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ステージ撮影のポイント (7/18/03)
 高倍率ズーム・デジカメの用途に屋内での音楽発表会・学習発表会の撮影を考えられる方は多いだろう。しかし、実際に撮影してみるとほとんどぶれていたり、暗く写っていたという失敗がよくある。そこで、ステージ撮影のコツをまとめてみた。

 なお、今回の画像は2,000人収容規模のホールで行われたミュージカルのリハーサルを1階真ん中付近の座席より10倍ズーム機で撮影したものです。

例1 左:最望遠側(380mm相当)で撮影、右:最広角側(38mm相当)で撮影。
 

 ポイント1:フラッシュは発光禁止にする

内蔵フラッシュは約2mしか届かない。このため通常はステージまでフラッシュ光が届かないため暗い写真となってしまう。フラッシュは必ず発光禁止に設定しよう。

 【ポイント2:三脚を使う

発光禁止で撮影するとシャッター速度が遅くなるため手持ちで撮影するのは難しい。必ず三脚を使って撮影しよう。

 【ポイント3:ISO感度を上げる

通常のISO感度(100またはそれ未満)ではシャッター速度が遅い。出来るだけ速いシャッター速度で撮影した方が失敗しにくいので感度を上げよう。なお、多くの機種はISO感度をオートに設定しておけば暗いところで感度が自動的に高くなる。この場合はオートの設定でよい。

ISO感度を上げすぎるとノイズが発生したりざらついた画像になってしまう。(ISOが400以上になると顕著。)一度自分のカメラでノイズの出方を確認してみよう。

なお今回の写真はISO 200で撮影した。

 【ポイント4:スポット測光を使う

スポットライトを使用するステージでは、明るい部分と暗い部分の差が大きい。通常の設定(分割測光)で撮影すると例2左写真のように明るい部分が白飛びする。そこでスポット測光に設定して明るい部分(この例では中央の人物の顔)でシャッターを半押しして構図を決めてからシャッターを最後まで押し込もう。すると例2右のような適正な明るさの写真となる。

例2 左:通常の設定(多分割測光)、右:スポット測光で撮影。
 

但し、いつも一番明るい部分でスポット測光するのがベストではない。例3の右の写真は手前の人物の明るい部分をスポット測光したため背景が真っ暗になってしまった。そこで少し暗い後ろの赤い服の人物をスポット測光すると、手前の人物は少し白飛びしたが全体としては適当な明るさとなった。

例3 左:後ろの赤い服の人物をスポット測光、右:手前の人物をスポット測光。
 

 【ポイント5:動きの速い被写体は避ける

動きのある被写体を撮るときはシャッター速度を速くする必要がある。このためには最も明るい部分でスポット測光すれば良い。但し、そのような工夫をしても動きの速い被写体を撮ると例4左の写真のように被写体ブレを起こす。(動きを表現するのに意識的に被写体ブレを利用することはある。)

出来るだけ動きの少ない場面を狙って撮影しよう。(例4右の写真を参照。)

例4 左:動きの速い立ち回り、右:動きの緩やかな場面。
(クリックすると写真が拡大します)
 

 【まとめ】

繰り返しになるが明るさの差の大きいステージ撮影では、スポット測光が有効なテクニックだ。

最も明るい部分をスポット測光すると、

1.明るい部分の白トビが抑えられる。
2.シャッター速度が速くなるため被写体ブレが減る。

というメリットがある。

 

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