監修:JAG00654 チョコのパパ
ペットとしてのウサギはアナウサギの改良種であることから、掘ったり、かじった りという行動は、習性の一つと言えます。
ですから、完全にやめさせることは難しいのですが、ある程度は、かじったり掘っ たりしてはいけないものとよいものを教えることはできます。
但し、理解には時間がかかりますし、完全にはしつけられませんので、飼い主側の 防御が大前提となります。飼い主側の対処例を以下に挙げますが、基本はかじられたくないものは、ウサギが 近づけない所に置くか、金属製のカバーで覆うということです。
コード類 | 極力ウサギの入り込めるところに通さない。(天井伝いなど) 出てしまうところは、金属製のガード(アングル)等でカバーを する。かじるとウサギが感電死するという危険だけでなく、漏電 して火事の原因になることもあります。 |
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柱、敷居 | 金属製のガード(アングル)などでカバーをする。 |
壁や襖 | 金属板、塩ビ板、ベニヤ板などでカバーする。 |
絨毯類 | かじってもいい絨毯の切れ端を与えるという手もありますが、こ れはガードとしてはほとんど無効でしょう。絨毯を敷く場合はか じったり食べてしまっても大丈夫な素材(例:綿100%)にし ましょう。また、かじられることを覚悟しておきましょう。 |
本類 | 紙をかじるのは大好きなので、隙あらばと狙ってきます。 いらなくなった、雑誌などを与えると、喜んでかじったりやぶっ たりするのですが紙を食べて腸閉塞になることもあり危険です。 大切な本は、ウサギの届かないところに置くようにしましょう。 |
その他 | セーターなどの衣類は特にかじってくれと言っているようなもの ですから整理整頓しかありません。 |
ウサギをきつく叱るとショック死するという話を聞きますが、きつく叱ることが直 接の原因で死ぬことはないようです。
ただ、臆病なのは確かなので、あまり驚かせると後先考えずに逃げようとして、全 力で走ってしまい、壁などに強く頭をぶつけるなどし、それが原因で死亡することも あります。急に大声で叱りつけたり、叱る際に走って追いかけるなど、ウサギをパニ ックに陥らせるような叱り方はよくありません。
また、体を叩いたり蹴ったりすると、背骨などを折ることもありますので絶対にや めましょう。(1)叱るときの心構え
- 決して自分(飼い主)が感情的になっているときに叱ってはいけません。
取り返しの付かない事故が起きやすくなります。- 叱るのはいたずらが悪質で目に余るときだけにしましょう。
根気よくしつけてゆくと、ウサギ自身も「自分がしているのが悪い事かど
うか」というのは分かってきます。- 体を叩いたり蹴ったりしないようにしましょう。
- あくまでも、愛情を持って叱りましょう。
叱るときは、人間の子どもに対する場合と同じです。
叱って反省させた後は、抱き上げて、しっかり目をみつめ、なぜ叱った
のか、名前を呼びながら愛情をもって話しかけ優しくなでてあげます。
「さっきのは、決してあなたが嫌いでいじめてた訳ではないんだよ。」
という気持ちを示してあげましょう。(2)叱り方
- 叱る時は 叱っていることが判る程度の声で、「ダメ!」などと言う。
(驚かせるような声や音の出し方は止める。暴走事故の元)- 軽く鼻ピンをする。(鼻ピン=鼻を指ではじく)
- 息で「シューッ」といような音を立てる。
- 水をスプレーでかける。
※必ずいたずらをした現場で叱りましょう。時間が経ってからでは無意味です。
いたずらの原因は、大きく分けて3つあります。動物としての習性が、人間にとっ てはいたずらになってしまう場合、何らかの不満から来るストレスの発露の場合、好 奇心からくる遊びの場合です。
- (1)習性
- もともとウサギは思いきり土を掘ったり木をかじったりしている動物で、そ の代わりに壁や柱を掘ったりかじったりしているのです。その行為がいたずら とならないようかじってもいいものや掘ってもいいものを与えてみましょう。 例えばベランダに少し土を入れたプランターを置いて、自由に掘らせてみたり 板切れをケージに入れるのもいいかもしれません。
- (2)不満
