Drive in Minnesota

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車を買う

 もし、扶養家族の一人としてアメリカに来たとか、私にアメリカでの確かな収入があるとか、車を買ってくれるリッチなお友達がいるとかであれば、車の入手は簡単だろう。値段はほぼ日本と同じ、好みと予算と、購入かリースかを選択するだけでよい。でも、悲しいかな、私の立場はかなり違うのだった。
 到着一週間後の9月初旬、カー・ディーラーに行った。ここで、カーリースは滞在期間の関係から無理であること(最短24カ月〜)、収入がないため新車のローンも不可能(うう、ボンビー)と分かる。中古車購入しか方法はないらしい。
 学校に慣れ、気持ちにゆとりができた10月、車選びを始めた。早く入手しなくては冬が来てしまう。雪道の試運転だけは避けたいぞ。さーて、どんな(ボロ)車にしようか。

  1. 情報収集 その1
     カーディーラー幾つかに足を運ぶ。これは、実際にアメリカではどんな車がどの位の値段で売られているのかを理解するため。数年で乗り替える日本に較べると、こちらの車は実にしっかり使用されている。走行距離10万マイル(16万キロ)という車も珍しくない。予算内で紹介してくれる車はがっかりするようなものばかりだった。古い、汚い、さびしい。横にある新車コーナーによろよろ入っていきそうになる。
  2. 情報収集 その2
     インターネットを活用する。Yahoo Auto、地域ディーラーのサイト、Twin Citiesで最もよく読まれているStartribuneのオンライン広告ページなどに目を通した。
  3. 情報収集 その3
     新聞広告を見る。Startribuneの広告欄に、2週間目を通した。メーカー毎にディラーと個人からの情報が整理されており、便利だった。スーパーの入り口に置かれた無料の中古車情報誌も面白かった。車好きな生徒たちともよく話をした。


 という半月余りを経て買ったのが、左のSaturn '95 SL1。いやあ、写真映りがよいなあ。
 最初に試乗したのは新聞広告に出ていた個人所有の車だったが、点検してくれたメカから「この車は買わないほうがよい」と忠告を受けた。外からは見えない不具合が色々あったらしい。結局、Saturnディーラーからの購入となった。Saturnは地味なコンパクトカーだが、安全性には定評がある。駆け引きをしない販売方法にも好感が持てた。走行距離96,700マイル、5,500ドルなり。

 ところで、中古車の相場を知るのに最適のサイトが、Kelley Blue Book。年式・型、マニュアルかATか、パワーウインドーか、ABSか、など入れていくと、売る場合、買う場合の値段を算出してくれる。


保険

 車の保険料がかなり高額になるだろうということは、以前から聞いていた。外国人であること、ミネソタでの運転に不慣れなこと、、、よい条件はひとつもない。車の購入と同時に加入した保険は(比較検討する時間もなかったため)、運転歴の浅い高校生・大学生とほぼ同額、月に150ドル余りというものだった。これは年間で20万円!ということになる。ひい、何とかならないものか。
 2カ月ほど後、知人の紹介で相互保険に変更した。保障内容は同じだが、保険料はグンと安く、半額以下になった。
 車の購入そのものにエネルギーを費やしたので、私には保険内容を検討する余裕がなかったのだが、これからアメリカで車を持つ人には、同時進行で保険の資料を集めることをお勧めしたいと思う。車の購入を決めたら、最低3社くらいから見積もりを取り、その上で加入するのがよいわけです、やはり。


運転免許 Driver and Vehicle Servicesに説明があります。

 外国の運転免許があれば、到着後1年間はミネソタで運転できる。が、運転免許は社会保険番号同様、身分証明書として有効だ。4月初旬、思い立ってDakota CountyのEagan試験場へ出かけた。driver's manualは去年から手元にあったのだが、ズルズル引き延ばすこと半年、procrastinator 土壇場の鈴木である。でも、そろそろ自分で締切を決めて動き出さなくては、、。春だしね。

 まず、入口でapplication formに名前・住所・電話番号その他を記入する。次にカウンターへ行き、申込書と身分を証明するもの(私の場合はパスポート、日本の運転免許と国際運転免許)を提出する。横に据えてある機械でvision checkを受ける。数人が並んでいたが、ここまで15分程度。その後が筆記試験である。
 written test 筆記試験。実際にはコンピュータ画面をタッチするものだった。画面の写真に関する質問を読み、true or false式または4つまでの選択肢から解答する。1問毎に"right!"(緑)か"wrong!"(赤)が出るので、ドキドキしてしまう。途中、英文の意味が理解できず"Can I use a dictionary ?"と電子辞書を見せたが、(電子機器は)ダメ、と言われた。結果は40問中35問正解で、何とかwritten testに合格、ホッとする。所要時間は30分程度だった。road test 実技試験は予約が一杯だったため、この日はここまで。

