筑波決戦直前情報

去年の筑波決戦では長岡勢の圧勝だった。今回の筑波決戦は長岡勢vs雪辱に燃えるシモニタ勢+ABIT号の闘いである(笑)。みなさんそれぞれが水面下で激しい戦いを繰り広げ、密かに筑波対策のチューンを施しているらしい。私の情報網を駆使して行なったスパイ活動(笑)により現在までに得られた各車の情報をまとめてみよう。

どうやら有名ショップのワークスマシン?や、その他やたら過激な仕様で6秒台を出すクルマも参加するらしいが、それらは番外と言う事で...(笑)

番外なクルマは別として最強の敵はF号だろう。Fire号よりも軽い超軽量車体に1680cc189馬力のエンジンを積んでいる。ドライバのF氏もワビサビ系で燻し銀の走りだ。持ちタイムは筑波9秒8、間瀬12秒6とどちらも私よりも速い。今回の筑波決戦に合わせてバネを12Kに変更、強化サスアームブッシュをワンオフ製作し装着、ロールバーにボディ補強までやってきたらしい。エキマニを加工して廃棄効率を向上させ、僅かながらにパワーアップもしたとか。FC3S用オイルクーラを加工して取付け、油温&油圧対策もやった。更に15inタイヤ導入でタイムアップを狙っている。強化サスアームブッシュは硬質ナイロン製らしく、組み付けた直後はサスアームが動かないリジットサスになってしまったとの事(笑)。再びバラして当たり出しをやってなんとか上手く足が動くようになったとかなんとか。トータルアライメントも調整して準備は万全?

タナボタ号は今回の決戦の為に、不良在庫廃棄系部品を寄せ集めてB6を1800ccまでスケールアップさせてきた。予期せぬエラーにより圧縮比が14:1になってしまったというフルタイムノッキング仕様(笑)。なんとか12.5まで圧縮を落として作ってきたらしいが、セッティング&ナラシが終っているのかどうかが鍵。去年のエンジンで184馬力、今回のエンジンは未知数...。巨大なオイルクーラが付いてるにも関わらず、アイドリングだけで油温が105度を超えると言う超発熱仕様(笑)。エンジンブロー覚悟で乗込んでくるという気合い満点なタナボタ氏。バネはたぶん硬く、10Kを超えているモノと思われる。去年の最終コーナフェイドアウト事件は有名(笑)。今年はバックストレートでエンジンブロー&フェイドアウトしてくれる可能性アリ。

ABIT号は謎だ。一緒に走った事が無いのでドライバのポテンシャルもクルマのポテンシャルも不明。パワステ廃棄を賭けて乗込んでくるくらいなので自信が有るのかもしれない(笑)。フレッシュマンレースにエントリしてたらしく筑波を走った経験は豊富。クルマはNB8で面研+ヘッドチューン+マル秘セッティングで173馬力を記録。今回の決戦の為にワンオフインマニ+サージタンク+インテークパイプを製作、トータルで吸気系を作り直してきた。この吸気系装着により前述の173馬力を超えてくると思われる。バネは8K程度らしいが、内緒でもっと硬いバネに交換してるんじゃないかと睨んでる。タイヤは15in。

ここまでのライバル車はすべて「ど〜だバー」と「ど〜だロールバー」が付いている。ボディ剛性はFire号と同等レベル。みんな強敵である。

対する長岡勢はどうなっているのか? 大した事はしてないのだが、とりあえずちょっと書いてみましょう。

友人T号。NB8のエンジンに0.5mmオーバサイズピストンを組んでO/Hしたばかり。排気量は1860cc。腰下はバランス取りと鋳砂落し程度、ヘッドは面研+ファインチューン。O/H前に185馬力以上を記録してたので、現在はそれ以上か?バネは6K-4.5Kと柔らかい。タイヤは14in。そしてトドメの筑波対策がコレ↓


トランクリッドごと借りて来た巨大ウイング。このダウンフォースで筑波最終コーナを全開踏み切りで走る予定らしい(笑)。スライドし始めた瞬間に空力が乱れて一気にスピン&フェイドアウトする可能性もアリ。関係ないけど写真奥は茶太郎。

ではFire号の筑波対策を紹介しよう。

まずはブレーキをなんとかする。去年はノーマルブレーキパッドで走って大変だった。今年はブレーキ強化だ! リヤはすでにNB8Cのブレーキロータが付いている。フロントはどうしようかと思ったが、思い切ってNB8Cのロータ&キャリパに交換した。PバルブはNA8Cのモノを変造して1mmのワッシャを入れた。


左が1800用、右が1600用。取り付け寸法はまったく同じで互換性が有るが、バラしてみたら内部構造はちょっと違った。Pバルブはフロントに対するリヤの液圧を下げる働きが有るわけだが、1800ではフロントブレーキの効きが強すぎるので1600よりリヤの液圧が高めになるようになってる。それでも1800のブレーキバランスはかなりフロント寄りなので、分解して1mmのワッシャを入れた。


Pバルブ根元のフレアナットは緩めにくいが、このようにして緩めれば簡単である。


使ったのはSnap-onのクローフットレンチ。これはKTCのモノと同価格くらいで買えるので超お勧め品である。確か2000円くらいだった。

ノーマルパッドでテスト走行をして感触を確認し、傾向と対策を練る。そして選んだブレーキパッドはProjectμのHCである。HC-Titanも考えたが、効きよりもコントロール性重視でHCをチョイス。これは大成功。唐突でコントロールしにくい1800系のブレーキが、ジワリと効いてコントロールしやすいモノになった。このパッドは超お勧め!

