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副虹 secondary rainbow, 2nd-order rainbow

主虹と副虹 主虹と副虹と過剰虹
主虹の外側、半径51度の位置に現れる二本目の虹を、 副虹 (ふくこう, ふくにじ)、または第二次虹 (読むと冗談みたいな名前ですが^^;) と呼びます。 英語だと secondary rainbow もしくは 2nd order rainbow で、 主虹と合わせて double rainbows と呼ばれるようです。 主虹が現れるときに必ずしも現れるわけでもなく、 主虹に較べて明るさが少ないので、やや見つけづらいかもしれませんが、 雨上がりだけではなく、噴水などの水しぶきの中にも見つけることが出来ます。

現れる仕組みは主虹とほとんど同じですが、光が水滴の中で二回反射する、 というところが違います。 水滴の中で光が反射するときに、全反射はせず、 一部の光は外へ洩れ出すので、反射が一回多い分、副虹のほうが暗くなります。 色の順番は主虹とは逆に、内側が赤になります。 よくある簡単な説明では「二回反射するので、主虹と色が逆」 と書かれていたりもますが、 それは間違いです。 正しくは、光線が主虹と逆向きに (上の図では光線が右回りに曲がっていますが、 その場合には副虹を見せる光線は左回りに) 曲がっているから、 というような理由になります。 主虹の光の経路は半回転弱、という感じですが、 副虹では光の経路がぐるっと一回転しているような形になって目に届いているのです。

さて、ここで前項の光をずらしていく話を思い出してみます。 水滴の真中から入った光は、まっすぐ返るわけですから、 虹を見ている人から見ると、太陽のちょうど反対側 (対日点)、 すなわち虹の中心に見えることになります。 光の入る位置をずらしていくと、それはだんだんと虹の見える方向へとずれていき、 42度、虹の半径のところで折り返すわけです。 一方、主虹の外側にはこのような、水滴の中で一回反射してきた光はありません。 そうすると、主虹の内側は外側よりも光が多い、ということになります。 場合によっては肉眼でもわかるほど、明るさの差ができます。

副虹の場合は、同じようにずらしていくと逆に、外側から副虹に近付いて、 折り返していきます。 つまり、副虹の外側は内側よりも明るくなります。 これらが顕著に現れると、二本の虹の間は、 それ以外の部分よりかなり暗く見えることになります (この部分を、アレクサンダーの暗帯といいます)。 折り返す位置は、紫の光よりも赤い光のほうが先まで行きますから、 この暗い領域を挟んで主虹の赤と副虹の赤が向かい合うことになります (これが色の順番が主虹と副虹で逆になることのもう一つの説明です)。

水滴の中で一回反射すると主虹、二回反射すると副虹になるのなら、 三本目の虹、すなわち、 三回反射した第三次の虹やもっと高次の虹も見えるのでしょうか? 対応する光の経路は確かに存在します。 ただし、反射回数が増えると、 それだけ明るさが指数関数的に減っていくので見つけづらくなります。

そして、三次の虹が現れるであろう方向は、なんと、太陽の反対側の空ではなく、 ぐるっと回って太陽側の空、太陽から約40度のところになります (外暈 (46度) よりも内側!)。 このような方向になると、空自体も明るくなるので、 虹の暗さもあいまってますます発見が困難になります。 さらに、この方向だと主虹や副虹を作る水滴のある場所とはだいぶ離れた場所になりますから、 これだけの広い領域に条件の良い水滴が同時に分布する (そのうえで適切な太陽の光が射し込む) のも難しいでしょう。 つまり、もし、見えたとしても、そのとき同時に主虹や副虹も見えているとは限らないのです。 ますます見つけ難いですね。

しかし、そんな厳しい条件の中、三次以上の虹も実際に観測されています。 それらに関しては 高次の虹 のページをご覧ください。


関連項目

副虹の色の順序 虹 (主虹) その他の虹
(過剰虹、反射虹、雲虹、etc.)
高次の虹 虹の大きさ 変則的な虹

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