山ある記

浦倉山   (2,091m) − 長野・群馬県境    2003.11.02 (土)

天候:晴れ
標高差:795m

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山頂より上信越国境を望む(29KB)

  <紅葉もピークを過ぎ、晩秋の色が濃くなり・・>
 朝方、上田市内は濃い霧に包まれていたが日中は晴れと知っていたから迷わず家を出る。菅平を一山越えて須坂市に入り、四阿山に北へ峰続きの浦倉山に向かう。真田町に入る頃にはすっかり空は晴れ上がり、ピーカン状態。菅平の紅葉は、紅葉を通り越して真っ茶という印象。浦倉山へは米子瀑布(滝のこと)の道路案内に従って行く。米子には昭和35年廃鉱となった米子硫黄鉱山跡がある(後でふれる)。長野県内をあちこち訪ねてみると、時々なんでこんなところに道路が?と思うくらいの山奥にまで道があったりする。ここもその一つで、最初は無駄な公共事業の産物かとも思ったが、鉱山があったというので納得。それでも十分に山奥である。現在は米子瀑布目当てに、タクシー会社の観光用ワゴン車(?)に乗って次々に観光客がやってくるほどの景勝地である。林道米子線の終点まで車で。
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鉱山跡より米子瀑布を望む(24KB)

10:00 駐車場(標高約1,295m)。滝目当ての人も米子瀑布を見るためには少し山道を歩かなければいけない。私は大勢の観光客とは少し離れて歩く。
10:20 あずま屋(1,480m)。ここからの米子瀑布(向かって左が権現滝、右が不動滝)の眺めは絶景である。丁度、二つの滝が対称の位置に見え、落差もかなりあるので見ごたえがある。この辺りが鉱山跡地でピーク時には1,500人が居住していたらしいが、現在は原っぱだけが残る。案内板に操業時の写真があり、いかにも鉱山らしい建造物群が、かつてそこにあったのだと教えてくれる。映画「もののけ姫」の舞台をふと思い出した。
10:40 根子岳分岐(1,490m)。観光客とは別れ、一人山中へ。水量の多い沢を木橋で渡る。高度を増していくと、黒姫山や戸隠山の展望が楽しめる。
11:15 約1,725m地点。涸れ沢で休憩。両側に山が迫り、日も当たらず展望はない。
11:40 約1,910m地点で小休止。ボンヤリと考え事にもならぬ状態でも足だけは動いている。一人の登山者にも出会わず、静かな山中。熊笹が実に多い。気温14.3度。
12:00 約2,010m地点。陽ざしが強くなり暑いくらい。背の高い木々が疎らになったせいもある。
 
<日帰り入浴>
ふれあい健康センター”湯っ蔵んど”。須坂市。国道406号沿い。\500(値下げ!)
ここもいつ来ても人が多い人気スポット。駐車場もほぼ満車に近い。
お風呂の種類が豊富。

<参考地図>
・北信・東信 日帰りの山(章文館)

12:15 山頂。相変わらず熊笹が生い茂る。群馬県側、草津方面の展望が開けている。近くに土鍋山・破風岳、奥に白根山や志賀方面の上信越の山々が見渡せる。向きを変えると浅間山も近い。山頂に来て初めて知ったのだが、ごく近くにロープウエイの乗り場があるらしい。群馬県側からは簡単に登頂できるようだ。周辺をぶらぶらと写真を撮りながら歩き回る。気温15.6度。
12:45 長野県側の眺めがよいところがあったら腰を下ろして昼食をしようと、いい場所はないかと歩いているうちに、かなり下ってしまった。それでも遠く、北アルプス連峰も見渡すことができた(鹿島槍から白馬にかけて)。
13:20 そうこうするうちに午前中に休んだ約1,725m地点の涸れ沢。ここでようやく昼食。コメツガやシラビソの多い山中は、木の葉は紅葉しないようで青々としている。辺りは紅葉とは無縁である。
13:55 根子岳分岐。沢の水で顔を洗い、すっかり乾いてしまった汗を拭う。少しくだればもう鉱山跡がある台地である。逆光を避けながら、滝の写真の撮影ポイントを探す。二つの滝が流れ落ちる雄大な景色をこんな間近で毎日、見ながら生活をしていた人々はどこへ行ってしまったのか?これも時代の流れだ。
15:00 駐車場。滝の写真を撮ったりしながら、ゆるゆると下って、ようやく下山。訪れる人の足は途切れず、車の数も午前中よりもぐんと増えていた。気温13.6度。

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