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パレルモ観光と小旅行 <Normal目次へ>
カッテドラーレ <Cattedrale>
ゴチャゴチャといろんなものがくっついてる感じの巨大な建造物。
私がパレルモに到着したのは日曜日の午後。ほとんどの観光名所は閉館中。たいていの教会は午前中だけの拝観時間で、午後は閉まってしまう。商店街も休み。南イタリアらしく、徹底的に休みきる態勢であった。
そんな中、このカッテドラーレは、休日でも午後4時からの拝観時間があった。
こうなると選択の余地はない。ホテルでしばらく時間を潰した後、カッテドラーレに向かうことに。
そういう時間帯には、ほとんどの観光客がこの場所を目指す。何台もの観光バスが近くに駐車していて、何組もの団体旅行客が押し寄せて来ていた。
ここには、ルッジェーロ2世、フェーデリコ2世らシチリア王家の人々の墓がある。いくつもの石棺が並べられていて、花も捧げてあった。
この種の場所を陣取るのはドイツ人団体様ご一行である。フェーデリコはホーエンシュタウフェン家の皇帝だからドイツにも縁が深い。添乗員の掲げる旗の下、饒舌な解説が繰り広げられる。次々とやってくる集団が、私の前に立ちはだかることになった。
広い空間の中をキョロキョロしながら歩いていたら、床のおもしろいデザインをみつけた。星座を描いたものと思われるタイルが並べられていたのだった。ヨーロッパの教会でよく目にする教訓的なモチーフで描かれた絵画などとは違って、楽しい図柄だと思う。
私が気に入ったタイルの写真を撮っていると、「ほらほら、床がおもしろいわよ!」日本人のオバサンの声がした。さらに仲間のオバサンたちが集まって鑑賞会が始まる。
こうして床の鑑賞に熱中していたのは、私を含め、わが日本人のみであった。西欧の王様だのキリスト様の御利益に無関心なわが日本人は、ヨーロッパ人とは全く別の観点からモノを見ているのかも知れない。
それにしても、巨大な建物にいろんな時代のものがくっつけられているため、一つ一つ丁寧に観ていくと、やけに時間がかかる。
最初の日には、主要な見所である宝物館を観る余裕もなく拝観時間が終了。後日、もう一度出かけることになった。
あらためて出かけて宝物館を観て、さらにその奥深くまで入ってみる。石棺の並ぶ地下墓地風の場所があった。ちょっと頭を下げないと通れない細いトンネルを抜けた先にある。さすがに、奥深くまで入って来る人もいない。照明も暗くて、たった一人で歩いていると心細い。
壮大な外観と華やかな内装の施された内部とは対照的な場所だった。これといって観るべきものはないのだけれど、この巨大な建造物の奥深さを見せつけられた。天井が意外に高い。大きな空間が細いトンネルの向こうにあるのだ。
このカッテドラーレ、公開されていない部分もかなりあるはず。細部の一つ一つには大した印象はないのだけれど、全体としての巨大さと奥深さは凄いものがある。
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