心伝心が可能なように鍛えろってこと? 学園都市ならそれもありかもなあ。そしていよいよ日本がエスパー教育に力を入れ始めたって世界に関心を持たれるんだ。これまたやれやれ。本当に今、何をすべきかが分かっていないというか、分かっていても責任をとるのがいやだから黙っているというか。そうこうしているうちに新型コロナウイルス感染症の陽性患者が東京都で500人を超えて来た。もちろん過去最高。8月1日以来の数字に近づいてきたからといって、過去はそこかピークアウトしたのが今回はここからがピークという予想は図らずも当たってしまった。まだまだ増えて東京都で1日1000人、全国で5000人なんて事態になっても政権は「マスク会食」でGoToトラベルだGoToイートだって言うんだろうか。言うんだろうな。それが今の政権だから。

 マイナンバーカードがそういえば、健康保険証と一体化するといった話も出ているそうで、今は国民健康保険に入っているから一体化するってことは保険証がマイナンバーカードにくっついてくるって理解になるけど、保険料を支払った払ってないといった情報をどうやってマイナンバーカードに保たせるのかがちょっと分からない。番号を打ち込めば記録が出てくるってことかな、今は保険証が届けばそれが支払った証明になっている訳だけれど。それ以前に今、マイナンバーカードを申請しても3カ月待ちになってて手元に届かないんだけれど。ITだ何だって言うならさっさと発行する体制を整えるべきなんだけれど、市町村に手間をかけさせて国は何かする気がないみたい。これもやっぱり言うだけ番町な政権の影響って奴なんだろう。やれやれだ。


【11月18日】 「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の大ヒットは喜ばしいことだけれど、それしかヒットしていない状況はやっぱりどこか違和感があって、同じくらいに面白い話はあるし同じ程度に売れて欲しい作品もある。そうしたものへの関心がどうして喚起されなおにか、ってところに日本のメディアの売れるものに乗っかる体質があったり、受ける側の売れているものなら安全だといった意識があったりする。余裕があったらマイナーなものを掘り下げ世に出してほくそ笑むとか、目を付けて悦に入るってこともできたんだろうけれど、貧困がそうした余裕をメディアからも人々からも奪ってしまった。

 これはエンターテインメントにとって厳しい未来かもしれない。だって「鬼滅の刃」が過ぎてしまったら後に何も残らないんだから。そうした状況にずんずん調査の堀井憲一郎さんが「いま、わたしたちは妙なところに迷い込んでいるのではないだろうか。なぜか世の娯楽の映画部門には、『劇場版 鬼滅の刃』しかないようにおもいこんで、必死でみんなで消費して、その消費を共有しようとしている。何かを間違えて、あせっているようにしか見えない」と言うのはよく分かる。なぜこれだけが売れるのか。なぜ一生懸命に乗っかるのか。その心理の背景を不気味と見たくなるのも分かる。

 ひそやかな楽しみとして自分が愛でていたものが、広まっていく喜びの限界を超えたはやりぶりに、消費されているだけなんじゃないかと不安を覚え、ほかに目が向かわない状況を不気味と思うのも分かる。でも、今はそうした気持ちをひとまず抑えて、もっともっと広まれ、そして飽きずに楽しんでくれと呼びかけて、入ってくれてきた人たちをもてなしつつ、ほらこんなにも面白い作品があるんだと紹介して、導いてあげることの方が大切なんじゃないかと思ったりする。未来へと繋げる言葉を、探して行く方がこのご時世に必要なのかなあとも思うのだった。

 ってことで、新宿まで出てバルト9で「ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒」をようやく見る。「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」とか「コララインとボタンの魔女」を手がけたライカによるストップモーションアニメーションだけれど、ここまでくると表情だとかしぐさだとかがスムースすぎてフル3DCGとどこが違うんだって感じになてくる。別にぎこちなさを残せという訳ではないけれど、顔のパーツがはめかえられた際にできる線だとかを完全に消してしまっているとあまりにシームレスにつながりすぎて、別に人形で表現する必要なくねって思ったりしてしまったりするのだった。

 とはいえすべてがフル3DCGになったときに感じるだろう欠落もたぶんあるだろうとは予想できる。人形たちが着ている服だとか、「ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒」の場合はミスター・リンク=スーザンの毛並みだとかがやっぱりマテリアルの質感めいたものを感じさせる。今のCG技術はそれすらさも再現できてしまうから恐ろしいんだけれど、隙間なくつらなっていく変化を無理矢理に断ち切るのと、存在する隙間をつないで埋めるのとでは出てきた映像は同じでも、どこかに違いがあるものだ、きっと、たぶん、おそらくは。

 あるいは波にもまれる貨物船の中でのアクションだとかは、セットを傾け倒す中で動く配置されたものたちだとか、ころがる人形たちだとかから感じる重力めいたものがあってCGとはどこか違うものを放っているのかもしれない。いずれ技術が進めばそれすらも描ききってそこに物質のクオリアめいたものすら再現可能になるのかもしれないけれど、それまでは、あるいはそれでも人は人形によるストップモーションアニメーションにひとつの”感じ”を抱き続ける。そして抱き続けたい。

 ストーリーについては偉そうなクラブに入りたいけど拒絶されてるライオネル・フロスト卿が手紙をもらってアメリカのワシントン州あたりに出かけていっては、そこでサスカッチ(ビッグフット)に出会うという展開。このビッグフットが知能を持ってて言葉を介してユーモアだってへっちゃらなすごいやつ。もはや人間かそれ以上の存在なのに、フロスト卿はどこかやっぱり人間に劣る存在が近づいているといった意識を持っている感じで、そこがやっぱり引っかかる。

