デジカメ講座目次 前ページ 次ページ 写真用語解説
背景をぼかす! (8/26/03)
 人物や花を撮影するとき背景をぼかして撮ると、すっきりして目的の被写体が引き立つ写真となる。
今回は背景をぼかした写真を撮るためのポイントをまとめてみた。

 なお、このページの写真は10倍ズーム機で撮影しました。

絞りについてはこちら
ピントの合う奥行きについてはこちら

ポイント1:絞りを開く または ポートレートモードにする

 絞り優先AEやマニュアル撮影の出来る機種では絞りを開放(最も小さな数値)に合わせてみよう。ピントの合う奥行きが狭くなるため例1右のように背景がぼける。
 ポートレートモードのある機種はこのモードを使っても同じ効果が得られる。

例1 左:絞り8.0、右:絞り3.5。
なお、どちらの写真も最望遠側(380mm相当)で撮影
(クリックすると写真が拡大します)
 

 【ポイント2:望遠側にズームする

 ズーム機能のある機種では最も望遠側にズームしよう。
例2では絞りを開放に設定しているが、広角で撮った左の写真では背景がほとんどぼけない。
一方、最も望遠側にズームした右の写真では背景がぼけた。

例2 左:最広角側(38mm相当)、右:最望遠側(380mm相当)。
なお、どちらの写真も絞り3.5で撮影
(クリックすると写真が拡大します)
 

 【ポイント3:被写体に近づく

 被写体に接近するとより背景をぼかす事が出来る。
例3左の写真でも背景はある程度ぼけているが、2mまで接近すると右の写真のように大きくぼかすことが出来る。

例3 左:銅像まで約10m、右:約2mに接近。
なお、どちらの写真も絞り3.5、最望遠側で撮影
(クリックすると写真が拡大します)
 

 【注意点】

1.広角のデジカメで背景のぼけた写真を撮るのは難しい。
  例4右では広角側で撮影したため、絞りを開いて被写体に接近しても背景はあまりぼけていない。

例4 左:銅像まで約5m、右:約50cmに接近。
なお、どちらの写真も絞り3.5、最広角側で撮影
(クリックすると写真が拡大します)
 

  コンパクトデジカメはフィルムカメラに比べてピントの合う奥行きが深く、背景のぼけた写真が撮りにくい。
  特に2〜3倍光学ズームの機種で背景のぼけた写真を撮るのは難しい。

2.被写体と背景の距離が近いとぼかすのは難しい。
  離れた風景を背景に選ぼう。

3.晴天の昼間のように明るい場所では絞りを最も小さい数字に設定できない。
  曇った日や日陰の方が絞りを開くことが出来る。
  また、フィルターを使える機種ではNDフィルターという光量を落とすフィルターを使うと明るい場所でも絞り開放で撮影できる。

 【まとめ】

 背景をぼかすためには、

1.絞りを開く。
2.望遠にズームする。
3.被写体に接近する。

という3点に留意する。

例3右の写真がこれらの条件を満たしており、背景のぼけが最も大きくなっている。

 

前ページ 次ページ