ここではカメラを初めて使う人を想定して最も基本的なことから説明していきたいと思います。

 

デジカメ講座目次 前ページ 写真用語解説 次ページ
手ぶれするのはどんな時? (1/10/03)
 手ぶれについては、これまでも何度か触れてきた。しかし、失敗写真の原因としてピンボケと並んで多いと考えられるので、今回あらためて手ぶれについて考えてみよう。

 どのような時に手ぶれを起こしやすいのか、あらかじめ知っていれば、対策を講じることにより、手ぶれ写真を減らすことが出来るだろう。

 【手ぶれの原因】

1.カメラの構え方が悪い。
 これは慣れるしかないので、こちらを参考にしてカメラをしっかり構える練習をしよう。

2.シャッター速度が遅い。

3.拡大して撮影(望遠やマクロ撮影)。

 2と3について、詳しく説明しよう。

 【シャッター速度とは】

 シャッターはCCD(デジカメで光を電気に変換する素子、フィルムに相当)に光が当たる時間を調節する働きをする。シャッターが開いている時間だけ光が入り、開いている時間をシャッター速度と呼ぶ。この時間が長いことを「シャッター速度が遅い」と呼び、時間が短いことを「シャッター速度が速い」と呼ぶ。

 例をあげると、目を閉じていて一瞬だけ目を開くとしよう。この時、目を開いて閉じるまでの時間をシャッター速度と考えればよい。目を開く時間が長ければ(=シャッター速度が遅ければ)目に入る光の量が増えて明るく写り、開く時間が短ければ(=シャッター速度が速ければ)光の量が減って暗く写る。

シャッター速度についてはこちらもご覧下さい。

 オートで撮影すると、まわりの明るさに応じてカメラがシャッター速度を自動的に調節する。まわりが明るければシャッター速度を速くしてCCDに当たる光の量を減らし、逆に暗ければシャッター速度を遅くして光の量を増やすことにより、適正な量の光が入るように調節を行っている。

 シャッター速度が速いと(例えば1/250秒や1/500秒)ならば手ぶれは起こりにくいが、シャッター速度が遅くなると(例えば1/60秒や1/30秒)手ぶれを起こしやすくなる。

 シャッター速度が遅くなるのは以下のようなとき。

・まわりが暗い(夕方や屋内)場合:
フラッシュが届く範囲(3m程度)ならフラッシュを使えば速めのシャッター速度で撮影できるので手ぶれしにくい。だが、被写体までの距離が遠いときは発光禁止で撮影する必要があるため、壁や手すりに体や肘を押しつけて手ぶれしない工夫をしよう。できれば三脚を使用した方がよい。

夕方撮影して手ぶれした例

・フラッシュを使って夜景モードで撮る場合:
夜景モードでは背後の夜景を撮れるようにシャッター速度が遅く設定されている。三脚を使用しよう。

・+に露出補正する場合:
+の露出補正でもCCDに当たる光の量を増やすため、シャッター速度が遅くなる。この時も手ぶれに注意しよう。

・夜景撮影時:
フラッシュを使わない夜の撮影では、シャッター速度が極めて遅くなる(1/3秒や1/2秒)。三脚は必須となるが、指でシャッターを押すとその振動でぶれることがある。こんな時はセルフタイマーを使ってみよう

 【望遠やマクロ撮影】

 ズーム機能で拡大する(望遠撮影)と手ぶれしやすくなる。

・カメラがわずかにぶれたとき、2倍ズームではそのぶれが2倍に増幅、3倍ズームでは3倍に増幅される。デジタルズームを併用した場合や高倍率の機種では、さらに大きく増幅されるので手ぶれに注意が必要だ。

・望遠でぶれやすい理由はもう1つ。少し難しいのだが、望遠にすると大部分の機種で、レンズの明るさ(開放F値)が暗くなる。この結果、シャッター速度が遅くなってぶれやすくなるのだ。

 マクロ撮影では、小さいものを大きく拡大して撮影する。このためわずかのぶれでも写真に影響を与えてしまう。また、マクロ撮影はファインダを使わず液晶モニタを見ながらの撮影となるケースが多いので、カメラの構え方に注意が必要だ。

マクロ撮影で手ぶれした例

 望遠・マクロ撮影は以上のような理由で手ぶれを起こしやすい。
そこで、対策として、

1.カメラをしっかり構える。必要なら三脚を使用。
2.できるだけ明るいところで撮影する。

 

前ページ 次ページ