- ケージ飼いの場合、出して欲しいとかケージが汚れていて嫌だとか、お腹が すいたという時、がりがりしたり、餌入れをくわえて投げたりと暴れることも あります。その場合には、その原因をなくすように対応をしてあげればよいで しょう。
自分の思い通りにならない時や、自分にかまって欲しい時(全く遊んであげ られなかった日や、留守番を何日かした後など)には人の注意を引くためにわ ざといたずらすることもあります。ウサギが遊びくたびれるまで遊んであげら れるとよいのですが、人間の方が先に伸びてしまうこともあるかもしれません ね。
- (3)好奇心・遊び
- ウサギは臆病ですが、好奇心の強い動物でもあります。その好奇心の対象を 掘ったりかじったりします。従って、いたずらは自分で興味をもった物に集中 します。
かじられて困るものでなければ、そのまま好きなようにさせるのがよいでし ょう。また、代わりにかじって遊べる玩具を与えるのもよいでしょう。
できます。野生のアナウサギも穴の内外でトイレを決めているようですので、犬猫 と同様にトイレのしつけをすることができます。但し、個体差もあり、数日で覚える ウサギも、数カ月かかるウサギもいますので、根気よく教えて、できるまで見守って あげましょう。しつけはウサギを連れて来た瞬間から始まります。トイレの場所と食 事の場所は最初にきちんと決めておきましょう。すぐには覚えないのが、普通のウサ ギです。オシッコをトイレにできるようになったら、優秀です。
- (1)トイレの場所
- ウサギには、隅のほうでトイレをする習性がありますので、ゲージの隅、部屋 の隅、小屋の隅などをトイレの場所にしてあげましょう。
トイレ用の器具として、猫用のトイレや、浅いトレイ等が使われることが多いよ うですが、床にスノコ付きのケージでは特に用意せず、そのままケージの下のト レイに落とさせる方法が取られることが多いようです。
いずれの場合も、トイレの場所にはペット用のシーツや、猫の砂(または木屑) などを敷いたりしておくと、後始末が簡単になります。(ペットシーツや猫の砂 をウサギが食べる時は金網でカバーをするなどの対策を)
- (2)トイレのしつけ方
- 基本的には犬猫と同じです。根気よく繰り返し覚えさせます。最初は、排泄物 の臭いがトイレに強く残るような方法をとります。これは、ウサギにトイレの場 所を自覚させるためです。
以上を根気よく繰り返せば、きっとトイレを覚えてくれます。
- オシッコをしみ込ませた新聞紙・ワラ等を、トイレとさせたい場所、容器に 置きます。
- 他の場所での粗相の跡は、ペット用の消臭剤などでその都度完全に拭き取ります。
- 粗相した場合は、直ちに「駄目よここは。」「こっちでしてね。」と声をか けながら、トイレまで連れて行きましょう。
※ウサギがトイレを自覚するまで、トイレを置いてある部屋だけで放すの もよいでしょう。トイレまで距離がありすぎると、ついその部屋の隅で 粗相をしてしまいがちですから。- トイレ・トレーニング中は、ウサギをよく観察して、粗相の前にトイレへ連 れて行ってあげましょう。
- 上手にできたときなどは、誉めてあげましょう。(誉め方については 次の 5 参照)
- (3)トイレのタイミング
- 一番難しいのが、ウサギのオシッコタイムはいつか、と言うことです。遊んでい る最中に、動きが止まってうずくまり、おしりをピッと持ち上げそうになったら オシッコのサインです。最初は難しいのですが、よく観察していれば、だんだん 判るようになります。フンの方は立ち止まらなくてもぽろぽろ出ますので、分か りにくいでしょう。
基本は2つ。声に出してほめてあげる事と、スキンシップです。以下の2つの項目 をいろいろ組み合わせてほめてあげましょう。抱き上げて、声で誉めながらなでてあ げると最高でしょう。
その他に好物の餌をあげるという手もあります。
- (1)声に出して誉める
- 人間の赤ちゃんと同じで、「えらいね〜!」、「いい子だね〜!」などと、 うれしそうに、ちょっと大げさかなと思うくらい言葉で誉めてあげましょう。
- (2)スキンシップ
- 優しく抱き上げる。
- ウサギの喜ぶ所をなでたり、掻いたり、揉んだりしてあげる。
鼻先から眉間の鼻筋、耳の付け根(ウサギが足で掻くとこ)、耳の付け 根の間など。- 鼻面やあご、背中などをなでて(マッサージして)あげる。