←Hennepin County Eagan Examination Station
 ヘネピン群イーガン運転試験場
 2週間後のroad test。面白いことに、試験は「自分の車で」受けるよう指示されている。車を持っていない場合は家族や友人の車でということなのだ。各々車に乗ったまま、ドライブスルー式の窓口で路上試験の手続きをする。このスタイル、いかにもAmericanですよね。
 指定されたコースに車を止めると、試験官がやって来て私の車に乗り込み、路上試験が開始される。最初の項目は、紙片に書かれた順番通りに操作するというもの。左右の方向指示器、駐車灯、デフロスター、ホーン、その他10ヶ所を動かす。続いて運転のテスト、試験官の指示に従って7〜8分間構内を走行する。アメリカは道巾が広いので、ここにも4車線のコースがある。ポイントは、レーン変更時にきちんと安全を確認し指示器を出すことだ、という生徒からのアドバイスを思い出す。めったにやらないしやってもできないperallel parking 縦列駐車がピタリと決まり、"good job"。試験官は50年生まれ、「国は違うけど同じ世代だね。」と言い合っているうちに試験は終了した。合格だ。うれしいなあ。
 カウンターに書類を渡し、18ドル50セント(普通免許 class D)の手数料を払う。写真を撮り、手続きが完了した。


交通違反チケット

 運転を始めて1カ月ほど経った朝、高校の前で交通違反チケットをもらった。もらってうれしくないものベストスリーに必ず入れたいのが、このチケットだろう。(あとのふたつ、まだ考えていない。)詳細は省くが、「歩行者に道を譲らなかった」というのが記載の違反内容である。納得できなかったのでfine 罰金は払わず、court 裁判所へ行くことにした。
罰金は2週間以内に支払うように書いてあるが、不服の場合は裁判所に電話をして調停の予約をするのだ。
 写真は、Hennepin群裁判所法廷、229号室の入り口。→

 予定の8時半に行ってみると、掲示板には名前と部屋番号のリストが貼り出されていた。同じ時間に召集された20人ほどが順番に群の検察官と話をし(negotiate 交渉と考えた方がよい)、処遇が決まるらしい。私は英語での説明に自信がなかったので陳述書や状況を描いた図などを用意していったが、検察官はいちいちそんなものに目を通してはくれない。ここでの検察官の仕事は、裁判に持ち込むのは大きな労力が必要だと諭し、1年の保留と記録抹消用の手続き金を決定することのようだ。検察官は次々と書類を書き込んでいく。
 交渉をしてくれたのは在米40年の日本人通訳Kさんだった。他にもスペイン語その他の通訳が働いている。Kさんは私の事情に同情を示し、保留手続きを進めてくれた。次いでボランティアであることを述べ、最低100ドルかかると言われる料金の減額も願い出てくれた。検察官は理解を示し "Good luck, ma'am."
一件落着である。


どこかへ行ってみよう

 まだBloomingtonに不慣れな頃、乗せてもらった車から見るもの全ては物珍しく、その角を曲がるとどんな風景が広がるのか、わくわくしたものだ。未知であることは不安だけれど、同時に楽しいことでもあるのだった。
 運転を始めると、町は急速に自分のものになる。娘を乗せて帰宅する途中、町中のいろいろなショッピング・センターへ立ち寄った。どこにどんな店があるのか、本屋とカフェ、アジア系の食料品店、図書館、レンタル・ビデオ、ドラッグ・ストア、、、。不案内だったために広々と感じられた町が、現実的な距離感を持つようになる。それが「暮らす」ということなのだが、そうなるとさらにその先にある知らない場所へ行ってみたくなる。これはterritory ahead(マーク・トェイン『ハックルベリ・フィン』)のようなものか。

 フリーウェイは信号のない無料の高速道路、片道2〜5車線を時速55〜75マイル(時速約90〜120キロ)で走る。Bloomington市内を4カ月ほどノロノロ運転した後、思い切ってフリーウェイに入ってみた。流れに沿えば、思ったほど難しいことではない。テリトリーが広がってゆく。
 ミネアポリスのダウンタウンを運転して、道に迷ったのが5月。でも、地図さえあれば何とかなるわけですね。夏休み、いよいよ別の町を訪ねてみることにした。


notes:

[ 陳述書 ]
The followng is my explanation of the events on the morning of December 20th.

It was before dawn and very dark. The temparature was about 1 degree. There was snow on the street. I was driving on the left lane of the 102 street. There were a public bus at the entrance of Jefferson High School, and a school bus behind it, and several cars waiting on my right side.
I was driving in the left lane. I was going to pass the cars and buses and change the lane to enter the entrance to the staff parking lot. I drove slowly. I looked around. The public bus was blinking its lights on my right side. There were some other cars stopping on the other side of the crosswalk. They were also waiting to enter the school. There was car vapor everywhere. I couldn't see anyone crossing the street. I was careful, because I had driven in Minnesota just for a month at that time. I try to be careful at all times. If I had noticed someone crossing, I would have yielded to him. I drove slowly enough to stop promptly.
There is no streetlight around the crosswalk, therefore it is very difficult to see any pedestrian crossing the street. There's no STOP sign and the buses were blocking the crosswalk sign.
Therefore I am requesting the court to consider my appeal and not to give me a ticket. NS
2001年から02年


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