NNL690を試す!

NNL690。これはカナダのパワーアップ社が製造しているオイル添加剤だ。 GRPはコレを元にして作られているらしい。しかし、そのお値段は段違いで、NNL690の並行輸入品はGRPの正規品に比較して1/3の価格で買える。基本的には同じモノらしく、「共晶膜」を形成して強力な潤滑効果を生むという能書きはまったく一緒。 GRP側としては「違うモノ」と言い張っているので真偽は定かではない。 GRP側の言い分はこうだ...

「NNL690を元にして日本の特殊な環境条件に合わせたチューニングを施しているので、NNL690を使用してもGRPと同じ性能は期待できない」

ふーん...。それってオイルメーカの決り文句じゃん(笑)。

話がソレるが、日本で売っているオイルって高すぎると思うのだ。オイルメーカは、「日本の環境に合わせた配合をしているので海外のオイルとは違う、だから高い」 みたいな事を言う。じゃぁ、アメリカで売っているオイルは格安でも、テキサスの砂漠やアラスカの氷雪地帯やロスの渋滞を難なく走り、山のように走っている日本車にも問題無く使えるのに、そのオイルを日本に持ってきたら「日本の環境」に合わないと言うのだろうか? 強烈に疑問だ。 どう言い訳されたって単にボってるとしか思えん(笑)。 日本で精製して日本で流通させるからコストが掛かってるだけだとう思うのだ。そして日本の物価高に便乗してオイルの価格を高価格のまま維持しているだけなのではないか? 中身のオイルの性能なんか日本製でもアメリカ製でも対して変わらんのでは? だって、アメリカで走ってる日本車は現地で買ったオイルを使って問題無いんだし。 ま、コレは私の勝手な想像なので確信は無い。しかし、ドラム缶で買うと国産オイルでもリッター当たり200円以下で買えるのは事実だ。オイルの原価なんかそんなモンだ(笑)。

と言うわけで、GRPとNNL690はほとんど同じモノだろうと勝手に思っている。違ったところで大した違いじゃないだろう。そもそも主成分が同じなんだし。テスターに掛けたらGRPの方が高い極圧値を出すのかもしれないが、そもそもGRPの極圧性能はたかが自動車のエンジン用としてはオーバークオリティだ。

GRPは確かに非常に高い極圧性能を示したし、その金属磨耗防止効果は本物だろう。だが、あまりにも価格が高すぎて使う意味が無い(笑)。一番安い1リットルサイズを買ったとしても31500円/Lなわけで、オイル交換1回当たりに3%添加した場合、オイルが4Lだと120cc必要でそのコストは3780円だ。 その金でガソリンを買おうよ(笑)。

燃費やパワーではなく、磨耗防止効果に期待する人は多い。大切なエンジンを永く使いたいって事だろうが、心配は要らない。普通に走ってるだけなら普通のオイルを普通に交換していれば10万キロや20万キロくらい走れる。少なくても磨耗が原因で壊れる事はほとんど無いハズだ。実際、私のインプレッサバンは11万キロ以上走っているが、普通にオイル交換しているだけで絶好調である。

サーキットや峠を激しく走るとピストンリングの磨耗は進む。コレを防ぐ事は出来るカモしれない。だが、激しく走るとオイルそのものの劣化が進むので早めのオイル交換が必要になる。サーキットを走ったら例え100Kmでもオイルを交換してしまうべき。この頻度で交換するとGRPはコストが高すぎてまったく意味が無い。その金でエンジンをO/H出来るんじゃないかと思うほどの価格になってしまう(笑)。

要するにGRPは良いんだけど、高すぎて使う意味が無いと私は思うのだ。そこで今回のNNL690だ。以前は海外通販などの個人輸入で買う以外に安く手に入れる方法が無かったのだが、最近は普通に並行輸入されているので気軽に安く買えるようになった。私はコレを今回、普通にネット通販で購入しのだが、その価格は税込みで12000円くらいだった。これだとオイル交換1回当たりのコストは1500円以下で済む。これなら現実味の有るお値段じゃないかっ! 個人輸入などの面倒な事をせずに一般的に手に入るなら試してみる価値が有るカモしれない。




