日本全国郷土玩具バーチャルミュージアム:民芸館:宮城県篇(3)



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宮城県のこけし
 宮城県は、こけしの宝庫といわれ、県内各地で各系統のこけしが作られています。
 仙台市内には各系統のこけしを挽く工人が住んでいます。また、市内には県内各地の工人の作品を揃えている専門店もあり、なかには東北の伝統こけしのすべてを扱っている店もあります。
【こけしの系統】
「遠刈田系(遠刈田温泉近くの新地の集落で作られている)」。 「作並系(作並温泉で作りはじめられた系統)」。 「肘折系」。 「弥治郎系(白石市の鎌先温泉付近の弥治郎集落で生まれた系統)」があります。
仙台市から南へ40キロ、白石市の周辺は弥治郎系や遠刈田系こけしの発祥地として知られています。
「鳴子系」:鳴子町のこけしは、その重量感といい、工人の数の多さといい、名実ともにこけし界のナンバーワン的な存在です。鳴子系こけし発祥の地でもあり、名湯とこけしの町として知られています。
 三陸リアス式海岸の名勝、唐桑半島の突端に、御崎(おさき)神社(昭和46年までは日高見神社ともいわれていました)があります。地元の人達には「御崎さん」と呼ばれ親しまれてきました。旧正月14、15日の祭礼には、岩手県南の大船渡(おおふなと)や陸前高田方面の漁師たちも参拝に来て賑わいます。
 このとき、縁起物として、さっぱ舟・弾き猿・風車などが「唐桑の諸玩具」として古くから売られ親しまれてきました。
さっぱ舟
【由来】:「江戸へ向かった積み荷満載の千石船が、翌日の大嵐の折、唐桑の御崎明神の使いの白鯨に導かれて、無事に御崎の浜に戻ることができた」という伝説から、漁師たちがこの木舟を、神棚に供えて航海の安全を祈りました。
弾き猿
下の竹のバネを弾くと、猿が弾かれて上下します。
「年の始めに悪しきを弾き去る(猿)」の縁起物。昔は全国各地で見られた素朴な郷土玩具でした。
風車
竹の皮を薄く剥ぎ、放射状に丸く編んで、菱形の色紙で羽を付けた素朴な玩具です。
正月の春風に乗って回る様子は、幸運が廻り来ると喜ばれて、縁起物とされています。
「唐桑の諸玩具」製作者記録:千葉富賀雄:本吉郡唐桑町神ノ倉148 TEL: 0226-32-3561

◆(註)記事中の制作者の記録は、1995年頃の調査資料ですので、ご了承下さい。

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(1996.07.01掲載/2001.03.05/2002.07.03/改訂)