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上部ラテラルアーク supralateral arc

上部ラテラルアーク 上部ラテラルアークと環天頂アーク、内暈、上端接弧
外暈の辺りに、 外暈に似ていてしかも、外暈よりもよく見られるであろう現象があります。 それがラテラルアークです。 タンジェントアーク と同じように上下の二種類、上部ラテラルアークと 下部ラテラルアーク があって、 それぞれ太陽高度に応じて見え方がかなり変わります。

ラテラルアーク (lateral arc) は、 タンジェントアークを見せるのと同じ、 長い軸を水平に近く保った六角柱の氷の結晶によって見られます。 タンジェントアークの場合は、六角柱の側面 (長方形の面) から入った光が六角柱の側面から出ていきますが、 上部ラテラルアーク (supralateral arc) の場合は、 六角柱の側面から入って底面 (六角形の面) から出ていく光により見られます。 結晶は長い軸を中心に回転してもかまいません。 結果としてできる光の模様は太陽高度によって変わり、 太陽高度が低いときには左右が分かれて見えますが、 高度が上がってくると上のほうで繋がった弧になります (しかし、高度が約32度を越えると見えなくなってしまいます)。 絵にすると下の図1のようになります。 図1では赤い線で見える位置を示していますが、 実際には比較的よく色が分離して、虹色に見えることが多いようです。

内暈と外暈の位置 太陽高度 約0度 太陽高度 約25度
内暈と外暈の位置 太陽が地平線近くにあるとき 太陽高度が25度くらいのとき
図1: 上部ラテラルアークの見えかた
図1を見ると判るように、太陽高度が20数度のときには、 上の部分はほとんど外暈と重なってしまいます (環天頂アークと接します)。 一番上に近い部分だけが見えていると外暈との区別はまず付かないでしょう (そんな状況でも区別すべきかどうかは置いておくとして…)。 しかし、外暈が現れるのはかなり稀だということを考えると、 このような弧が見えているときは、 たいていは上部ラテラルアークであると考えてよいのではないかと思います。 特に、環天頂アークやタンジェントアークが見えているときは、 氷の結晶の方向が比較的そろっていると考えられますから、 まず間違いなく上部ラテラルアークでしょう。 本などで「外暈」として挙げられている写真の中には、 実は上部ラテラルアークがかなり含まれていると思われます。

氷晶光路図: 上部ラテラルアークの氷晶の姿勢と光の経路
名称: 上部ラテラルアーク
name: supralateral arc
氷晶の形状: 六角柱(鉛筆型)
姿勢: 底面/上面を結ぶ軸を水平に
光路: →[側面→底面/上面]→

関連項目

下部ラテラルアーク 環天頂アーク 外暈

Contact: aya@star.email.ne.jp.cut_off_here