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ピアノ発表会撮影のポイント (10/18/03)
 高倍率ズーム・デジカメの用途に屋内での音楽発表会・学習発表会の撮影を考えられる方は多いだろう。しかし、実際に撮影してみるとほとんどぶれていたり、暗く写っていたという失敗がよくある。そこで、ピアノの発表会撮影のコツをまとめてみた。

 ステージ撮影のポイントと共通な点もあるが、違いとしては照明が固定されていて明るさがずっと一定であること。このため測光は通常の設定(分割測光)を使えば良いだろう。

 なお、今回の画像は小ホールで行われたピアノの発表会を真ん中付近の座席より10倍ズーム機で撮影したものです。プライバシー保護の観点から顔にはモザイク加工を行っています。

例1 ここまでアップで撮影できる。
最望遠側(380mm相当)で撮影。
 

1.基本的な注意点

 ポイント1:フラッシュは発光禁止にする

内蔵フラッシュは約2mしか届かない。このため通常はステージまでフラッシュ光が届かないため暗い写真となってしまう。フラッシュは必ず発光禁止に設定しよう。

 【ポイント2:三脚を使う

発光禁止で撮影するとシャッター速度が遅くなるため手持ちで撮影するのは難しい。必ず三脚を使って撮影しよう。

 【ポイント3:ISO感度を上げる

通常のISO感度(100またはそれ未満)ではシャッター速度が遅い。出来るだけ速いシャッター速度で撮影した方が失敗しにくいので感度を上げよう。なお、多くの機種はISO感度をオートに設定しておけば暗いところで感度が自動的に高くなる。この場合はオートの設定でよい。

ISO感度を上げすぎるとノイズが発生したりざらついた画像になってしまう。一度自分のカメラでノイズの出方を確認してみよう。

2.撮影条件の設定

失敗を防ぐ最大のコツは自分の子供の出番までに試し撮りを行って、撮影条件を設定しておくことだ。
その際に以下の2点をチェックしておこう。

 【ポイント4:シャッター速度を1/30秒以上にする

シャッター速度が遅くなると例2の写真のように被写体ブレを起こす。ISOを200に設定してもシャッター速度が1/30秒より遅くなる場合にはISOを400に設定した方がいいだろう。

例2 ISO 200の設定でシャッター速度1/15秒で撮影。
お辞儀しようとした子供がぶれた。

ポイント3で書いたがISOを400以上にするとノイズが目立ってくる。しかし、被写体ブレを起こすと写真にならないので私は必要ならノイズを我慢してISO 400に設定する。

ノイズの少ない写真を撮りたいなら、銀塩一眼レフ+高感度フィルム(ISO 800)またはノイズの出にくいデジタル一眼レフの使用をお勧めします。

 【ポイント5:ホワイトバランスの設定

まず、ホワイトバランスを自動にして試し撮りをしよう。次にステージの照明に合わせてホワイトバランスを白熱灯または蛍光灯に設定して撮影しよう。
色合いがかなり違う場合があるので液晶モニターで比較して好みのホワイトバランスに設定しよう。

3.いよいよ出番

試し撮りで条件を設定したら本番の撮影に臨もう。

 【ポイント6:全体の写真も撮る

高倍率ズームを使うとついアップで撮りたくなり、例1や例3左のような写真ばかりになってしまう。
ステージには花が飾られていることが多いので例3右のような全体の写真も撮っておこう。

例3 左:4倍ズーム(150mm相当)、右:2.5倍ズーム(100mm相当)で撮影。
 


 

 【ポイント7:動きの速い被写体は避ける

屋内ではISOを高く設定してもシャッター速度はあまり速くならないので、動きの速い被写体では被写体ブレを起こす。例えばお辞儀しているところを撮るのは難しいだろう。

4.応用編

 【ポイント8:マニュアル露出を使う

試し撮りの段階で適切な露出がわかれば、マニュアル露出を使っても良い。
プログラムAEにしておくと構図によって明るすぎたり(オーバー)、暗くなる(アンダー)場合がある。
例4では試し撮りでISO 400、F 2.8、シャッター速度1/50秒が適当と判断できたので、マニュアル露出でその数値に設定して撮影した。

例4 マニュアル露出で撮影
 

 

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