 そうした場所から誤解を埋めて理解を深めて同等になるんだというストーリーなのかもしれないけれど、初手ではやっぱり蛮族なり未開なりといった認識で臨まざるを得ないところに、過去からの先入観が刺激されてしまうのかもしれない。これでミスター・リンク=スーザンの声を担当しているのがアフリカ系の人だったら、何かのメタファーがそこに重なってしまっていろいろとやっかいな気持ちになったかもしれないけれど、声はザック・ガリフィアナキスというコメディアンで俳優だったから、マイノリティへの偏見を今更埋める話ではないとは言えるかもしれない。

 スーザンと呼ばれてうれしがっているサスカッチをやっぱりフロスト卿がミスター・リンクと呼び続けるのも引っかかったところかなあ。スーザンという女性名が誤解を招くし相応しくないと思っているのかもしれないけれど、相手がそれをのぞむならかなえてあげるのが対等な付き合いというもの。そこに至れない態度を叱るでもなしにほおっておく点が厳しかった。だからこそフリーダムなアデリーナを入れてバランスをとったんだろうなあ。

 遠くはるばるヒマラヤまで着たのにイエティはサスカッチを受け入れないのもちょっと辛い。どういう違いがそこにはあって受け入れられないのかが分からないと、似ても出自が違えば別の存在であり続けるんだという思想が定着してしまう。かといって違っているから罰を受けるのだというのも悲しい展開。どういう扱いが良かったんだろうと迷った。とまあそれだけいろいろと考えさせられるテーマを持った作品でもあるってこと。それを圧倒的なアニメーション力でもって作り上げたライカはやっぱり凄い。ヒュー・ジャックマンとエマ・トンプソンは声優としても抜群にうまい。

 東京都の新型コロナウイルス感染者が1日で493人に達したそうで、過去最高だった8月1日の472人を上回ってきた。恐ろしいのは8月がひとつのピークだったのに対して、今回の数字はまだまだこれから増えていきそうな過程でしかなさそうなこと。内訳でも20代30代が多く居て、いまは健康だから発症はしてないのかもしれないけれど、等比級数的に数が増えていけば当然に絶対的な重症者数も増えていく。そうなった時に医療は対応できるのか。若い人の増加に比例して年配者の感染者も増え重症者が増えていくと考えるなら、いよいよヤバい時に来ていると言えるけれど、これでも政府はGoToトラベルやらイートをやめようとしない。非常事態宣言も出さない。結果起こることは何なのか。考えると家から出られない。出るけどね。


【11月17日】 気がついたNHK紅白歌合戦2020の出場歌手が決まっていて、AKB48が落選していていろいろと騒動になっていた。SKE48もHTK48も出場しないから48なグループは全滅。一方で欅坂改め櫻坂46と日向坂46と乃木坂46は出場と、坂道グループとの明暗がくっきり出てしまった。なるほど櫻坂とか乃木坂に比べるとAKB48もSKE48もそれほど活動が目立っていた訳じゃないけれど、それを言うなら日向坂48だってメジャー感が出たかというとそこまでは。AKB48に勝る認知度を得ているとも言えない中で、出場を決めたところに似ているように見えて48と46には違うところがあるんだろう。

 それが何かというならやっぱり人数で、48だと今のご時世、「密」だということで集まって新型コロナウイルス感染症のクラスターになっては拙いという判断があったのかも。46はそこはクリアしているということは47あたりが境目になているのかな、ということは赤穂浪士は「密」ということで今年の討ち入りは厳禁ってことになるのかな。12月14日は泉岳寺も閉鎖ということで。違うって。まあそこはやっぱりどれも大所帯というところで、フレッシュな顔を選んで長く出ているとこにはご遠慮願ったってことなのかも。通常の開催だったら出られたかもしれないけれど、今回は賑やかしが不要な無観客での開催。パフォーマンスをじっくり見せたいということで、出場も絞られたんだろう。

 その代わりって訳ではないけれど、観客を入れてのお祭りの雰囲気にはちょっとそぐわないBABYMETALが初出場。姉貴分のPerfumeも出場するけれど、こちらはテレビ放送で届けるという特徴を行かして現場からのパフォーマンスに真鍋大度さんあたりがいろいろと映像を重ね今までにないパフォーマンスを見せてくれるに違いない。リアルからバーチャルに行ったり来たりするような。あるいは日本から世界を行ったり来たりするかも。BABYMETALはフェスのような場での盛り上がりがあってこそのパフォーマンスという気もするので、自宅からVRで接続すれば最前列でモッシュしまくる奴ら越しにそのパフォーマンスが見られたりしたら面白いんだけれど。オキュラスと組んで特別配信してくれれば、一気に売れるかもなあ、VRゴーグルが。

 「鬼滅の刃」関連でLiSAさんも安定の出場。あとFoorinとか。男子ではジャニーズ事務所からの出場が7組もあってどれがどれだか。嵐は重鎮だから分かるとして関ジャニ∞にKiss−My−Ft2にKing & PrinceににHey!Say!JUMPまでは何となく分かったけれど、SixTONESやSnowManとなるとちょっと浮かばない。GENERATIONSもジャニーズかと思ったらこっちはEXILE系だったりと気付かないうちにいろいろとチームが出来ているものの、昔みたいにベスト10番組で活躍してくれる訳じゃないから知る機会がないんだよなあ。見たいアーチストというとアニメ「かぐや様は告られたい」の歌で鈴木雅之さんが出るのに注目か。実写で主演を務めた橋本環奈さんが絡めば面白いんだけれど。なんかごちゃごちゃ。

 いやあ参った。例のnoteでホームレスん家に遊びに行きました的なルポルタージュがcakesから誉められたと思ったら、やっぱりホームレスという立場を生みだしてしまう状況への考察が行き届いていないことを指摘され、炎上していたライターさんと掲載しているcakesが、コメントを出したり修正を行ったりと火消しに奔走。でもそれがどうにも方向性を間違えていて火に油を注いだ感じになっている。だって追加コメントが「私たち二人自身が最初にもっていたようなホームレスの方々に対する思い込みを取り除き、彼らの培ってきた力を伝えていけたら」だよ。彼らのサバイバル術を価値あるものとして伝えることを求めてるんじゃない。彼らのような境遇の人たちが出てしまう構造への遺憾が必要なのに、その事が分かってなさ過ぎる。これはまた燃え上がるなあ。noteもまとめて燃え上がってサブカルな文章がまとめて灰と散ったら見物だなあ。

