監修:JAG00654 チョコのパパ
◎ シャンプーするタイミング(最多でも1回/2〜3週)
◎ 使用するシャンプーについて
以下にあげるものが主な入手可能なシャンプー類ですが、それぞれの特徴をまとめ
ます。やはり専用品が望ましいでしょう。また、使用時は、次項で挙げる点において
注意を払う必要があります。
種別 | 特徴 | ||
---|---|---|---|
専用品 | ウサギ用 ドライシャンプー |
水が不要なため使いやすい。洗浄力は弱い。 専用品であり安心。 |
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ウサギ用 リンスインシャンプー |
水が必要な為、配慮が必要。洗浄力は十分。 専用品であり安心。 |
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非専用品 | 猫用シャンプー類 | 代用可能な程度。 | |
犬用シャンプー類 | 洗浄力が強すぎ、皮膚を傷める可能性が ある。 |
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人間用シャンプー類 | 洗浄力が強く皮膚を傷める可能性があり、使用しないほうが無難。 |
◎ 入浴のポイント
◎ 上手な入浴法(例:ウサギ専用シャンプーを使用)
以上は、入浴に慣れたウサギをひとりで入浴させるときの手順です。しかし、入 浴や抱っこに慣れていないウサギの場合には、二人掛かりで行わないと、ウサギが 嫌がって暴れた際に、ウサギと人間双方が危険ですので、特に注意しましょう。ひとりが耳の防水係+体押さえ係、もうひとりが洗い係という様に、分担した方 がよいでしょう。また、入浴させる場所は、お湯とシャワーが使える場所であれば 夏は戸外や流し台でも良いでしょう。シャンプードレッサーは、深さや高さや、作 業性も良く、タライも不要で、自宅にあるならばお勧めです。
【ウサギの歯】
ウサギの歯は無根歯といって、人間と違い歯の根元が生涯伸び続けます。普通は 自分で歯ぎしりのようなことをして磨耗させるのですが、事故などで歯が折れた り、遺伝的な歯の生え方、餌などの事情により正確に噛み合うことができないと いう不正咬合という症状が起きることがあります。そうなると自分で歯をすり減 らすことができなくなり、歯が伸び過ぎてしまいます。(不正咬合については 第3編 第1章 病 1 参照) 口の中を傷つけたり、食欲不振になったり、う まく餌を噛めないで下痢をしたりします。そのまま放置すると衰弱死することも あります。【不正咬合の治療】
不正咬合のウサギは、伸び過ぎないように定期的に歯を適正な長さに切ってやる 必要があります。ただ、歯を切るということは、ウサギにとってはものすごいス トレスなのでハッキリと伸び過ぎた場合以外は、安易に切るのは避けたほうがよ いでしょう。一般的には獣医師に切ってもらいますが、よく注意して行うならば、飼い主が切 ってやることもできます。
専用の用具があればよいのですが、模型用のニッパー等で代用できます。切る時 には、唇や舌に気を付けること。うさぎの歯のエナメル質は縦に割れやすく、あ ごを脱臼することもあるので、注意が必要です。切った後は、やすりで角を少し 削ってあげましょう。【不正咬合の予防】
- 普段から、堅い食物を食べさせる。
- 固いものをかじらせる。
予防用のおやつ類(乾燥とうもろこしやウサギのビスケット、ガム)
お気に入りの「自由に齧れるおもちゃ」
※かじらせるものは、食べてしまっても安全なものにしましょう。
(例えば、かまぼこ板などの木片)
紙の印刷物は腸閉塞を起こしたりインクなどの問題もあり、お勧めできま せん。
室内飼いなら、特に何もしなくてもきれいです。屋外での飼育においても、汚れを 除けば、毛並み自体はきれいなはずです。つまり健康であれば毛並みはきれいである ということです。しかし、室内飼いの場合、換毛期にはブラッシングをまめにしまし ょう。またアンゴラ種などの長い毛を持つウサギには、毎日ブラッシングをしてやら なければ、毛がからまって生きた毛糸玉のようになってしまいます。やり方は、頭の方からお尻に向け、毛並みに沿ってそっとブラシで毛をすきます。 目にブラシが入らないように注意して下さい。ウサギに優しく言葉をかけながら、ス キンシップのつもりでやるとよいでしょうね。ウサギ同士の毛繕いは愛情表現なので す。
【ブラッシング用のブラシ】
ウサギに使えるブラシには、以下のようなものがあります。それぞれ一長一短があ りますが、いずれにしてもウサギの皮膚というものは、人間や他の動物と比べ、非常 にデリケートで傷つきやすいので、愛情と細心の注意を払ってブラッシングしてあげ て下さい。【換毛について】
- ウサギ専用の豚毛等のブラシ
日常のブラッシング・スキンシップ・入浴後の水気取りなどに向く。
ブラッシング用と入浴後の水気取り用の二種類がある。
