省燃費タイヤと省燃費オイルと試す

毎年恒例の325Kmのエコランアタックである。今年はどうしてもタイヤを交換したかった。BRIDESTONEのGRID2を使っていたのだが、あまりの煩さにもう耐えられない。というわけで、まだ溝は有るのだがクソGRID2は捨ててしまう。

どうせ買うなら省燃費タイプのタイヤにしたい。もちろん、このネタの為だ(笑)。 選んだタイヤはTOYOタイヤのエコエコタイヤだ。転がり抵抗を低減していると言う。最初はダンロップの省燃費タイヤにしようと思ったのだが、サイズが無かった。BSの省燃費タイヤもサイズが無かった。んで、TOYOだ。各メーカ、転がり抵抗低減を謳う製品は従来比で転がり抵抗を10%ほど低減しているらしいが?

去年、「来年はタイヤを替える」と書いたら、「交換直前のタイヤではタイヤ径が小さいから距離計が甘くなる、タイヤ径の補正をしないと燃費の比較にならない」と、有り難い突っ込みを頂いた。NNL690で4%の向上率が出たのは、前年に比べて磨耗により小径化したタイヤで距離系が甘く出ているからだろうとの突っ込み。同じ目的地に行って帰って来て、結果的に走行距離が毎年ほとんど変わって無いのになんでそういう突っ込みになるんだろう? そもそも燃費のテストでタイヤ径の補正をやってるヒトって見た事が無いんですけど...。

が、また変な突っ込みが来ると嫌なので、タイヤ径の測定をやっておきました。

品名 タイヤ外周 実測値 外周差
GRID2 新品 1930mm 0.00%
GRID2 交換直前 1912mm 0.94%
TEO pulus 新品 1920mm 0.50%

195/60R15で適正空気圧に調整した状態で、外周を直接測定した。直径を測定して外周を計算したのではない。さて、コレを見て頂ければ解ると思うのだが、新品GRID2と交換直前のGRID2のタイヤ外周差は1%に満たない。私がエコランテストをやり始めた時は新品タイヤではなかったので、その差はもっと小さくなる。今回の新品タイヤはメーカが違うので新品同士で比較しても小さい。去年のタイヤと比較して0.4%ほど大きくなっている。走行距離計は去年より0.4%ほど辛く出るわけだが、1%以下の外周差をどーのこーのと突っ込まれてもねぇ...(笑)。

要するに、タイヤ磨耗による外周差はほとんど気にする必要は無いと私は思うんですがね? 特に私の場合、新品からツルツルまで使ってたわけではないんだし。

あと、オイルも変わってしまった。去年までは 「SL 10W-40」 だったのだが、「SM 5W-40」 になってしまった。同じ銘柄の同じオイルなのだが、時代と共に変化してしまった。15W-40から10W-40に変わった時は大して変わらないと思ったのだが、さすがに5Wになるとあからさまに柔らかいのが解る。これは燃費に影響しそうだ。325Kmの行程中にコールドスタートが1回しかないので、下が5Wでも上は40のままで変わってないので関係無いかもしれない。でも一応、去年から変わってしまっているのでそれも考慮して頂きたい。

ちなみに、去年と条件を揃える為にNNL690の添加は続けている。なので、今年のテストで去年との違いはオイルとタイヤだ。

去年までの成績は以下だ。

実験日 走行距離 使用燃料 燃費計算値 平均値との比 備考
2001/05/04 328.0Km 21.5L 15.25Km/L 101.9% 過去最高値
2002/04/27 324.3Km 22.0L 14.74Km/L 98.5% トラックに邪魔された年
2003/05/08 327.6Km 22.0L 14.89Km/L 99.5% 酵素系添加剤玉砕
2004/05/10 324.8Km 21.7L 14.96Km/L 100.0% 放射線モノ玉砕
2005/05/10 325.8Km 20.9L 15.58Km/L 104.1% NNL690 事故渋滞有り
2001年〜2005年までの4回の平均値: 14.96Km/L
参考: カタログデータ 10.15モード燃費=12.8Km/L 60Km/h定速走行燃費=21.8Km/L

もはやお馴染みとなっているが、まったく同じコースで同じ到達点まで行って帰ってきている。走る時間帯も合わせているし、寄るコンビニも合わせている。僅かな走行距離の差は、工事での迂回やコーナリングや駐車場でのライン取りの差か?(笑)。

有効な差が始めて計測された2005年のデータを除くと、2001〜2004年までの平均値が14.96Km/Lだ。それに大して4.1%の向上を見たのが2005年。今年はこれを超えなければならない。私が定めた目標は去年比で3%の向上だ。3%の向上で16Km/Lの大台に乗る。これを目指す。タイヤの転がり抵抗低減とオイルの粘性抵抗低減で3%は難しいかもしれないが、期待を込めて目標とした。

今年の実行は5月7〜8日だ。

305Km走行時の定点写真。なぜ305Kmかと言うと、最初の頃は燃料計が半分の時が丁度305Kmだったから。305Kmで撮影したかったわけではなく、燃料計が半分の時を狙ったらたまたま305Kmだっただけだ。


2003年、305Km走って燃料半分。


2004年、305Km走って燃料メータ半分だ。


2005年、305Km走って念量計はまだ半分以上っ!