 アメリカ合衆国の大統領選をめぐって日本のジャーナリスト的な雰囲気を醸し出している人とか、それなりの通信社で政治部長とかまで務めた人とかがまき散らすデマが相変わらず大変で、ウィスコンシン州で人口の9割が投票したぞ大変だなんてツイートをして拡散してるんだけれど数えればすぐ分かるように人口に対して投票数から出る割合は56%ほど。有権者でも73%で有効登録有権者数になってはじめて9割に達する。この数字を抽出しつつ人口比で語っているのだとしたらとんだデマゴーグだし、気付かないで語っているのだとしたらポン酢の誹りは避けられない。

 そんなアバウトな人が持ち上げるシドニー・パウエルという弁護士による民主党側の不正告白も、まともなメディアはどこも報じずネットメディアの一部が拡散しているくらい。それだけ根も葉もない話を数日遅れで輸入し拡散してるにも関わらず、信じて持ち上げている人たちが少なくない数いるところに暗澹たる思いが漂う。これでバイデンが大統領に就任して来日しようものなら、吶喊する奴らとか出てくるんじゃないのか、煽られて。でも煽った側は握手にはいかない。トランプ大統領には握手してもらって喜んでいたのに? そういう人たちなんだよ。だから……ってこと。やれやれだ。


【11月16日】 cakesだかがホームレスを3年間、取材したというか付き合い続けたご夫妻だかのあれでなかなか工夫して暮らしているねえって気付きをつづったエッセイめいた文章に、賞を与えたことでおいおいホームレスを観察対象にして自分たちとは違う場所にある珍しい存在といった感じに紹介するなんて、サファリの猛獣や未開の人を文明人がほらこんなに珍しい生活をしていますよと言っているに等しいといった批判が起こって、ちょっぴり炎上気味になっている。

 なるほど中にはそういう暮らしが好きでホームレス生活を送っている人もいるだろうし、その中でいろいろと工夫をしている人もいるんだろう。とはいえやっぱりホームレスというのは社会が掬うべきセーフティネットが機能せず、こぼれ落ちてしまった人がいるといった問題の現れであって、そうした状況を改善に向かわせるような言葉ならいさしらず、安全圏からちょっぴりエコでロハスでノマドな暮らしですねといったフラワーな観点からの言葉にしてしまったから燃え上がった。

 そうした言葉への批判に違いますよと擁護した人もいたけど火に油。そこでもやっぱりホームレスという存在がどうして生まれるのかといったことへの想像力が欠けていた。なるほど自分だってホームレスになるかもしれないから学んでおくといったスタンスは決して間違いではないけれど、それは自分自身の予防であってそれとは別に自分も誰でもホームレスになってしまうかもしれない世の中の仕組みを、どうにかするために考えることがジャーナリスティックな視点からは必要。そこへの意識が向かわないくらい、自己責任だろうといった意識とか、自分とは違った存在なんだからという分断の感覚が浸透しているのかもしれない。いよいよヤバい国になって来た。

 233億円まで来た「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入だけれど、1週間で積み上がったのは29億円で前週の47億円プラスからぐっと減って来た。とはいえ映画興行の常であるところの半減にはいかないところはまだまだ下支えするだけの観客が劇場に足を運んでいるってことなんだろう。というか1週間で29億円って他のどの映画だって達成していない数字じゃないのか。週末の興行ランキングで2位に入った「ドクター・デスの遺産 BLACKFILE」や3位の「罪の声」が1週間で29億円に達するのか、って考えるとやっぱり凄いポテンシャル。「君の名は。」の250億円は抜くのはほぼ確実で、そこから「アナと雪の女王」の255億円や「タイタニック」の260億円を超えてどこまで「千と千尋の神隠し」に迫れるか、ってところが注目ポイントか。よもやよもやだなあ。

 仕事からの帰りがけにバルト9で夕方割りを使って「羅小黒戦記 ぼくらが選ぶ未来」を観る。つまりは日本語吹き替え版。前に見たのがもうだいたい1年くらい前だったのでストーリーとかだいたいしか覚えていなかったけれど、見ているうちにだんだんと思い出してきて、森で暮らしていたシャオヘイが開発に押され行き場に困って街まで流れ着いたところをフーシーという同じ妖精に見いだされ助けられて霊道だかを通って離れ小島で楽しい共同生活を送り始めたのもつかの間、ムゲンという人間が現れフーシーを捕まえようとする。

 つまりは悪役はムゲンかと思わせつつどうもフーシーが妖精という身で人間に敵対している存在らしいことが見えてくる。だったらシャオヘイにとってもムゲンは敵かってことで、逃げたフーシーに取り残される形でムゲンに捕まったシャオヘイを筏に乗せて、始まるムゲンとの旅の課程でだんだんと見えてくるフーシーの悪事とムゲンの善意。その狭間で迷うシャオヘイがどちらに傾くかってあたりに「ぼくが選ぶ未来」という副題の意味が込められているのだろう。

 そんなストーリーを思い出しつつ冒頭の森で追われるシャオヘイの走りっぷりの作画のすごさに簡単し、筏の上から始まっていろいろと繰り広げられるシャオヘイとムゲンの愉快なやりとりにほくそ笑み、真面目で有能そうに見えてところどころ抜けているムゲンにほほえみシャオヘイににまつきといった感じに楽しみどころが割とあって飽きずに見て行けた。妖精だってスマホを使うのかってところが中国であっても時代物ではなく現代が舞台のファンタジーだってことを改めて感じさせてくれた。まあ「夏目友人帳」のニャンコ先生だって人型になればスマホくらい使いそうだし。

