婚約不履行による慰謝料請求の管轄裁判所は

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Last update 2013.11.9mf

相談

私は、1996年からアメリカのロスアンゼルスにある大学に留学しました。そこで、同じく日本から留学していた日本人の留学生と知り合い、交際するようになり、肉体関係を持ちました。3か月後、私は彼と婚約しました。
その後、私が妊娠したことがわかり、彼に伝えました。彼は子どもを堕ろすよう求めるので、私は仕方なく、日本に一時帰国し、子供を堕ろしました。以来、私は、夜、眠れなくなり、睡眠薬を使うようになりました。
私が日本(東京)に帰国後、彼も日本(大阪)に帰りました。最近、友人の話から、彼が他の女性と結婚したことを知りました。
私は悔しいので、彼を訴え慰謝料を取りたいのですが、できますか。
訴える裁判所はどこになりますか
彼にはお金を 90 万円貸してあります。これも返してもらいたいのです。
相談者は、法律事務所を訪れ、弁護士と相談しました。

回答

まず、婚約不履行ですが、いつ、どこで、どのような結婚の約束があったのかはっきりしません。それを明確にしていただかないと、正確にお答えできません。妊娠しただけでは婚約とは言えません。
明確な婚約(将来結婚するの合意)があった場合は、婚約不履行による損害賠償(慰謝料)を請求ができます。婚約不履行の場合の慰謝料は 100 万円から 150 万円位です。
相手が争わない場合とか、裁判に欠席した場合は、婚約の成立については、裁判所はあなたの主張(金額は裁判所が判断します)を認めます。
相手が争った場合には、婚約については、結納、友人等の証言、手紙、婚約指輪などで証明する必要があります。そのような証拠がなくても、あなたが法廷で事実を述べて、それで婚約の成立を認定してもらう方法もあります。 貸金については、借用書、振込票などで証明する必要がありますね。

慰謝料請求と貸金請求は、金銭債務ですので、債務履行地は債権者(あなた)の住所地です(民法484条)。従って、管轄裁判所は、あなたの住所地の裁判所(民事訴訟法5条1号)である東京地方裁判所、あるいは、相手(被告)の住所地を管轄する裁判所である(民事訴訟法4条1項)大阪地方裁判所です。
あなたにとっては東京地方裁判所に訴えを提起する方が便利でしょう。
この件は、家庭裁判所に訴えを提起することはできませんが、家庭裁判所に調停の申立をすることはできます。その場合は、相手の住所地の家庭裁判所が管轄裁判所です(家事事件手続法245条1項)。

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Feb. 12, 1999
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