2001年筑波決戦直前情報

毎年恒例になりつつある秋のイベントが筑波決戦である。数ヶ月前からそれぞれが水面下で激しい戦いを繰り広げている。あくまでも水面下の闘いなので、各自手の内をすべて明かしていないと思われる。タレ込み情報もあんまし無かったのだが、現時点で私が掴んでいる情報をまとめてみよう。

参考情報:
99年 筑波決戦
00年 筑波決戦直前情報
00年 筑波決戦
01年 間瀬決戦

ABIT号:
(←写真は去年のモノ)
今回、もっとも気合いが入っているのはABIT号だろう。去年はライトチューンエンジンだったが、まったく新たなエンジンを数ヶ月かけて組んできた。φ85mmのピストンで1928cc、圧縮比は12.0、264度のカムシャフト、これをFreedomで制御して不本意なセッティングながらもダイノで185馬力を発生。ボッシュなら200馬力を超えてるだろう。足はフルオーダーN1スペックのフルラップ車高調整式でバネは13K-11Kだ。更にカーボンボンネットまで付けて軽量化している。間瀬決戦の時に毛が生えたマフラは捨てて、フロントパイプからリヤマフラまで新たに製作したスペシャルマフラを付けてきた。タイヤは15inの540S。クルマ的にはABIT号が一番速そうだぞ(笑)。

しかし、ABIT号の制御に使っているFreedomが不安定で不穏な動きが絶えないらしい。おまけにA/F計測とFreedomのA/F学習制御に連動させているDM-2○Mも不安定な動作で、異常な空燃比を表示してしまう事が多々有るらしいのだが、それがFreedomが悪いのかDM-2○Mが悪いのか判断できず、まともなセッティングが出せない状態。1日かけて煮詰めたセッティングも一瞬でブッ飛んでしまったり、今日のセッティングと昨日のセッティングが大きく変ってしまうFreedom、わけの解からん空燃比を表示するDM-2○M、要するにわけのわからん状態で悩むABIT号(笑)。ハードウェアの製作は万全ながら、ソフトなセッティングをどこまで煮詰める事が出来るかがカギとなるであろう。 タイム云々よりもストレートでFire号をブチ抜く事にすべてを賭けているという傾向も有り。ここまでやったエンジンでファインチューンのFire号をストレートでブチ抜いても自慢にならんぞな(笑)。

タナボタ号:
(←写真は去年のモノ)
毎年笑いを提供してくれているタナボタ号だが、去年15分でブローした予選スペシャルみたいなエンジンをデチューンしてきた。1800ccでブローしてしまったB6を1720ccにスケールダウン、どうやら今年のエンジンは壊れないらしい。足は去年と同じく旧型オーリンズでバネは13K−11Kだ。タイヤは15inの540S。本人曰く、エンジンセッティングをまともにやってないので不安はいっぱいだとか? しかし今回のデチューンエンジンが完成してからかなりの期間が経っているし、足も慣れているハズ。意外な事にタナボタ号が一番堅実な仕様で不安は少なくタイムを出せるのでは?? が、タナボタ氏がまともに走っているところを見た事が無いのでドライバのポテンシャルが不明(笑)。筑波ではフェイドアウトが早いし、間瀬ではキャブの不調でへろへろになって走ってたし。去年の筑波決戦では予選スペシャルエンジンで出したタイムだし...(笑)。 エンジンブローフェイドアウトのトラウマを克服して踏み切る事が出来るか? 最終コーナフェイドアウトのトラウマを克服して攻めきれるか? それがカギだろう(笑)

友人T号:

エンジンは去年とまったく同じでNB8のエンジンを0.5mmオーバサイズで組んだファインチューン仕様。私と同じで基本的に峠仕様の友人T号の足は、TEINのNAにバネは6K-4.5Kだった。このソフトな足に泣かされながらも過去2年続けてトップタイムをマークしていたのは流石か? が、ここで秘密兵器登場! 松田速度の4段調整式N1ダンパーを導入。バネは13K-11Kだ。タイヤは今まで2年間泣かされ続けたDLの14inのD01Jを捨て、ついに15inの540Sを導入。 ところが、直前の23日のエビスサーキットでのテストでブレーキロータ大きく歪んでしまった。強烈なジャダーが発生してまともにブレーキングできないらしい。すでに連休なので部品の手配が出来ないし、ロータ研磨加工にも出せない。どうなる? 本番までに直せるのか?(^^;;;

ホーリー号:

NA8Cのエンジン本体は相変わらずノーマルなのだが、要らんモノを外して要るモノまで捨ててしまった超軽量仕様に、回し慣れたエンジンでストレートもけっこ速い。徹底したサーキット仕様のクルマにサーキット仕様のドライバ。ストリートへの未練を捨ててしまったクルマはやはりサーキットでは速い。


足はCORN'Sのフルラップ車高調整式でバネは10K-8Kだ。ブレンボのブレーキロータやらど〜だバーなども導入。タイヤは間瀬決戦の時まで使っていたYHの048を捨ててBSの540Sで15inだ。ホーリー号の最大の筑波対策は、間瀬決戦の時に86に特攻して凹んだフェンダとドアをそのままにしてある事。走行会とレースの区別が出来ないホーリー氏は無理矢理にでもインに割り込んでくると思われる(笑)。黒ボンネットの赤いロドスタがミラーに映ったらさっさと道を譲るべし(笑)。彼はミサイルになる事を恐れていないのだ。