 そんな展開の先、クライマックスで繰り広げられるムゲンとフーシーとの戦いがやっぱり迫力。縦の物中から外から空間を存分につかい動き回らせる戦いの計算を、誰がしていてどんなコンテを描いてそれを作画陣がどう理解して絵にしていったかに興味が椋。3Dではないよなあ。どうだろう。そんなバトルを支える音響は中国語版からアップグレードされているのかどうなのか。ズンと響く重低音めいた音が前も入っていたっけか。いずれにしても岩浪美和さんが手がけてすごく響いて耳に届く音響になっていた。それと日本語のセリフが相まって、理解と没入を助けてくれた。やっぱり海外アニメでも日本語版があると良いなあ。「RWBY」も良かったし。続きは日本語版にならないんだろうか、「RWBY」。


【11月15日】 相変わらず中国嫌いをこじらせて、バイデン嫌いになってトランプ好きに偏らずにはいられない日本のジャーナリストっぽい人たちが、バイデン陣営がアメリカ合衆国の大統領選で不正投票をしていて、それをトランプ大統領が暴いて結果をひっくり返すことに強い確信を抱いて、SNSなんかでその根拠とされるエピソードを拡散しているけれど、どれも数日前に出てはフェイクだと否定されたものばかり。日本語にされて人口に膾炙される時間差を利用して、真実らしさを煽りアクセスを稼いでいる感じだけれど、どうしてそこまでトランプ大統領に肩入れするのか、そこがやっぱり分からない。トランプはアジアから米軍を引こうとしている訳だし。

 そんな大統領より軍産複合体との仲が良いらしいバイデンの方が日米安保を守って中国の脅威だって押さえ込んでくれるかもしれないのに、っていった理屈はもはや通じないのかも。そうと決めたらそれを貫き、そこについたファンの期待を裏切らない立場を貫いていかなくちゃいけない。そのうちに自分もその考えに染まってしまって抜けられなくなっているといった感じか。個々のジャーナリストがそうなるのは良いけれど、そうした人たちを起用し続けフェイクをまき散らし続ける日本新聞協会加盟のメディアがあったりするのがなかなかヤバイなあ。まあとっくに特定宗教を持ち上げる紙面になっていたりするんだけれど。右派で鳴ってた政治家が、バイデン支持を打ち出すと裏切り者呼ばわりして批判する。味方なのに、そういう区別もつかなくなっているところもヤバイなあ。

 公開に向けて湯浅政明監督への合同インタビュー仕事があって、書いて送ったもののまだ掲載されないうちに公開が始まってしまった『「日本沈没2020 劇場編終版」を、是非に劇場で見て欲しいという言葉を原稿に添えた以上は見に行かなくてはいけないと、しばらく茅場町のVELOVCEで原稿打ちをしてから、TOHOシネマズ上野へと回って最前列で鑑賞。すでにオンライン試写で観ており、その前にNetflix版もおさらいしてあってストーリー展開も演習具合にも理解があったせいで、何が起こってもその次にはどうなって、最後はどうなるかが分かっているせいもあって、辛さよりもそれを受け止め乗りこえて歩み進んでいった先、もたらされる様々な解答に感じ入ってしまって、映画全体をひとつの完成形として見てしまった。

 あっちへ行ったりこっちて行ったりする中で、酷い出来事が起こり酷い人たちが現れ安全な場所を求めて彷徨う人たちに試練がもたらされ、それが心にズキズキと刺さっていた初見時と比べると、唐突な死も非道で差別的な言動も、こうした自体に起こりえる出来事として半歩下がったところから達観気味に、あるいは諦観気味に眺められるようになっていた。これが映画を初見にして「日本沈没2020 劇場編終版」に触れた人だと、さっきまで喋っていた陸上の仲間たちが、駒沢陸上競技場のロッカーで悲惨な目に遭い、歩の空腹をどうにかしようと頑張った父親が大変な事態に陥り、いっしょにトイレを探していた三浦七海さんがばったりと倒れ、そして母親や先輩にも悲しい事態が訪れる。

 ひとつひとつが驚きと呆然と落涙をもたらす離別であって、それが毎週少しずつ進むならまだしも2時間半の間に立て続けに起こって、呆然としつつグッとこみ上げてくるものが収まらないうちに次の呆然が重なり気持ちを昂ぶらせ続けそう。それもまた映画としての”感動”だと言えなくもないけれど、辛い人には辛いかもしれない。これが初見となった人たちに聞いてみたいところではある。ただ、今時の映画はそうしたあがったりさがったりのジェットコースター的な展開も少なくないだけに、見て感情を引きずり込まれる前に次の展開が来て、そして頑張った結果が得られるクライマックスへと至って、ネット配信版と同様の感銘に溺れることができるかもしれない。10時間近くをかけずとも得られるひとつのビジョンを2時間半で得られるという意味で、便利な劇場編終版と言えなくもない。

 そんな「日本沈没2020 劇場編終版」は小松左京が「日本沈没」を描こうとした時に意図した、日本人とはいったい何だろうかを、日本という国土を奪うことによって問おうとしたことが始めて描かれた映像版だったのではなかろうか。純粋な日本人たちが国粋主義的な思いの中で凝縮させていくのではなく、フィリピン人の母親であり日本人との混血としての自身でありユーゴスラビアから来た青年でありエストニアを拠点に活躍するユーチューバーでありといった、多彩で多様な人々を絡めることで相対的に感じさせようとしたところに、小松左京からアップデートされたような感じもある。もしかしたらKITEの出自にひねりもあるかもしれない。回想に流れた子供時代、西洋凧をあげるKITEの服装からそんなことを思った。

 そうしてたどり着いた場所で剛はeスポーツの選手となり日本代表としてオリンピックに出場して金メダルをとりながら、それでも国はどこでも良いんだとつぶやくコスモポリタン的な人間像を見せる。すっかりアスリート体型になった歩は失った足を義足に変えてパラリンピックに走り幅跳びの選手として出場する。水泳の選手だった母親に体型も似てきたところが親子の関係を思い出させてちょっぴり涙を誘うところが憎い。ぎゃあぎゃあ言ってた15歳の頃と比べた成長ぶりが感じられた。

