本年5月1日に、第4回ふくおか市民能を開催します。演目は喜多流の「鵜飼」。より面白くご覧いただくために、3月の能楽入門ではこの「鵜飼」にスポットを当てます。観世流の若手による上演です。
あらすじ
甲斐の国行脚の旅僧。石和川のほとりで日が暮れます。
化け物が出るという御堂に泊まっていると、闇の中から近づく灯り。それは鵜飼の老人が持つ松明の火でした。殺生禁断のこの川で鵜を使い魚を捕ったために、生きながら沈められた漁師のことを物語った老人は、実は自分こそその鵜使いの亡者と明かし、消え失せます。(中入)
僧は川の石を拾い上げ、法華経を書き付けて供養します。
すると閻魔大王が顕れ、法華経の功徳により亡者が成仏したことを告げ、御経の利を示します。
見どころ
なんといっても、前半の最後で鵜を使う有り様を見せる「鵜之段」が見せ場になります。鵜を追い回し魚を捕ることに我を忘れますが、そのうちに篝火も消えて、闇の中に消えていきます。
後半では一転して閻魔大王の豪快な舞いとなります。法華経の功徳をテーマに、スケールの大きい舞台展開になります。
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