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7月31日:歴史との接触


熱海[交]岡山[交]→総社→倉敷[交]→水島→倉敷→西広島→原爆ドーム前[観][食][観]西広島→徳山


7月30日の深夜に本厚木から小田急の急行で小田原に出て、 小田原から新幹線で熱海に出ます。 なぜ1区間だけわざわざ新幹線に乗るかというと、 JRには新幹線と特急(一部を除く)を乗り継ぐと、 特急の料金を割り引く制度があるからです。 ちょっとした旅行の知恵ですね。

さて、新幹線は熱海に定刻に着いたのですが、 乗り継ぐべき特急がなかなかきません。 私が到着する少し前まで熱海周辺で大雨が降っていて、 そのせいで熱海の手前で列車が数珠つなぎになってしまったらしいのです。

結局、お目当ての特急に乗りこんだのは、 日が変わった31日ということになってしまいました。

[交]サンライズ瀬戸

さて、お目当ての特急というのは、 実は7月10日に走りはじめたばかりの「サンライズ瀬戸号」なのです。 今までの寝台特急の歴史を塗りかえるといわれる車両です。

久しぶりに「鉄道ファン」の血が騒ぎます。 だからこの後のレポートもちょっと長いです。(笑)

「サンライズエクスプレス」は今までの寝台特急、 いわゆる「ブルートレイン」の紺色と違って、 ベージュに赤い帯が走っているという斬新な塗色です。

「サンライズ」には「サンライズ瀬戸」と「サンライズ出雲」があって、 東京から岡山までは7+7の14両で走り、 岡山で7両ずつに切り離して、 「瀬戸」は瀬戸大橋を渡って香川県の高松へ、 「出雲」は中国山地を突っ切って島根県の出雲市へ向かいます。

「サンライズ」には個室寝台がついているのですが、 今回乗ったのは「ノビノビ座席」といって、 お座敷のような感じのところで横になるというものです。 いってみれば長距離船の2等席のようなものです。 普通の列車寝台と違って料金が安いのが特徴です。

類似の「カーペットカー」というのが北海道のほうにあるのですが、 特急に正式に採用されたのは「サンライズ」が初めてのようです。

(「サンライズ」車両のよい点)

・速い
従来の機関車で引くのではなく、電車で直接駆動します。 そのため速度をかなり稼げます。まさに爆走。
・落ち着いた雰囲気
内装がベージュ木目調で統一されています。
・いちおう仕切り
窓側に仕切りがついているので、 読書灯をつけても隣に光が漏れません。
・意外と広い
縦は十分長いので足をゆっくり伸ばせますし、 幅も脇に荷物を置くくらいの余裕があります。

(「サンライズ」車両のわるい点)

・けっこう揺れる
「速い」の裏返しなのですけど、 加減速がけっこうあるのでときどき左右に揺さぶられます。
・けっこううるさい
今回乗ったのが下段だからかもしれないですが、 かなり低音がひびきます。
・仕切りが甘い
左右の壁はいちばん奥にしかありません。 入口にカーテンがあるのはいいのですが、 左右が丸見えです。 左右にもカーテンレールがちゃんとついているので、 できればつけてほしいです。
・毛布が小さい
敷いた時に横幅ぴったりになるような幅です。 つまり、 人がくるまることを計算に入れていないのです。
・空調の変えかたがわからない
ちょっと冷え過ぎるのでレバーを操作したのですが、 向きしか変わりません。
・枕がない
船の二等船室みたいな貸し枕が欲しいところです。

乗車率はまあまあです。空いているのは5か所くらいでしょうか。

結局、 乗車前の集中豪雨がたたって岡山着は2時間遅れ。 予定を立て直さなくてはいけません。

そこで瀬戸大橋を渡るのはやめて、 まだ乗ったことのない吉備線に乗ってみることにします。

[交]吉備線

吉備線は、 岡山駅から北西に向かう路線です。 地味です。 あまり乗っていません。 平日ですから。

右に左にカーブしていくうちに都会から田舎になるという、 典型的な地方路線です。 もちろん単線です。 走っていくうちに客もどんどん減ります。 あまり乗って面白い路線ではないですね(笑)