足はどうするか? 去年は4Kくらいのバネでロールが大きくて苦戦した。今年はもうちょいマシな足にしたい。が、バリバリのサーキットスペックは避けたい。つーか、KONIにφ82mmのバネでロッド長がノーマルだと使えるバネは限られてくる。そして選んだのはφ82mmで自由長200mmの6Kgf/mmのバネ。リヤは5.5Kgf/mmである。これでも間瀬や筑波だと柔らかいのだが、まぁ良しとしよう。ツーリングや峠で楽しくない足にはしたくないモン。車高はストロークの確保をテーマにして、知性と理性を感じる15mmダウン程度にした。ショートケースのKONIでこの車高ならノーマルと同じくらいのストロークを確保出来る。


アライメント調整。車高が高いのでネガティブキャンバを強めに出来なかったが、可能な限り強めに設定した。キャンバは1.2度くらいしか付かなかった。キャスタは約4.5度。もちろんスラストアングルはゼロ。


軽量化。リヤバンパーのレインフォースメントをカットして皮一枚にしてみた(笑)。黒いのがレインフォースメント。これを切って捨てた。真ん中はブラケット+リテーナ、右はバンパーの皮である。


奥が今回作成した皮一枚バンパー、手前はドロヨケ付きノーマルバンパー。


中身がなんも無いです。FRPバンパより軽いと思われます。ドロヨケは付けてない。

マフラの遮熱版や不要なステー等、外せるモノはバンバン外す。マフラカッタも外した。スチール製で2Kgは有るかと思われるストラットタワーバーも外す(笑)。タワーバーを外したからと言ってコーナリングスピードが落ちるとも思えんが、軽量化はタイムに直結するだろうとの思惑である。ラジエタのサブ電動ファンも外してその駆動リレーと配線も外した。


今回外したモノ達。この他は助手席の椅子とかマフラカッタとか...

マフラ製作。曲がりくねったマフラが面白くない。真っ直ぐにすれば効率も良くなるし軽量化にも繋がる。というわけで作ってみた。


マフラ材料屋さんから購入したパーツ。

これをバリバリと溶接する。が、問題発生。フランジが実はスチール製なのだ。ステンレスのものは設定が無いそうで、仕方なくスチール製のフランジを買ったのだが、ステンレスパイプとスチールのフランジを異種金属溶接するハメになる。アーク溶接でステンレス用の溶接棒を使うとスチールにうまく馴染まない。ほとんど無理矢理くっつけた。ちょっと不安だなー。


こんなモノが出来ました。なんて簡単なんだろう(笑)。


後半分はN1マフラ。


取り付け状態。かっこいいだろー。色がおかしいのはデジカメのホワイトバランス設定ミス。

しかしなー、このフランジが折れたらクルマがジャンプするよなー。棒高跳び状態になるような気がするんだよなー。大丈夫かなぁ?(^^;


こーなったら嫌だよなぁ...。


そして軽量化のトドメは茶太郎から借りたFRPトランクリッド。今回の長岡勢のテーマは「借り物トランクリッド」である。前出の友人T号のウイングの写真で茶太郎のトランクリッドがFire号のモノと入れ替わってる事に気付いたヒトは大したモンである(笑)。このトランクリッドだけで4〜5Kgの軽量化が可能。

そしてドライバの仕上げとして10月14日に間瀬サーキットを走ってきた。間瀬は4速全開から2速までのブレーキングなど筑波と共通する部分が有るので練習には良いだろう。が、筑波のような高速コーナが無いので未だに高速コーナが苦手な長岡勢である(笑)。


友人と一緒に間瀬のパドックにて。緑ガエル&銀ガエルだ。Fire号が履いてるタイヤは15inのアゼニスで195-55-15である。ちなみに全然グリップしない。

この日の課題は強力無比になったブレーキを上手く生かせるかどうか。今までと同じつもりでブレーキングするとコーナの手前で止まる(笑)。ブレーキングから突っ込みのリズムが全然掴めないまま3本を走りきった。それでもナニも練習しないでぶっつけ本番で筑波に行くよりは良いだろう。

心配だったブレーキバランスだが、まだかなりフロント寄り。もうちょいPバルブをいじりたいなぁ。


HCはカーボンパッドなのでロータが黒くなる。青焼けしてる分も有るけどそれだけでは無いみたい。青焼けしてるって事は500度は軽く超えてるんだろうなぁ。ちなみにHCは700度までOK。踏力に対してリニアに効きが増し、強く踏んだ時の効きは強力だが、軽く踏んだ時はちゃんと弱いブレーキングとなる。2本目の走行でも踏み代に変化はまったく無く、効きも安定している。温度変化に対する効きも一定で素晴らしい。シムやブレーキグリスはまったく使わずに組んだが鳴きもほとんど無い。コイツはマジでお勧めできるパッドだな。

とりあえず出来る事は全部やった。あとはドライバがいかに筑波を攻めきれるかだ。2回目だしちゃんと真面目に走れば去年のタイムを超えるハズなんだけどなぁ...。

さて? 筑波決戦の結果は如何なる事に?

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