前フリが非常に長くなってしまった(^^;;; このNNL690だが、GRPと同じく圧力が掛かった場所に共晶膜を形成して行くとの事で、その形成には時間がかかるらしい。そこで、オイル交換と圧縮圧力のところで書いたが、フラッシングを行ってからオイル交換をやって、その後に圧縮圧力を測定してからNNL690を入れた。そしてNNL690を入れてから1215Kmを走行した。出来るだけ激しく走って極圧を与えて共晶膜の生成を促す。通勤の毎日の走りも過激に走る。激しいシフトダウンで1速まで使ったエンジンブレーキや、レブリミットまで回す加速、峠の全壊走行、高速道路も走った。まったく普通ではない走りで馴染ませる(笑)。もちろんこの間の燃費は最悪である(^^;

100Kmくらい走った頃から気のせいカモ知れないが、エンジンブレーキの効きが弱くなったような? 2000回転くらいから普通にアクセルオフにしてもすーっと走っていくような感覚。エンジンブレーキの効きってポンピングロスによる抵抗が殆どなわけで、機械損失分のウチの摩擦抵抗が少しくらい減ったところでエンジンブレーキの効きが体感できるほど変化するハズもなく、多分気のせいだろう...。

あとはフィールに違いは無い。音が静かになるなんて事も無い。そもそもエンジン騒音は、動弁系のラッシュ音、排気管の輻射音、シリンダブロックの輻射音、インジェクタ駆動音、補機類駆動音と補機類そのものの音、などが殆どで、別にエンジン内部の摩擦音がゴリゴリガリガリ言ってるわけではない。NNL690がどんなに優れた潤滑効果を持っていようと騒音が変化するわけがないのである。

要するにトルクだの音だのと言った体感できるフィールの変化は無い。エンジンブレーキの効きが弱くなったような気がしたのは確かだが、測定のしようが無いので確信は無い。こんな事ならGセンサでエンジンブレーキ時のGを測定しておくんだった。時すでに遅し。

そうそう、ついでにミッションにも入れたんだった。スバルはミッションオイルを足すのが凄く簡単なので入れてみたのだが、シフトフィールは特に変わらなかった。回転合わせに失敗すると2速が入り難いクセもそのままで変化無し。

やはり究極のエコランでその効果を試す以外に手は無いのだっ! すでにお馴染みのエコランテストに関しては過去の記事を読んで頂きたい。過去最高値は初めてこのエコランに挑戦した2001年なのだが、この時は理想的に道が空いていた。行きも帰りも自分のペースで走れた。コーナリング速度を落とさずに無駄な加減速を無くして理想的に走れた年である。だが、もしかすると給油時にエア抜きが不完全だった可能性も有る。クルマを揺らしながらエア抜きをやるようになったのは実は2002年からだ(^^;

2002年は登り山道区間でトラックに邪魔されてコーナリング速度が落ち、ストレートでもペースが遅いので2速や3速を多用した年だ。やなり最低値を記録。2003年は酵素系添加剤が玉砕、2004年は放射線モノが玉砕した。

実験日 走行距離 使用燃料 燃費計算値 平均値との比 備考
2001/05/04 328.0Km 21.5L 15.25Km/L 101.9% 過去最高値 理想的走行
2002/04/27 324.3Km 22.0L 14.74Km/L 98.5% トラックに邪魔された年
2003/05/08 327.6Km 22.0L 14.89Km/L 99.5% 酵素系添加剤玉砕
2004/05/10 324.8Km 21.7L 14.96Km/L 100% 放射線モノ玉砕

過去4回の平均値: 14.96Km/L
参考: カタログデータ 10.15モード燃費=12.8Km/L 60Km/h定速走行燃費=21.8Km/L

さて、今年の結果はどうなる?

順調にスタートしたが、行きの後半の山岳路登りでトラックの隊列に引っかかってしまった。前も後もトラックだらけなので少し止まって待っても結果は同じと判断、車間距離をかなり開けて付いていく。4速のままコーナリング出来そうなコーナでもトラックが減速してしまうのでこちらは2速まで落とさなくてはならない。このロスが悔しい。だが、帰りの下りではまったく邪魔されること無く、完全に自分のペースで走れた。コーナで減速しないので再加速の必要が無い。下りの勢いに乗ったままほとんどアクセルを踏む事無く、燃料カット状態を維持できた。ちなみに、やはりエンジンブレーキの効きは弱いような気がする。下りでいつもよりスピードが出てしまうような気がするし、いつもなら速度が落ちてしまうのでアクセルを踏んでるハズの場所でもアクセルオフのままで走れたり。気のせいじゃないかもしれない。

過去の走行中の写真を見ると...