 そうして国に依りながらも場所は国外だったりする人もいれば、浮上した土地に戻り国土に依拠する人もいてと、さまざまな日本人たちの日本に対する温度差のある感情を見せることで、どうであっても良いんだよ、自分がなりたいようになり、やりたいようにやれば良いんだよと教えてくれている映画。それでいて最後に日本のさまざまな風景を重ねて良いところもあったとくすぐる映画。自分なら何を選ぶ? そう問われて迷うけれどもその前に、生き残らなくちゃいけないからなあ。それとも誰かのために何かを繋ぐ役割をまっとうする? それもまた格好いい生き方。先輩、その走りは最高でした。もう1回くらいいって、湯浅政明監督のコメンタリーを聞きながら見よう。


【11月14日】 早くに家を出て茅場町にあるカフェヴェローチェでかつかつと原稿書き。インタビューしたものを構成し直しストーリーが流れるように整えつつつ質問の部分で細くなんかも入れていくんだけれど、今回はお相手が2人だったので会話が噛み合うような感じになるように調整もしたから結構大変で、それ以上に結構楽しかった。現場では何を言ってくれるかいつもヒヤヒヤで、ろくな質問ができなかった恐怖でテープを聴き直せないことが多いけれど、塩漬けにしていたら動くものも動かないのでえいやっと一気に仕上げて送信。通るか否か。まあ賭けだ。

 時間もあったので下北沢トリウッドへと回って、既にNetflixで配信されている「泣きたい私は猫をかぶる」を見ようと思ったら、ちょうど人形怪獣映画というなかなか異色の「狭霧の國」が始まる時間で、佐藤大介監督と主役の声を演じた井上優さん、そしてお母さん役の石本径代さんが来られて舞台挨拶をするというので、入ってまずは映画を鑑賞。なるほどアニメーションではなく人形劇で、怪獣を操演か何かで動かしながら大分の山奥にいる怪獣が暴れ回るストーリーを撮っていた。

 あとで監督は人形劇が撮りたかった訳ではなく、怪獣映画を撮りたかったけれど予算もあるから自分のできる範囲で人形劇になったと話してた。本気で特撮をやたらどういう感じの映画になっただろうなあ。伝承と恐怖。「大魔神」みたいな映画になったかもしれない。今だと普通にCGとか使えばいくらだって撮れそうな気がするけれど、それだとやっぱり質感が違ってくるというのがある種の感性。あるいはクオリアって奴で、そこを着ぐるみまでいかない人形で撮ったとしても、やっぱり伝わる質感、質量感ってものがあるような気がしないでもない。どうなんだろう。ヒロインの造形がなかなかそそられた。トリウッドに飾ってあるので観察しよう。

 200億円を超えた『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』で竃門炭治郎を演じてメディアで大いに話題となっている声優の花江夏樹さんが、「借りぐらしのアリエッティ」で主役を演じた志田未来さんと共演しているアニメーション映画があるんだから東宝は、『鬼滅の刃』に振り向けている枠の1割でも使って上映しつつ関連性を喧伝すれば、10億円だって稼げるかもしれないとも思ったけれど、流行っているものに流行っているならと行く日本人の性向から考えるなら、たとえ声優が同じでも自分とは関わりのない作品にはなかなか足を向けないどころか、関心すら向けようとしないだろう。

 だから、TOHOシネマズのもっと大きなスクリーンで、佐藤順一監督と柴山智隆監督による「泣きたい私は猫をかぶる」が上映されることはきっと金輪際、あり得ないんだろうなあ。それが今のアニメーション映画の現実。1本が馬鹿当たりしたからって期待してはいけない。いけないけれどもせっかくのこのアインメーション映画に吹いた追い風、そして声優の花江夏樹さんに向いた風を大いに捕まえて欲しいと思うくらい、『泣きたい私は猫をかぶる』は良い映画だった。

 何しろ舞台が愛知県で常滑市だ。知多半島にあって海岸からのぞむ海には中部国際空港も浮かぶ注目の街だ。そして何より名古屋市から名古屋鉄道で行けるという意味で実質名古屋だ。名古屋出身者として応援するしかないし、そうでなくても応援したくなる映画だ。 無限大謎人間だからあだなを「ムゲ」という中学生の少女は、同じ暮らすにいる日ノ出賢人という少年が大好きだけれど、乙女のように恥じらいながら好きだと言うことはできず、登校途中に裸足になって書けだしてはお尻から当たる「日ノ出サンライズアタック」を見舞ったりしていろいろとちょっかいを出すけど分かってもらえない。

 まあ当たり前。でも諦めないムゲはクラスメートが日ノ出の悪口を言っていると、屋上から飛び降りては地上に立って悪口を言った相手に文句を言う。いや屋上からって猫かよと思った人は大正解。実はムゲは猫だった……じゃなくって猫に時々なっていた。どういうことか。ある時、巨大な体躯の猫から猫の面をもらったら、それを着けると猫に変身できるようになった。ムゲは出歩いた先で日ノ出と出会い彼の優しさに触れて好きになる。

 飛び降りたのも猫の時の行動様式が出てしまったから。それくらい好きなら人間の時にも素直に好きを言えば良いのに、できないのはいろいろと気を回しすぎるところがあったから。ヒップアタックをかます乱暴者に気遣いが? それこそが本心を隠すひとつの方策。ムゲは母親が家を出てしまって父親と離婚。そして父親と暮らしていたところに再婚相手が来たけれど、母親への気遣いもあってかなかなか心を開けないまま、張り付いたような笑顔を向けて大丈夫だからと遠慮するような日々を続けていた。それが板についてしまっての日ノ出サンライズアタック。けれどもタロウと日ノ出に名付けてもらった猫になれば、いっしょにいられて本心も聞ける。