無駄毛取りにはあまり効果がない。- ウサギ専用ラバーブラシ
無駄毛取りには最適。日常のブラッシングにはやや不向き。
表面と裏面を使い分けるのがポイント。
犬猫用もあるが、サイズが大きすぎる。- ウサギ専用スリッカー・ブラシ(細いスチールワイヤのブラシ)
ひどく毛がもつれた場合や、長毛種の無駄毛取りに向く。
皮膚を非常に傷つけやすいので、使用には細心の注意が必要。- その他
柔らかい歯ブラシ→足の裏などの細かい部分のお手入れには向く。
全身に対しては不向き。
掃除用弱粘着テープ→毛を傷めたり抜いたりする結果となるので使用しない。
掃除機→換毛期には効果大。吸引力をコントロールして体に直に付けないよう にする。音が大きいため、ウサギをおびえさせるので注意が必要。
- 換毛の時期・回数・注意
ウサギには年4回3ヶ月おきに換毛期があります。 春と秋とが大きく抜け代わる時期にあたります。 よって、季節の変り目には以下のような注意及び手入れが必要です。
- こまめなブラッシングで抜け毛を除去する。
- フンを観察し、抜け毛がお腹に溜まったりしていないかをチェッ クする。(健康管理の為の観察点については 第2編 第3章 体の手入れ 5 参照)
- 生えかわる順序と抜け方
抜ける順序は背中から、首の後ろからなどと個体差がありますが、徐 々に全身に広がっていきます。 抜け方についても、ごっそり型、徐々型と個体差があります。 いずれにしても、春と秋の大換毛期には抜ける量は増えます。
- 換毛の期間と換毛部位
大部分は、1ヶ月くらいで抜けますが、残りは時間がかかります。 これも個体差が大きいようです。また、お腹、足の裏などは抜けにく いようです。
毎日の生活の中で大切なのは、当たり前ながら、清潔を保つ日常の手入れと、新鮮 な食事、充分な運動、そして適度なスキンシップによるウサギの観察です。ウサギの 病気には、腸内細菌嚢の乱れや真菌(カビ)による皮膚炎や下痢が多いのですが、こ れらは日頃からきちんと見ていれば、ひどい症状が出る前に分かり、早めに対処でき ます。(主な病気の症状については 第3編 第1章 病 1 参照)
また、ウサギの健康記録帳を作っておくと、何かあった時に参考になります。【健康管理の為の観察点】
- うちに来た時の年月日と体重、体長、買ったショップなど。
- 体重、体長を定期的に記録しておく。
- 病気等の記録
例えば、下痢をしたら、いつから何回か、体重の減り方。
獣医師にかかったら、その時聞いた話、貰った薬など。
- (1)食欲
- 関連する病気:運動不足・不正咬合・消化器系の病気の可能性など
- 食欲も、餌の減り具合だけでなく、食べ方、時間、好物のおやつへの飛び つき方など、日常見逃しがちな、細かな点についてもチェックすることが 大切です。
- (2)オシッコ
- 関連する病気:消化器・泌尿器系をはじめとする病気全般
- 色や量が正常か? 但し、食べ物のアクなどにより、色が赤や茶等に変わ ることがありますで、血尿等の判断は慌てず何を食べさせたか思い出して 下さい。(赤いオシッコについては 第3編 第1章 病 8 参照)
- (3)フン
- 関連する病気:不正咬合・毛玉による腸管閉塞・消化器系をはじめとする病気全般
- フンの量、色、形、硬さが正常か?(柔らかくないか)
- 下痢をしてないか?(特にお尻が汚れるようなもの)
- 便秘でないか?(フンが涙型でとても小さかったり、量が少なかったりする)
- 換毛期には、なめ取った体毛がお腹に溜まり、腸閉塞を引き起し死亡する
事故が多発しますので、便秘やフンの状態および食欲には、特に注意して 下さい。この腸閉塞の予防などについては、この章の(11)に再度まと めて記述します。(胃内毛玉症の実例は 第3編 第1章 病 9参照)- 正常なフンの状態
個体差が大きいので明言はできかねますが、代表例は概ね以下のような物 であるといえます。日頃から観察し、そのウサギの正常な状態のフンを記 録しておきましょう。
代表例: 直径1センチ前後の球形。外殻は深緑の濃い色で艶があ
り、べとつかない。 時間がたつと乾燥し黒くなる。分解すると、ぱさぱさしていて細かい草の繊維が 含まれる。
換毛期には若干の体毛が含まれている。与えるペレットによっては、 手でほぐせないほど堅いフンが出てくる場合がある。- 下痢と盲腸便の違い (第2編 第1章 食 5 参照)
- (4)眼
- 関連する病気:眼の異常、病気全般
- 目ヤニ、涙が出ていないか?
- 目がしょぼしょぼしていないか?
- 目の縁が赤過ぎないか?
- (5)鼻
- 関連する病気:スナッフル、パスツレラ症
- 鼻水で鼻が濡れたり、前足の内側がべたついていないか?
- くしゃみはしてないか?
- (6)元気はあるか?
- いつもの行動パターン(いたずら、叱られた時の態度)などで、 見た目が違った時に注意します。
- (7)耳
- 内側が汚れてないか?(ダニチェック)
- 耳が不自然に垂れてないか?