ここまではお馴染みのメンバだが、今年の伏兵がてっしー号。ノーマルエンジンのNB8なのだが、なぜかてっしー号はストレートが伸びる。ストレートスピードは去年のABIT号やFire号と同等だった。入魂のセッティングを施した足は、オーリンズにバネは10K-8Kだと思うのだが詳細は不明。去年はラジアルタイヤだったので論外なのだが、今年は540Sを導入。ドライバが速いのでかなりのタイムを出してくると見た!筑波対策としてGTウイングを導入する気だったらしいが、その金でオイルクーラを導入したらしい(笑)。元国際A級ライダーならではセンス、2st125ccレーサーのスピードに慣れた目がクルマでも生きている。ドライバが速いのは間違い無さそう。

未知数ながらも意外とタイムを出してきそうなのが大市民号。
(←写真は大市民氏のサイトから無断引用(笑))
一緒に走った事が無いから何とも言えないが、クルマの仕様としてはタイムが出ても不思議はないし、特攻隊長系のドライバならではの走りが楽しみか?(笑)

あと、なんだか知らんが300馬力のターボ付きロドスタが来るらしいけど300馬力なクルマは番外って事で(^^;。他にも速いクルマがいるのかなぁ?(^^;;;;;

さて、問題のFire号はどうなってるのか?(^^; 入魂の新エンジンは加工屋の都合と私の都合で筑波に間に合わない事が盆前に判明。その時点であっさりと製作を諦めた(笑)。よってエンジンは2000年レストア企画の時に製作したエンジンのままだ。エンジン以外の部分でタイムアップを狙うならもう足しかない。なんせ友人T号と同じく6K-5.5Kという峠スペックのバネだったのだ。ダンパも車高調整とは言えノーマル形状のKONIだ。これではN1スペックの連中には勝てない。しかしノーマル形状KONIを使う以上、φ82mmのバネの呪縛から逃れられない。φ82mmの直巻きって手も有るが、ケースの長さとロッドの長さはどうにもならん。そしてついに買ってしまったのがコレ↓


KONI ASA HALF SPECIAL!!! ケース寸法、ロッド長、減衰力、バネ、すべてフルオーダだ。もちろん複筒式低圧ガスで減衰力は無段階調整式。しなやかに動きながら伸びをシッカリ抑えたコシのある走りはKONIならでは。この時点で付いてるのは10K-8Kのバネだが、手元に14K、12K、6Kのバネが有るので6K〜14Kまでフルラインナップ。今回は筑波と言う事で12K-10Kの組合わせをチョイス。


KONI-GPノーマル、GPの車高調アダプタ付き、ASA HALF SPESIALの3兄弟。ASAは超ショートケース&ショートロッド。これ、フルラップ式ではないものの、付属する3種類のカラーとピロカラーの組方を選択してロッド長を調整する事により、車高とイニシアルを別々にセッティング可能。具体的にはイニシアルゼロのままでフェンダの隙間が指1本入らないくらいから3本入るくらいまでの調整は可能だ。これはけっこナイス。


こちらはフロント。実はフロントはロッド長が長くてバネが遊んでる。一応それなりの理由が有る。それはまたいつか...ま、この足の詳細はいずれレポートしましょう。しかし、フルオーダとは言え一発でセッティングが出るとは思えず、筑波でセッティングが合っているかどうかはまったく不明。何度もテストと仕様変更を繰り返したのならともかく、完成したばかりのぶっつけ本番でどうなる事やら...?


スケールとバネやダンパを並べてロッド長の計算と車高の計算に頭を悩ます(笑)。

そしてFire号のタイヤも14inながらもついに540Sを導入。これでやっと長岡勢と関東勢の足とタイヤのレベルが並んだ。しかし、10K超級の硬いバネにまったく慣れてない私と友人Tが足をどこまで使いこなせるかは未知数。リバンプストロークが短い足でトルセンLSDが空回りしないのかどうかも不明(友人Tは松田速度機械式LSD付き)。間瀬テストもやってないし、峠を軽く走っただけなので、筑波での走りがどうなのか? 乗り方はどう乗れば良いのか? まったく不明。このあたりが長岡勢の不安要素だな。

あとはアライメント調整。


こちらのお店でトータルアライメントテスタをお借りした。今回はショートケースのダンパでストロークには余裕がタップリ有る。底突きの心配は皆無なので、車高は下品なほどにまで下げた(笑)。これによりキャンバの余裕がかなり有る。そこで思い切ってキャンバを付けちゃう。去年は1.5度程度しか付いてなかったのだが、今年はどーんとキャンバを付けますよ。 って事で挑戦したアライメント調整、左リヤがトーとの成り行きで目一杯まで付けたキャンバが3度。これに合わせて右リヤも3度に。フロントも方側の目一杯が1.9度くらいだったので、それに反対側を合わせて1.9度。リヤトーが0.2度くらい、フロントトーが0.14度くらい。もちろんスラストアングルはゼロ。車高が低い分だけ去年よりキャンバを強く出来たが、本当はもうちょい付けたかった(笑)。もっと車高を落とさないと駄目なのかな(^^;。

事情により切断してあったブレイスバーはMIG溶接機を借りて溶接。室内火災を恐れて巨大なスパッタシートを張ってやったが。ブレイスバーそのものはやっぱり燃えた(^^;。カーペットや幌は燃えてないから良いけど。


無事にブレイスバーが付いたんで、友人から借りたデジタルビデオカメラをセッティング。筑波決戦動画が公開されるカモしれない(笑)。

そんなこんなで、やりたい事はほとんど終ってます。さて? どうなる事やら...?

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