 猫になっちゃおうかな。それは大歓迎と現れる仮面屋の巨大猫。でもそいつには企みがあって……といった感じで進むストーリーは、家族の事情にもまれ悩む少女であり少年が、自分の本心を言えずに迷い潰されそうになる中で、お互いに関心があってもすれ違ってしまいそうになるコミュニケーションの難しさを描いていく。思春期に迷う誰もが見たくなる内容で、建前が先に来て本音を出しづらい大人にだて大いに関わりのあるストーリー。それが人気声優の花江夏樹さんに「エール」でも活躍中の志田未来さんで見られるんだから見に来てよと、宣伝すれば良いのに先行してNetflixで配信してしまったからウインドウが変わってしまったのかなあ。どっちが良かったんだろう。ちょっと悩む。

 それにしても緻密に描かれた常滑市の風景。あれで半島だから高低差もある場所から海を望みつつ見下ろす市街や、陶芸の街だけあって並ぶエレンが積みの煙突を持った作陶の工房、学校に公園に諸々の風景がデフォルメされず、かといってくっきりとでもない中にきれいに描かれていてそこにいるような気にさせられる。叔母が住んでいるから時々言っていた常滑市だけれど、当時は漁港があって潮の香りと陶芸の工房が入り交じった古い街並みだった。今はそれも残しつつ新しい街並みもできているみたいで、ちょっと行ってみたくなった。

 そういう巡礼心もくすぐる作品だけに、全国公開されて大勢を常滑市に関心を向けさせて欲しかった。なおかつ言葉に出せないもやもやを抱えた人たちに希望を与えて欲しかった。表情の仕草も確かに描かれたスタジオコロリドならではの丁寧で優しいアニメーションにも目が向いて欲しかったけれど言っても詮無い話。それでもこの機会を誰か捕まえて、花江夏樹さん志田未来さんをネタに大いに喧伝して欲しいなあ。


【11月13日】 13日で金曜日だけれど、もうずっとヤバい状況が続いているから不吉だとかまるで思えない感じ。むしろ金曜日ってことで明日が土曜日で明後日が日曜日と週末が来るから13日とか気にせず浮き立つ気分の方が勝っている。毎日がハッピーだとたまに不吉な日を思い浮かべたくもなるんだろうけれど、そういうゆとりがなくなっているって現れなのかもしれないなあ。

 でもって世界が毎日を13日の金曜日と感じる原因になっている新型コロナウイルス感染症の新しい感染者が13日は全国で1695人になったとか。結構な人数。東京だけでも374人の新規の感染者が出て連日の300人超え。大阪も263人いたりして全国的に高止まりから増加する傾向を見せてきている。北海道は人口に対して235人だからもう大流行していると言えそう。これが冬将軍の南下に伴い本州へと降りてきたとき、どれだけの感染者を出すのかと考えただけで怖くなってくる。

 どこかのサッカー選手がそういう人数に対して重症者がどれだけいるのって突っ込んでいて、心配しすぎだよっていう世の風潮にのったような態度を示しているけれど、12人もの死者が出ている疾病を大半が無症状かのように伝えて軽く見ようとするのはやっぱりちょっと拙い気がする。立場のある人はそれなりに言葉や態度にも気をつけて欲しいよなあ、大変だとは分かるけれどそれがエスタブリッシュメントの義務ってことで。重症者も今は平衡を保っているけれど、ちょっと傾けば一気に医療崩壊へと至る可能性もあるらしい。

 食い止めるにはいち早い対策なんだけれど、政府はGoToを引っ込めるどころか拡大して延期しようとしているからなあ。どうしてなんだ。そりゃあ近畿日本ツーリストが大量の店舗を閉めて社員の削減にも乗りだしているし、ANAとかJALも社員を外に出してどうにかしのごうとしているくらい、厳しい状況におかれていてこれでGoToの実入りすら削られたらどこまで悪化するか分からない。そうした業種に偏って支えるなんて他の業種にとっては贔屓も過ぎるって気はするけれど、何もしないよりは何かしていることで回る経済もあると思うとやめられない。とはいえ状況がこうなってくると、景気より前に大切にすべき健康ってものがある。決断の時は近い。

 いよいよヤバくなっているのはとある美容整形医の人も同様か。愛知県知事をリコールするといって署名を集めたものの、リコールの実施に必要な人数は集まらず直前まで自信満々に語っていたのにひとり停戦を表明。でもまだ署名が続いている岡崎市とかもあったりするから、引き続いてそうした署名を募って心意気を見せるのかと思ったら、主宰者の思いを受けて活動を続けようとする人たちに対してもうやめろと良い、果ては裏切り者のスパイ呼ばわりまでして罵倒し始めた。多くの共感を呼び込んでいこうとしていた運動なのに、自分がやめたら他もやめろってそれはいったい何なんだ。自分が全てなのか。ちょっと理解が及ばない。

 これは事情がちょっと分からないけれど、本当に頑張っていたボランティアの人たちがヤバげな署名が上がって来たのを見て出したらヤバいと避けたところ、盗んだのかと糾弾をしたらしくてもうやってられない感も募って来たんじゃなかろうか。普通に考えたら相当に無茶だし勝手だし尊大だって分かりそうなものだけれど、それを理解できないくらいに焦りかあるいは別の何かに囚われているのか。いずれにしてもこれでもう、誰も後に続いてリコールを求めようなんてしなくなるだろう。それ以上に美容整形医とか名古屋市長の言動について行こうとも思わなくなるんじゃなかろうか。やれやれだ。いやこっち的には大歓迎なんだけれど。そもそもが無理筋だったってことで。

