Walnut Grove, MN

Walnut Grove, MN July '01

 夏休みに入ったら行ってみたいと思っていたのが、Laura Ingalls Wilder ローラ・インガルス・ワイルダーの町 Walnut Grove ウォルナット・グローヴだ。町のウェブページでは、毎年行われるフェスティバルの様子など知ることができる。フィッツジェラルド、リンドバーグ、ボブ・ディラン、プリンスなどミネソタ出身の文化人?は数多いが、フェスティバルのテーマとして取り上げられることは少ない。「赤毛のアン」や「トム・ソーヤー」同様、児童文学であることが観客を集めるのに適した条件かもしれない。トム・ソーヤーのペンキ塗り競争というのも、参加してみたいものの一つですよね。
about Walnut Grove

 US route14号線の表示の下には"Laura Ingalls Wilder Historic Highway"と記されている(写真左)。130年ほど昔インガルス一家が幌馬車で移動したのは、まさにこの道なのだ。ウイスコンシン州ペピンからの移動に、その当時どれほどの時間がかかったことだろう。私たちはミネアポリスから中古車で2時間半ほど走り、大草原の小さな町ウォルナット・グローヴに着いた。
 はっきり言って何にもない町である。メインストリートに10数軒の店、こぢんまりしたワイルダー・ミュージアム。町が最もにぎわうフロンティア・フェスティバルの週末にもかかわらず、車も人も(日本人の感覚では)まばらだ。フロンティアフェス会場横にあるプラム・クリークでは、女の子たちが水遊びをしていた(写真右)。
 お祭り期間中、誰でも市民ホールのコミュニティ・ディナーを食べることができる。私たちもチキン、マッシュポテトとグレーヴィ、豆、ビスケット、デザート(数種類のパイから選ぶ)をいただいた。婦人会の手料理、6.50ドル。夏休み中の高校生が何度も水を注いでくれた。

about Laura Ingalls Wilder


 "Wilder Pageant" と呼ばれる野外ミュージカルは、毎年7月後半の週末に行われる。ウォルナット・グローヴに到着したインガルス一家(左)とone room schoolで騒がしい生徒に手こずる先生(右)。バッタの大群が押し寄せて収穫を得ることができず、ローラたちは結局この土地を去っていったわけだが、近隣の人たちとの交流は長く心に残るものだったのだろう。
 500席にはその日九割ほどの観客がいた。州内からバスでやって来た老人会やガールスカウトの団体も数組。
 ミュージカルのチケットはオンラインでも購入できるが、私は前日に電話で購入した。事務局の人はこちらの名前を書き留めた後、
「あなたの席は赤セクションよ、ノリコ。」
「開演は午後8時よ、ノリコ。」
とノリコを連発する。
 翌日、現地の窓口に出かけると、
「これがあなたのチケットよ、ノリコ。」
やせぎすのおばさんが親しみを込めて切符を手渡してくれた。

B&B

 このBed &BreakfastはWalnut Groveから7マイルほど離れたTracyという町にある。ビクトリア・スタイルの三階建てピンクハウスは、20年間Doctor Valentineの病院として使われた後、6軒のアパートに分割されていた。買い取ったJoeとSis夫妻が2年間かけて修復し、B&Bを始めたらしい。合計4室の客室にはどれもおしゃれな名前が付けられている。私たちは二階の Maggie Rose's Room に泊まった。パンフレットによると、Maggieはここの女主人の、交通事故で死んでしまった友達の名前なんだとか。
 写真は使えないバスルーム(中央)と、一階のリビングルーム(右)。バスルームには水道蛇口のないこの浴槽の他に、シャワーユニットが取り付けられていた。
 パンケーキ、ソーセージ、ジュースとコーヒーという朝食を取りながら、宿泊客たちは気軽に言葉を交わす。この日宿泊したのは、私たちの他に二組の中年カップル。どちらもミネソタ州内からの小旅行だった。
「きのうのページェント(野外劇)はニートだったね。」
neatは上手、ステキ、などの意味で男女ともよく使う。大げさでない誉め言葉。 きれい好きという意味でもよく使われる。


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