2003年、305Km走って燃料半分。


2004年、305Km走って燃料メータ半分だ。


今年、305Km走って念量計はまだ半分以上っ! (去年から丁度1年でほぼ1万キロ走ってるんだなぁ)

これは期待出来るカモ? しかし、インプレッサバンの燃量計は左コーナを走ると燃料が増え、右コーナで燃料が減るクセが有る。もしかして偏ってるだけカモしれないので油断は出来ない。


しかし、ゴール直前の323Km走った時点でまだ半分以上。マジっすか? これはもしかして最高記録が出る?

実はこの↑写真、ゴールまであと僅か2Kmっていう所で事故による大渋滞に巻き込まれているのだ。トラックが軽自動車に追突して救急車2台とレスキュー車が到着していた。これはイカン、この渋滞で燃料を消費するわけにもいかず、仕方なくこの渋滞区間だけアイドルストップ作戦に切り替える。それでも動くときはエンジンを掛けて1速で動くので5速で普通に通過できたハズの過去に比べて燃費に悪影響を与えたのは必至だろう。渋滞に巻き込まれた15分が燃費にどれくらい影響を与えたかは神のみぞ知る...。

そして注目の結果はこうだっ!

実験日 走行距離 使用燃料 燃費計算値 平均値との比 備考
2001/05/04 328.0Km 21.5L 15.25Km/L 101.9% 過去最高値
2002/04/27 324.3Km 22.0L 14.74Km/L 98.5% トラックに邪魔された年
2003/05/08 327.6Km 22.0L 14.89Km/L 99.5% 酵素系添加剤玉砕
2004/05/10 324.8Km 21.7L 14.96Km/L 100.0% 放射線モノ玉砕
2005/05/10 325.8Km 20.9L 15.58Km/L 104.1% NNL690 事故渋滞有り

見事っ! 最高記録達成っ! (^o^)/

あー、サーキットでベストタイムを叩き出した時と同じくらい嬉しい。エコランに挑戦するのもかなり大変なわけで、記録更新はやっぱし嬉しいのだ。

トラックに邪魔され事故渋滞に巻き込まれながらも、理想的に走れた2001年を超えたってのはスゴイ。過去4回の平均値に対して4.1%の向上率だ。

これをNNL690の効果と判断するかどうかは別として、仮に5%の向上を得られるとしよう。だとしたらNNL690で燃費の元が取れるのかどうか計算してみる。

インプレッサは普通のクルマを普通に使ってるだけなので、オイルは5000Km毎に交換するとして、5000Km走るコストを考えてみよう。NNL690を12000円/Lとして3%の添加率で使うと、オイル交換1回に1440円分のNNL690をを使う。これを超えるくらい燃費が良くなるならモトを取れる。5000Kmを10Km/Lで走ると500Lの燃料が必要、10.5Km/Lで走ると476.2Lの燃料が必要で、その差は23.8Lだ。レギュラーガソリンを125円とすると2975円。モト取れますね。3000Km毎にオイルを交換してもモト取れます。3000Km毎にオイル交換して燃料が100円/Lだとギリギリです。

GRPが例え2倍の効果が有ったとしても価格が3倍ではモトは取れない。ま、多分GRPを使ったとしても似たような結果しか出ないと思うんだけど(笑)。そもそも摩擦を減らしたくらいで10%とか20%も燃費が良くなるなんて有り得ないのだ。摩擦損失自体がそんなに大きくはないんだし、どんなに素晴らしい添加剤だろうがその摩擦損失をゼロに出来るわけではないのだ。4%の差が出たって言うだけでも驚きだ。

燃費だけ考えても5%向上するならモトが取れるわけだが、金属磨耗を減らす効果も有るわけで、 塩素系などの有害(環境問題の話ではなく、塩素はエンジンに対して有害だと私は思う)なモノはどんなに燃費が良くなろうとお勧め出来ないが、NNL690が簡単にこの価格で買えるなら使ってみても良いのではないだろうか?

10%の違いが出たのなら本当にスゴイと思うのだが、4%という微妙な数値、読者の皆さんはコレをどう判断するか? 誤差の範囲と判断するか、NNL690の効果と判断するか、それはお任せします。ゼヒとも掲示板に意見を寄せて頂きたい。

# NNL690添加後の圧縮圧力測定に関してはまた後日に公開予定です

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