 組合運動をバックに多くの働く人たちの支持を得て党勢を伸ばして自由民主党とがっぷり組んでいた時代もあった日本社会党だったけれど、高度経済成長を経て誰もが豊かな感触を得るようになると組合に頼らずとも良くなって支持が下がって衰退していき、いつしか万年野党の誹りを受けることになる。土井たか子委員長の誕生で盛り上がったとはいえ単独政権がとれるはずもなく、自民党や新党さきがけと組んで村山富市総理の下で政権はとっても緒戦は自民党の傀儡、イニシアティブをとれないまま民主党に議員を奪われ野党でも端っこに追いやられていった。

 そしていよいよ国会議員が党首1人だけの政党とすら言えない状態に陥りそうな社会民主党。これだけ経済が悪化して働く人たちが非正規に陥れられ苦況に喘いでいるというのに、そうした人たちの願いを吸い取れず国会で訴えられず政策に反映させられないのでは復活もあり得なさそう。かといってそうした声を取り込んで政策に反映させるなんて、民主党でも無理なら自民党がやるはずもない。うちがやりますと声高に訴えたところで、自民党から政権を奪取なんてできないといった選挙の構図が見えてしまって、最初から諦めてしまっているんだろう。どうしてこうなった。本気で政権を取りに行く動きを社会党が見せず野党第1党の地位に安穏としていたことに、呆れ諦めてしまった気持ちが今も続き蔓延っているんだろう。だからこその衰退であり1人政党化。そして誰もいなくなった時に日本の労働運動は終わり庶民は黙りそして日本は終わりの始まりを迎える。嗚呼。


【11月12日】 東京都の新規の新型コロナウイルス感染症感染者数が393人だったそうで、3カ月ぶりくらいの390人台というよりもはや400人といった方が良い数字をこうして見せつけられると、いよいよ第3波も本格的に始まったなあと思うしかない。全国の合計も3カ月ぶりくらいに1500人を超えたそうだけれど、以前の8月8日はそこがピークといった感じだったのに対して、今回はここからガンガンと増えていきそうな予感があるだけに不安も募る。どうしてこんなことになったのか。気の緩みだろうなあ、国家的な、GoToなんてキャンペーンを平気でやってしまうんだから。

 あろうことか政府は来年の東京五輪で2週間の待機が必要な開国からの観戦客に対して待機は不要ということにするらしい。ちょっと待て、そもそもが五輪が開催されるようなら2週間の待機なんて不要なくらいに世界から新型コロナウイルス感染症の影響が退いていなくちゃいけない訳で、それで始めて選手も観客も大手を振って世界を移動し日本に来られる。日本だって受け入れられるる。それが未だ2週間の待機からの観測が必要なのだとしたら、新型コロナウイルス感染症はまったく鳴りを潜めていない状況だってことになる。そこで実施するのは待機をなくすことでなく、待機が必要な状況を鑑み五輪を中止することなのに、そういう議論に向かわないところにこの国の政治の優柔不断ぶりが見てとれる。そんなにまでしてやりたいのか。やれやれだ。

 マイクロマガジンから届いた漫画が手塚治虫関連ではなく「さくらと介護とオニオカメ1」という作品で、いったいどういう経緯でそういう漫画を出すっことになったのかが気になった一方で、内容はとても真面目に介護という社会的な課題に挑んでいて、読むといろいろ勉強になる。というか自分は介護という場面にいまだ直面していないから、抱える家族の悩みのようなものも、介護に従事する介護福祉士の人たちの苦労というものも分かってはいない。そこをオニオカメという新人だけれど元気いっぱいの女子による挑戦と、リーダーのぶつぶつ良いながらも引っ張っていく姿を通して学べるという意味で、とても有意義な漫画と言える。

 介護の現場を知っている人だと、あるあるといった話もできるだろうし、自分たちが何を考えどのように取り組んでいるかも分かってもらえて嬉しいと思えるものかもしれない。あるいは介護される側も、そういうことを考えていてそういうことをされると嬉しいということを、知って貰える漫画という意味づけがあるかもしれない。トーンは明るいし陽気だし元気だけれど、回想的な内容を現代から振り返っている場面でいないリーダーがどうなってしまったか、そしてにしうらさんとオニオカメが見上げた夜桜にどんな意味があるのか。それが分かった時にまた、いっそうの感慨が浮かぶのかもしれない。読んでいこう。

 ライティな人たちのこれと決めたらフェイクでもデマでも乗っかって拡散してその状況を世にすり込もうとする意欲はいったいどこから来ているんだろう。中国を絶対悪としてそれに対抗するためには誤情報だろうと拡散して平気だと分かってやっている可能性もないでもないけれど、そうした理由付けすらなく心底からアメリカ合衆国の哀悼両選挙でジョー・バイデン候補を応援する側が不正をやりまくっているって信じているようなところがある。

 開票の集計をごまかすならそれは共和党からだって来ている監視の目をくぐり抜けなきゃいけないし、海外から不正の投票があるならそれは現場で弾かれていて当然。あるいは共和党だって同じことをやって不思議はないのに、民主党側はそれをごっそりと、でも大々的に出来るんだと真剣に信じてしまっている。またく意味が分からない。前に日本学術会議に関してデマをテレビで吹聴して批判され、自分では謝らずアナウンサーに謝らせた目ん玉なテレビ局の上席論説委員様が、今度はアメリカでトランプ候補側にベッタリな弁護士が利害もバリバリな情報を吹聴したのを真に受けて、アメリカではこうなっているのに日本はバイデンが買ったかの如く報じてるのはいかがなものだとコラムに書いて、あとでジュリアーノが吹聴した情報はフェイクだったと分かってコラムを訂正し、さらには削除してしまった。

 それが土台となったコラムは削っただけでは成立しないから当然だけど、それだけ根幹となる情報を真偽も確かめずツイートだけを根拠にコラムに書いて平気なジャーナリストが、東京のキー局に存在するということ自体、世界から観たら奇天烈にうつるだろうなあ。別のジャーナリストも同じ情報を今も吹聴しつつトランプは勝つと信じている節があったりして、そっち側の人たちの盲進ぶりはまったく衰えない。きっと就任式が終わっても吹聴し続けるに違いない。認めたくないものらしい、ポン酢故の過ちというものでありながら。