2006年、305Km走って去年とほぼ同じ!

もしも3%向上しているとしても、燃料の差は600ccくらいでしかないので、たぶんメータには現れないハズ。しかし、何の効果も無かった2004年までのメータと比べると明らかにマシだ。去年を越える事が出来るのか?!

で、注目の結果です。

実験日 走行距離 使用燃料 燃費計算値 平均値との比 備考
2001/5/4 328.0Km 21.5L 15.25Km/L 101.90% 過去最高値
2002/4/27 324.3Km 22.0L 14.74Km/L 98.50% トラックに邪魔された年
2003/5/8 327.6Km 22.0L 14.89Km/L 99.50% 酵素系添加剤玉砕
2004/5/10 324.8Km 21.7L 14.96Km/L 100.00% 放射線モノ玉砕
2005/5/10 325.8Km 20.9L 15.58Km/L 104.10% NNL690 事故渋滞有り
2006/5/9 325.6Km 20.5L 15.88Km/L 106.15% エコタイヤ + エコオイル

最高記録達成!

106.15%は、効果が無かった2004年までの平均値に対する差だ。去年との差だと 101.93% になる。

走行距離を前述のタイヤ外周差で補正すると、15.95Km/Lとなり、限りなく16Km/Lに近付き、去年との差は 102.3% となる。

NNL690は継続使用中なので、今回のタイヤとオイルの効果は約2%前後か? これは誤差かもしれない。誤差は甘い方向にも辛い方向にも出る可能性が有るわけで、本当はもっと大きな効果なのかもしれないし、効果は無いのかもしれない。ただ、タイヤの転がり抵抗低減はオカルトでも何でもなく、実際にタイヤ公正取引委員会に数値として届けられているわけだし、オイルの粘性抵抗が減ればロスが減るのも確かだ。理論的に疑う余地は全く無い。燃費が良くなっても何ら不思議は無いし、むしろ当然の結果とも言える。

問題は、その理論的に正しい省燃費用品が実際にどれほど燃費に影響するのか? である。転がり抵抗を10%減らしても燃費が10%向上するわけではない。様々な走行抵抗のウチの転がり抵抗を10%低減しただけで、走行抵抗を10%減らすのとはワケが違うのだ。転がり抵抗は、空気抵抗や駆動損失などの多くのロスのウチの一部に過ぎない。

そして低粘度オイル。冷間始動時には大きな差になるハズなのだが、定例テストではスタート時は完全暖気状態、そのまま一気に158Kmを走り、翌朝から残りの167Kmをほぼ一気に走る。従って、冷間スタートは朝の1発だけなのだ。下が5Wでも上が40のままなので、温間時の粘度はほとんど同じなのかもしれない。つまり、冷間スタートで暖機運転もせずに走り出して近距離で停めるような通勤走りだったら大きな差になるかもしれないが、定例テストでは今回の粘度の差はほとんど影響して無い可能性が大だ。

こういう正統派な省燃費用品って注目されない。誰も口にしない。プラグだってそうだ。波形の違いが観測できるくらいのプラグが注目されず、何の違いも計測できないコンデンサだのアースは注目され、信者が生まれ、あちこちで下らない論議が繰り返される。 なぜなのか? それは簡単。燃費詐欺で儲けようと思っている中小零細個人企業には作りたくても作れないからなのだ(笑)。オイル添加剤より電気モノが最近流行っているのは個人レベルでも簡単に製品化できるからだろう。 ちょっと前に流行ったマイナスイオンだのトルマリンモノも同じく簡単に作れる。意味不明な能書きでそれらしく見せてタダ同然の商品を高額で売ってこそ儲かるのである。

NNL690とエコタイヤとエコオイル、この組み合わせで「6.15%」の差。正統派でちゃんと効果が有る商品の結果ってこんなモンなんじゃないのかね? 20%だの30%なんて有り得ないと思うのだよ。10%の向上だってすごーく大変だと思うんだよね。

燃費詐欺商品に夢を見るのはやめようよ(笑)。

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