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内暈 22-degree halo

内暈 内暈
“内暈”は“ないうん”と読んだり“うちがさ”“うちかさ”と読んだりします。 一番ありふれた暈で、ただ単に“暈”(halo) と言った場合には十中八九、 この内暈 (22-degree halo, halo of 22-degree) のことです。 どのくらいありふれているかというと、 氷の結晶や水滴によって空に現れる光の現象のうちで、 もっとも数多く、太陽に掛かる内暈であれば、年に数十回以上は見られる、 というほどです (“平凡社版 気象の事典” によれば東京で年に約57回というデータがあるようです)。 虹よりも遙かに出現回数は多いでしょう。

太陽や月を囲むように、半径22度の円として見られるので、22度ハロ (ハロは暈の意) ともいいます。 太陽の光で出来る暈を日暈 (ひがさ)、月の光でできる暈を月暈 (つきがさ?) と呼びます。 日暈の場合は、きれいに色が七色に分離して見える場合もありますが、 たいていは、淡く端のほうが赤と青に色づいているかな、 という程度だったり、淡く白い光の帯だったりします。 月暈の場合は、元の光が弱いせいか、(筆者の経験では) 色が分離して見えたことはありません。 もっとも、色が分離していると暗くて気づかないだけかもしれませんが…。

さて、この暈を見せる素は、 (たとえば、巻雲などを形作っている) 空にある氷の結晶です。 氷の結晶は、六角柱の形をしています (氷晶光路図参照)。 この六角柱のある側面から光が入って、 一つおいた隣の側面から出ていくとき (すなわち、面と面のなす角が 60度のプリズムを通ったような感じになる )、 入るときと出るときに屈折が起こり、 その最小偏角 (主虹の項参照) は約22度になります。 六角柱がいろいろな方向を向いていると、 ちょうど太陽や月から22度離れた円になるわけです (必ずしも円の全周が見えるわけではないですが)。

もちろん、最小偏角は光の色によって変わるので、 条件が良ければきれいに色が分離します。 その場合は、内側の縁が赤です。 外へ行くにしたがって段々と紫へ…と思いきや、 最小偏角以外の方向にも進む光がけっこうあるために、 赤い光も外側に少しは分布し、きれいな紫にはならずに、 やや白っぽい色となってしまいます。 また、 分離した後に他の氷の結晶や水滴で光の進路を散らされるためか、 赤い色もはっきり見えずに全体に白い帯となることも多いです。

氷晶光路図: 内暈の氷晶の姿勢と光の経路
名称: 内暈、22度ハロ、22度暈
name: 22-degree halo
氷晶の形状: 六角柱(平板/鉛筆型)
姿勢: ランダム
光路: →[側面→二つ隣の側面]→

関連項目

外暈 珍しい半径の暈
外接ハロ 上端接弧
(上部タンジェントアーク)
下端接弧
(下部タンジェントアーク)

Contact: aya@star.email.ne.jp.cut_off_here