【11月11日】 「体操ザムライ」をNetflixで配信分をとりあえず観てレオナルドの謎っぷりがどこに帰着するかに興味が向く。メン・イン・ブラック(1人は女性)の3人組に追いかけられているところと、3人がスポーツに興味がありそうな場所を探しているところから何か運動選手だろうという予想はつくし、展開から考えるなら海外でとてつもなく有望な体操選手として囲われながらも逃げ出して、憧れの荒垣城太郎を見かけたのをこれ幸いと押しかけ居候しているってことなのだろうか。そして荒垣と南野鉄男とのバトルに割り込んでその圧倒的な演技で2人を圧倒しつつ、次の段階へと導いていくといった感じ。

 同じ日本代表としてきたるアテネ五輪に出るのか別の国から出場するのか。日本語ペラペラってことは日本とも関わりがありそうだけれど、有望な選手だったとしたら知られていて当然。そうでないなら海外の秘蔵っ子だけれど国籍が今は二重で日本代表も選べるって感じかな、知らんけど。声が陽気で明るいレオナルドなのに渋さが似合う小野賢章さんで、逆に暗くて張り詰めた南野が普通は明るい梶裕貴さんというのが不思議。とはいえ梶さんは「天気の子。」とかで渋いリーゼント刑事を演じているからそっち方面に役を振っているのかも。小野さんは逆に広げているといったところ。そんな2人を御してる浪川大輔さんは「ゴミ箱診療科のミステリー・カルテ」の表紙に登場している三神宗一郎を感じさせる渋みがあるなあ。消えたレオナルドがどんな立場で現れるのか。楽しみ。

 アニメもネットで観るなら漫画もネットで読む時代。小学館の「うえぶり」でもって「葬送のフリーレン」と「龍と苺」を読みふける。超絶長生きなエルフの魔法使いの感覚と、人間の感覚とのズレがもの悲しくも愉快な展開を楽しんでいたものが、魔族との血みどろの戦いへと至って「葬送」の意味が寿命の短い人間の仲間たちを見送る意味に、魔族を容赦なく叩きつぶしていく死神としての意味も重なりハードでシリアスでバイオレントな漫画へと転移したかと思ったら、裸でスクワットするエルフが出て来たりしてのんびり旅行へと戻って、フリーレンのぼんくらぶりも戻ってきて読んでいてぐふぐふと含み笑いが浮かぶ。

 そんな中にも勇者ヒンメルの凄さというやつがジワジワと流れ出してきて、フリーレンを御していただけでなく世界にもいろいろと勇気を与えていたことが分かってなおいっそう物語世界が広がって深まった。ここからフリーレンが旅をして何か資格をとってから向かうだろう北部の魔王城でいったい何が起こるのか、っていうかそこに至るまでにさらにいろいろと起こりそう。魔法使いと戦士は加わったけれど僧侶も勇者もいないパーティに新たな出会いはあるのかも含め、展開を見守っていこう。これが掲載されている「週刊少年サンデー」は今、とっても面白いんじゃないか。

 そして「龍と苺」もあるし。こっちはこっちでネット版ではアマ竜王戦の地方予選で結果が出た模様。2人とも出られると分かっている決勝でも真剣勝負をする2人。苺は眠さを吹き飛ばそうとしてかシャツとか脱いでタンクトップだかでたたき付けるように将棋を指していてなかなかの迫力。絵としては決して匠ではないけれど、その分戦いの激しさって奴が感じられる。もしも映画化されたらやっぱり平手友梨奈さんが演じてばしばしと腕をふって駒を将棋盤にたたき付けるのかなあ。行儀が悪いと日本将棋連盟から怒られそうだなあ。そんあ当りを含むかどうかは分からないけど第2巻もまもなく発売。買ってそして続きも追いかけよう。

 北海道で感染者が増え大阪でも東京でも愛知でも増える傾向にある新型コロナウイルス感染症について、日本医師会の会長がいよいよ第3波を警戒する必要があると呼びかけている。そりゃそうだけれど、一方で政府が何か対策をするかというと逆にGoToなんとかを呼びかけ続けて全国的に感染者を散らばらせているといった感じ。感染対策の偉い人が飲み会するなら右手に箸をもちつつ左手ではマスクを持って外し食べたらはめてそしてといった動作を呼びかけている。そこまでするなら飲み会なんか行くなというのが筋だけれど、GoToイートを呼びかけている政府に逆らうと今の時代は反政府活動家呼ばわりされるから言えないんだろう。

 街中を観ると飲み屋のテーブルを囲む全員がマスクなんかしないで飲んだり食べたり喋ったりしていて、そりゃあうつるわと思うけれども止められない。そういう機会が絶無な人間には迷惑ではあっても当人たちには外せない憩いなんだろうなあ、あと政府にとっては経済的に。とはいえ感染が拡大していけばいずれは止まるだろう会食に旅行。年末に重なり帰省をままならなくさせるかもしれないなあ。

 新型コロナウイルス感染症といえば防衛大学でクラスターが発生したようだけれど今はだんまり。医官が対策を訴え出たら校長によってとばされたそうで、さすがは日本学術会議の連携会員だっただけのことはある、ってそうじゃない、連携会員でありながらそんな非科学的なことをするなんて。科学者じゃなく中国政治の専門家だから分からなかったのか。でも本当に大規模なクラスターが発生して、けれども処分が出なかった時は日本という国がかの大戦での敗戦を後追いすることが確実になった時だろう。インパールしかり特攻しかり。犠牲の上に権力者たちがあぐらをかいて無責任をまき散らす。やれやれだ。



(ACCESS COUNTER '96.07.20)


縮刷版一覧へ行く
リウイチのホームページへ戻る
riuichi@can.bekkoame.ne.jpが不安定でメールがリジェクトされる様ならwf9r-tngc@asahi-net.or.jpまたはkha02604@nifty.comまで。