- しきりにひっかかないか?(ダニ・湿疹の可能性)
- (8)歯・爪(不正交咬、折れ)
- 歯や爪が伸びすぎていないか? 折れていないか?
- 歯の噛み合わせは正常か?
- (9)体毛・皮膚
- 足の裏は、ハゲたりケガをしてないか?
- 体の傷やコブが無いか?
- 皮膚が充血していないか?
- 皮膚にフケのようなものが出てないか?
- 毛並みが乱れてないか?
- (10)毛玉による腸閉塞の予防などについて
- ウサギは猫と同じように几帳面に毛繕いをしますが、猫と違い、お腹の中 に毛玉ができても吐くことができません。一度異物を口に入れてしまうと フンと一緒にお尻から出すしかありません。もしなめ取った毛が、途中で 毛玉となって溜まってしまえば、便秘となりお腹が膨れて食欲をなくし、 そのままだと死亡してしまいます。ですから、これらの兆候を見逃さない でください。
予防及び症状の改善法
毛玉症予防・治療薬
LaxatoneおよびPetromaltについて説明します。与え方はどちらも以下のような手法でなめさせるとよいでしょう。
- 鼻先に少量を持っていき、なめさせる。
- 前足の甲などに少量をぬりつけ、なめ取らせる。
- 先の丸い丈夫な棒などにぬり、そっと口に入れる。
- Laxatone
製品名 :Laxatone(ラキサトーン)※冷所にて保存 a laxative and lubricant for hair ball removal 製造元 :EVSCO PHARMACEUTICALS(米国:イプスコ製薬会社) 輸入販売元:フジタ製薬株式会社 (東京都品川区上大崎2−13−2) 入手方法 :獣医師、一部ペット店 主成分 :白色ワセリン、液体ワセリン リノール酸、リノレイン酸、ペプトン化鉄 薬量 :猫に用いるより少なめが目安。 毛球症 :ティースプーン1/2位(2〜3日間) その後、半量にして週2〜3回。 予防と便秘:ティースプーン1/4位を週2〜3回
- Petromalt
製品名 :Petromalt(Hairball rememdy for rabbits) ※室温保存 The Original Hairball Remedy 製造元 :St. JON Pet Care Products Harbor City, CA 90710 主成分 :液体ワセリン+麦芽シロップ+グリセリン +アカシア(アラビアゴム)+ビタミンB1 薬量 :大人のウサギには約2.54cm(約1g)を1-2回/週 4週間を過ぎたウサギには大人の約半量を1-2回/週 注意 :食事の2時間前か2時間後に与える。 ※食事と混ぜてはいけない
- 消化酵素を与える
消化酵素剤(PAPAYA/PINEAPPLE(PAPAIN/BROMELEIN)ENZYME)も 毛玉症の予防・整腸などに有効です。
酵素剤は薬局で売っている人間用の物の方が、安価で良く効きます。 人間用の蛋白消化酵素なら、何でもよいでしょう。 むしろ安い物の方が、余分な化学物質等が入っておらず、ウサギには よいでしょう。
消化酵素では、毛玉中の毛そのものは溶けませんが、毛と毛を結合している ゼラチン状の粘液やペレットのカスを消化し、大きな塊を小さな塊に分け、 排泄しやすくしてくれます。
酵素の投与量は、症状がひどいときには、中くらいのサイズのウサギに、 5〜6錠/1日を与えます。
この酵素はパイナップルやパパイヤやキウイにも含まれていますので、 これらの非加熱(酵素を破壊しないため)生ジュースを日頃から与えるのも 予防によいでしょう。・消化酵素錠剤の成分例
例1)BROMELAIN45mg + PAPAIN30mg 例2)Pancreatic Enzymes (Amylase, Trypsin, Lipase) 50mg + Amylase 10mg + Cellulose 30mg + Papain 15mg
※大部分の消化酵素錠剤には、パパイン、アミラーゼ、リパーゼ、 セルラーゼ、ヒドロラーゼ、ペプチドヒドロラーゼ、プロティナーゼ 等の消化酵素剤が使われています。
これらは脂肪や蛋白に作用する分解酵素剤です。
また、消化酵素剤には他にもいろいろな種類がありますので、 もし薬局で買うときに解らない場合には、主に蛋白分解酵素が入って いるものを選択すればよいでしょう。
方法 :日本における入手先は、現在未確認(米国では一般的商品)
- その他の予防法
・週に1日だけ休ペレット日を設け、かわりに干し草、野菜などだけを与える。
・毎日走り回る様に遊ばせ、6〜8時間ペレットは与えない。
その間は、ウサギがワラや干し草、水を欲しい時に食べられるよ うにする。これは退屈して必要以上に毛繕いをすることを防止す る意味があります。
- 毛玉除去手術はダメージが大きい 上記の処置を行っても症状が改善されない場合は、手術によって 毛玉をとりだす事になります。ただし、ウサギにとって手術するこ とは、生命の危険が大きい為、手術しないですむように予防するこ とが第一です。
- (11)その他
- 歩き方がおかしくないか?
(足の裏の変型=床面が固い場所での飼育・ケガ等)- 身体にしこりなどの不審な箇所はないか?
(身体をなでてやれば分かります)