ほぼ中間地点にあるのが備中高松駅です。 近くに豊臣秀吉が水攻めをした「高松城」があるらしいのですが、 車窓からは全然見えません。

ここからはちょっとずつ乗客が増えてきて、 終点の総社へと向かいます。

総社から伯備線で倉敷に向かいます。 倉敷からどうしようかと時刻表を眺めると、 倉敷から南に私鉄線があるようです。

[交]水島臨海鉄道

倉敷から南に伸びる私鉄、 水島臨海鉄道に乗ってみることにします。 2両編成の水色のディーゼルカーがとまっています。 どうも通勤路線のようです。

列車はしばらく山陽本線と並んで走り、 倉敷マスカットスタジアムの脇を通ってから南に曲がります。 列車は高架で国道2号を越え、 地上に降りて住宅地を走ります。

降りる一方かと思ったら、 けっこう乗る人もいます。 吉備線とは違うようです。 特に違うのは交換駅です。 単線なので途中で列車を入れ替えないといけないのですが、 その区間が非常に長いです。

沿線に工場がだんだん増えてきます。 交換の区間がやたら長いのは、 どうやら工場への貨物列車を走らせるためらしいです。

列車は水島駅で終点です。 もうひとつ先まで路線は続くのですが、 残念ながら朝晩しか走っていないようです。

乗ってきた列車は引き上げてしまいます。 通勤時間から外れるので、 2両編成から1両編成に変えるためです。

帰りは乗ってくる方がずっと多いです。 倉敷市に着く頃には満員になります。

倉敷に戻って、 次は広島へ向かいます。

西広島駅から市内電車で広島市民球場に出ます。

昼下がりの広島市民球場で外野のチケットを買います。 今日の広島-中日戦は18:20開始です。 まだまだ時間があるので、 道路をはさんで向かい側の広場に行くことにします。

[観]原爆資料館

広島市民球場の向かいの広場、 それは平和記念公園です。 あの原爆ドームのある広場です。

公園でずっと過ごすのも暑いので、 奥にある原爆資料館に寄ることにします。 高校の修学旅行以来です。

展示品は修学旅行できた時からあまり変わっていないようです。 広島市のページ にもけっこう情報が載ってます。

まだちょっと時間があるので、 街中で広島の名物を食べることにします。

[食]広島風お好み焼き

広島名産といえばカキですが、 季節が合いません。 というわけで選んだのがお好み焼き。 肉玉そばで650円。 安いです。

広島風お好み焼きの特徴といえば、 そばです。 お好み焼きにそばをはさみこむのです。 そのためけっこうボリウムがあります。

さて、 腹ごしらえがすんだところで、 いよいよ広島市民球場です。

[観]広島市民球場

7月31日の対戦は、 広島東洋カープ対中日ドラゴンズです。 広島での試合ですので、中日が先攻です。

私が入場したのは16:55です。 平日だからそれほどでもないのか、 外野に空席が目立ちます。 それでもカープファンはすごいです。 レフト側(ふつうは中日のファンが入る場所)にもカープファンがいる... そうこうしているうちに座席はほとんど埋まって、 18時20分に試合開始です。

広島ファンの応援はテンションが高いです。 とにかく動く! 交互に立つ! 体力勝負のとにかく激しい応援です。

さて、 試合は1回裏にヒット4本で2点の後、 ぺレスの3ランでいきなり広島が5点先制。 さらに2回裏にそして満塁から金本と浅井の連打で3点。 中日の山田洋投手はボコボコです。

広島の楽勝かと思えば、 3回表に中日は立浪の2ベースで1点を返して, さらに満塁からゴメスが満塁ホームラン! 広島のミンチー投手もボコボコです。

試合は完全に打撃戦です。 投手がどんどん変わります。 広島市民球場が狭いせいでしょうか。 その後もランナーは出るのですが、 点は8対5のままです。

さて、 7回からカープは大野投手を投入します。 セントラルリーグの現役最年長投手です。 (もっとも、 結局1998年いっぱいで引退するのですが...) 大野投手は先頭打者を歩かせるも後続を抑えます。

そして7回裏は下位打線から、 それでも広島は2アウト1.2塁と中日を攻めて追加点のチャンス!

...というところで日程の関係から時間切れ、 球場を出なくてはいけません。残念。

なごりの尽きない広島市民球場を後にして、 西広島から一路西へ、 山口県の徳山を目指します。


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